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閑話休題 -次に向けての準備期間-
閑話休題 -77話-[黄竜と魔石と新たな武器と⑧]
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「それで俺たちか」
「遊ぶつもりなのか、育ちを見るつもりなのか…」
俺が選んだのはゼノウPTとセーバーPTの合同チームだ。
今は遠くで軽い打ち合わせをしている様子を眺めているしかないので改めてニルとクーを甘やかしている。
「直接教育しているトワインはともかく他のメンバーは宗八以外から教わったり訓練を受けたりだからな。
その辺を見たいという理由もあると思う」
「メイン目的はアニマ様との[無精霊纏]のテストと言って居たがな。
とりあえず前衛後衛で分けてみるか…」
「ある程度のスペック情報は頂けていますし、それを元に考えてみましょう」
ゼノウ、セーバー、ノルキアの順に口が開かれた。
現在、ゼノウPTからはトワインが宗八に連れて行かれている為メンバーは3人となっている。
・トリックスター/前衛/ゼノウ=アルカトラズ=エリウス
・ソードファイター/前衛/ライナー=ライボルト
・ハイウィッチ/後衛/フランザ=シヴァ=エフィメール
セーバーPTからはディテウスが宗八に誘拐されている為メンバーは4人となっている。
・グラディエーター/前衛/セーバー=テンペスト=カルドウェル
・ハイソルジャー/前衛/ノルキア=ハンバネス
・ソーサレス/後衛/アネス=ミレボリア
・スナイパー/後衛/モエア=ラメンツィラ
計7名の変則PTとして今回はクランリーダー/水無月宗八に挑むこととなる。
前衛4名、後衛3名とバランスも丁度良く真なる加護持ちも3名揃っている夢の様なチームだがゼノウとフランザは祝福を頂いて間もない為、魔法の威力や制御力が底上げされている程度の熟度だ。しかしセーバーは半年ほど前から宗八から精霊使いとしてのアドバイスなどを受けていたこともあり、チームの中で一番の攻撃力を持っている。
「前衛が皆加速系を扱えるのはプラスじゃね?」
「ライナーは隊長の恐ろしさをちゃんと理解しているのかしら…」
「いやいや、フランザ~。人数が多いから気が大きくなってるだけよ、きっと~」
「モエアの言う通りだと私も思う」
基本大雑把で深く考えても居ないプラス要素を口にしただけだったライナーは、フランザ・モエア・アネスに愚か者の烙印を押されてちょっとショックを受けた顔をしている。そんな可哀そうな彼にフォローすることも無く、作戦を組み立てる役割のゼノウ・セーバー・ノルキアの3名は全員に作戦の周知を行った。
「定石が通るほど規格内なわけがないクランリーダーの討伐方法ですが」
「え? 討伐するつもりなのですか?」
「心意気ですね。訓練を受けるとか甘い考えがあると容赦なくブチ抜かれますから」
「それは確かねぇ~」
フランザはノルキア達司令組の姿勢に驚くもその回答を聞いてモエアと一緒に納得の声を上げる。
戦うことが好きな事はわかっている。そして笑顔を浮かべた時はヤバイ、が実力を認めてもらえたならそれはそれで嬉しい。
「モエアは普通の矢を撃っても風の加護で自動的に無効化されます。
