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11. 手紙を隠していた犯人が見つかりました(後編)
しおりを挟む時刻は昼を過ぎ、ティータイムの時間に差し掛かろうとしていた。
そんな中、私は1人自分の部屋で優雅にルーナが入れてくれた紅茶を嗜む。
今日の茶葉は、ダージリンかしら?
なんて、ゆっくりした1人の時間を過ごしていた時。
「お、お待ち下さい。お嬢様に確認を取らなくては…」
「…旦那様がいらっしゃない日に限ってこんな」
そんな、ルーナやアリスの慌てた声に合わせて私の部屋のドアがバンッと勢いよく開く。
驚いて自室の入口に視線を向けると。
「…エレノア!会いたかった」
そこには、笑みを張り付けた元婚約者リアム・コックスの姿があった。
…少しお痩せになったみたいね。
覇気がまるでない疲れたような表情のリアムは、以前の生き生きした彼を知っている者からするととても同一人物だとは思えないだろう。
「…エレノア。本当にすまなかった、僕がどうかしていたんだ…。本当に…何でこんなことに…」
私の姿を確認し、頭を伏せ、後悔していると述べる彼の姿に心が痛まないと言えば嘘になる。
…こんな、姿見たくなかったわ。
ただ、過ちを犯したのは彼。
それを許せるほど私も大人ではないし、もうすでに私の気持ちは彼にはない。
リアムの姿を見て、それを再認識した。
「リアム様。申し訳ありませんが、今から予定がありますの。お引取りお願いします」
自分の口から出た言葉だがあまりにも素っ気なくて自分自身に少し驚く。
「前もお話しましたが、今、リアム様が考えないといけないのは私ではなくて、シャーロットとのことなのではないですか?それに、私はすでに貴方との婚約は破棄しております。つまり、もう婚約者ではありません。どうか、お引取りください。事を大きくしたくないので」
謹慎中なのか、はたまた謹慎が明けたばかりかはわからないが、彼が私に会いに来ること自体あってはならない。
しかも、約束を取り付けたわけでもないのに。
これ以上のゴシップは、彼の今後の人生にさらに重くのしかかかる。
そう考え、努めて何もないように冷静に対処しなければと私なりの最大限の優しさだった。
しかし、そんな小さな気遣いも今のリアムには届かなかったようだ。
「…っ、やっぱりな。怪しいと思ってたんだ」
「何のお話ですか?」
唐突なリアムの言い草に思わず聞き返す私。
すると。
「俺との婚約破棄後、すぐにノエルと婚約なんて普通ありえないだろう?世間ではえらく祝福されてるみたいだが、つまりはアカデミーで、俺という婚約者がいながらノエルと浮気でもしてたんじゃないのか?」
せせら笑うように、そこまで言うと、リアムは立ち上がり私の方に向かって歩き始める。
「…お前たち二人は昔から仲が良かったもんなぁ。まさか、こんな結果で裏切られるとは思わなかったよ…。はは、ノエルも兄から婚約者を奪うなんてな」
「リアム様、私とノエルは貴方が考えているような関係ではありません。アカデミー時代は本当に仲の良い友人として彼は私と接してくれてました。それに、婚約のことを持ち出したのも、貴方との婚約破棄が成立してからです。貴方よりずっと誠実だと思いますわ」
正直、揚げ足を取ったような彼の幼稚な言い訳に付き合うつもりはさらさらなかった。
それに私の悪口だけなら、まだ我慢できた。
けど、自分の実の弟にまで責任転嫁したような言い草リアムに心底腹が立つ。
「……ハッ。今さら言い訳したって遅いぞ」
私が言い返してくるなんて思いもしなかったのかリアムは少し焦ったように口籠る。
「お言葉ですが、まぁ、私のことだからありえないお話ですけれど……。百歩譲って私とノエルが浮気をしていたとして…貴方に責める権利はあるのでしょうか?それに、シャーロットとのことも、私とのことも曖昧にしようとしていらっしゃるリアム様の何倍も、一途に想いを伝えてくれたノエルの方が素敵でした。だから私も彼との婚約を承諾したのです」
「…っ」
「今のリアム様はご自身の身の安全を最優先に考えて誠実さに欠けているようですわね。貴方と婚約をする気はこれっぽっちもありませんの。お引取りを」
ジッと、真っ直ぐに彼の目を見つめ、私はそう言い放った。
