特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。

黄玉八重

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第15章 -2ndW_アルダーゼの世界-

†第15章† -35話-[高濃度神力争奪戦]

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「——炎帝樹よ、奪われない為に使わせてもらうぞ!」

 高く掲げた剣を足元に広がる樹木に突き刺すと炎帝樹に蓄えられていた高濃度神力ハイエーテルが足元から吹き上がる。
 七精剣しちせいけんカレイドハイリアも吸収をしては独自の世界[精樹界エレジュア]に貯蔵を始めている。しかし、吸収率に比べて如何せん高濃度神力ハイエーテルの量が違い過ぎてほとんどが周囲へ漏れ出ている一方、宗八そうはち自身も吸収を始めてすぐに身体が発光をし始めてしまった。これは意図した発光ではなく[精霊の呼吸エレメンタルブレス]の上限いっぱいに吸収が完了してしてしまった証の様な物だ。
 最高値ステータスとなった宗八そうはちは剣を引き抜き肩へ担ぎの攻撃の構えを取る。

 外では高濃度神力ハイエーテルが拡散開始した事に気付いた神格ヲ簒奪セシ禍津大蛇ウロボロスが口から高濃度の瘴気を炎帝樹へ放ち、星光天裂破せいこうてんれつはの無効化を開始していた。
「スタイルチェンジ/カレイドルークス!》《————天照アマテラス》」
 ついに星光天裂破せいこうてんれつはに因る護りは破られ光の柱は消え去る。続いて、降り続けていた瘴気の雨と禍津小蛇が再び炎帝樹へ降り注ぐと炎帝樹が悲鳴を上げる様に震えて発生した地鳴りに宗八そうはちは天井を睨みつけて左手の青竜の蒼天籠手フリューアネイシア・ブレイサーを鉤爪の如く五指を鋭く尖らせると天井に向けて振るった。
「《水神五閃すいじんごせん!》」
 五指から放たれた五本の一閃が天井を貫通して炎帝樹の内部を斬り裂きながら上昇していく。
 炎帝樹の生命がこの大樹とどのような繋がりをしているのは不明だったが瘴気の雨で苦しむなら幹も身体の一部なのだろう。ならば幹を殺して慈悲とする。唐竹割に六つに裂かれた炎帝樹は自身の自重に耐えられずにメリメリッ!と音を立てながら左右に倒れていき、宗八そうはちの視界は晴れてようやく神格ヲ簒奪セシ禍津大蛇ウロボロスと顔合わせをするに至る。
 まるで果実に虫穴が空いていたのを見つけた時のように神格ヲ簒奪セシ禍津大蛇ウロボロスから大瀑布の殺気が三方向から降り注ぐ。宗八そうはちのステータスですら膝を折りたくなる程の圧力。だが、堂々と受け止めた宗八そうはちの姿を面白くないのか頭部の一つが大きく口を開いて宗八そうはちに向かってくる。