【戦技/アーツ】を用いてやっと届くでしょうがAPは使い過ぎると集中力が落ちるそうなので、基本は魔法で牽制が役割ですね」
「任せて~」
【戦技/アーツ】は確かにAPを使用して発動させるものだが、最大AP量も判然としていないし今まで曖昧であった。
しかし、ユレイアルド神聖教国のアナザー・ワンと訓練する時間を設けていただいた際に彼女たちの【必殺戦技】[メイドノミヤゲ]は絶大な攻撃力を持つ代わりにAPの消費も多く、日に何度も使用できないという雑談から様々な情報を統合した結果色々と分かったことがある。
それが【戦技/アーツ】はAP使用量が少ない為日に何度使っても大して気にならないが、使い過ぎると集中力が極端に落ちてしまうためアナザー・ワンの彼女たちは日に2度までと定められているらしい。
「アネスとフランザは足止めをお願いします。
二人で複合属性で前衛組が攻撃出来る隙を多く作ってください」
「「了解」」
「私とセーバーは脚が止まったクランリーダーの両手を封じましょう。
私は強攻撃に向いていませんが小手先は器用です。セーバーは逆に強攻撃を警戒されますから溜めの時間は与えられないと判断しました」
「だよな。俺も手札がわかってる相手なら注意するわ。
支援の視界は塞がない様に心がけるよ」
この二組は阻害が役割。
今回、空はどうしようもないから禁止のルールを宗八からもぎ取って来たのだ。
つまり足止めの魔法は有効な範疇だしそれを手伝う我々も居るから量で勝負して最後に繋げる重要な場面となる。
「最後にゼノウとライナーが致命傷を与える役割です。
とにかく鋭く重い一撃を意識して隙を突いてください」
「ゼノウはともかく俺はそこまで期待されても困るぜ?」
「そんな態度じゃマリエルに呆れられますよ」
「男気を見せる時」
「あっちはそんな気全くないだろうけどねぇ~」
「ぐっ!う、うるせぇーなぁ!俺も戸惑ってんだから放っておいてくれ!」
トワイン以外を放置気味だった宗八と当のマリエルは気付いていなかったが、どうもライナーはマリエルに師事して訓練などにも付き合ってもらう内に淡い想いを抱き始めてしまったらしい。
とはいえ、性格と口調が大雑把な彼が幼い頃から恋に失敗続きなのは当然として、その際傷付いた心がやっと癒えた矢先のこの想い。
恋に臆病になったライナーの心は鈍感になり、ひと回りも年下でふた回りも強い少女に対する想いが恋なのか憧れなのか判断出来ずに居た。まぁ周りは恋心と勝手に決めて弄っているわけだが。
「まぁまぁ皆さん、仲間内ではあまり見ない甘酸っぱい物は暖かく見守るべきですよ。
ともかくゼノウとライナーがしっかり決めてもらわないと終わりませんからよろしくお願いします」
「任せてくれ」
「やってやらぁ!」
* * * * *
「~~~♪」
『機嫌がいいですね』
「思いの外強くなり過ぎてしもうたからのぉ…。魔神族以外の歯応えある戦いに飢えておるのじゃ」
『その口調ベルは嫌です』
「ごめんね。俺はベルの事大好きだよ」
ベルは老人口調が嫌い、と俺は深く心に刻み込んだ。
「『《無精霊纏!》』」
口を揃えて重なった詠唱はアニマを分解し俺へと纏わせる。
白い光に包まれすぐに視界が晴れた時には俺の髪色も装備の標準色も白に統一されていた。
彼女は今までのフード仕様を好いておらず敢えて騎士の様なマントに特化したらしい。というかこれは叙爵する時とかのペリースマントじゃね?実用性皆無なんだが?
『ワタクシの力はこれで納まらないですよ。さぁベルとフラムも一緒になりましょう』
「え?」
『『《混交精霊纏!》』』
アニマの謎の一声に肩に乗っていた光精ベルと火精フラムも揃った声で詠唱を口にすると、アニマの言った通り二人は俺の中へと吸い込まれて行き俺の内部に確かな二人の存在を感じる。
『これは…』
『僕たち、二人ともお父さんの中に居ます…』
「ステータス!」
二人の声がアニマとは別に内に響くのを感じると俺は慌ててステータスを表示した。
明らかに今までの姉弟とは違う[精霊纏]の効果をアニマが宿している事を認識して表示されたステータスの上昇値に目を通す。
「これがアニマの力か?エッグイなぁ……ははは…」
当初俺が想像していたアニマの無精霊纏の能力は、
①全体ステータス上昇1.3倍
②全属性制御力中上昇
上記二点のみだったが、さらにアニマは他の姉弟のステータス上昇分も加算することが出来るらしい。
()は武具補正値、[]は称号補正値。〔〕は精霊纏補正値
名前 :水無月(みなづき) 宗八(そうはち) Lev.84
所持金 :1,022,870G
ステータス:STR 39 (+26)[+155] =220〔x5.3〕=STR 1166
INT 24 (+16)[+180] =220〔x1.9〕=INT 418
VIT 38 (+26)[+156] =220〔x3.6〕=VIT 792
MEN 24 (+26)[+190] =240〔x3.6〕=MEN 864
DEX 53 (+16)[+131] =200〔x1.9〕=DEX 380
AGI 33 (+16)[+151] =200〔x1.9〕=AGI 380
GEM 74
■パッシブスキル■
精霊の呼吸 [常時MP小消費/自動MP中回復/全ステータスUP(小~大)]
魔導拡張 [制御力向上/複合魔法開発]
魔力付与 [対象に称号を付与し、INT+30/MEN+30]
■アクティブスキル■
シンクロ [契約精霊とMP/制御力を総合出来る。以心伝心状態になる]
無精霊纏 [全ステータスx1.3倍][ユニーク:属性混交]
◇クロスベルトロープ[STR/MENx2倍][他x1.3倍]
◇クロスフラムキエ [STR/VITx2倍][他x1.3倍]
「……これは勝負になるんか? アニマ様凄すぎだろ…」
『特徴が無い無精らしい特徴だと思いませんか?(どやぁ)』
んん!?せっ……千百…六十六!?
今までは高くてもステ最高値は480だったのにいきなり倍以上の1166って調整効くのかコレ……。
『魔神族相手の予行練習には持って来いのステータスだと思いますよ?』
「う~ん。ポジティブに考えればあいつらにとっては良い練習になるか。
ついでにアルシェ達ともいい勝負になるだろう事を考えれば悪くはないな…」
彼女たちが[ユニゾン]を扱えるようになってからステータスや制御力で言えば負け越していた。
スキル[ユニゾン]の効果は[属性ステx3倍][他ステx2倍]。
俺がフォレストトーレから離れた時点でのアルシェのステータスにこれを含めると…。
()は武具補正値、[]は称号補正値。〔〕はユニゾン補正値
名前 :アルカンシェ=シヴァ=アスペラルダ Lev.82
所持金 :1,812.300G
ステータス:STR 23 (+07)[+106] =136〔x2〕=STR 272
INT 30 (+26)[+165] =221〔x3〕=INT 663
VIT 20 (+11)[+95] =126〔x2〕=VIT 232
MEN 30 (+32)[+162] =224〔x3〕=MEN 672
DEX 130 (+05)[+61] =196〔x2〕=DEX 392
AGI 23 (+05)[+72] =100〔x2〕=AGI 200
GEM 17
わかっていた事だけど[真なる加護]と[亜神の加護]では取得できるスキルに差が生まれるなぁ。
今後まだまだ取得可能なスキルがあった場合は差がもっと広がる事になるかもしれないけど、アニマが居ればしばらくはステータスだけに限れば置いて行かれる心配はあまり必要ないか?
『何を言っているのですか宗八。
他の姉弟がサブマスターと戦う様になれば結果的に恩恵は[全ステx1.3倍]のみですよ』
「はっ!?」
そうだった!特にステータスが必要な魔神族戦はメンバーはそれぞれの戦場で戦う傾向にあるんだった!!
タイミング良く精霊が居なくても戦える敵が相手となる可能性に賭けるわけにも行かないし…、結局地道に活動して称号や装備で底上げしていくのが無難か……。
「宗八!こっちは準備完了したぞ!」
「あぁ…、じゃあ始めるか…」
ぬか喜びで若干落ち込んだ宗八は、離れた位置から呼びかけるセーバーに手を挙げ応える。
ひとまずこのステータスに慣れる為にも、彼らの戦闘力を見る為にも意識を切り替えていこう。
「遊ぶつもりなのか、育ちを見るつもりなのか…」
俺が選んだのはゼノウPTとセーバーPTの合同チームだ。
今は遠くで軽い打ち合わせをしている様子を眺めているしかないので改めてニルとクーを甘やかしている。
「直接教育しているトワインはともかく他のメンバーは宗八以外から教わったり訓練を受けたりだからな。
その辺を見たいという理由もあると思う」
「メイン目的はアニマ様との[無精霊纏]のテストと言って居たがな。
とりあえず前衛後衛で分けてみるか…」
「ある程度のスペック情報は頂けていますし、それを元に考えてみましょう」
ゼノウ、セーバー、ノルキアの順に口が開かれた。
現在、ゼノウPTからはトワインが宗八に連れて行かれている為メンバーは3人となっている。
・トリックスター/前衛/ゼノウ=アルカトラズ=エリウス
・ソードファイター/前衛/ライナー=ライボルト
・ハイウィッチ/後衛/フランザ=シヴァ=エフィメール
セーバーPTからはディテウスが宗八に誘拐されている為メンバーは4人となっている。
・グラディエーター/前衛/セーバー=テンペスト=カルドウェル
・ハイソルジャー/前衛/ノルキア=ハンバネス
・ソーサレス/後衛/アネス=ミレボリア
・スナイパー/後衛/モエア=ラメンツィラ
計7名の変則PTとして今回はクランリーダー/水無月宗八に挑むこととなる。
前衛4名、後衛3名とバランスも丁度良く真なる加護持ちも3名揃っている夢の様なチームだがゼノウとフランザは祝福を頂いて間もない為、魔法の威力や制御力が底上げされている程度の熟度だ。しかしセーバーは半年ほど前から宗八から精霊使いとしてのアドバイスなどを受けていたこともあり、チームの中で一番の攻撃力を持っている。
「前衛が皆加速系を扱えるのはプラスじゃね?」
「ライナーは隊長の恐ろしさをちゃんと理解しているのかしら…」
「いやいや、フランザ~。人数が多いから気が大きくなってるだけよ、きっと~」
「モエアの言う通りだと私も思う」
基本大雑把で深く考えても居ないプラス要素を口にしただけだったライナーは、フランザ・モエア・アネスに愚か者の烙印を押されてちょっとショックを受けた顔をしている。そんな可哀そうな彼にフォローすることも無く、作戦を組み立てる役割のゼノウ・セーバー・ノルキアの3名は全員に作戦の周知を行った。
「定石が通るほど規格内なわけがないクランリーダーの討伐方法ですが」
「え? 討伐するつもりなのですか?」
「心意気ですね。訓練を受けるとか甘い考えがあると容赦なくブチ抜かれますから」
「それは確かねぇ~」
フランザはノルキア達司令組の姿勢に驚くもその回答を聞いてモエアと一緒に納得の声を上げる。
戦うことが好きな事はわかっている。そして笑顔を浮かべた時はヤバイ、が実力を認めてもらえたならそれはそれで嬉しい。
「モエアは普通の矢を撃っても風の加護で自動的に無効化されます。
