元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています

星乃びこ

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14. 変装した姿で元婚約者の弟とデートをすることになりました

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「お嬢様!絶対こちらの服がいいです!ノエル様の好みだと思います!」

自信満々でバッと私の前に立ち塞がり、手に持ったワンピースを差し出すルーナ。

その手には、フワフワとした白いワンピースが握られている。

レース部分は花の刺繍が施されていていかにも清楚な雰囲気で庇護欲をそそられた。

確かに、エレノアだったらあまり着る系統の服ではないし、可愛らしいけれど…。

「だから…。ノアとして行くのにノエル好みにしてもしょうがないでしょう?それに、これ以上あの姿でノエルに気に入られても私は複雑なんだから」

そう言って、断固拒否し、自分で選んだワンピースを握りしめる。

私が選んだのは、綺麗めなマーメイドタイプのブルーのドレス。

普段の私が着るシンプルな大人しめの系統だ。

「もうっ!お嬢様、エレノア様だってことノエル様にバレたくないのでしょう?その服はいつものエレノア様が好きな系統です!ノエル様ならすぐ気づいちゃいますよ?バレちゃってもいいんですか??」

「そ、そうかしら…」

「絶対バレます!いくらメイクとカツラしてたからって元の顔を変えるわけじゃないんですよ?雰囲気くらい変えないと、ノエル様そういうの鋭いと思いますよ」

ふんっと、ドヤ顔で自信満々のルーナにそう言われると、私もだんだん不安になってくる。

確かに言われてみれば、ただの変装。

整形でもしてるならまだしも、元の顔立ちを隠してるわけでもない。

つまり、いかにエレノアからかけ離れているかが求められているわけで…。

ちらりと、ルーナが掲げる白いワンピースと、自分の手元にあるブルーのワンピースを比べ、私は小さくため息を溢した。

「わかった、ルーナの言い分が正しいと思う。あなたに従うわ」

ソファにそっと、ブルーのワンピースを置き、私は渋々、ルーナから白いワンピースを受け取る。

「わかっていただけてよかったです。さ、約束まで時間がありませんわ。ちゃちゃっと準備してしまいましょうね。エレノアお嬢様?」

「……えぇ、そうね」

その後はもうされるがままだった。

白いワンピースに着替えた途端、ルーナはたった数十分でメイクとヘアアレンジを施す。
なんだか、技術がどんどん向上しているのは気の所為だろうか…?

ふと、気づけばエレノアの面影は薄くなり、ノアの完成だ。

今日は金髪の髪の毛をサラサラストレートにし、サイドを編み込んでいる。

メイクは、全体的にピンク系で柔らかい印象に仕上がっていた。

そして、服は先程のルーナが選んだ白いフワフワ系の可愛らしいワンピース。

エレノアっぽさは全くないし、これならノエルも長く一緒にいても気づかないでしょう。

鏡を確認し、私は納得したように、うんうんと頷いていると。

「お嬢様~。私の最高傑作です!ふふっ。これで惚れない男はいませんわ」

キラキラした瞳で私を見つめるルーナは、嬉しそうに微笑みを浮かべる。

「ありがとう。いつもながら完璧ね」

「こちらこそ。お嬢様はメイク映えしますから楽しいんですよ~、これからも時々はさせてくださいね。さて、そろそろ出発しませんと約束の時間に間に合いませんわ。それでは参りましょうか、お嬢様!17時には迎えに参りますので」


