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閑話休題 -次に向けての準備期間-
閑話休題 -72話-[黄竜と魔石と新たな武器と③]
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寝起き準備運動後、各員を一旦家に帰し朝食を食べた後にまた召集し、
本格的な戦闘訓練を再開した。
まず先にゲートでエルダードワーフについて詮索しない教育の行き届いているギルドアスペラルダ支店に行き、
冒険者登録をしてギルドカードを発行。確認できるようになったステータスから向いている武器を武器屋で買い与えた。
その結果からPTバランスを考えたいくつかのグループに分け、
反撃に徹して指導するセプテマ氏、動きは緩慢ながら一撃が重いウォルベズ、猪突猛進をする魔物役タルテューフォ、その様子をみて武器を扱い方を指導する俺。
そして、程よい高さの崖から落下して受け身を取る練習をさせるノイティミルをローテーションさせて指導を進める。
これを朝食後から昼食まで続けた。
もちろん初めて手にする武器もある上にしっくりくる武器というのは人それぞれだ。
それを理解した上で程々に地道な構えから打ち込みを教え込んだ結果、
一番人気はノイティミルの担当する受け身だった。
他の指導が体力を使うばかりなのでここは崖に到着するまでは歩き可としていた。
さらに防御力を上げる魔法で守られたうえで飛び降りて受け身を取るだけとなれば人気にもなろう。
「セプテマ氏は剣以外使えます?」
「使えない事も無いですな。
ただし完全に素人なので高ステータスに任せて振り回すだけになりますぞ」
「うぅ~む……」
昼からはドラゴドワーフのところに顔を出す予定だ。
そうなると午後の訓練がなぁ…。
「ウォルベズには念のため見回りをお願いする予定で俺は山、
セプテマ氏も調子を戻すための時間を確保する必要があるし受け身ばかりも飽きるよなぁ」
悩みながらも視線はさっきまでガツガツと勢いよく昼食をかき込み食べていたが、
今は体力を回復させる為に昼寝をしているソニューザに向かう。
種族柄耐久力もあり畑仕事や鉱山仕事で鍛えられた彼らの下地は思っていたよりもしっかりしている。
それを鑑みて詰め込みも調整して慎重に急いで育てなければならない。
「午後から助っ人を呼びます。
弓使いとオールウェポンが来るのでセプテマ氏は自分の為に時間を使ってください」
「途中で儂も参加しても良いですかな?」
「良いですけど弓使いはともかく前衛の子はまだ途上ですからギリギリ上の力量でやってくださいよ」
「万事お任せあれ!」
とりあえず、トワインとディテウスを午後から呼んで2対5で戦わせよう。
その他はツーマンセルで全力戦闘と休憩を繰り返させるに留めておくか。
「ノイは引き続き致命傷にならない様に守ってあげて」
『わかったです。ベルとフラムはどうするです?』
「オプションの扱い方を研究させておいてくれ。
ついでにアドバイス出来そうなら何か言ってあげてくれ」
『わかったです』
実は昨日の夜に加階させた末っ子’sのベルトロープとフラムキエは、
早朝訓練が始まる前に[精霊纏]を一回行っていたので既にオプションが発現している。
光精ベルのオプションは[天衣]。いわゆる、天女の羽衣でお馴染みのふわっと浮いてる長い布切れだ。
性能としては空が飛べる事、伸縮自在、反射能力有といったところ。
火精フラムのオプションは[蜃煙]。決まった形も無ければ直接的な攻撃力も無い煙。
幻を見せる煙がじんわりフラムの身体から漏れ出るってこと以外は今のところまだわかっていない。
とりあえず、朝ごはんへLet’is Go!
* * * * *
『お父さん、ちょっと見てほしい』
『パパ~、ベルも~』
朝御飯を食べて子供たちの歯磨きをお手伝いをして一息付いて、
そろそろ弟子と若者を呼び出すかと考えていた時。
愛しき子供たちの中でも特に幼い末っ子’sに呼び掛けられては何は無くとも優先順位は一番上に繰り上がる。
「どうした?」
『加階した時にアニマル形態を設定したから見てほしいの』
『見てほしい』
必要か不必要かと問われれば別に必要はないと思うアニマル形態。
ただ、精霊は通常成長の過程でまず動物など野生生物の姿を経由して人型に加階する。
うちの子供たちはまず浮遊精霊の次がスライムの核を用いた強制加階だから、
コミュニケーションを取る為にアニマル形態を飛び越して人型を取っている。
なのに、何故わざわざアニマル形態を取りたがるのか?
