294 / 403
第13章 -1st_Wナユタの世界-
†第13章† -10話-[白竜-クラウディーナ-]
しおりを挟む
「どうしましたか? その様子だと契約精霊の誰かから念話があったのでは?」
「クレアは察しが良いな。アクアから異世界が繋がって空間にひび割れが確認されたらしい」
「た、大変っ……ですけど水無月さんの落ち着き様からして急を要するものでは無い……んですか?」
「大型の相手が行き来出来るまで数日猶予はあるらしい。
その判断は長年異世界の侵略者相手に戦い続けた剣聖の判断だから急ぐ必要はない。
ただ、白竜の魔石は間に合わない可能性が出て来たから攻略方法を見直した方がよさそうだ……」
一瞬慌てるクレアの頭を撫でつつ落ち着かせると同時に予想よりも早い異世界の接続に頭を悩ませる。
「グリーズ。避難してもらいますよ」
『残りたいと希望する者以外は<万彩>の言う事に従いますよ』
「瘴気精霊が居なければ協力いただくところですが……」
『意思を知ったうえで足手まといと考えるならそうなのでしょう。
青も連れて行かないとも聞いていますし今回は借りとしましょう』
以前より伝えていた通り、異世界が繋がれば瘴気精霊が漏れ出てくる事となる。
流石に仲間が出て来た端から討伐するつもりだけどイレギュラーってのはどこにでもあるものだから、竜だけでなく島に住むエルダードワーフもドラゴドワーフも全員どこかに避難させる予定だ。
とはいえ、避難先がフォレストトーレになるのかアーグエングリンになるのかはラフィート王が調整してくれているだろうから後で確認しておこう。
「とりあえず島の事はアルシェ達が居るからいきなり悪化しても何とでもなる。
俺たちは今必要な事を進めよう!」
「はい!」
「「かしこまりました」」
『眷族はあちらへ戻したからいつでも繋げてくれたまえ』
では、お言葉に甘えてさっそくゲートを繋げましょうか。
* * * * *
繋げたゲートの向こうは意外な事に草原が広がっていた。
しかも気候も穏やかで避暑や休養地としては最高と言わざるを得ない。
「わぁ~!凄く見晴らしがよくて良い場所ですね!」
「クレア様。あまり先を急がないでください」
『うえへへ。クレアは可愛いなぁ』
「ソレイユ様。顔がイカれておいでですよ」
俺の後からゲートを潜ったクレアが駆け出して草原を駆ける後ろからサーニャが注意しつつ追いかけていく。
そのさらに後ろではソレイユ様がご尊顔をお崩しあそばれておられたので念の為、付いてきていない光精の側近に代わり注意しておく。
まぁ効果はないだろうけどな。
草原の草は芝生の様にかなり短く揃えられているが、別のところでは長い草が密集している事から草食の魔物でも居るんじゃないかな。そして目を引き付けられる草原の至る所にある白い物体と奥に見える光属性の天然魔石で出来た巨大な竜の巣。
「こっちは魔石、あっちは下級竜だな」
『僕たちに気付いているけど興味はないみたいだね』
『穏やかな気候ですし惰眠を貪る方が私達より大事なのでしょう』
『ほらほら、私が直々に案内してあげるのだからキビキビ歩くと良い。クレアが疲れたら私が抱き上げてあげるからね』
「あはは…、ありがとうございますソレイユ様……」
草原のあちこちに生えている魔石も異様に大きいけど明らかにデカイ生物は間違いなくアイスドラゴンと同じ下級竜だ。事前にグリーズに白竜種の位階を確認していたから多分ライトドラゴンかな?
フリューネやグリーズの言う通り傍を通る時に少し反応して顔を上げる程度で特に何かをしても来ない。
鼻先を撫でてみても臭いを嗅ぐだけで再び夢の中に旅立ってしまう。
やがてソレイユ様の先導で辿り着いた竜の巣は実際の所、洞窟に魔石がコーティングされている様な様相をしていた。
遠くから見た時は魔石だけで構成されたすかと思ったけど、よくこんな都合の良い洞窟があったもんだな。
『あまり奥行きはないからすぐにホーリーとクラウディーナが出迎えてくれるよ』
「あ、住処の広さは二の次なのね。自然魔力の噴出地点がここだったのか…」
『へぇ、良く知ってるね<万彩>』
「フリューネやグリーズの巣も精霊王の分御霊が居るところも同じだったし流石に学びますよ」
ソレイユ様の言う通り奥行きはそこまで無くすぐに最奥へと辿り着いた。
そこには左右にホーリードラゴンを侍らせて佇む美しい白いドラゴンが待ち構えていた。
『やぁやぁ我が友クラウディーナ。約束通りクレアを連れて来たよ』
『本題は精霊使いが私に会いたいという話だったでしょ?
