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第13章 -1st_Wナユタの世界-
†第13章† -05話-[ミリエステの看破]
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『では、お父様。ミリエステさんをお見送りしてきます』
「おぅ、頼むな」
エルダードワーフの里に戻るとフリューネがクーに撫でられながら寂しそうに俺の帰りを待ってい所に出くわした。
俺の姿を見つけたフリューネの喜びようとは凄まじく、本当に犬みたいだな。
「おぉよしよし、ただいまポチ。ちゃんと大人しくお留守番できたか?」
『グルルゥ~♪』
この俺の青竜に対する雑な扱いを見て驚いて呆然としているのはミリエステのみで、あのリッカですら既に気にしない程度には慣れた模様。フリューネも犬扱いされていると思ってもいないのか呑気に喉を鳴らして頭を擦りつけてくる有様だ。
よ~しよしよしよし、goodboy!グッボーイ!
何かボールか棒か投げられるものは無いかと周囲を見回しているとクーに送られる予定だったミリエステがなんか近くに寄って来ていた。
「申し訳ないのですが、帰る前に少しお話宜しいですか?」
「え?」
ミリエステの奥ではクーがゲートから顔だけを出していて、その表情からはまだですか?と催促する心情が読み取れた。
なんか話があるそうだしクーには一時中止を伝えてミリエステと二人で離れた位置へと移動した。
「それで? 話ってなに?」
「まず先にこの度の加護取得に関してご助力いただきありがとうございました」
「こっちも精霊使いの人口増加と戦力増強っていう思惑があってのことだから感謝はいらないよ。
しっかり身に付けて正しく力を行使してくれれば廻り回って俺たちの得になるから」
変な緊張を浮かべ強張った顔のミリエステからはまず感謝が述べられた。
彼女としても口開きに迷った挙句に感謝から口火を切る事とした様だ。
それでも本題は別にあるからか俺の返事を受けてから少し考え込む様子を見せた後は覚悟は決まったのか再び口を開く。
「単刀直入に質問させていただきます。
しかし私も荒唐無稽と思っていますから間違ったことを口にしている場合や肯定したくない場合は上手く躱してください。私は水無月さんの判断を優先して洩らさないと誓います」
「わかった。隠すべきと判断したら沈黙で返そう」
「では……。水無月さんは……、メリオと同郷なのでしょうか?」
同郷とはずいぶんと遠回しな聞き方をするな。
召喚された国はアスペラルダで同郷と言えるし、同じ世界と言えば同郷と言える。しかし、もっと具体的な出身地で言えば勇者メリオはボスニア・ヘルツェゴヴィナとかじゃなかったっけ?これはどう捉えても良い俺の都合に配慮された質問と受け取るべきか……。
まぁミリエステとマクラインは信用できると判断しているし、いいかげん都合を知る勇者サイドの協力者は居ていい頃合いかな。
「同郷であるとも言えるし違うとも言える。
詳しく言えば同じ世界出身だが別の国の人間というのが正しい」
「やっぱりですか……。前から疑ってはいたのです。
メリオとほぼ同時期に頭角を現した青年でこの世界の人間にしては精霊と契約などと突拍子の無いことを平然とするし、メリオと言葉は通じない上メリオと同じような単語を口にするし……」
「同じ単語ってどんな?」
「火精の里で口にしたでしょう? ファンタジーって」
あ、なるほど。確かにファンタジー世界の人間は幻想的だったり現実味の無い光景を見てもファンタジーとは口にしないか。
「メリオとはアスペラルダで顔を合わせていなかった事もあり私とマクラインはこれでも警戒はしていたのです。
もしかしたら勇者に成り替わろうとする人物かもしれないって……。でも水無月さんはメリオを気に掛けるし苦言も呈するしでよくわからなくなってしまって」
「それである程度情報収集も出来たしメリオが居ない内に問いただそうと思ったわけだ」
「その通りです。どうにもメリオに自身の正体を悟られたくない様子でしたから……。
であれば、次に疑問となるのは当然何者なのかです。メリオはアスペラルダの魔法使い達が魔方陣を利用して召喚したはずです」
「それに関してははぐらかすわけじゃなく本当に俺にもわからないんだ。
気付いたら魔方陣に居たんだけどアスペラルダの人達曰く魔力は注いでいなかったらしいし、称号に勇者関連のものも出ていないからな。おそらくってのは考えているけど情報が足りていないからはっきりとした回答は俺も出せない。
だからメリオが送還されるタイミングで俺も元の世界に送還される可能性があるから今、急いで精霊使いを育てて破滅対策に走り回っているんだ」
勇者は人族が魔王討伐を願って召喚した[勇者]だ。
だから旅の最終目的も魔王の討伐だしそれを達してしまえば元の世界に送還される。
しかし俺は人族にも、ましてや魔族にも獣人にも呼ばれていないから最終目的ってものがわからない。そんな中で以前にクーが口にした「世界に呼ばれた」ってのがまぁ可能性として俺の頭に引っかかっている。
あとは称号にある[精霊の救世主]ももしかしたら精霊の誰かが破滅と戦う為に呼んだ可能性も残されているか……。
そんな説明をしたところでミリエステの視線がなにやらキラキラした物に代わり少々頰も赤らんでいる様に見受けられる。
いつもアルシェが向けてくる視線とは違う……、なんだ……? あっ!?