【戦技/アーツ】を用いてやっと届くでしょうがAPは使い過ぎると集中力が落ちるそうなので、基本は魔法で牽制が役割ですね」
「任せて~」
【戦技/アーツ】は確かにAPを使用して発動させるものだが、最大AP量も判然としていないし今まで曖昧であった。
しかし、ユレイアルド神聖教国のアナザー・ワンと訓練する時間を設けていただいた際に彼女たちの【必殺戦技】[メイドノミヤゲ]は絶大な攻撃力を持つ代わりにAPの消費も多く、日に何度も使用できないという雑談から様々な情報を統合した結果色々と分かったことがある。
それが【戦技/アーツ】はAP使用量が少ない為日に何度使っても大して気にならないが、使い過ぎると集中力が極端に落ちてしまうためアナザー・ワンの彼女たちは日に2度までと定められているらしい。
「アネスとフランザは足止めをお願いします。
二人で複合属性で前衛組が攻撃出来る隙を多く作ってください」
「「了解」」
「私とセーバーは脚が止まったクランリーダーの両手を封じましょう。
私は強攻撃に向いていませんが小手先は器用です。セーバーは逆に強攻撃を警戒されますから溜めの時間は与えられないと判断しました」
「だよな。俺も手札がわかってる相手なら注意するわ。
支援の視界は塞がない様に心がけるよ」
この二組は阻害が役割。
今回、空はどうしようもないから禁止のルールを宗八からもぎ取って来たのだ。
つまり足止めの魔法は有効な範疇だしそれを手伝う我々も居るから量で勝負して最後に繋げる重要な場面となる。
「最後にゼノウとライナーが致命傷を与える役割です。
とにかく鋭く重い一撃を意識して隙を突いてください」
「ゼノウはともかく俺はそこまで期待されても困るぜ?」
「そんな態度じゃマリエルに呆れられますよ」
「男気を見せる時」
「あっちはそんな気全くないだろうけどねぇ~」
「ぐっ!う、うるせぇーなぁ!俺も戸惑ってんだから放っておいてくれ!」
トワイン以外を放置気味だった宗八と当のマリエルは気付いていなかったが、どうもライナーはマリエルに師事して訓練などにも付き合ってもらう内に淡い想いを抱き始めてしまったらしい。
とはいえ、性格と口調が大雑把な彼が幼い頃から恋に失敗続きなのは当然として、その際傷付いた心がやっと癒えた矢先のこの想い。
恋に臆病になったライナーの心は鈍感になり、ひと回りも年下でふた回りも強い少女に対する想いが恋なのか憧れなのか判断出来ずに居た。まぁ周りは恋心と勝手に決めて弄っているわけだが。
「まぁまぁ皆さん、仲間内ではあまり見ない甘酸っぱい物は暖かく見守るべきですよ。
ともかくゼノウとライナーがしっかり決めてもらわないと終わりませんからよろしくお願いします」
「任せてくれ」
「やってやらぁ!」
* * * * *
「~~~♪」
『機嫌がいいですね』
「思いの外強くなり過ぎてしもうたからのぉ…。魔神族以外の歯応えある戦いに飢えておるのじゃ」
『その口調ベルは嫌です』
「ごめんね。俺はベルの事大好きだよ」
ベルは老人口調が嫌い、と俺は深く心に刻み込んだ。
「『《無精霊纏!》』」
口を揃えて重なった詠唱はアニマを分解し俺へと纏わせる。
白い光に包まれすぐに視界が晴れた時には俺の髪色も装備の標準色も白に統一されていた。
彼女は今までのフード仕様を好いておらず敢えて騎士の様なマントに特化したらしい。というかこれは叙爵する時とかのペリースマントじゃね?実用性皆無なんだが?