貴女がクレアクレアとしつこいから興味を持ったのは事実ですが私も志を同じくする精霊使いに会いたかったのです』
『おや?そうだったかい?
まぁクレアのついでに精霊使いも連れて来ているから話すと良い。彼が件の精霊使い、水無月宗八だ』
ソレイユ様の雑談入りの所為で唐突なご挨拶になったけれどご紹介いただけたのであれば礼儀正しく言葉を綴ろう。
幸い今の対話からソレイユ様と違って異常者じゃないっぽいし。
「ご紹介に預かりました七精霊と契約している水無月宗八と申します。
白竜クラウディーナ様、お会い出来て光栄です」
『そのように恐縮する必要はありませんよ。
青とは友なのでしょう? 黄との関係は聞いていませんがその様子なら悪い関係ではなさそうですね』
『白が喧嘩腰でなくて助かるよ。僕は青竜フリューアネイシア。よろしく』
『私は黄竜グリュエザールです。彼は青の守護者だけれど私とも懇意にしているよ』
『今の時世に守護者が現れましたか…。やはり瘴気の増加と関係がありそうですね……。
ひとまずようこそ精霊使い。ようこそ同胞よ。私は白竜クラウディーナです、以後お見知りおきをよろしくお願いしますわ』
ソレイユ様の声掛け時点で丸まっていたクラウディーナは女性的な顔を上げたので雌かもと思ったけれど、どうやら本当に女性体の竜らしい。口調はグリーズと同じ様に丁寧な喋りをしていて尚更ソレイユ様の同類とは考えられないな…。
『そして今日の主役!いや、生涯私の主役!聖女クレシーダが彼女だよ!』
「お会い出来て光栄です。クレシーダ=ソレイユ=ハルメトリと申します。
この度はご招待いただきありがとうございました」
『えぇ、よろしくね。光精王がここまで気に入っているのだから余程光属性に適性があるのだろうと思ったけれど、なるほどね。
外に居る魔物も危険は無いし好きに見学でもしてくると良いわ。聖女なら外の世界を歩き回る事も少ないでしょう?』
「えぇと、お気遣いありがとうございます。
実は最近は破滅関係で国を出る機会も多くて今までの聖女とはちょっと違うんです。私は言われた通り従者を連れてお散歩に行ってきますのでその間、水無月さんの話を聞いてみてください」
まぁ!なんて良い子なのでしょう!
なんて内心では考えつつ今は頭を撫でる事も出来ないからとりあえず視線と表情で感謝を示してクレア達の後ろ姿を見送った。
クラウディーナもクレアの言葉を受けたからか顔だけでなく体も立ち上げ聞く態勢を整えてくれた。
その姿にまたちょっと感動する。手足はスラリとしていてフリューネやグリーズと違い格闘戦は苦手そうだし防御力は低そうだけど、とにかく美しかった。
『ソレイユからはある程度の事情を聞いていますが、瘴気に立ち向かう為に私の力添えが必要という貴方の真意をその口より聞かせてください』
それから俺はクラウディーナに語りかけた。
世界で起こる破滅の侵攻の事。それに対抗するべく戦力を集めている事。そして目下瘴気が支配する世界と繋がり戦いが始まろうとしている事をフリューネとグリードの言葉添えを交えつつ伝えた。
『貴方達の話を聞いて腑に落ちた点がいくつかありました。
最近の多発する瘴気の発生は類似する異世界の穴が開いた事や魔神族の暗躍した結果の可能性を否定は出来ませんし、何度か黒い杭を撃たれ狙われた事もありました』
「竜が人前にはあまり出来ないでしょうし人里離れたところなら人種に影響は無いでしょうが、出来る限りオベリスクは破壊しておきたいのであとで覚えのあるものだけでいいのでお教え願えますか?」
『いいでしょう。話の通りなら私が壊すことは出来なさそうですしね。
私の担う事が出来ない部分は協力致しましょう。もちろん魔石の精製だけでなく必要であれば戦力として同行も考えます』
「目下の異世界は我々も初めて体験する領域ですので今回は魔石だけご協力いただけますか?
