林檎の蕾

八木反芻

文字の大きさ
上 下
50 / 82
ご『“友だち”の有効活用/なれる夏』

5 喫煙仲間のオアシスで

しおりを挟む
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

あなたのやり方で抱きしめて!

小林汐希
ライト文芸
2年2組の生徒:原田結花(16歳 高校2年生) 2年2組の担任:小島陽人(25歳 教師歴3年目)  小さな頃から自分に自信を持つことができなかった原田結花。  周囲が恋愛話に盛り上がっていても自分には関係がないといつも蚊帳の外。学級委員という肩書も、それは他に立候補する人がいないから、自分が引き受ければ事が進むという消極的な理由。  そんな彼女が高校2年生の始業式の日の放課後、偶然に教室に忘れものを取りに来た陽人を人生で初めて意識してしまう。一方の陽人も結花には他の生徒とはどこか一線を越えたもの感じていた。  そんな毎日を送る結花に、高校2年生の冬に治療をしなければ命にかかわってしまう病気を告げられてしまう。  手術は成功するものの、根拠もない噂を流された結花は孤立して追い詰められてしまう。  そんな彼女の味方でいたのは一人の親友と、担任の陽人だった。  陽人は結花を絶対に自らの手で卒業させると決意をするも、周囲の環境に耐えきれなくなった結花は自らの学生としての道を閉ざし、その事実を知った陽人も彼女を追うように教職を辞めた。  そんな二人が再会したのは、結花の母親の友人が開いているカフェレストラン。  お互いの気持ちは同じ。言葉には出ないけれど「今度こそ失敗したくない」。  「教師と生徒」というタブーとも言われてしまう関係を、互いに身を引くことで結果的に突き破った。  それでも、二人の前には乗り越えなくてはいけない問題がいくつも立ちはだかる。  初めての恋心に何度も自信を失いかけた結花の手を陽人は引き続ける一方、陽人にも誰にも話していない過去を持っており、唯一それを話せたのは彼女だけ。  それでも、結花は「中卒では先生の隣に立つには申し訳ない」と奮起。  陽人の海外転勤を機に、二人は一時の寂しさを抱えながらも一つの約束を交わした……。  途切れそうな儚い赤い糸を何度も必死に守り抜いた不器用な二人の物語です。 (表紙画像はCanva様よりフリー素材を使用しております)

月と影――ジムノペディと夜想曲

永倉圭夏
ライト文芸
 音楽を捨て放浪する音大生「想」は冬の函館にフリーターとして身を置いていた。想は行きつけの居酒屋「冨久屋」で働く年上の従業員、すがちゃんに心温まるものを感じていた。  そんな中、駅に置かれているピアノを見つけた想。動揺しながらも、そこでとある女性が奏でるショパンの夜想曲第19番の表現力に激しい衝撃を受ける。それに挑発されるように、音楽を捨てたはずの想もまたベートーベンの月光ソナタ第三楽章を叩きつけるように弾く。すると夜想曲を奏でていた女性が、想の演奏を気に入った、と話しかけてきた。彼女の名は「藍」。  想はすがちゃんや藍たちとの交流を経て絶望的に深い挫折と新しい道の選択を迫られる。そしてついにはある重大な決断をすべき時がやってきた。  音楽に魅入られた人々の生きざまを描いた長編小説。  些か読みにくいのですが、登場人物たちは自分としてはそれなりに魅力的だと思っています。  男性向けか女性向けかというと、消去法的に女性向け、と言えなくもないでしょう……

続く三代の手仕事に込めた饅頭の味

しらかわからし
ライト文芸
二〇二二年八月六日の原爆の日が祖母の祥月命日で奇しくもこの日念願だった「心平饅頭」が完成した。 そして七十七年前(一九四五年)に広島に原爆が投下された日で、雲母坂 心平(きららざか しんぺい)十八歳の祖母はそれによって他界した。平和公園では毎年、慰霊祭が行われ、広島県市民の多くは、職場や学校でも原爆が投下された時間の八時十五分になると全員で黙とうをする。  三代続きの和菓子店である「桔平」は売上が低迷していて、三代目の店主の心平は店が倒産するのではないかと心配で眠れない毎日を過ごしていた。 両親を連れて初めて組合の旅行に行った先で、美味しい饅頭に出会う。 それからというもの寝ても覚めてもその饅頭の店の前で並ぶ行列と味が脳裏から離れず、一品で勝負できることに憧れを持ち、その味を追求し完成させる。 しかし根っからの職人故、販売方法がわからず、前途多難となる。それでも誠実な性格だった心平の周りに人が集まっていき、店に客が来るようになっていく。 「じいちゃんが拵えた“粒餡(つぶあん)”と、わしが編み出した“生地”を使い『旨うなれ! 旨うなれ!』と続く三代の手仕事に込めた饅頭の味をご賞味あれ」と心平。 この物語は以前に公開させて頂きましたが、改稿して再度公開させて頂きました。

