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出世レースパドック (※)
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深夜のオフィスはしんと静まり返って、働き方改革と謳う都内の会社も沈黙を守っていた。ひとつ、そしてまたひとつ、会社の明かりが消えて、その代わりに夜空に星が増える。
不夜城と呼ばれたこの会社も国の命令とあらば背くこともできず、俺と俺の股間に顔を埋めるセクハラ上司以外には誰も残ってはいなかった。
「働き方改革って知ってます?」
俺は上司の笹ヶ峰に質問をしてみた。
「知っているけどこれは藤子にとっては残業なの?」
「そうですね、正直言って笹ヶ峰さんのこと全然タイプじゃないんですよ。あとフェラ全然気持ちよくないです」
ふふっと笹ヶ峰が笑いまた俺のものを咥える。俺の勤めるこの会社は古き良き大企業で、社内政治がものをいう体育会系の化石のような会社だった。上司が自分のお気に入りで周りを固めるのは仕事をやり易くするには理にかなった方法論だし、この会社では当然の処世術だった。
異動してそこそこの俺にとって、笹ヶ峰とのコネクション作りは急務であったが、まさかこんなことになるとは思わなかった。笹ヶ峰は咥えていた俺のものを出して俺を見つめた。
「別にこんなことさせなくたって、藤子だったら出世できるだろ?」
「なんか勘違いしてるみたいだから言っておきますけど、出世以外の理由でこんなことさせませんよ。それにもう少し慎重に発言してくださいよ。その気になったらセクハラで訴えて出世レースから強制退場もさせられるんですよ?」
笹ヶ峰は自分のベルトを外して自分を慰めはじめた。俺はため息をついて、笹ヶ峰の頭を自分に引き寄せる。
「んっ……んっ……」
笹ヶ峰が俺を咥える口の隙間から声を漏らす。無性に腹が立って頭を掴んで引き剥がした。
「俺がこんなことしなくても出世できるんだったら、なんでこの前期の評価の時、昇進しなかったんですか?」
笹ヶ峰は息をつまらせながら懇願するようにごめん、と言う。昇進できない理由は知っていた。会社の出世には椅子取りゲームのように椅子の数が限られている。前期、俺が商談をとって来れなかったせいでチーム全体の椅子を減らされた。それを笹ヶ峰が責めずに相変わらずこうやって俺のものを咥え込んでるのが腹立たしかった。
「もう……セクハラで訴えていい……」
笹ヶ峰は自分を慰めてた手を止めて寂しそうに言う。
「なんで素直に俺のせいだって言えないんですか?」
俺は笹ヶ峰を押し倒して馬乗りになった。笹ヶ峰は顔を背けて俺を見ない。
「俺のせいだって言ったら抱いてあげますよ。ずっとそうして欲しかったんでしょう?」
笹ヶ峰のスーツをずり下ろして、後ろの孔を指で摩った。笹ヶ峰は顔を背けて自分を慰めようと手を伸ばしてきたので俺はそれを膝で踏んだ。
「素直に言えよ! お前のせいだって!」
「素直になれと言われても……」
俺が怒鳴ったら笹ヶ峰は急に全身の力を抜いた。踏まれてない方の手で胸を軽く押して、俺に退けと指示をした。そのまま笹ヶ峰は立ち上がり身なりを整えながら言う。
「セクハラで訴えていい」
立ち去ろうとする笹ヶ峰の手を掴んで引き寄る。そのまま抱き寄せた時に、自分は一体なにをしているのだろうと疑問を抱いた。その疑問を抱えながら、笹ヶ峰に唇を重ねる。
唇を離した後も全く疑問が解消されなかったので、今度は笹ヶ峰の口の中に自分の舌を入れてみた。恐る恐る俺の舌を探る笹ヶ峰の舌を思いっきり吸う。
「セクハラで訴えられたくなかったら、今日は泊まらせてください」
「別に俺はそんなに怖がってないよ? 藤子みたいないい男からセクハラで訴えられるの……」
「どうしてそこで素直に肯けないんですか。そういうグズグズに優しいところが大嫌いなんですよ」
「出世できないから?」