敵のポテンシャル次第で精霊や竜は肉体を乗っ取られる可能性がありますので」
光属性の竜ならば他属性の竜に比べても瘴気に対する抵抗力は高そうだけど、それでも可能性を捨てきれないなら同行は避けたい。
こちらも鍛えてはいるし対策は立てているものの、もしギリギリの戦いになれば味方の浄化作業を挟んだことで隙になる事も考えられる。最悪、今回は偵察だけして数か月後に再び開いてから再突入という手もある。
『わかりました。では、希望の魔石の欠片は好きに持って行って構いません。
私も自分の眼で異世界の入り口を確認だけしておきたいので魔石精製の間はイエロー・ドラゴンの巣へ同行します。いいですね?』
「危険と判断すれば魔石の事は二の次に逃げてくださるなら」
『竜を相手に心配性……とは思いますが私にはない経験をしているからこそなのでしょうね。
ブルー・ドラゴンの顔に免じて貴方の言葉通りにその時が来れば逃げる様に致します』
「ありがとうございます」
うぅむ…。白竜クラウディーナが一時的に同行するのは仕方ないとはいえ本当に逃げてくれるのだろうか…。
詳しい避難マニュアルは後でアルシェも交えながら決めた方が良いかもしれない。けれど、ひとまず交渉は成功したと見ていいだろう。
大きな魔石が無くても欠片が多くあればその分みんなで分け合って使えるし何とか瘴気対策が整ってきた様に思える。
次はまたラフィートの所か……。はぁ、忙しい…。
「クレアは察しが良いな。アクアから異世界が繋がって空間にひび割れが確認されたらしい」
「た、大変っ……ですけど水無月さんの落ち着き様からして急を要するものでは無い……んですか?」
「大型の相手が行き来出来るまで数日猶予はあるらしい。
その判断は長年異世界の侵略者相手に戦い続けた剣聖の判断だから急ぐ必要はない。
ただ、白竜の魔石は間に合わない可能性が出て来たから攻略方法を見直した方がよさそうだ……」
一瞬慌てるクレアの頭を撫でつつ落ち着かせると同時に予想よりも早い異世界の接続に頭を悩ませる。
「グリーズ。避難してもらいますよ」
『残りたいと希望する者以外は<万彩>の言う事に従いますよ』
「瘴気精霊が居なければ協力いただくところですが……」
『意思を知ったうえで足手まといと考えるならそうなのでしょう。
青も連れて行かないとも聞いていますし今回は借りとしましょう』
以前より伝えていた通り、異世界が繋がれば瘴気精霊が漏れ出てくる事となる。
流石に仲間が出て来た端から討伐するつもりだけどイレギュラーってのはどこにでもあるものだから、竜だけでなく島に住むエルダードワーフもドラゴドワーフも全員どこかに避難させる予定だ。
とはいえ、避難先がフォレストトーレになるのかアーグエングリンになるのかはラフィート王が調整してくれているだろうから後で確認しておこう。
「とりあえず島の事はアルシェ達が居るからいきなり悪化しても何とでもなる。
俺たちは今必要な事を進めよう!」
「はい!」
「「かしこまりました」」
『眷族はあちらへ戻したからいつでも繋げてくれたまえ』
では、お言葉に甘えてさっそくゲートを繋げましょうか。
* * * * *
繋げたゲートの向こうは意外な事に草原が広がっていた。
しかも気候も穏やかで避暑や休養地としては最高と言わざるを得ない。
「わぁ~!凄く見晴らしがよくて良い場所ですね!」
「クレア様。あまり先を急がないでください」
『うえへへ。クレアは可愛いなぁ』
「ソレイユ様。顔がイカれておいでですよ」
俺の後からゲートを潜ったクレアが駆け出して草原を駆ける後ろからサーニャが注意しつつ追いかけていく。
そのさらに後ろではソレイユ様がご尊顔をお崩しあそばれておられたので念の為、付いてきていない光精の側近に代わり注意しておく。
まぁ効果はないだろうけどな。
草原の草は芝生の様にかなり短く揃えられているが、別のところでは長い草が密集している事から草食の魔物でも居るんじゃないかな。そして目を引き付けられる草原の至る所にある白い物体と奥に見える光属性の天然魔石で出来た巨大な竜の巣。
「こっちは魔石、あっちは下級竜だな」
『僕たちに気付いているけど興味はないみたいだね』
『穏やかな気候ですし惰眠を貪る方が私達より大事なのでしょう』
『ほらほら、私が直々に案内してあげるのだからキビキビ歩くと良い。クレアが疲れたら私が抱き上げてあげるからね』
「あはは…、ありがとうございますソレイユ様……」
草原のあちこちに生えている魔石も異様に大きいけど明らかにデカイ生物は間違いなくアイスドラゴンと同じ下級竜だ。事前にグリーズに白竜種の位階を確認していたから多分ライトドラゴンかな?
