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第15章 -2ndW_アルダーゼの世界-
†第15章† -33話-[アルダーゼに幸多からん事を]
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宗八の浄化魔法で多少水量が減り黒紫の煙を燻らしながら降る雨と魔力を貪る禍津小蛇が大量に振る最悪の天候の中で宗八はアルカンシェに連絡を取っていた。
「アルシェ、命令変更だ」
通話は突入組全員に繋がっている。先ほど出した命令を撤回する宗八の声に誰もが一度は足を止め傘の様に各々が障壁を張りながら続きの言葉を待つ。中には宗八の言葉の続きを想定して聖獣の元へ向かう者とアルカンシェの元へ向かう者も居た。
〔簡潔にお願いします〕
周囲を神格ヲ簒奪セシ禍津大蛇で囲まれ、その囲いも徐々に狭まって来ている。当然アルカンシェも危機的状況と判断しているので最愛の相手からの連絡とは言え簡潔を求めたのだ。
「まず聖獣の保護を。次にかなり危険だけど全員を纏めて炎帝樹の奥へ向かってくれ。そこにゲートを再設置する」
〔わかりました。ご武運を〕
必要最低限の指示を受けたアルカンシェは脱出の為にすぐに動き始めた。本当なら契約水精アクアーリィを宗八へ届けたいところなのだが、この絶望空間においては宗八の気遣いに感謝する。
* * * * *
「マリエル。さっさと元の世界に戻ってお兄さんに精霊を集めますよ《アクエリアス》」
「りょーかい!」
幸いマリエルが宗八の連絡時すぐ傍に来ていたので味方を癒やしつつ瘴気も浄化出来る魔法で自分達を包むと炎帝樹へ移動しながらアルカンシェはまず仲間の状況を確認した。
「お兄さんの言葉は聞こえていたわね? 聖獣の下に着いている者は居る?」
回答は三名だった。
〔こちらセーバー。大猿バルディグアと行動中〕
〔こちらディテウス。トワインと共に大鳳イグナイトを保護しました〕
自主的になのか宗八の言葉を予想したのかはわからないが、互いに戦った相手の下へ急行してくれていた点は大変に助かる。報告を受けつつ周囲を見回せば上級魔法[アクエリアス]を発動している場所があった。あそこにはフランザとライナーが居るのだろう。
「三人はそのまま炎帝樹へ向かえますか?」
先ほどの順番を考慮してかセーバーが先に状況報告を始めた。
〔聖獣は炎帝樹の側で戦っていたのですぐ向かうのは可能ですが、説得が難しいです〕
「先の決着が着いていないと不服を言っているのですか?」
確かに宗八とアルダーゼの戦いは苛刻のシュティーナの介入によって中断されてしまった。だが、アルダーゼは最後に負けを認めるシナリオだったのではないかとアルカンシェは読んでいた。それは宗八も同様だった。
〔いえ、先の戦闘についてはアルダーゼ様の意思も理解して納得しているとの事ですが、魔神族が攻めて来た以上はここから逃げるわけには行かないと……〕
つまり役目に殉じたいと? 頑固者はこれだから……。今は一分一秒が惜しい状況なのだから四の五の言わせてあげられない。あとで恨まれようと今までの経験で生きる方が戦いだと納得して欲しかった……。マリエルに視線を向けると頷きすぐにセーバーの下へ急行する。これで大猿バルディグアは大人しくなるだろう。
「次。イグナイト様はどうなっていますか?」
〔はい。元から師匠に協力的だった事もあり、こちらは小鳥に姿を変えて着いて来てくれるとの事です。ただ、アルダーゼ様の安否をとても心配しておられます〕