その後もテキパキと準備をしてくれるルーナに連れられ、私は屋敷の前に用意された街へのお忍び用で使う馬車に乗り込んだ。

「いいですか?時間は厳守ですよ、お嬢様。旦那様も今日は18時には帰宅されますからね」

「えぇ。今日は早く帰られるって前に言ってたものね。大丈夫、その前にはちゃんと戻ってくるから」

ルーナに向かって、窓からニコッと微笑むと。

「そしたら、出発してちょうだい」

御者に向かって声をかける。

「お嬢様、行ってらっしゃいませ」

軽く会釈して、私を見送るルーナを置いて馬車は颯爽と走り出した――。





「…ハァ」

ガタガタと、揺れる馬車内で私は小さくため息をした。

「この姿でノエルに会うのはやっぱり気が引けるわね…」

きっとノエルは、ノアのことを気楽に話ができる友人くらいに思っているのだろう。

けど、実はノアがエレノアだったなんてバレた日には…。

なんて嫌味を言われるかと、想像しただけで恐ろしい。

というか、私が逆の立場だったら絶対しばらくは口をきかないもの。

穏便に済ませるためにも、これ以上ノアの姿で彼に関わるべきではないのだ。

というわけで、今日の私の最終的な目標は、ノアとして会うのは最後だとノエルに伝えること。

「うまく話を持っていかないと。そして、あまり深入りせず色々、聞きすぎないようにしないと…」

こういう時にルーナがいると、心強いのだが今日は1人。

大丈夫よ、ちょっと話してお茶するだけ。
その時にタイミングをみて、もう会えないことを伝えるだけよ。

そう気持ちを奮い立たせた時。

「お嬢様、そろそろ街につきます。私は待ち合わせ場所にお嬢様をお送りした後、町外れに馬車を停めて待っておりますので」

馬車の外から御者に声をかけられた。

街中に入り、馬車は人気のない路地裏に入ると、ゆっくりと停車する。

「ありがとう。ちゃんと予定の時間には戻ってくるからね」

「承知致しました。エレノアお嬢様、お気をつけて行ってらっしゃいませ」

優しく送り出してくれた御者を横目に私は、待ち合わせのケーキ屋を目指し、大通りに向かって歩みを進めた。

…ちょっと早かったかな?

街中にある時計にチラリと目をやると、約束の時間よりも半刻ほど早い。

まぁ、お店の中に入って待っててもいいわよね。

流石にまだいるわけないもの。

そんなことを考えながら歩みを進め、ようやく、目的の場所が見えてきた時。

…!?

私は目を疑った。

遠目からでもわかるスラッとした長身。

白シャツに細身のズボンをはいており、いつもと比べると地味な格好なのだろうが…、

スタイル良すぎて、逆に目立ってる。

周りの女性たちもチラチラと、気にしながら通り過ぎていた。

それにしても…。ノエルってば、もう来てるの…?

もしや、時間見間違えた?

そう思い、再度近くの時計を確認するも。

…間違ってない、わよね?

何度確認しても約束の時間より、やはり半刻ほど早い。

とにかく合流したほうがいいわね。
時間は遅く来るよりちょっとくらい早いほうがいいわよ、うん!

自分の中で適当に整理をつけ、ケーキ屋の前で立つ彼に近づくと。

「…エル、お待たせ。私も早く着いちゃったって思ったけれど、もしかして待たせちゃった??」

控えめに声をかけた。

「いや、僕が早く着きすぎただけだから、気にしないで。それよりノア来てくれて嬉しいよ」

パッと、私の方に視線を向け、にこやかに微笑むノエルに少しだけドキッとした。

お、落ち着いて。今、私はノアなんだから。

「そ、そうだったの…。もういるから私、時間を間違ったのかなって焦っちゃった。あなたとの約束だもの、ちゃんと来るわよ」

平静を装い、私もニコリとノエルに微笑みかける。

ちなみに、一瞬、何時からいたか聞こうと思ったけれど辞めておいた。

「…実は、ちょっとだけ心配だったんだ。少し無理やり誘ってしまった感じがあったから、来てくれないかもしれないなって…」

「無理やりなんてことないわよ。この前はちゃんと話せなくて私も残念に思っていたし」

「君もそう思ってくれてたならよかった。じゃあ、店入ろうか?」

サッと店のドアを開け、私が入りやすいようにエスコートしてくれるノエル。

「あ、ありがとう」

お礼を言いつつ、素直に開けてくれたドアをくぐり、私は店内に足を踏み入れた。

なんか、ノアの時の方が扱いが丁寧な気がするの気の所為かしら?

いつも自分(エレノア)にしてくれるエスコートと比べて、やや扱いが丁寧な気がして少しだけモヤッとする。

「…ノア?急に立ち止まってどうかした?こっちの席開いてるよ」

そんな私の些細な変化に気づいたのか、声をかけてくるノエル。

「な、なんでもないの。ほんとだ~。窓側の席が開いてるなんて珍しいわね。景色も見れるから人気の席なのに…!」

私も結構このお店は常連なのだが、この席はいつもすぐに埋まっていて座れたことがない。

「天気もいいし、街並みを見ながら食べるのもいいわね」

「ほんとだね」

私達が席に座った瞬間、すぐに店員がやってくる。

「エル様、本日はご来店ありがとうございます。こちら、すぐにご用意いたします」

それだけ告げ、深々と頭を下げた店員はサッと足早に戻ってしまった。

…あら?注文を取りに来たんじゃなくて??

と、驚いている私を横目に。

「今日は、せっかくだから特別メニューにしてもらったんだ」

あっけらかんと、ノエルは笑顔でそう答える。

「特別メニュー?」

「そう。実は、この店普段のメニューとは違うケーキも出してくれるんだ」

「そ、そうなの!?」

ノエルのそんな情報に私は驚いて目を丸くした。

この店にそんなメニューがあるなんて初めて聞いた。

私だって相当常連なはずなのに…。

ノエルったら、どれだけ通ってるのかしら…。

「ま、楽しみにしててよ」

「え、えぇ…」

ドギマギする私をよそにフッと不敵に笑ったノエル。

そして、彼にそう言われた数分後――。

た、確かに。特別メニューなだけある!

私の目の前には、綺麗に盛り付けられたカラフルなケーキに、クッキー、チョコレート、スコーン、サンドイッチが並ぶ。

アフタヌーンティー形式なのね…!

見た目も可愛いし、何より全部美味しそうだ。

「すご~い!美味しそう!」

「だろ?事前に予約しないと頼めないんだ。ノアが喜んでくれて嬉しいよ。好きなの食べていいからね」

「ありがとう。それにしても特別メニューがあるなんてこの店結構来てるんだけど全然知らなかったわ。エルもかなりの常連客なのね!」

「まぁね」

お言葉に甘えて、目の前に並んだクッキーを口に運ぶ。

お、美味しい…。
サクッとしてて、バターの香りもいいし。
何より甘すぎなくて食べやすい。

これはルーナにも絶対教えないとだわ…!

しばらく夢中になって、食べ進める。

そして、次に目をつけたスコーンにも手をのばした瞬間、ハッと我に返った。

い、いけない。
流石に1人で、パクパク食べちゃうのわよくないわ!

そう思い、チラッと目の前に座るノエルに視線を合わせると。

「あ、エルも食べてね。私ばっかり食べちゃって申し訳ないし…。というか、何かとろうか??」

おずおずと提案してみる。

「こっちは気にしなくて大丈夫だよ。君が楽しそうに食べてるの見てるだけで満足だし」

「いや、でもそういうわけには…」

「わかった、じゃあそこにあるチーズケーキもらおうかな」

「チーズケーキね!任せて」

ノエルが希望するチーズケーキをそっとお皿にとりわけ、私は笑顔で手渡した。

その後は、お互い好きなものを食べつつ、アフタヌーンティーを楽しむ。
 
「そういえば、エル。この前ここで会った時に話したいって言ってたことはなんだったの?」

ようやくお互いの会話がはずみ始めたタイミングで、私はノエルに向かって、気になっていたことを尋ねてみた。

一瞬、私の問にキョトンとした表情をノエルは浮かべたが…。

「あぁ、そうだったね…」

と、なんとも歯切れの悪い言い方で。

…話しづらいのかな?

「…えっと。話したくなかったら、無理に話さなくても大丈夫よ」

そう思った私は、彼を気遣って声をかける。

「いや、そういうわけじゃないんだ。……実はさ、最近ようやく好きな子に告白したんだけど…ずっと、友達だったから相手はこっちの気持ち全然知らなくてね」

…ん?

「たぶん、驚かせてしまったみたいで。その告白後はまだ会えてないんだけどノアだったら、長年友達だと思っていた異性に告白されたらどう思う…?」

もしかしなくても、私(エレノア)の話よね?