フリューネやグリーズの言う通り傍を通る時に少し反応して顔を上げる程度で特に何かをしても来ない。
鼻先を撫でてみても臭いを嗅ぐだけで再び夢の中に旅立ってしまう。
やがてソレイユ様の先導で辿り着いた竜の巣は実際の所、洞窟に魔石がコーティングされている様な様相をしていた。
遠くから見た時は魔石だけで構成されたすかと思ったけど、よくこんな都合の良い洞窟があったもんだな。
『あまり奥行きはないからすぐにホーリーとクラウディーナが出迎えてくれるよ』
「あ、住処の広さは二の次なのね。自然魔力の噴出地点がここだったのか…」
『へぇ、良く知ってるね<万彩>』
「フリューネやグリーズの巣も精霊王の分御霊が居るところも同じだったし流石に学びますよ」
ソレイユ様の言う通り奥行きはそこまで無くすぐに最奥へと辿り着いた。
そこには左右にホーリードラゴンを侍らせて佇む美しい白いドラゴンが待ち構えていた。
『やぁやぁ我が友クラウディーナ。約束通りクレアを連れて来たよ』
『本題は精霊使いが私に会いたいという話だったでしょ?
貴女がクレアクレアとしつこいから興味を持ったのは事実ですが私も志を同じくする精霊使いに会いたかったのです』
『おや?そうだったかい?
まぁクレアのついでに精霊使いも連れて来ているから話すと良い。彼が件の精霊使い、水無月宗八だ』
ソレイユ様の雑談入りの所為で唐突なご挨拶になったけれどご紹介いただけたのであれば礼儀正しく言葉を綴ろう。
幸い今の対話からソレイユ様と違って異常者じゃないっぽいし。
「ご紹介に預かりました七精霊と契約している水無月宗八と申します。
白竜クラウディーナ様、お会い出来て光栄です」
『そのように恐縮する必要はありませんよ。
青とは友なのでしょう? 黄との関係は聞いていませんがその様子なら悪い関係ではなさそうですね』
『白が喧嘩腰でなくて助かるよ。僕は青竜フリューアネイシア。よろしく』
『私は黄竜グリュエザールです。彼は青の守護者だけれど私とも懇意にしているよ』
『今の時世に守護者が現れましたか…。やはり瘴気の増加と関係がありそうですね……。
ひとまずようこそ精霊使い。ようこそ同胞よ。私は白竜クラウディーナです、以後お見知りおきをよろしくお願いしますわ』
ソレイユ様の声掛け時点で丸まっていたクラウディーナは女性的な顔を上げたので雌かもと思ったけれど、どうやら本当に女性体の竜らしい。口調はグリーズと同じ様に丁寧な喋りをしていて尚更ソレイユ様の同類とは考えられないな…。
『そして今日の主役!いや、生涯私の主役!聖女クレシーダが彼女だよ!』
「お会い出来て光栄です。クレシーダ=ソレイユ=ハルメトリと申します。
この度はご招待いただきありがとうございました」
『えぇ、よろしくね。光精王がここまで気に入っているのだから余程光属性に適性があるのだろうと思ったけれど、なるほどね。
外に居る魔物も危険は無いし好きに見学でもしてくると良いわ。聖女なら外の世界を歩き回る事も少ないでしょう?』
「えぇと、お気遣いありがとうございます。
実は最近は破滅関係で国を出る機会も多くて今までの聖女とはちょっと違うんです。私は言われた通り従者を連れてお散歩に行ってきますのでその間、水無月さんの話を聞いてみてください」
まぁ!なんて良い子なのでしょう!
なんて内心では考えつつ今は頭を撫でる事も出来ないからとりあえず視線と表情で感謝を示してクレア達の後ろ姿を見送った。
クラウディーナもクレアの言葉を受けたからか顔だけでなく体も立ち上げ聞く態勢を整えてくれた。
その姿にまたちょっと感動する。手足はスラリとしていてフリューネやグリーズと違い格闘戦は苦手そうだし防御力は低そうだけど、とにかく美しかった。
『ソレイユからはある程度の事情を聞いていますが、瘴気に立ち向かう為に私の力添えが必要という貴方の真意をその口より聞かせてください』
それから俺はクラウディーナに語りかけた。
世界で起こる破滅の侵攻の事。それに対抗するべく戦力を集めている事。そして目下瘴気が支配する世界と繋がり戦いが始まろうとしている事をフリューネとグリードの言葉添えを交えつつ伝えた。
『貴方達の話を聞いて腑に落ちた点がいくつかありました。
最近の多発する瘴気の発生は類似する異世界の穴が開いた事や魔神族の暗躍した結果の可能性を否定は出来ませんし、何度か黒い杭を撃たれ狙われた事もありました』
「竜が人前にはあまり出来ないでしょうし人里離れたところなら人種に影響は無いでしょうが、出来る限りオベリスクは破壊しておきたいのであとで覚えのあるものだけでいいのでお教え願えますか?」
『いいでしょう。話の通りなら私が壊すことは出来なさそうですしね。
私の担う事が出来ない部分は協力致しましょう。もちろん魔石の精製だけでなく必要であれば戦力として同行も考えます』
「目下の異世界は我々も初めて体験する領域ですので今回は魔石だけご協力いただけますか?