「待て!お前は勘違いしている!
この世界の為というのは少なくとも有るが第一はアスペラルダの為、第二がアルシェと子供たちの為だからな!
自己犠牲で世界を救おうとしているとかマジで勘違いだからっ!な!」
「えぇ……わかっております。貴方の高潔な意思、本当に尊敬に値致します。水無月様」
わかってねぇじゃねぇか!
跪きながら尊敬するとか言うんじゃねぇ!水無月さんと呼びたまえ!
「ともかく、お前の想像する崇高な感じじゃないからあまり深く受け止めないでくれ。
魔王とメリオが戦う前に勇者PTにはいくらか力を借りるつもりだし、魔王を倒した後の破滅対応にはミリエステにもマクラインにも手伝ってもらわないといけないんだから、そこ辺りを理解して鍛えてくれるとありがたい」
「わかりました。尊師のご指示通りマクラインと共にまずは勇者メリオを鍛え、支え、お呼びになられた際には頼られた栄誉に応えられる様に奮迅させていただきます!世界の為!」
尊師……。あぁ、もういいよ……。好きにしてくれ……。
ついに宗教感のある呼び名が出て来たぞ……。オルヘルム教皇が俺に難癖付けてきたりしないだろうか……。
マジで身内だけの為に頑張ってるところはしっかり伝わっていて欲しい。あと、その勘違いがマクラインや今後勇者PTに加入する新入りに感染しないことを祈るわ……。
「あぁ、メリオに俺が同郷の異世界人と伝えるタイミングはお前達で決めてくれ。
勇者の力の本質がどういうものか一緒に居ない俺たちはわからないから、伝えて問題ないと思ったらミリエステ達で責任を持って伝えてやってくれ」
「かしこまりました」
これでメリオの件で負担に感じていた正体を明かす部分は俺の手を離れたな。
アスペラルダやアルシェや子供たちのことを考えるだけでも忙しいのに仲間の強化案とかも考えなきゃいけない中でメリオの事なんか考えてられるか!俺の身内じゃないんだから出来れば勝手に強くなって勝手に魔神族戦に乱入してきて勝ってくれよ!
「おぅ、頼むな」
エルダードワーフの里に戻るとフリューネがクーに撫でられながら寂しそうに俺の帰りを待ってい所に出くわした。
俺の姿を見つけたフリューネの喜びようとは凄まじく、本当に犬みたいだな。
「おぉよしよし、ただいまポチ。ちゃんと大人しくお留守番できたか?」
『グルルゥ~♪』
この俺の青竜に対する雑な扱いを見て驚いて呆然としているのはミリエステのみで、あのリッカですら既に気にしない程度には慣れた模様。フリューネも犬扱いされていると思ってもいないのか呑気に喉を鳴らして頭を擦りつけてくる有様だ。
よ~しよしよしよし、goodboy!グッボーイ!
何かボールか棒か投げられるものは無いかと周囲を見回しているとクーに送られる予定だったミリエステがなんか近くに寄って来ていた。
「申し訳ないのですが、帰る前に少しお話宜しいですか?」
「え?」
ミリエステの奥ではクーがゲートから顔だけを出していて、その表情からはまだですか?と催促する心情が読み取れた。
なんか話があるそうだしクーには一時中止を伝えてミリエステと二人で離れた位置へと移動した。
「それで? 話ってなに?」
「まず先にこの度の加護取得に関してご助力いただきありがとうございました」
「こっちも精霊使いの人口増加と戦力増強っていう思惑があってのことだから感謝はいらないよ。
しっかり身に付けて正しく力を行使してくれれば廻り回って俺たちの得になるから」
変な緊張を浮かべ強張った顔のミリエステからはまず感謝が述べられた。
彼女としても口開きに迷った挙句に感謝から口火を切る事とした様だ。
それでも本題は別にあるからか俺の返事を受けてから少し考え込む様子を見せた後は覚悟は決まったのか再び口を開く。
「単刀直入に質問させていただきます。
しかし私も荒唐無稽と思っていますから間違ったことを口にしている場合や肯定したくない場合は上手く躱してください。私は水無月さんの判断を優先して洩らさないと誓います」
「わかった。隠すべきと判断したら沈黙で返そう」
「では……。水無月さんは……、メリオと同郷なのでしょうか?」
同郷とはずいぶんと遠回しな聞き方をするな。
召喚された国はアスペラルダで同郷と言えるし、同じ世界と言えば同郷と言える。しかし、もっと具体的な出身地で言えば勇者メリオはボスニア・ヘルツェゴヴィナとかじゃなかったっけ?これはどう捉えても良い俺の都合に配慮された質問と受け取るべきか……。
まぁミリエステとマクラインは信用できると判断しているし、いいかげん都合を知る勇者サイドの協力者は居ていい頃合いかな。