真剣な表情のノエルとは対照的に、私は冷や汗が止まらない。

まさかの恋愛相談。

しかも自分のことなのだから。

「え、えっと…。それはその方もびっくりしたでしょうね」

「……やっぱり、そうだよね。困らせちゃったかな」

やや、間があって少し落ち込んだ様子の彼を見て、胸がチクンと痛む。

「で、でも!私だったらまぁ、最初はびっくりするでしょうけど、好きって言われて嫌な気持ちはしないわ」

「ノアはそう思う?」

「えぇ。だって、エルは真剣に想いを伝えたのでしょう?ただ、少し受け止めるために時間は必要かもしれないけれど…」

チラッとノエルの様子を見ながら、一生懸命答える私。

「そっか…。君にそう言ってもらえて安心したよ。ありがとね」

少し嬉しそうに目を細めて笑うノエルにホッと胸を撫で下ろした。

よかった、なんとか当たり障りなくアドバイスできたわ。私も、ちゃんと伝えないと…。

そもそもの目的である、今後は会えない旨をノエルに話さなくてはならないミッションが残っている。

「あ、あのね。私も実はエルに話しておかないといけないことがあって…」

「ん?…なに?」

「えっと、その実は…私、近くこの国を離れるの。だから、あなたと会うのも今日が最後になりそうで…」

「……どういうこと??」 

先程までの笑顔から一変、怪訝な表情のノエルに対し、私は用意しておいた台本を懇切丁寧に説明し始めた。





「…つまりは、勉強のためにもうすぐ隣国に留学に行く予定があって、数年は戻る予定がないってこと?」


「そうなの、エルとはせっかくお友達になれたばかりで残念ではあるけれど、前から決めてたことだから」

シュンと、肩を落とす演技で私は小さく下を向く。

内心では、これでミッションクリアだとホッと胸を撫で下ろしていた。

「…そっか。勉強のためならしょうがないね。君とは仲良くなれそうだったから僕も残念だけど…また会えるの楽しみにしてるから」

「…エル、ありがとう」


よかった、信じてくれたみたい。


少しだけ嘘をついたことで罪悪感があるが、バレるリスクを考えるとやっぱりこれ以上この姿で会うのはよくないものね。

「よかったら少し散歩しない?まだ時間は大丈夫?」

「えぇ、そうね。もう少しだけなら」

店内の時計を確認すると、ルーナと約束した17時までにはもう少し時間があった。

ノエルに促され席を立ち、店の出口に向かう途中。

「ありがとうございました、またのお越しをお待ちしております」

と、店員に見送られ私達。

…あら、そういえばお会計…。

ふと、そう思ったが、おそらくノエルがすでに払ってくれていたのだろう。

今回は彼の好意に甘えることにした。

今度、エレノアの姿で何かノエルと会うときお土産でも持っていきましょう。

店を出たのは16時少し過ぎ。

街中には、夕飯の買い物をする主婦の姿がチラチラと目に入る。

賑やかね、この時間帯は。

普段なら、こんな時間に街中にいることがない私にとっては物珍しくてキョロキョロあたりを見回してしまう。


「興味津々って感じだね、ノア」

「えぇ。あまりこの時間帯に街中を散歩することなんてなくて、活気があって楽しそうね」

パンの焼けるいい匂いが私の鼻腔をくすぐった。

「ちょうど今がいちばん、買い物客が多いから迷子にならないように、ね?」

ギュッ。

そう言うと、ノエルは私の手を優しく握る。

「…もう。エルったら私、子どもじゃないから大丈夫よ」

一瞬、ドキッと胸が高鳴ったが、なんとか平静を装い誤魔化すように笑みをこぼす。


「まぁまぁ、今日が最後なんだから。ほら、ぶつかるよ」

すれ違いざま、人にぶつかりそうになる私の身体をノエルが引き寄せる。

び、びっくりしたわ…。

「あ、ありがとう」

小さくお礼を述べ、私は素直にノエルの近くに身体を寄せた。

人混みに慣れてない私は下手をすると本当に迷子になりかねなないと判断したのだ。

しばらくは、お互いに賑やかな街並みを楽しみながら歩みを進める。

他愛もない会話をしながら、ノエルと歩くのは、とても楽しくて。

「ほら、リック!もうすぐ17時の鐘がなるぞ。早く家に帰らないと母さんに叱られる」

「待ってよ、兄ちゃん!」

パタパタと、横を駆け抜けていく幼い兄弟の会話が耳に入ってきて気づいた。

…そろそろ、約束の時間だ。

「あの、エル…私、そろそろ帰らないと」

「そうだね。もうこんな時間か」

楽しい時はあっという間。

西の空をみると、日が沈みかけており、あと数刻もすれば暗くなるだろう。

…ノエル、今度はエレノアとして貴方と出かけたいわ。

「それじゃあ、エル、元気でね。今日はありがとう。好きな人と上手くいくことを祈ってるわ」

「こっちこそ、君にそう言ってもらえると心強いよ。ノアも元気で」

握っていた手をスッと同じタイミングで、お互いに離す。

「さよなら」

私はポツリと呟き、ノエルに向かって小さく手を振った。





「お嬢様、お帰りなさいませ」

「ただいま、ルーナ」

その日、父が帰ってくる前に私は無事に屋敷へたどり着く。

ルーナも帰ってきた私を見て、ホッと安堵の表情を浮かべた。

「よかったです。時間通りに帰っていらっしゃるかこっちもソワソワしてました。それで、ノエル様とのデートはいかがでした??」

「そうね…。楽しかったわよ」

「それはよかったです!でも、これでしばらくお嬢様に変装メイクできないのはちょっと寂しい気もしますが…」

もう、ノアにはならない。

さっき、ハッキリとルーナに告げたものだからきっとガッカリしているのだろう。

「まぁまぁ。そうね…。金髪じゃなかったら考えるわ」

「…!!わかりました、それでしたら新たなカツラを注文しなければ!あ!男装なんてのもいいですね~。ショートカットのカツラも頼んでおこうかしら」

1人で、構想を練っているルーナを横目に私は今日の出来事を思い返していた。

思いがけず聞いてしまったノエルの悩み。

私に告白した後、あんなに気にかけてくれているなんて予想もしていなかったから、嬉しくてつい頬が緩んでしまう。

今度、ノエルと会った時、ちゃんと私の気持ちを伝えないとね。

真っ直ぐ、私に想いを伝えてくれたノエルに私もきちんと応えたいもの。

心の中で決心し、私は小さく笑みをこぼしたのだった。
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