「《——光神聖剣アルバース=エクスカリバーっ‼》」

 超巨体からは想像も出来ないほどの鋭い伸びで一息に目の前に現れた頭部に逆袈裟の光の斬撃が叩き込まれ打ち上がる。
 剣身よりも広範囲の光の刃が神格ヲ簒奪セシ禍津大蛇ウロボロスを斬り裂き、その傷跡からは黒い液体がどばどばと飛び散り炎帝樹最奥広場を汚す。
「チッ!」
 頭部の大口は顎を斬った事で強制的に閉じさせ突進を防ぐことには成功した。と、同時に周囲に溢れている高濃度神力ハイエーテルを少し喰われ宗八そうはちは舌打ちを抑えられず眉間に深く皺が寄る。不満はお互い様だった。
 本能で力の差を理解した神格ヲ簒奪セシ禍津大蛇ウロボロスは格下と考えた人間を玩具にするつもりで軽く飛びかかったというのに痛いしっぺ返しを食らったのだ。計画を立てるのは自分の仕事ではない。自分は隷霊れいれいのマグニが用意した世界を喰らい尽くすだけの存在だ。本能のまま喰い散らす。微かにその様な事を考える知能はあった。
 過ぎった考えはすぐに破壊衝動に飲み込まれ、残る二つの頭部も高濃度神力ハイエーテル喰いに加わる。
『(《水竜逆鱗砲アクアーリィスペシャル!》)』
『(そこにベルが弾を込めればああああ!)』
 手数と高濃度神力ハイエーテルの消費の為に水精アクアーリィが【龍玉オプション】を分解し再構築して巨大な四角い銃へと変製させ、光精ベルトロープが協力して強力な浄化効果も持つ光属性の攻撃手段を提供した。
『(《光溜撃弾ベルコメット!》)』
 ドドパンッ!ドドパンッ!と二つある銃口から光の弾が連続で発射され頭部は初動で動きが止まった。
「《闇縫ノ宝剣やみぬいのほうけん!》」
 その僅かなノックバックの隙に宗八そうはちが更に剣を振るい剣から輝きが失われ掛けるが、すぐに高濃度神力ハイエーテルに満たされ再び輝きを取り戻す。巨大な輝剣が神格ヲ簒奪セシ禍津大蛇ウロボロスの結界内部に二十本以上出現してすぐさま射出される。狙いは過たず弾で跳ね上がった頭部二つの全体に各十本ずつ輝剣が突き刺さり自身の超巨大な身体に縫い付けられた。
「《星光天剣斬せいこうてんけんざん!》」
 続けて宗八そうはちを丸呑みしようと最初に動き出した頭部に向けて剣が振るわれ再び輝きの消失と再輝が行われ、地面から急速に生えて来た巨大な輝剣に喉元を貫かれ中空に縫い付けられる。ただ、これが普通のモンスターを相手にするならばこれで勝ちが決まっただろうが、残念ながら相手にしているのは正体不明の神格ヲ簒奪セシ禍津大蛇ウロボロス。痛恨の一撃を受けたならば身をよじって苦しむはずだが、周囲を囲う超巨体は依然として結界となったままだ。

 頭部は弱点ではないと心に刻んだ宗八そうはち高濃度神力ハイエーテル消費の為に次々と一閃を周囲にばら撒いた。
 それこそ結界に綻びが生じる事を期待して……。しかし、傷は負っても血の代わりに高濃度の瘴気が液体化した物が溢れるだけで決定打にはならなかった。むしろ、瘴気の雨と攻撃する度に流れ出て来る液体瘴気が大地に干渉する事で徐々に炎帝樹周辺を沼に変えて行く事で宗八そうはちのタイムリミットは近づいていた。
 こいつがアルカンシェ達の世界に顕現した場合、下手に攻撃して液体瘴気を出させるとこの世界の二の舞となる事も勉強になった。つまり、弱点への一点突破をしないと被害が広がるばかりでまともに抵抗も出来ないままとなってしまう。
 加えて、神格ヲ簒奪セシ禍津大蛇ウロボロスの頭部が三つある事は確認出来ても超巨体の結界を突破して全容を観測することが敵わない以上、身体三つが絡まり合っているのか。それとも三つ首の蛇なのかも判断が出来ない。更に言えばここまでの危険行為をしているというのに結界の向こう側にどれだけその巨体をかわからないのも痛い所だ。

「どれだけ残っているか分かるか?」
 子供達に確認を取る。
『(溢れ始めてから勢いは変わらないよ~。まだまだ残っているんじゃないかなぁ~?)』
『(お父様。そろそろ……)』
 アクアーリィの返答はなんとなく宗八そうはちも薄々理解していた。続くクーデルカの進言もその通りだ。宗八そうはちの想像よりも世界樹は膨大な神力エーテルを貯蔵する存在であり、神格ヲ簒奪セシ禍津大蛇ウロボロスが世界を滅ぼしてまで奪いたくなる代物を宗八そうはちは正しく理解出来ていなかった。
 そして、摂取した高濃度神力ハイエーテルは絶大なステータスをもたらす代わりに副作用として全身から血が流れ始めている。これは人間の肉体がそもそも高濃度の魔力に耐えられる構造をしていない点、そこを精霊使いのジョブレベルが耐久力をカバーしている。更にスキル[精霊の呼吸エレメンタルブレス]で取り込み己のステータスを増強する事が出来るようにはなっているが、スキルにも限度があり神力エーテルでも時間制限があるのに高濃度神力ハイエーテルを取り込む事でその制限が著しく短くなっている事が原因だった。
 安全ラインはすでに過ぎている……。剣を振れば鮮血が舞い踏ん張れば皮膚が裂け血が溢れる。足が浸かっている樹液がどんどんと赤く染まっていくのは必然だ。