「…こそこそ二人で手紙のやり取りまでしていたくせに…!知ってるんだからな。アカデミーを卒業した後も毎日のように手紙を送り合っていたことを、それはどう言い訳するんだ」
まるで、言い訳できまいとでも言いたいのか、リアムは、ドヤ顔で勝ち誇っている。
…本当に呆れたわ。
「…ハァ…友人なんですから手紙くらい出します。別に私はやましいことなんて書いてませんし、そんなに気になるなら中身を確認して頂いても…」
構いませんから、と言おうとして私はふと違和感に気づいた。
「リアム様はどうして私とノエルが手紙のやり取りをしていることを知ってらっしゃるの?…私、貴方にその話したことありませんけど…」
別に隠すことでもないが、わざわざ言う必要もないので私からリアムに話した覚えはない。
それに、手紙のやり取りは私とノエルの直接のやり取りだ。
ノエルは、コックス家にいなかったわけだからリアムが手紙の存在を知る余地はないはず。
「そ、それは、ノエルから聞いて…」
「ノエルは最近帰ってきたばかりですよね?それに私と同じでわざわざ貴方に手紙のこと話すとは思えませんわ」
「……だ、だから」
しどろもどろになるリアムの様子に私は、ある仮説を立てていた。
「もしかして、リアム様なんですか?私とノエルの手紙が届かなくなった原因は…」
ピクッ。
一瞬、リアムの身体が固まるのを確認し私は小さくため息をこぼす。
「そうですか…。リアム様だったんですね」
おかしいと思っていた。
きちんと出していた手紙が急にお互い届かなくなるなんて。
本当に誰かが故意に手紙が届かないようにしていて、しかも、その犯人がリアムだったとは夢にも思っていなかった。
「…ハァ。そうだよ。もうここまでバレてるなら隠したってしょうがないか」
ハハッと、乾いた笑いを浮かべるリアムは、気だるげに近くのソファにドサリと腰を下ろす。
「どうしてそんなことを…」
「どうして?そりゃ、自分の婚約者がこっそり手紙を弟と送り合ってるなんて見逃せるはずないだろう?」
「…それだったら、そんなことしなくても…。私に直接言ってくださればよかったのに。それに、私の手紙をどうやって回収していたんです?」
「それは簡単。君たちの身近な人に頼めばいいんだよ。そうだなぁ、エレノアの場合は、側近の侍女とか…?なぁ、アリス」
急に出てきたアリスの名前に私は、未だにルーナと部屋の入口に佇む彼女を見つめた。
話題に上がったアリスの顔は、血の気が引いたように青ざめている。
「アリス…どういうこと?」
できる限り、いつも通り彼女に言葉をかけてみるも。
「…も、申し訳ありませんでした…!私が手紙を隠していたのは事実でございます」
と、小さな身体を震わせ、顔面蒼白な彼女は絞り出すように謝罪の言葉を呟くのみ。
それ以上は何も語ろうとしなかった。
「アリスが…まさか、そんな」
隣に控えていたルーナがそう小さく呟いて、目を見開く。
「…リアム様が命じたのですか?」
何に怯えているのか、未だに何も答えようとしないアリスから私は、質問の矛先をリアムにかえた。
「まぁね。ちょっと優しくしてやれば、簡単に頼みを聞いてくれるからさ。重宝してたよ、アリス」
クスリと、小馬鹿にしたように笑うリアム。
アリスはというと、うつ向いたまま静かに身体を震わせ、何とか泣くのを堪えているように見えた。
「それにしても、側近の侍女が主の手紙を持ち出したのも気づかないなんて…。ビクター家の従者たちも大したことないんだな」
ピクッと、ルーナの眉が上がる。
表情を崩さないのは流石だが、内心かなり怒っているのが伝わってくる。
…言いたい放題ね。
従者という立場からルーナもアリスもその他の使用人も彼には何も文句は言えないのをいいことに…。
「リアム様、手紙の件について私はアリスのことを責めるつもりはございませんわ」
「…は?」
「そんなことより、そんな命令をアリスに命じた貴方みたいな卑劣なやり方に虫唾がはしります」
うふふ、と微笑んではいるものの内心腹わたが煮えくり返る思いだ。
私、こんなに腹が立つのは始めてだ。
虫唾がはしるなんて言葉を使うのも始めて。
私がそんな言葉を言うとは思わなかったのだろう。
鳩が豆鉄砲を食ったような表情で私を見つめるリアム。
そんな彼に、私は畳み掛けた。