「生贄となったアルダーゼ様は救出する予定と伝えて炎帝樹へ連れて来なさい」
〔了解です〕
ディテウスとの会話が終わると時を同じくして世界樹の側で——ドゴッ!という鈍い音が響いて来た。マリエルが仕事をした様だ。
叢風のメルケルスを鎧袖一触するマリエルの一撃は如何な耐久高い聖獣と言えど相手に成らないだろう。予定通り大人しくさせてくれた様なのでこのまま聖獣たちは炎帝樹へ集まる事を前提に次の指示に移る。
「フランザ。ライナーと一緒ですか?」
〔はい。こちらも炎帝樹に向かっていますので後程合流できるかと〕
これで全員の動向は確認が取れた。あとは炎帝樹最深部に先回りをして仲間が集まるのを待つばかり……。
「わかりました。辿り着いた者から元の世界へ撤退しますからそのつもりで行動するように」
アルカンシェは仲間へ指示を出し終えると高所で光る場所に視線を向ける。そこには宗八が剣を輝かせ、まさに魔法剣を振るうところであった。
* * * * *
七精剣カレイドハイリアが今まで見せた事の無いほど魔力を高めて輝いている。対象は炎帝樹全域だ。空から降る瘴気の雨と禍津小蛇が炎帝樹を苦しめているのは、雷帝樹の時と同様に震えている様子からも誰の目から見ても明白だった。
「《星光よ煌やけ!星光天裂破!》」
アルカンシェに他の事を丸投げ出来た事で宗八の頭から雑念んは全て取り払われ、振るわれる剣から一瞬で先ほどまでの輝きが無くなる代わりに炎帝樹の樹上から技名に相応しく天を裂いて降り注ぐ神々しい光の柱が炎帝樹を厄災から守る。
結果的に少し延命するだけしか効果はない。だが、その少しでアルダーゼと聖獣をアルカンシェ達の世界へ逃がすことが出来るのだから末期世界を相手にしては上々の首尾だろう。
『(パパ。アルダーゼがこっちに来てるよ)』
光精ベルトロープが神聖な存在の接近に気が付き警告を発する。いや、敵じゃないのだから只の報告か。
報告の通り、暗闇の中で炎帝樹方向から地面を駆けて来る一筋の光がある。光はある程度まで接近してくると立ち止まった。アルダーゼが空を飛べない事を承知している宗八は気を利かせて自ら地面へと降り立つ。
『やあ、異世界人。いや、最後だしね。水無月さん……、殺されに来たよ』
神人は贄となった人物の記憶や才能を引き継ぎ世界樹から供給される神力で身体を構築された高次元存在だ。敵を倒し世界樹を護る力は持っているが、残念な事に今回相手にしている瘴気に対しての浄化性能を持ち合わせていない。現にアルダーゼの姿は身体のあちらこちらに穴が開いており、皮膚の下に潜り込んだ禍津小蛇が動き回っている。
瘴気の雨も天敵である。瘴気の濃度分だけ触れれば神力なり魔力を削られるのだから神族の身体を持たせられるのも時間の問題だ。
「どういう状態なのですか?」
気丈な態度を振舞うアルダーゼを苦しみから解放するよりも情報収集を優先する宗八。この場に情に絆された者が居れば宗八の選択を責める事だろう。だが、今後も破滅を争うのであれば知らない事は少ないに越したことは無く、アルダーゼも理解を示して回答する。
『小さな蛇がアタシの身体を餌にしながら瘴気を生んで欠損分を補い始めているよ。今はアンタのおかげで炎帝樹も守られているが、あの光の柱が無くなればアタシと同じ様に炎帝樹も身体を作り変えられちまうだろうね』
神族なのに顔色が悪い。神聖な存在として放っていた圧力も弱まっている様に思える。実際に病魔に侵されているような状態なのだから体調不良も当然と言えば当然だ。そして、これ以上は宗八も我慢ならなかった。
「ありがとうございました。アルダーゼ様のおかげで色々と破滅について知る機会を得られました。貴女と聖獣の行く末についてはお任せください」