 ここで事態は悪い方向へ転がる。
 輝剣に動きを抑えられていた頭部三つが拘束を破って戦線に復帰して来たのだ。

『(傷跡も急速に塞がっていくです)』
『(高濃度神力ハイエーテルと同様にあちらも身体の中に同等の瘴気を保有していると考えればダメージは相殺されてしまうのではありませんの?)』
 地精ノイティミルの言葉に横目に確認をすると確かに縫い付ける為に貫通していた傷跡はどこにも見当たらない。風精ニルチッイの申告に至っては確定ではないが可能性は非常に高かった。世界樹を半死半生でも生き残らせていれば魔神族を産むことは可能だ。だが、神格ヲ簒奪セシ禍津大蛇ウロボロスの存在感の底知れなさ、そして実際に視認している超巨体を考えればいくつかの世界を滅ぼしてきたのだと簡単に想像出来る。

『(《守護者の護腕ディバインガーディラーム!》)』
 頭部の攻撃が再開された事で手数が欲しくなった所に地精ノイティミルが巨腕を追加してくれ。
『(《常闇ノ襟巻とこやみのえりまき!》)』
 ステータス外の肉体サポートに闇精クーデルカが襟巻を装備してくれる。
 頭部Aが複数召喚して突撃命令する禍津中蛇を到達までの間にアクアーリィがドパンッ!ドパンッ!と2~3匹撃ち抜き数を減らしたところで宗八そうはちが高速で振る光神聖剣アルバース=エクスカリバーが光の軌跡を残しながらすべて斬り伏せ、途中で頭部Bが吐き出す瘴気玉が射出速度バラバラで射出され野球のスローボールの様に宗八そうはちの感覚を狂わせる、が。宗八そうはちをサポートするクーデルカによってその効果は最低限に抑えられている。こちらは合間合間に一閃を混ぜて到達前に浄化してしまい神格ヲ簒奪セシ禍津大蛇ウロボロス本体にもダメージを与えられる唯一のタイミングだ。続けて頭部Cの突進。単純ながらとにかく巨大な頭部が狩りをする蛇の様に一気に伸びてくる上に攻めている禍津中蛇も瘴気玉も押し退けて視界いっぱいに突如出現するのだ。これには慎重派の地精ノイティミルの守護者の護腕ディバインガーディラームが横殴りにして射線から宗八そうはちを逃がす。この場を動けない宗八そうはちを守るだけではなくオマケで高濃度神力ハイエーテル捕食も防いでいるのでノイティミルの活躍は思いのほか重要であった。
 攻撃を捌く点に問題はなくとも攻撃頻度が非常に高く防戦一方で攻めに意識を回せない宗八そうはちは叫ぶ。
「(ニル!フラムと一緒にベルをサポートしろ!なんでもいいから神力エーテルを消費するんだっ!)」
『(かしこまりーですわー!)』
 無精アニマは宗八そうはちと共に戦い、アクアーリィ、ノイティミル、クーデルカは宗八そうはちのサポートに手を離せず、手透きで末っ子を纏められるのは四女風精ニルチッイだけだ。この時、宗八そうはちに頼りとされたお調子者No.1は有頂天となる!
『(———星屑超新星スターダストノヴァ!)』
 ノイティミル主導で放たれた魔法は以前末っ子’sの二人で開発した爆炎と光魔法を掛け合わせた合成魔法だ。それを有り余る高濃度神力ハイエーテルを利用し周囲に大量にばら撒く事で余剰分の高濃度神力ハイエーテルを激減させることに成功する。それだけデタラメな高濃度神力ハイエーテルを消費した魔法をノリとテンションで生きている風精ニルチッイ主導で発動した場合どうなるかと言えば……。

『(に、ニル姉様あああああ!これ、これ大丈夫ですかああああ!)』
『(眩しくて何も見えない)』
 案の定発動させた末っ子’sからの苦情を風精ニルチッイは笑ってやり過ごす。星屑は神格ヲ簒奪セシ禍津大蛇ウロボロスの結界内を埋め尽くし、火精フラムキエの言う通り全員を光の中に放りだした状態となり何も見えなくなった。しかし、光魔法であった事で浄化効果は確かに効果を示し、瘴気の雨と禍津小蛇は結界内から消滅し更に頭部はまともに光を全方位から浴びた事で苦しんでいた。
『(お父さん、脱出です!)』
「当然!」
 まだ脱出するタイミングは掴めないだろうと考えていた宗八そうはちだったが、予想以上にはっちゃけた魔法が発動した事で脱出の目途が立つ。地精ノイティミルがすかさず催促を挟むと宗八そうはちも素早くゲートを描き元の世界へと繋げる。
 と、同時に星屑たちが臨界に到達して最後の煌めきが発動する。