「…というわけですので、アリスに対して私は特に言及も致しませんし、かつ貴方の顔を見るのは不愉快です。早々に出ていってください。元々、私貴方を屋敷に招待した覚えはありませんもの」
優雅に笑みを浮かべつつも、毒を吐く私にルーナは、肩を小刻みに震わせ笑いを堪え、アリスは驚いて目を見開いている。
「…し、失礼な」
「失礼?それは招待も受けずに来たリアム様のことじゃありません?」
カッと、怒りに顔が朱に染まる彼に対し、冷静に対処する私。
…悪いけど口でリアム様に負ける私じゃありませんから。
先程までの優勢な立場から、どんどん自分が不利になっていくのにようやく気づいたのだろう。
リアムは悔しそうに私を睨みつけている。
そして、徐に立ち上がり。
「…こっちが下手に出ていれば…!つけあがって」
と、なんとも悪役らしいセリフを吐き、私に向かって手を振り上げた。
「エレノアお嬢様!」
アリスは、恐怖で身体が動かないのか、ヘタリと膝から崩れ落ちる。
「リアム様、おやめください!!」
ルーナや近くの執事たちは、彼の暴挙を止めようと走り出すが、私はそれを目で制した。
いいわよ、殴りたきゃ殴りなさい。
でも、一生後悔させてやるんだから。
彼の手が振り下ろされる瞬間を確認し、ギュッと、目をつぶり、痛みに耐える準備をした。
…あら?
しかし、予想していた痛みは数秒待ってもやってこない。
恐る恐るつぶっていた目を開くと。
「……っ!」
そこには、リアムの振り上げた手を掴むノエルの姿があった。
「…ノエル、お前がなんでここに。…っ、放さないか。兄に向かってなんの真似だ」
「…兄さんこそ、僕の婚約者に向かってなんの真似ですか?」
酷く冷めたノエルの声が部屋に響いた。
ノエルは、そのままリアムの腕を振り払い私との間に壁を作るように立ちふさがる。
「…父上にも報告させてもらいます。さっさと屋敷に戻らないと、本当に取り返しがつかないんじゃないですか?リアム兄さん」
「…っ、覚えてろよ」
最後に捨て台詞を吐き、くるりと踵を返すとようやくリアムは部屋を出て行った。
❥
「お、お嬢様~。何であんな挑発するようなことをおっしゃるんですか!しかも、意図的に殴られようとなさるなんて…私はもう寿命が縮みましたよ!どれだけ心配したか…」
リアムがいなくなった後、すかさず私のもとにかけてきて、矢継ぎ早に説教をするルーナ。
しかし、彼女の目が潤んでいるのを見て本当に心配をかけたのだと感じた。
「ご、ごめんなさい。ルーナ。心配かけた私が悪かったわ。でもね、一発殴られたらあとは色々こっちから訴訟なりなんなりできるなぁ、なんて…」
「そういう問題じゃありません!!ノエル様が来てくださらなかったら今頃どうなっていたか…ノエル様本当にありがとうございます。従者を代表してお礼を致します」
ノエルに向き直り、ルーナは深々と礼をする。
「…いや、婚約者を守るのは当然のことだ。ルーナ、顔を上げてくれ」
落ち着いた口調で話すノエルの声を聞くと、さっきまでの怒りが嘘のように落ち着くのを感じた。
…でも、本当にルーナの言うとおりだわ。
ノエルが来てくれなかったら今頃…。
あの時は、一発くらいと覚悟を決めて目を閉じたが、今思い出すと少し怖くなる。
それにしても。
「…ノエル、私からもお礼を言わせて。ありがとう、本当に助かったわ。だけど、どうして急にここに?まさかリアム様がここに来ることを事前に知ってたわけじゃないわよね??」
今日は、別にノエルと会う約束をしていたわけでなかったし、何故こうもタイミングよく駆けつけられたのか気になっていた私は、首をかしげて問いかける。
「…あぁ。それは君の優秀な使用人たちのおかげ。兄さんがやって来たのを急いで僕に知らせに来てくれたんだよ」
「そう、だったの…。皆が…」
私を心配して、ノエルを呼びに行ってくれたのね。
使用人たちの賢明な判断と優れた行動力のおかげで私は今こうして無事に立っているわけだ。
「…皆、ありがとう。あなた達のおかげで私も無事よ、こちらが指示を出す前に素早く行動してくれて本当に感謝してるわ」
近くにいるルーナをはじめとする使用人に向き直り、深々と頭を下げ感謝の意を述べる。
「お嬢様、そんな…」
「…勿体ないお言葉ですわ」