『ワタクシの力はこれで納まらないですよ。さぁベルとフラムも一緒になりましょう』
「え?」
『『《混交精霊纏!》』』
アニマの謎の一声に肩に乗っていた光精ベルと火精フラムも揃った声で詠唱を口にすると、アニマの言った通り二人は俺の中へと吸い込まれて行き俺の内部に確かな二人の存在を感じる。
『これは…』
『僕たち、二人ともお父さんの中に居ます…』
「ステータス!」
二人の声がアニマとは別に内に響くのを感じると俺は慌ててステータスを表示した。
明らかに今までの姉弟とは違う[精霊纏]の効果をアニマが宿している事を認識して表示されたステータスの上昇値に目を通す。
「これがアニマの力か?エッグイなぁ……ははは…」
当初俺が想像していたアニマの無精霊纏の能力は、
①全体ステータス上昇1.3倍
②全属性制御力中上昇
上記二点のみだったが、さらにアニマは他の姉弟のステータス上昇分も加算することが出来るらしい。
()は武具補正値、[]は称号補正値。〔〕は精霊纏補正値
名前 :水無月(みなづき) 宗八(そうはち) Lev.84
所持金 :1,022,870G
ステータス:STR 39 (+26)[+155] =220〔x5.3〕=STR 1166
INT 24 (+16)[+180] =220〔x1.9〕=INT 418
VIT 38 (+26)[+156] =220〔x3.6〕=VIT 792
MEN 24 (+26)[+190] =240〔x3.6〕=MEN 864
DEX 53 (+16)[+131] =200〔x1.9〕=DEX 380
AGI 33 (+16)[+151] =200〔x1.9〕=AGI 380
GEM 74
■パッシブスキル■
精霊の呼吸 [常時MP小消費/自動MP中回復/全ステータスUP(小~大)]
魔導拡張 [制御力向上/複合魔法開発]
魔力付与 [対象に称号を付与し、INT+30/MEN+30]
■アクティブスキル■
シンクロ [契約精霊とMP/制御力を総合出来る。以心伝心状態になる]
無精霊纏 [全ステータスx1.3倍][ユニーク:属性混交]
◇クロスベルトロープ[STR/MENx2倍][他x1.3倍]
◇クロスフラムキエ [STR/VITx2倍][他x1.3倍]
「……これは勝負になるんか? アニマ様凄すぎだろ…」
『特徴が無い無精らしい特徴だと思いませんか?(どやぁ)』
んん!?せっ……千百…六十六!?
今までは高くてもステ最高値は480だったのにいきなり倍以上の1166って調整効くのかコレ……。
『魔神族相手の予行練習には持って来いのステータスだと思いますよ?』
「う~ん。ポジティブに考えればあいつらにとっては良い練習になるか。
ついでにアルシェ達ともいい勝負になるだろう事を考えれば悪くはないな…」
彼女たちが[ユニゾン]を扱えるようになってからステータスや制御力で言えば負け越していた。
スキル[ユニゾン]の効果は[属性ステx3倍][他ステx2倍]。
俺がフォレストトーレから離れた時点でのアルシェのステータスにこれを含めると…。
()は武具補正値、[]は称号補正値。〔〕はユニゾン補正値
名前 :アルカンシェ=シヴァ=アスペラルダ Lev.82
所持金 :1,812.300G
ステータス:STR 23 (+07)[+106] =136〔x2〕=STR 272
INT 30 (+26)[+165] =221〔x3〕=INT 663
VIT 20 (+11)[+95] =126〔x2〕=VIT 232
MEN 30 (+32)[+162] =224〔x3〕=MEN 672
DEX 130 (+05)[+61] =196〔x2〕=DEX 392
AGI 23 (+05)[+72] =100〔x2〕=AGI 200
GEM 17
わかっていた事だけど[真なる加護]と[亜神の加護]では取得できるスキルに差が生まれるなぁ。
今後まだまだ取得可能なスキルがあった場合は差がもっと広がる事になるかもしれないけど、アニマが居ればしばらくはステータスだけに限れば置いて行かれる心配はあまり必要ないか?
『何を言っているのですか宗八。
他の姉弟がサブマスターと戦う様になれば結果的に恩恵は[全ステx1.3倍]のみですよ』
「はっ!?」
そうだった!特にステータスが必要な魔神族戦はメンバーはそれぞれの戦場で戦う傾向にあるんだった!!
タイミング良く精霊が居なくても戦える敵が相手となる可能性に賭けるわけにも行かないし…、結局地道に活動して称号や装備で底上げしていくのが無難か……。
「宗八!こっちは準備完了したぞ!」
「あぁ…、じゃあ始めるか…」
ぬか喜びで若干落ち込んだ宗八は、離れた位置から呼びかけるセーバーに手を挙げ応える。
ひとまずこのステータスに慣れる為にも、彼らの戦闘力を見る為にも意識を切り替えていこう。
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