 白い世界が白より白い世界へと変わる一瞬で宗八そうはちはゲートの中に飛び込み閉じる。
 元の世界に戻ったはずなのだがスタングレネードでも受けたように目と耳がイカれていて安全確認が出来ない。そこにふわりと香るアルカンシェの存在がすぐ傍に寄り添ってくれる感覚を覚えた。嗅覚と触覚は生きているのでようやっとあの地獄から帰って来たのだと安堵して宗八そうはちはいつもの様に意識を手放した。高濃度神力ハイエーテルを無理に行使した宗八そうはちの身体はズタボロとなっており、出血量が多く顔色も悪かった。
「アクアちゃん!ヒールウォーターで常時回復!」
『あいさー!』

 * * * * *
 宗八そうはちの感じたことは正しい情報だった。元の世界ではアルカンシェ達が脱出してからすでに1カ月が過ぎていて、毎日城のベランダから魔法を使ってゲートが繋がらないかと確認していたアルカンシェの視界にやっとゲートが開く姿が見て取れ、アルカンシェはすぐさまコールでゼノウのゲートを開いて宗八そうはちを迎えに行く指示を飛ばし急ぎ宗八そうはちの下へとやって来た。
「お兄さん……?」
 だが、宗八そうはちはゲートを閉じた後に倒れ込んだまま動かない。傍目から見ても満身創痍な宗八そうはちへ駆け寄り抱き寄せるが地面には血だまりが出来ている事にギョッとする。よく見れば全身至るところから流血している事が伺えた。
 コールで指示が回り続々とゲートから仲間が到着する中でアルカンシェは冷静に宗八そうはちを助ける為に動き出す。丁度水精アクアーリィがアルカンシェに反応して宗八そうはちから分離した所だった。
「アクアちゃん!ヒールウォーターで常時回復!」
『あいさー!』
 水精アクアーリィが指先から赤い水を放出させて宗八そうはちの身体にかけると傷口はみるみると塞がっていく。ただ、この出血量はあちらの世界でも相当に血を失っているだろうと考えているアルカンシェの内心は焦りを帯びていた。
 幸い、宗八そうはちの身体を傷付けていた高濃度神力ハイエーテルは戻って来てから徐々に抜けて来ているが、その問題の高濃度神力ハイエーテル宗八そうはちを生かしているという素直に喜べない状況にアルカンシェは歯がゆい思いを抱いた。
水無月みなづき様っ!」
 身体の表面については何とでもなるだろう。しかし内側については診察が出来ないアルカンシェは聖女クレシーダに連絡を入れようと考えていた。耳に手を当てたところで今度は聖女の侍女を務めていたサーニャがゲートから現れた。これ幸いとアルカンシェはサーニャに指示を飛ばす。
「サーニャ!診察をお願い!私はクレアに連絡を入れるわ!」
「かしこまりました。失礼します!」
 この瞬間だけでも宗八そうはちがサーニャを仲間に引き込んでいてよかった。今のままでは動かしていいのかも判断出来ずに聖女クレシーダが到着するまで見守る事しか出来ない所だった。耳元からコール音が鳴り始める。
〔——はい、クレアです。久し振りですねアルシェ。何かありましたか?〕
 久方ぶりに聞く聖女クレシーダの声は能天気なものだった。だが、それが却ってアルカンシェの焦りを緩和してくれる。
「早々に悪いけれどお兄さんの治療を至急お願いしたいの」
〔わかりました、準備してお待ちします〕
 忙しいはずの聖女へのお願いに悪いとは思いつつ言葉にした。しかし即決で返って来た返事にアルカンシェは感謝する。
「ありがとうクレア。すぐに向かうわ」

 こうして、神族アルダーゼの世界での戦いは幕を閉じた。
 課題の残る内容ではあったものの今回も誰一人掛ける事無く生き抜ける事が出来ただけでも御の字だ。高濃度神力ハイエーテルは最後まで使い切る事が出来なかった。最後の魔法がどれだけダメージに繋がったかは不明なものの大量に高濃度神力ハイエーテルを消費出来たことは確実だった。嫌がらせとしては十分な成果と言えるだろう。
 炎帝樹を失ったあの世界はほどなく崩壊する。だが、神格ヲ簒奪セシ禍津大蛇ウロボロスがそれに巻き込まれて消失することは無いだろう事だけは間違いないと神格ヲ簒奪セシ禍津大蛇ウロボロスをその眼で見た誰もが同様の考えであった……。
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