『あぁ、アタシが目を覚ましたらよろしく伝えておくれ。この世界はここまでだ。アタシにここまで協力させたんだ、同じ轍を踏むんじゃないよ』
猶予は短い。宗八は頷き一つでアルダーゼの願いに了承を示すと剣を構える。
「スタイルチェンジ/カレイドアクア!》《————水波能売》」
神々しく白い発光をしていた七精剣カレイドハイリアは剣先から急速に色が変わっていく。
全身が水色の剣へと変わった事で効果も変わり周囲の空気が氷点下を越え、千度近くで熱されていた地面が抵抗虚しく氷原へと塗り替えられていく。自家発電の神力もいい加減溜まってきて宗八のステータスも十分に温まった。
『アンタ達に幸多からん事を!』
アルダーゼの最後の言葉を聞き届けた宗八は、破滅の将へと作り変えられる前に必殺の一撃を放った。
「《蒼天を穿て!氷刃剣戟!》」
無抵抗なアルダーゼの身体に剣が沈み込み、視界の中で微笑むアルダーゼの笑みが焼き付く。
「《———氷竜聖剣!》」
剣からチャポンと水が溢れていた。
剣身よりも広範囲を斬り裂く水の刃がアルダーゼの背後の空間と振り抜き様に地面も両断した。切断面に残る水と飛び散る飛沫が気化する様に熱を奪い、アルダーゼの背中から巨大な氷柱を精製する。同じく地面にも巨大な氷塊が切断面から生えており、この一帯だけが氷が支配する別世界と化した。
弱っていたとはいえ簡単に刃が通り過ぎたアルダーゼは全身を凍てつかせ絶命している。
やがて、神族の肉体が維持出来なくなったのか構築していた神力が世界に溶けていく。その過程でアルダーゼの身体もボロボロと崩れてこの世から神族アルダーゼは完全に消滅するに至った。
だが、まだ終わりではない。このままであれば炎帝樹が神族アルダーゼを再構築を始めてしまう。宗八は何度も仲間を殺したくは無いし、このまま炎帝樹を乗っ取られるつもりも無かった。
「次はお前の番だ」
光の柱でその身を貪り侵略する破滅から守られ死を待つだけとなった炎帝樹を視界の中心に捉えた宗八はそう宣言した。
「アルシェ、命令変更だ」
通話は突入組全員に繋がっている。先ほど出した命令を撤回する宗八の声に誰もが一度は足を止め傘の様に各々が障壁を張りながら続きの言葉を待つ。中には宗八の言葉の続きを想定して聖獣の元へ向かう者とアルカンシェの元へ向かう者も居た。
〔簡潔にお願いします〕
周囲を神格ヲ簒奪セシ禍津大蛇で囲まれ、その囲いも徐々に狭まって来ている。当然アルカンシェも危機的状況と判断しているので最愛の相手からの連絡とは言え簡潔を求めたのだ。
「まず聖獣の保護を。次にかなり危険だけど全員を纏めて炎帝樹の奥へ向かってくれ。そこにゲートを再設置する」
〔わかりました。ご武運を〕
必要最低限の指示を受けたアルカンシェは脱出の為にすぐに動き始めた。本当なら契約水精アクアーリィを宗八へ届けたいところなのだが、この絶望空間においては宗八の気遣いに感謝する。
* * * * *
「マリエル。さっさと元の世界に戻ってお兄さんに精霊を集めますよ《アクエリアス》」
「りょーかい!」
幸いマリエルが宗八の連絡時すぐ傍に来ていたので味方を癒やしつつ瘴気も浄化出来る魔法で自分達を包むと炎帝樹へ移動しながらアルカンシェはまず仲間の状況を確認した。
「お兄さんの言葉は聞こえていたわね? 聖獣の下に着いている者は居る?」
回答は三名だった。
〔こちらセーバー。大猿バルディグアと行動中〕
〔こちらディテウス。トワインと共に大鳳イグナイトを保護しました〕
自主的になのか宗八の言葉を予想したのかはわからないが、互いに戦った相手の下へ急行してくれていた点は大変に助かる。報告を受けつつ周囲を見回せば上級魔法[アクエリアス]を発動している場所があった。あそこにはフランザとライナーが居るのだろう。
「三人はそのまま炎帝樹へ向かえますか?」
先ほどの順番を考慮してかセーバーが先に状況報告を始めた。
〔聖獣は炎帝樹の側で戦っていたのですぐ向かうのは可能ですが、説得が難しいです〕
「先の決着が着いていないと不服を言っているのですか?」
確かに宗八とアルダーゼの戦いは苛刻のシュティーナの介入によって中断されてしまった。だが、アルダーゼは最後に負けを認めるシナリオだったのではないかとアルカンシェは読んでいた。それは宗八も同様だった。
〔いえ、先の戦闘についてはアルダーゼ様の意思も理解して納得しているとの事ですが、魔神族が攻めて来た以上はここから逃げるわけには行かないと……〕
つまり役目に殉じたいと? 頑固者はこれだから……。今は一分一秒が惜しい状況なのだから四の五の言わせてあげられない。あとで恨まれようと今までの経験で生きる方が戦いだと納得して欲しかった……。マリエルに視線を向けると頷きすぐにセーバーの下へ急行する。これで大猿バルディグアは大人しくなるだろう。
「次。イグナイト様はどうなっていますか?」
〔はい。元から師匠に協力的だった事もあり、こちらは小鳥に姿を変えて着いて来てくれるとの事です。ただ、アルダーゼ様の安否をとても心配しておられます〕
「生贄となったアルダーゼ様は救出する予定と伝えて炎帝樹へ連れて来なさい」
〔了解です〕
ディテウスとの会話が終わると時を同じくして世界樹の側で——ドゴッ!という鈍い音が響いて来た。マリエルが仕事をした様だ。
叢風のメルケルスを鎧袖一触するマリエルの一撃は如何な耐久高い聖獣と言えど相手に成らないだろう。予定通り大人しくさせてくれた様なのでこのまま聖獣たちは炎帝樹へ集まる事を前提に次の指示に移る。
「フランザ。ライナーと一緒ですか?」
〔はい。こちらも炎帝樹に向かっていますので後程合流できるかと〕
これで全員の動向は確認が取れた。あとは炎帝樹最深部に先回りをして仲間が集まるのを待つばかり……。
「わかりました。辿り着いた者から元の世界へ撤退しますからそのつもりで行動するように」
アルカンシェは仲間へ指示を出し終えると高所で光る場所に視線を向ける。そこには宗八が剣を輝かせ、まさに魔法剣を振るうところであった。
* * * * *
七精剣カレイドハイリアが今まで見せた事の無いほど魔力を高めて輝いている。対象は炎帝樹全域だ。空から降る瘴気の雨と禍津小蛇が炎帝樹を苦しめているのは、雷帝樹の時と同様に震えている様子からも誰の目から見ても明白だった。
「《星光よ煌やけ!星光天裂破!》」
アルカンシェに他の事を丸投げ出来た事で宗八の頭から雑念んは全て取り払われ、振るわれる剣から一瞬で先ほどまでの輝きが無くなる代わりに炎帝樹の樹上から技名に相応しく天を裂いて降り注ぐ神々しい光の柱が炎帝樹を厄災から守る。
結果的に少し延命するだけしか効果はない。だが、その少しでアルダーゼと聖獣をアルカンシェ達の世界へ逃がすことが出来るのだから末期世界を相手にしては上々の首尾だろう。
『(パパ。アルダーゼがこっちに来てるよ)』
光精ベルトロープが神聖な存在の接近に気が付き警告を発する。いや、敵じゃないのだから只の報告か。
報告の通り、暗闇の中で炎帝樹方向から地面を駆けて来る一筋の光がある。光はある程度まで接近してくると立ち止まった。アルダーゼが空を飛べない事を承知している宗八は気を利かせて自ら地面へと降り立つ。