「同郷であるとも言えるし違うとも言える。
詳しく言えば同じ世界出身だが別の国の人間というのが正しい」
「やっぱりですか……。前から疑ってはいたのです。
メリオとほぼ同時期に頭角を現した青年でこの世界の人間にしては精霊と契約などと突拍子の無いことを平然とするし、メリオと言葉は通じない上メリオと同じような単語を口にするし……」
「同じ単語ってどんな?」
「火精の里で口にしたでしょう? ファンタジーって」
あ、なるほど。確かにファンタジー世界の人間は幻想的だったり現実味の無い光景を見てもファンタジーとは口にしないか。
「メリオとはアスペラルダで顔を合わせていなかった事もあり私とマクラインはこれでも警戒はしていたのです。
もしかしたら勇者に成り替わろうとする人物かもしれないって……。でも水無月さんはメリオを気に掛けるし苦言も呈するしでよくわからなくなってしまって」
「それである程度情報収集も出来たしメリオが居ない内に問いただそうと思ったわけだ」
「その通りです。どうにもメリオに自身の正体を悟られたくない様子でしたから……。
であれば、次に疑問となるのは当然何者なのかです。メリオはアスペラルダの魔法使い達が魔方陣を利用して召喚したはずです」
「それに関してははぐらかすわけじゃなく本当に俺にもわからないんだ。
気付いたら魔方陣に居たんだけどアスペラルダの人達曰く魔力は注いでいなかったらしいし、称号に勇者関連のものも出ていないからな。おそらくってのは考えているけど情報が足りていないからはっきりとした回答は俺も出せない。
だからメリオが送還されるタイミングで俺も元の世界に送還される可能性があるから今、急いで精霊使いを育てて破滅対策に走り回っているんだ」
勇者は人族が魔王討伐を願って召喚した[勇者]だ。
だから旅の最終目的も魔王の討伐だしそれを達してしまえば元の世界に送還される。
しかし俺は人族にも、ましてや魔族にも獣人にも呼ばれていないから最終目的ってものがわからない。そんな中で以前にクーが口にした「世界に呼ばれた」ってのがまぁ可能性として俺の頭に引っかかっている。
あとは称号にある[精霊の救世主]ももしかしたら精霊の誰かが破滅と戦う為に呼んだ可能性も残されているか……。
そんな説明をしたところでミリエステの視線がなにやらキラキラした物に代わり少々頰も赤らんでいる様に見受けられる。
いつもアルシェが向けてくる視線とは違う……、なんだ……? あっ!?
「待て!お前は勘違いしている!
この世界の為というのは少なくとも有るが第一はアスペラルダの為、第二がアルシェと子供たちの為だからな!
自己犠牲で世界を救おうとしているとかマジで勘違いだからっ!な!」
「えぇ……わかっております。貴方の高潔な意思、本当に尊敬に値致します。水無月様」
わかってねぇじゃねぇか!
跪きながら尊敬するとか言うんじゃねぇ!水無月さんと呼びたまえ!
「ともかく、お前の想像する崇高な感じじゃないからあまり深く受け止めないでくれ。
魔王とメリオが戦う前に勇者PTにはいくらか力を借りるつもりだし、魔王を倒した後の破滅対応にはミリエステにもマクラインにも手伝ってもらわないといけないんだから、そこ辺りを理解して鍛えてくれるとありがたい」
「わかりました。尊師のご指示通りマクラインと共にまずは勇者メリオを鍛え、支え、お呼びになられた際には頼られた栄誉に応えられる様に奮迅させていただきます!世界の為!」
尊師……。あぁ、もういいよ……。好きにしてくれ……。
ついに宗教感のある呼び名が出て来たぞ……。オルヘルム教皇が俺に難癖付けてきたりしないだろうか……。
マジで身内だけの為に頑張ってるところはしっかり伝わっていて欲しい。あと、その勘違いがマクラインや今後勇者PTに加入する新入りに感染しないことを祈るわ……。
「あぁ、メリオに俺が同郷の異世界人と伝えるタイミングはお前達で決めてくれ。
勇者の力の本質がどういうものか一緒に居ない俺たちはわからないから、伝えて問題ないと思ったらミリエステ達で責任を持って伝えてやってくれ」
「かしこまりました」
これでメリオの件で負担に感じていた正体を明かす部分は俺の手を離れたな。
アスペラルダやアルシェや子供たちのことを考えるだけでも忙しいのに仲間の強化案とかも考えなきゃいけない中でメリオの事なんか考えてられるか!俺の身内じゃないんだから出来れば勝手に強くなって勝手に魔神族戦に乱入してきて勝ってくれよ!
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