阿漕の浦奇談

多谷昇太
ライト文芸
 平安時代後期の宮中でめったに起きないことが出来しました。北面の武士佐藤義清と、彼とは身分違いにあたる、さる上臈の女房との間に立った噂話です。上臈の女房が誰であったかは史書に記されていませんが、一説ではそれが中宮璋子であったことが根強く論じられています。もし事実であったならまさにそれはあり得べからざる事態となるわけで、それを称して阿漕の浦の事態という代名詞までもが付けられているようです。本来阿漕の浦とは伊勢の国の漁師で阿漕という名の男が、御所ご用達の漁場で禁漁を犯したことを云うのです。空前絶後とも云うべきそれは大それた事、罪でしたので、以後めったに起きないことの例えとして阿漕の浦が使われるようになりました。さてでは話を戻して冒頭の、こちらの阿漕の浦の方ですが仮にこれが事実であったとしたら、そこから推考し論ずべき点が多々あるようにも私の目には写りました。もの書き、小説家としての目からということですが、ではそれはなぜかと云うに、中宮璋子の置かれた数奇な運命と方やの佐藤義清、のちの西行法師の生き様からして、単に御法度の恋と云うだけでは済まされない、万人にとって大事で普遍的な課題があると、そう着目したからです。さらにはこの身分違いの恋を神仏と人間との間のそれにさえ類推してみました。ですから、もちろんこの物語は史実ではなく想像の、架空のものであることを始めに言明しておかねばなりません。具体的な展開、あらすじについてはどうぞ本編へとそのままお入りください。筋を云うにはあまりにも推論的な要素が多いからですが、その正誤についてはどうぞ各々でなさってみてください。ただ異世界における、あたかも歌舞伎の舞台に見るような大仕掛けがあることは申し添えておきます。

死神はリーゼント~奇跡のスーパーヒーロー~

さぶれ@5作コミカライズ配信・原作家
ライト文芸
宮野大祐、十七歳。職業・死神。特徴・特攻服を着た赤毛のリーゼント。特技・キセキを呼ぶ事。 飛び出して来た小さな子供を庇い、バイクに撥ねられ、この世を僅か十七歳で去ることになった不良・暴走族のリーダー、宮野大祐。(みやのだいすけ) そこに、死神と名乗る男が現れた。 『他の人間の魂を  7個集めれば、  お前はもう一度  生き返る事ができる。  なあ、  死神の仕事をやらないか?』 冗談じゃない! こんな所で 死ねるかチキショー!! 3ヵ月後に控えた 大ファンのアイドル、 今井江里のコンサートに行く為に、 生き返ることを決意する大祐。 不良、暴走グループ 『神風』のリーダー・宮野大祐。 時代遅れの長い特攻服をなびかせた、 赤毛のリーゼント死神・・・・いや、ヒーローが、 今、誕生する―― ライト文芸に投稿しようと思い、別サイトで連載、優秀賞を頂いた作品をリメイク、連載していきます。 こちらも是非、応援して下さい。

最も死に近い悪女になりました(完)

江田真芽
ファンタジー
 10歳からの10年間、魔女に体を乗っ取られていたサマンサ・ベル・カートライト。彼女は20歳の誕生日に、稀代の魔女から体を解放された。 「もう死亡フラグしかないから、あんたに体返すわ。ちょっと可哀想だし、楽しませてくれたお礼ってことであんたにリセット魔法をかけてあげるわね。指を鳴らせば1日3回、朝からリセットできるわ。ついでに処女に戻しておいてあげる。いや〜皇女として遊べるなんて、最高の10年だったわ。ありがとね。じゃあバイバ〜イ」  カートライト帝国の皇女であるサマンサは、魔女の好き勝手な行いにより帝国中から【悪女】と呼ばれていた。  死亡フラグしかない彼女は、果たして生き残れるのか?!そして、魔女のせいで悪女となった彼女は幸せになれるのかーー?!  哀れな皇女様のお話、はじまりです☆ 11/7完結しました^^

同期の御曹司様は浮気がお嫌い

秋葉なな
恋愛
付き合っている恋人が他の女と結婚して、相手がまさかの妊娠!? 不倫扱いされて会社に居場所がなくなり、ボロボロになった私を助けてくれたのは同期入社の御曹司様。 「君が辛そうなのは見ていられない。俺が守るから、そばで笑ってほしい」 強引に同居が始まって甘やかされています。 人生ボロボロOL × 財閥御曹司 甘い生活に突然元カレ不倫男が現れて心が乱される生活に逆戻り。 「俺と浮気して。二番目の男でもいいから君が欲しい」 表紙イラスト ノーコピーライトガール様 @nocopyrightgirl

想い出に変わるまで

篠原 皐月
ライト文芸
学生時代の恋人と若くして結婚し、若くして未亡人になってしまった玲。代わり映えしない彼女の日常に、思わぬ方向から転機が訪れる。カクヨム、小説家になろうからの転載作品です。

処理中です...