『やあ、異世界人。いや、最後だしね。水無月さん……、殺されに来たよ』
神人は贄となった人物の記憶や才能を引き継ぎ世界樹から供給される神力で身体を構築された高次元存在だ。敵を倒し世界樹を護る力は持っているが、残念な事に今回相手にしている瘴気に対しての浄化性能を持ち合わせていない。現にアルダーゼの姿は身体のあちらこちらに穴が開いており、皮膚の下に潜り込んだ禍津小蛇が動き回っている。
瘴気の雨も天敵である。瘴気の濃度分だけ触れれば神力なり魔力を削られるのだから神族の身体を持たせられるのも時間の問題だ。
「どういう状態なのですか?」
気丈な態度を振舞うアルダーゼを苦しみから解放するよりも情報収集を優先する宗八。この場に情に絆された者が居れば宗八の選択を責める事だろう。だが、今後も破滅を争うのであれば知らない事は少ないに越したことは無く、アルダーゼも理解を示して回答する。
『小さな蛇がアタシの身体を餌にしながら瘴気を生んで欠損分を補い始めているよ。今はアンタのおかげで炎帝樹も守られているが、あの光の柱が無くなればアタシと同じ様に炎帝樹も身体を作り変えられちまうだろうね』
神族なのに顔色が悪い。神聖な存在として放っていた圧力も弱まっている様に思える。実際に病魔に侵されているような状態なのだから体調不良も当然と言えば当然だ。そして、これ以上は宗八も我慢ならなかった。
「ありがとうございました。アルダーゼ様のおかげで色々と破滅について知る機会を得られました。貴女と聖獣の行く末についてはお任せください」
『あぁ、アタシが目を覚ましたらよろしく伝えておくれ。この世界はここまでだ。アタシにここまで協力させたんだ、同じ轍を踏むんじゃないよ』
猶予は短い。宗八は頷き一つでアルダーゼの願いに了承を示すと剣を構える。
「スタイルチェンジ/カレイドアクア!》《————水波能売》」
神々しく白い発光をしていた七精剣カレイドハイリアは剣先から急速に色が変わっていく。
全身が水色の剣へと変わった事で効果も変わり周囲の空気が氷点下を越え、千度近くで熱されていた地面が抵抗虚しく氷原へと塗り替えられていく。自家発電の神力もいい加減溜まってきて宗八のステータスも十分に温まった。
『アンタ達に幸多からん事を!』
アルダーゼの最後の言葉を聞き届けた宗八は、破滅の将へと作り変えられる前に必殺の一撃を放った。
「《蒼天を穿て!氷刃剣戟!》」
無抵抗なアルダーゼの身体に剣が沈み込み、視界の中で微笑むアルダーゼの笑みが焼き付く。
「《———氷竜聖剣!》」
剣からチャポンと水が溢れていた。
剣身よりも広範囲を斬り裂く水の刃がアルダーゼの背後の空間と振り抜き様に地面も両断した。切断面に残る水と飛び散る飛沫が気化する様に熱を奪い、アルダーゼの背中から巨大な氷柱を精製する。同じく地面にも巨大な氷塊が切断面から生えており、この一帯だけが氷が支配する別世界と化した。
弱っていたとはいえ簡単に刃が通り過ぎたアルダーゼは全身を凍てつかせ絶命している。
やがて、神族の肉体が維持出来なくなったのか構築していた神力が世界に溶けていく。その過程でアルダーゼの身体もボロボロと崩れてこの世から神族アルダーゼは完全に消滅するに至った。
だが、まだ終わりではない。このままであれば炎帝樹が神族アルダーゼを再構築を始めてしまう。宗八は何度も仲間を殺したくは無いし、このまま炎帝樹を乗っ取られるつもりも無かった。
「次はお前の番だ」
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