そう首を傾げる笹ヶ峰の唇をまた強引に奪った。
―――――――――――――――――――――――――
お題:「素直になれと言われても」
不夜城と呼ばれたこの会社も国の命令とあらば背くこともできず、俺と俺の股間に顔を埋めるセクハラ上司以外には誰も残ってはいなかった。
「働き方改革って知ってます?」
俺は上司の笹ヶ峰に質問をしてみた。
「知っているけどこれは藤子にとっては残業なの?」
「そうですね、正直言って笹ヶ峰さんのこと全然タイプじゃないんですよ。あとフェラ全然気持ちよくないです」
ふふっと笹ヶ峰が笑いまた俺のものを咥える。俺の勤めるこの会社は古き良き大企業で、社内政治がものをいう体育会系の化石のような会社だった。上司が自分のお気に入りで周りを固めるのは仕事をやり易くするには理にかなった方法論だし、この会社では当然の処世術だった。
異動してそこそこの俺にとって、笹ヶ峰とのコネクション作りは急務であったが、まさかこんなことになるとは思わなかった。笹ヶ峰は咥えていた俺のものを出して俺を見つめた。
「別にこんなことさせなくたって、藤子だったら出世できるだろ?」
「なんか勘違いしてるみたいだから言っておきますけど、出世以外の理由でこんなことさせませんよ。それにもう少し慎重に発言してくださいよ。その気になったらセクハラで訴えて出世レースから強制退場もさせられるんですよ?」
笹ヶ峰は自分のベルトを外して自分を慰めはじめた。俺はため息をついて、笹ヶ峰の頭を自分に引き寄せる。
「んっ……んっ……」
笹ヶ峰が俺を咥える口の隙間から声を漏らす。無性に腹が立って頭を掴んで引き剥がした。
「俺がこんなことしなくても出世できるんだったら、なんでこの前期の評価の時、昇進しなかったんですか?」
笹ヶ峰は息をつまらせながら懇願するようにごめん、と言う。昇進できない理由は知っていた。会社の出世には椅子取りゲームのように椅子の数が限られている。前期、俺が商談をとって来れなかったせいでチーム全体の椅子を減らされた。それを笹ヶ峰が責めずに相変わらずこうやって俺のものを咥え込んでるのが腹立たしかった。
「もう……セクハラで訴えていい……」
笹ヶ峰は自分を慰めてた手を止めて寂しそうに言う。
「なんで素直に俺のせいだって言えないんですか?」
俺は笹ヶ峰を押し倒して馬乗りになった。笹ヶ峰は顔を背けて俺を見ない。
「俺のせいだって言ったら抱いてあげますよ。ずっとそうして欲しかったんでしょう?」
笹ヶ峰のスーツをずり下ろして、後ろの孔を指で摩った。笹ヶ峰は顔を背けて自分を慰めようと手を伸ばしてきたので俺はそれを膝で踏んだ。
「素直に言えよ! お前のせいだって!」
「素直になれと言われても……」
俺が怒鳴ったら笹ヶ峰は急に全身の力を抜いた。踏まれてない方の手で胸を軽く押して、俺に退けと指示をした。そのまま笹ヶ峰は立ち上がり身なりを整えながら言う。
「セクハラで訴えていい」
立ち去ろうとする笹ヶ峰の手を掴んで引き寄る。そのまま抱き寄せた時に、自分は一体なにをしているのだろうと疑問を抱いた。その疑問を抱えながら、笹ヶ峰に唇を重ねる。
唇を離した後も全く疑問が解消されなかったので、今度は笹ヶ峰の口の中に自分の舌を入れてみた。恐る恐る俺の舌を探る笹ヶ峰の舌を思いっきり吸う。
「セクハラで訴えられたくなかったら、今日は泊まらせてください」
「別に俺はそんなに怖がってないよ? 藤子みたいないい男からセクハラで訴えられるの……」
「どうしてそこで素直に肯けないんですか。そういうグズグズに優しいところが大嫌いなんですよ」
「出世できないから?」
そう首を傾げる笹ヶ峰の唇をまた強引に奪った。
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お題:「素直になれと言われても」
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