第一長女アクアは水龍、第二長女ノイはヨロイトカゲ、次女クーは黒猫、三女ニルはロップイヤーと取得してきた。この子らは何の動物を選択したのかな?
『刮目!』
『変ッ身ッ!』
気合い入ってんなぁ。
一瞬魔力光に包まれた二人はニュートラル形態からアニマル形態へと変身して俺にお披露目してくれた。
片や小型の犬の姿を取り、片や……え?なんだこの生き物?
『ハッハッハッ!どう!』
「フラムはピンシャーか。今はまだミニチュアピンシャーより小さくて可愛いね」
手を向ければじゃれ付いてくる姿はまさに実家に居た犬にそっくりだ。
まぁ俺が家を出てから買い始めた奴だから顔は覚えてもらえなかったけど、
朝に部屋に来て起こしてくれたことは印象深い。何故なら体高が低い所為で股間の紳士が顔に何度も当たっていたからな。
『パパ!ベルは何の生き物でしょうか?』
「いや、キメラやん。可愛いけどマジキメラ」
フラムが嘗め回して涎に塗れていない無事な手でその謎の生き物の首元に触れる。
頭は龍だが角はなく大きな動物の耳が付いていて、
身体は猫っぽいしなやかさを保ちつつ尻尾は狐みたいにデカイ。
顔も含めて全体的に白い毛で覆われており、一番の謎は上顎から上に被っているマスクだろうか。
これはオプション[天衣]の形を変えて頭に被っているらしく、
肩甲骨辺りまで伸びた後は翼のように二股に分かれている。
その翼も先端がクーの閻手の様に五指に分かれているからアニマル形態時の手の役割でも果たすのだろう。
『幻獣っぽさを意識してみました!』
スマホゲーとかに居そうとは思うけどキメラ感が強い。
幻獣っぽさとは身体や手足の模様の事を言っているのだろうか?
「よくわからんが可愛いから良し!」
フラムは赤毛のミニチュアピンシャー。ベルは謎の幻獣。
まぁ元の世界なら大騒動になりそうだけど異世界だからな。
密かに仲間で十二支を揃えるなら猿と馬と牛を期待していたけど可愛くはならないだろうからね。
「今日はお姉ちゃんの言う事をよく聞いていい子にしてるんだぞ」
『『はい!』』
* * * * *
子供たちとの触れ合いも終えて朝練を始める前にトワイン達を呼び出した。
「よく来てくれたな!」
「いきなり呼び出されることに慣れて来た自分が怖いです」
「あのぉ、なんで俺まで呼ばれたんでしょうか?」
ゼノウPTの弓使いトワインは俺と同じ全属性精霊使いとして俺が育てた経緯がある。
いずれ俺がこの世界を去った暁には重要な役回りにもなっていくことだろう。
「前から伝えていたけどディテウスにはトワインの弟弟子になってもらう。
セーバーから好きにしてくれと快く許可ももらっているしな」
「確かに以前からお話はいただいていましたが、
まだ俺は自分の将来を悩んでいるので勝手に決められても困ります!」
「お前の悩みの原因は器用貧乏だからだ。
ほとんどの事をある程度簡単にこなせてしまうから何に対しても本気になれない、
二流には成れても一流にはなれないと理解しているからこその停滞だろう。
なら、一度自分を見つめ直す意味でも受けることを勧める」
俺も器用貧乏だからな。
仕事とかは簡単にコツを掴むから重宝されるしよく頼られたけど、
常に新しい事を求める飢餓の様な状態だから効率化などが進んで時間があまり出すと精神的に辛くなる。
この世界では転職なんて簡単には出来ないからディテウスもある程度の停滞を感じているはずだ。
「あの、隊長。
私は彼の様に停滞を感じてはいなかったんですけど……」
「トワインは普通に器用だったな。
色々精霊使いについてとか魔法についてとか聞いてくる姿勢も向上心があって良かったから、
俺も力を入れてアレコレしていたらって感じだ」
「隊長をやる気にさせちゃった所為かぁ~。
まぁ私は今の立場を好んでいるからいいけど、ディテウスはまだ若いのだし考えながら少し隊長に付いてみたらいいんじゃない?」
「トワインさん…。そうですね…、とりあえずで良ければやってみます」
トワインの説得もあってかディテウスは前向きに検討する気になってくれた。
どのくらいこの島で活動するかはわからないけど、
引き返すことが出来ない程に仕上げてしまえばこっちのものよ。フハハハハハ!
「ステータス的には全部の武器を扱えるに越したことは無いけど、メイン武器は決めておいた方がいい。
いざ強敵と戦うという場面で中途半端な武器を使って倒せなければ意味が無いからな。
俺なら片手剣、トワインなら弓って感じだけど、ディテウスは称号で何が一番成長している?」
「俺は棍棒です」
この称号が意外と納得いかないもので片手剣で言えば、
△片手剣使い++ [INT+9 MEN+9]と表示されているわけだが、
筋力要求される武器なのに何故魔法関連のステータスが上がるのか?
その理由はこの世界らしく精霊が関係してくる。
精霊使いとして色々と調査と検証を進めた結果、
水:槍・片手剣:INT MEN
火:両手剣・斧:STR VIT
土:素手・棍棒:VIT AGI
風:投擲・弓 :DEX AGI
闇:ALL :全てに影響
光:ALL :全てに影響
上記の様に影響することが分かった。
△水精霊の主人+++ [INT+15 MEN+15]
とこれも水精霊関連の称号は同じ方向で成長をしている。
カテゴリ棍棒ならば土系統の魔法と相性が良くて耐久と素早さが上がっているってことだ。
武器で言えばハンマー・スタッフ・ロッド・フレイルが該当し武器で上昇するステータスもINT・MENが多い。
「単純な魔法使いとしての道も選べるかもしれないな。
とりあえず時間を見つけてアレコレと口出すけど此処に滞在する間は基本的に彼らの相手をしてあげて」
「彼らがエルダードワーフですか? クランリーダー」
「陽に焼けた人間と見た目はあまり変わりませんね。
私達の知っているドワーフと違い過ぎてまたひとつ常識が崩されました……」
町でも時々見かけるドワーフの見た目は身長140㎝~150㎝が平均の低身長で、
種族柄不愛想に見えるから髭で口元を隠しており、
寿命は100年程度で筋肉質の若干ずんぐりしている体形をしている。
元の世界のドワーフ像と比べればもうちょいスリムだ。
エルダーは本当に難いの良い兄ちゃんたちに見える。
「訓練はいつも通りのやり方をしつつトワインは彼らとディテウスにアドバイスしてあげて。
打ち合いはディテウスを前衛、トワインを後衛で彼らより若干高い戦闘力で相手をしてくれ」
「了解です」
「がんばります!」
細かな部分は夜などの空き時間に詰めるとして、
日中はドラゴドワーフの村か黄竜の巣で別行動になるだろうなぁ。
本格的な戦闘訓練を再開した。
まず先にゲートでエルダードワーフについて詮索しない教育の行き届いているギルドアスペラルダ支店に行き、
冒険者登録をしてギルドカードを発行。確認できるようになったステータスから向いている武器を武器屋で買い与えた。
その結果からPTバランスを考えたいくつかのグループに分け、
反撃に徹して指導するセプテマ氏、動きは緩慢ながら一撃が重いウォルベズ、猪突猛進をする魔物役タルテューフォ、その様子をみて武器を扱い方を指導する俺。
そして、程よい高さの崖から落下して受け身を取る練習をさせるノイティミルをローテーションさせて指導を進める。
これを朝食後から昼食まで続けた。
もちろん初めて手にする武器もある上にしっくりくる武器というのは人それぞれだ。
それを理解した上で程々に地道な構えから打ち込みを教え込んだ結果、
一番人気はノイティミルの担当する受け身だった。
他の指導が体力を使うばかりなのでここは崖に到着するまでは歩き可としていた。
さらに防御力を上げる魔法で守られたうえで飛び降りて受け身を取るだけとなれば人気にもなろう。
「セプテマ氏は剣以外使えます?」
「使えない事も無いですな。
ただし完全に素人なので高ステータスに任せて振り回すだけになりますぞ」
「うぅ~む……」
昼からはドラゴドワーフのところに顔を出す予定だ。
そうなると午後の訓練がなぁ…。
「ウォルベズには念のため見回りをお願いする予定で俺は山、
セプテマ氏も調子を戻すための時間を確保する必要があるし受け身ばかりも飽きるよなぁ」
悩みながらも視線はさっきまでガツガツと勢いよく昼食をかき込み食べていたが、
今は体力を回復させる為に昼寝をしているソニューザに向かう。
種族柄耐久力もあり畑仕事や鉱山仕事で鍛えられた彼らの下地は思っていたよりもしっかりしている。
それを鑑みて詰め込みも調整して慎重に急いで育てなければならない。
「午後から助っ人を呼びます。
弓使いとオールウェポンが来るのでセプテマ氏は自分の為に時間を使ってください」
「途中で儂も参加しても良いですかな?」
「良いですけど弓使いはともかく前衛の子はまだ途上ですからギリギリ上の力量でやってくださいよ」
「万事お任せあれ!」
とりあえず、トワインとディテウスを午後から呼んで2対5で戦わせよう。
その他はツーマンセルで全力戦闘と休憩を繰り返させるに留めておくか。
「ノイは引き続き致命傷にならない様に守ってあげて」
『わかったです。ベルとフラムはどうするです?』
「オプションの扱い方を研究させておいてくれ。
ついでにアドバイス出来そうなら何か言ってあげてくれ」
『わかったです』
実は昨日の夜に加階させた末っ子’sのベルトロープとフラムキエは、
早朝訓練が始まる前に[精霊纏]を一回行っていたので既にオプションが発現している。
光精ベルのオプションは[天衣]。いわゆる、天女の羽衣でお馴染みのふわっと浮いてる長い布切れだ。
性能としては空が飛べる事、伸縮自在、反射能力有といったところ。
火精フラムのオプションは[蜃煙]。決まった形も無ければ直接的な攻撃力も無い煙。
幻を見せる煙がじんわりフラムの身体から漏れ出るってこと以外は今のところまだわかっていない。
とりあえず、朝ごはんへLet’is Go!
* * * * *
『お父さん、ちょっと見てほしい』
『パパ~、ベルも~』
朝御飯を食べて子供たちの歯磨きをお手伝いをして一息付いて、
そろそろ弟子と若者を呼び出すかと考えていた時。
愛しき子供たちの中でも特に幼い末っ子’sに呼び掛けられては何は無くとも優先順位は一番上に繰り上がる。
「どうした?」
『加階した時にアニマル形態を設定したから見てほしいの』
『見てほしい』
必要か不必要かと問われれば別に必要はないと思うアニマル形態。
ただ、精霊は通常成長の過程でまず動物など野生生物の姿を経由して人型に加階する。
うちの子供たちはまず浮遊精霊の次がスライムの核を用いた強制加階だから、
コミュニケーションを取る為にアニマル形態を飛び越して人型を取っている。
なのに、何故わざわざアニマル形態を取りたがるのか?
第一長女アクアは水龍、第二長女ノイはヨロイトカゲ、次女クーは黒猫、三女ニルはロップイヤーと取得してきた。この子らは何の動物を選択したのかな?
『刮目!』
『変ッ身ッ!』
気合い入ってんなぁ。
一瞬魔力光に包まれた二人はニュートラル形態からアニマル形態へと変身して俺にお披露目してくれた。
片や小型の犬の姿を取り、片や……え?なんだこの生き物?
『ハッハッハッ!どう!』
「フラムはピンシャーか。今はまだミニチュアピンシャーより小さくて可愛いね」
手を向ければじゃれ付いてくる姿はまさに実家に居た犬にそっくりだ。
まぁ俺が家を出てから買い始めた奴だから顔は覚えてもらえなかったけど、
朝に部屋に来て起こしてくれたことは印象深い。何故なら体高が低い所為で股間の紳士が顔に何度も当たっていたからな。
『パパ!ベルは何の生き物でしょうか?』
「いや、キメラやん。可愛いけどマジキメラ」
フラムが嘗め回して涎に塗れていない無事な手でその謎の生き物の首元に触れる。
頭は龍だが角はなく大きな動物の耳が付いていて、
身体は猫っぽいしなやかさを保ちつつ尻尾は狐みたいにデカイ。
顔も含めて全体的に白い毛で覆われており、一番の謎は上顎から上に被っているマスクだろうか。
これはオプション[天衣]の形を変えて頭に被っているらしく、
肩甲骨辺りまで伸びた後は翼のように二股に分かれている。
その翼も先端がクーの閻手の様に五指に分かれているからアニマル形態時の手の役割でも果たすのだろう。
『幻獣っぽさを意識してみました!』
スマホゲーとかに居そうとは思うけどキメラ感が強い。
幻獣っぽさとは身体や手足の模様の事を言っているのだろうか?
「よくわからんが可愛いから良し!」
フラムは赤毛のミニチュアピンシャー。ベルは謎の幻獣。
まぁ元の世界なら大騒動になりそうだけど異世界だからな。
密かに仲間で十二支を揃えるなら猿と馬と牛を期待していたけど可愛くはならないだろうからね。
「今日はお姉ちゃんの言う事をよく聞いていい子にしてるんだぞ」
『『はい!』』
* * * * *
子供たちとの触れ合いも終えて朝練を始める前にトワイン達を呼び出した。
「よく来てくれたな!」
「いきなり呼び出されることに慣れて来た自分が怖いです」
「あのぉ、なんで俺まで呼ばれたんでしょうか?」
ゼノウPTの弓使いトワインは俺と同じ全属性精霊使いとして俺が育てた経緯がある。
いずれ俺がこの世界を去った暁には重要な役回りにもなっていくことだろう。
「前から伝えていたけどディテウスにはトワインの弟弟子になってもらう。
セーバーから好きにしてくれと快く許可ももらっているしな」
「確かに以前からお話はいただいていましたが、
まだ俺は自分の将来を悩んでいるので勝手に決められても困ります!」
「お前の悩みの原因は器用貧乏だからだ。
ほとんどの事をある程度簡単にこなせてしまうから何に対しても本気になれない、
二流には成れても一流にはなれないと理解しているからこその停滞だろう。
なら、一度自分を見つめ直す意味でも受けることを勧める」
俺も器用貧乏だからな。
仕事とかは簡単にコツを掴むから重宝されるしよく頼られたけど、
常に新しい事を求める飢餓の様な状態だから効率化などが進んで時間があまり出すと精神的に辛くなる。
この世界では転職なんて簡単には出来ないからディテウスもある程度の停滞を感じているはずだ。
「あの、隊長。
私は彼の様に停滞を感じてはいなかったんですけど……」
「トワインは普通に器用だったな。
色々精霊使いについてとか魔法についてとか聞いてくる姿勢も向上心があって良かったから、
俺も力を入れてアレコレしていたらって感じだ」
「隊長をやる気にさせちゃった所為かぁ~。
まぁ私は今の立場を好んでいるからいいけど、ディテウスはまだ若いのだし考えながら少し隊長に付いてみたらいいんじゃない?」
「トワインさん…。そうですね…、とりあえずで良ければやってみます」
トワインの説得もあってかディテウスは前向きに検討する気になってくれた。
どのくらいこの島で活動するかはわからないけど、
引き返すことが出来ない程に仕上げてしまえばこっちのものよ。フハハハハハ!
「ステータス的には全部の武器を扱えるに越したことは無いけど、メイン武器は決めておいた方がいい。
いざ強敵と戦うという場面で中途半端な武器を使って倒せなければ意味が無いからな。
俺なら片手剣、トワインなら弓って感じだけど、ディテウスは称号で何が一番成長している?」
「俺は棍棒です」
この称号が意外と納得いかないもので片手剣で言えば、
△片手剣使い++ [INT+9 MEN+9]と表示されているわけだが、
筋力要求される武器なのに何故魔法関連のステータスが上がるのか?
その理由はこの世界らしく精霊が関係してくる。
精霊使いとして色々と調査と検証を進めた結果、
水:槍・片手剣:INT MEN
火:両手剣・斧:STR VIT
土:素手・棍棒:VIT AGI
風:投擲・弓 :DEX AGI
闇:ALL :全てに影響
光:ALL :全てに影響
上記の様に影響することが分かった。
△水精霊の主人+++ [INT+15 MEN+15]
とこれも水精霊関連の称号は同じ方向で成長をしている。
カテゴリ棍棒ならば土系統の魔法と相性が良くて耐久と素早さが上がっているってことだ。
武器で言えばハンマー・スタッフ・ロッド・フレイルが該当し武器で上昇するステータスもINT・MENが多い。
「単純な魔法使いとしての道も選べるかもしれないな。
とりあえず時間を見つけてアレコレと口出すけど此処に滞在する間は基本的に彼らの相手をしてあげて」
「彼らがエルダードワーフですか? クランリーダー」
「陽に焼けた人間と見た目はあまり変わりませんね。
私達の知っているドワーフと違い過ぎてまたひとつ常識が崩されました……」
町でも時々見かけるドワーフの見た目は身長140㎝~150㎝が平均の低身長で、
種族柄不愛想に見えるから髭で口元を隠しており、
寿命は100年程度で筋肉質の若干ずんぐりしている体形をしている。
元の世界のドワーフ像と比べればもうちょいスリムだ。
エルダーは本当に難いの良い兄ちゃんたちに見える。
「訓練はいつも通りのやり方をしつつトワインは彼らとディテウスにアドバイスしてあげて。
打ち合いはディテウスを前衛、トワインを後衛で彼らより若干高い戦闘力で相手をしてくれ」
「了解です」
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