「こちらもお嬢様がご無事で本当によかったです。ご主人様が不在の時にお嬢様をお守りするのは私たち使用人の務めでございます」
それぞれ、側に控えているメイドや執事たちもホッとしたような嬉しそうな表情で口々に話し出す。
そんな中、1人浮かない表情をしているのは…。
「…アリス」
ビクッ。
肩を震わせ、縮こまっている彼女だけ。
私に名前を呼ばれ、怯えたように下を向いている。
リアムに何を言われて手を貸していたのか知らないがビクター家の使用人が主の不利になる行動をした。
これだけで処分するには十分な理由だった。
それを恐れているのだろう。
アリスは、ただただ小さな声で「申し訳ありません…申し訳…っ」と呟くばかり。
「…ノエル、そして皆申し訳ないけど私とアリスを二人きりにしてくれない?」
「わかった、そうしよう。…皆も行こうか」
ノエルを先頭に先程まで部屋に待機していたメイド、執事たちも次々に部屋を後にする。
そんな中、残されたのは私とアリスだけだ。
「…アリス、こちらにいらっしゃい。まずは座りましょ」
「わ、私は…ここで…!座るなんて…」
「いいから、こちらに来て座ってちょうだい。そんなに離れた距離じゃ話がしづらいもの、ね?」
なるべく優しく語りかけ、アリスが座りやすいように促す。
「…は、はい。失礼致します…」
小さく会釈をし、アリスはちょこんと私の座る席の前に腰を掛けてくれた。
しかし、落ち着かないのか、メイド服のエプロンをギュッと握りしめている。
「…アリス、話したくないことは話さなくてもいいわ。答えられる質問だけ答えてくれるかしら?」
「…はい、お嬢様」
「リアム様に手紙を隠すように言われたのはいつからなの?」
「半年前くらいです。その時、私はまだお嬢様付きじゃなくて見習いとして雑務をしており、手紙などの仕分けもしていて…」
「その時にリアム様に声をかけられたのね?」
「…はい、私がお嬢様宛の手紙をお部屋に持っていく時に…」
そして、彼女はぽつりぽつりと、当時の状況を語りだした。
「私、実は前からリアム様に少し憧れていました…。もちろん、恋愛でというわけではないのです。ただ、純粋にエレノアお嬢様とお似合いだなって、二人に幸せになってもらいたいなって…。最初はそう思ってたんです」
その時のことを思い出したのか、アリスはフッと自嘲的な笑みをこぼす。
「…だから、リアム様がお嬢様とノエル様の手紙について、幼馴染の範囲を超えている。2人があまりにも仲が良すぎる、婚約者として心配なんだ…。そう言われて…断りきれなくて。お嬢様へのお手紙を勝手に隠して、それをリアム様に渡していたなんて…。今考えれば本当になんて馬鹿だったのかと思います」
唇をギュッと噛み締め、泣きそうな表情のアリス。
「…そうね、従者として主を裏切ることはあってはならないはね。例え、どんな理由があろうと」
「はい…。心得ております」
アリスの表情からは、どんな罰でも受け入れる覚悟ですと、そう言った感情が見て取れた。
「そうね、アリス…。あなたは私の専属侍女は解雇させてもらいます。そして、もう一度雑用係から出直していらっしゃい」
プルプルと、震えていたアリスは私の言葉に一瞬固まり。
「…え?お嬢様…。私、クビではないのですか…」
モゴモゴと、口籠りながら、今度は別の意味で泣きそうな表情で私を真っ直ぐに見つめてくる。
「…あなたのやり方は間違っていたけれど、私の幸せを思ってやってくれていたのでしょう?それに、私、アリスのこと気に入ってるのよ。だからまた、1からにはなるけれど、頑張って私の専属侍女になってもらいたいなって思うわ。どうかしら?また私のために働いてくれる?」
少しいたずらっぽく聞き返すと、アリスの涙腺は我慢できなかったようだ。
「…っ、はい!もちろんです…!お嬢様のために一生懸命努めます…。っひく、ありがとうございます…エレノアお嬢様…」
そう言いつつも、溢れる涙が止まらないのかしきりに目を擦っている。
「そんなに擦ると腫れてしまうわ。さ、もうここは大丈夫だからルーナたちの所に戻りなさい。明日から雑用係なんだから忙しいわよ?」
「はい!失礼します…っ」
深々と部屋を出る際に頭を下げたアリスを私は笑顔で見送ったのだった。
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