敵のポテンシャル次第で精霊や竜は肉体を乗っ取られる可能性がありますので」
光属性の竜ならば他属性の竜に比べても瘴気に対する抵抗力は高そうだけど、それでも可能性を捨てきれないなら同行は避けたい。
こちらも鍛えてはいるし対策は立てているものの、もしギリギリの戦いになれば味方の浄化作業を挟んだことで隙になる事も考えられる。最悪、今回は偵察だけして数か月後に再び開いてから再突入という手もある。
『わかりました。では、希望の魔石の欠片は好きに持って行って構いません。
私も自分の眼で異世界の入り口を確認だけしておきたいので魔石精製の間はイエロー・ドラゴンの巣へ同行します。いいですね?』
「危険と判断すれば魔石の事は二の次に逃げてくださるなら」
『竜を相手に心配性……とは思いますが私にはない経験をしているからこそなのでしょうね。
ブルー・ドラゴンの顔に免じて貴方の言葉通りにその時が来れば逃げる様に致します』
「ありがとうございます」
うぅむ…。白竜クラウディーナが一時的に同行するのは仕方ないとはいえ本当に逃げてくれるのだろうか…。
詳しい避難マニュアルは後でアルシェも交えながら決めた方が良いかもしれない。けれど、ひとまず交渉は成功したと見ていいだろう。
大きな魔石が無くても欠片が多くあればその分みんなで分け合って使えるし何とか瘴気対策が整ってきた様に思える。
次はまたラフィートの所か……。はぁ、忙しい…。
10
お気に入りに追加
688
あなたにおすすめの小説
転生した王妃は親バカでした
ぶるもあきら
恋愛
い、いだーーいぃーー
あまりの激痛に目がチカチカする。
それがキッカケの様にある景色が頭にうかぶ、 日本…東京…
あれ?私アラフォーのシングルマザーだったよね?
「王妃様、もう少しです!頑張ってください!!」
お、王妃様って!?
誰それ!!
てかそれより
いだーーーいぃー!!
作家をしながらシングルマザーで息子と2人で暮らしていたのに、何故か自分の書いた小説の世界に入り込んでしまったようだ…
しかも性格最悪の大ボスキャラの王妃バネッサに!
このままストーリー通りに進むと私には破滅の未来しかないじゃない!!
どうする?
大ボスキャラの王妃に転生したアラフォーが作家チートを使いながら可愛い我が子にメロメロ子育てするお話
我が子をただ可愛がっていたらストーリー上では夫婦ながらバネッサを嫌い、成敗するヒーローキャラの国王もなんだか絡んできて、あれれ?これってこんな話だったっけ??
*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
拙い本作品を見つけてくれてありがとうございます。
毎日24時更新予定です。
(寝落ちにより遅れる事多々あり)
誤字脱字がありましたら、そっと教えてくれると嬉しいです。
異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!
明衣令央
ファンタジー
糸井織絵は、ある日、オブルリヒト王国が行った聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界ルリアルークへと飛ばされてしまう。
一緒に召喚された、若く美しい女が聖女――織絵は召喚の儀に巻き込まれた年増の豚女として不遇な扱いを受けたが、元スマホケースのハリネズミのぬいぐるみであるサーチートと共に、オブルリヒト王女ユリアナに保護され、聖女の力を開花させる。
だが、オブルリヒト王国の王子ジュニアスは、追い出した織絵にも聖女の可能性があるとして、織絵を連れ戻しに来た。
そして、異世界転移状態から正式に異世界転生した織絵は、若く美しい姿へと生まれ変わる。
この物語は、聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界転移後、新たに転生した一人の元おばさんの聖女が、相棒の元スマホケースのハリネズミと楽しく無双していく、恋と冒険の物語。
2022.9.7 話が少し進みましたので、内容紹介を変更しました。その都度変更していきます。
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
黒木 楓
恋愛
隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。
どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。
巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。
転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。
そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる