220 / 408
第12章 -廃都フォレストトーレ奪還作戦-
†第12章† -41話-[≪ランク8ダンジョン≫フォレストトーレ王城②]
しおりを挟む
あれから危機は何度かあったもののなんとかここまで上がって来れた。
現在は8階を攻略中。というか、目の前には最上階へ続く階段。
「長くね?」
「長いわね…」
ヒューゴとフェリシアが愚痴る様に呟く言葉は、
俺たち全員の心の言葉だ。
天まで続くのでは思える階段の上の方に微かな青白い光が見えるので、
きっとあそこにダンジョンのボス、または隷霊のマグニが居ると予想できた。
「ダンジョンにしてはまぁ短い方だったが、
敵の厄介さが段違いで良い経験になったな」
「その言葉が言えるだけ、やはり修羅場の数が違うのでしょうね…」
「前哨戦に瘴気モンスター多数と戦っていなかったらこのダンジョン攻略も付いていけなかっただろう事が容易に想像できてしまうのが情けない所だわ」
クライヴさんはお歳の割にこの場で一番元気そうだ。
マクラインやミリエステの言うように、
渡ってきた修羅場の数から気持ちの持ち様など精神面でも鍛えられているのかな?
瘴気モンスターとの戦闘は厄介であり、
都度都度の対処で徐々に俺たちの精神力がガリガリと音を立てて明確に削れていた。
疲弊している。
その自覚がこの後に控える大立ち回りを不安にさせた。
〔失礼します、クレイグです。
外での状況進捗のご連絡ですので返事は結構です。
アスペラルダのアルカンシェ姫殿下の護衛を務める者がキュクレウス=ヌイの核を発見したそうです。
今後破壊方法の検討後に行動を移される予定でございます。以上、失礼いたしました〕
水無月さんは順調らしい。
外の情報はギルドを通してすべて受け取っているものの、
城中の自分たちも大変だが外は外で大変だという事が分かっているうえで水無月さんは順調なのだ。
というかクレイグさんも何故ちゃんと報告してくれないのか…。
水無月さんだけではなく、アルカンシェ姫やメイドさんも一緒に動いただろうに…。
『発破を掛ける意図かもしれませんよ。
メリオは精霊使いを意識していますからね』
「そんなに分かりやすいかな?」
『自覚は無いかもしれませんが、
普段から接している者からはバレバレでしょうね(笑)』
「水無月さんや姫様にも?」
『さあ? あまり評価を気にする方とは思いませんけれど、
実際の所は聞いてみないと…』
歳もあまり離れていない相手に意識をしているって…。
なんだか凄く恥ずかしくなってきた…。
『不安は紛れたようですね。
あの御仁が意図した結果かはわかりませんが、先ほどの心持ちよりはマシでしょう』
「紛れ過ぎも良くないし、今はここまでにしておこう。
皆、そろそろ階段を上りはじめよう」
剣との語らいはほどほどに切り上げて仲間たちに一言呼びかけて足を1段目に掛ける。
クライヴさんに続いて仲間たちも一応フォーメーションを守りつつ俺の後を追ってきた。
階段の両脇には城内の明かりとしても利用されているランプが並んでいて、
仲間の顔色も足元もしっかりと確認できた。
クライヴさんは自信もあって落ち着いている様に見えるけれど、
全身から憤りが漏れ出ている様にも感じる。
彼が隷霊のマグニとの戦いに参戦した理由を考えればそれも分からなくもない。
ヒューゴは普段荒い言葉遣いだけど出会った頃は本当に普通の青年だった。
この1年で自信も付いて時には噛みつく様になってしまったが、
逆に魔神族相手にどこまで食いつけるか……。
ミリエステとフェリシア。
同じ魔法使いだけど正反対と言える性格をしている二人だが、
なんだかんだぶつかっては仲直りしているコンビだけに互いのフォローは完璧だと思っている。
緊張の面持ちのミリエステに比べればフェリシアは余裕がありそうだ。
この正反対のコンビが魔神族を上手く回ってくれると戦闘も楽になるはずだ。
マクラインはいつも通りの表情であり雰囲気も変わらない。
旅を始めた当初から助けてもらい続けてきた俺だからこそ、
彼の存在が大きな助けになると確信している。
盾の守りが彼の役目であり強味ではあるが、
魔神族相手に特殊な効果もない盾がどこまで通用するものなのか……。
そして、エクスカリバーの半身である光精。契約精霊のエクス。
彼女との契約が無ければここまで進むことはおろか、
もっと手前の戦闘で俺たちは埋もれていただろう。
勇者としての役割は彼女と共に進む道だと信じて、
魔神族だろうと魔族だろうと敵として立ち塞がるなら文字通り切り開いていける。
「そろそろボス部屋だ。 そのまま突入するか?」
「俺は問題ないです」
背後を歩くクライヴさんの掛け声に俺は自分でも思った以上に自然な声音で問題ないと回答した。
その声には必要以上の緊張感は含まれておらず、
続く仲間の声にも影響したのか全員良い気の張り方をしている様子だ。
長い階段を上がりきると、
正面には霧の掛かる大扉が待ち構えていた。
ダンジョンには何度も挑戦してきたけれど、
ここは場所が場所だからか謁見の間に続く大扉の装飾が今まで見てきた中でも豪華な作りだ。
最後に振り返って全員の顔を順々に眺める。
全員理解をしているだろうか?
水無月さんはずいぶん前から気にしていた様だけど、
戦場によっては誰かが死ぬ可能性があって、ここはダンジョンの奥だから蘇生魔法が確実に間に合わない。
そして相手は初めての魔神族。
「どうした?」
「いや、なんでもない…。行こうか、みんな」
時を遡れるのであればこの時の俺に掴みかかりたい。
本当に理解をして魔神族と対峙するのか、と。
時はすでに過去となり、
俺は覚悟をしている気になって仲間を伴い霧の扉の向こう側へと足を踏み入れてしまった。
* * * * *
霧の扉を過ぎた先には予想通り謁見の間が広がっていた。
本来は兵士や近衛や側近が左右に並び、
中央の奥まった豪華な椅子には王様が深く座って我々との意見を交わす場だ。
「ごほっごほっ!」
「瘴気が濃くてクラクラしますね……」
今までのダンジョンの比ではない濃度の瘴気がこのフロアには漂っていた。
咳き込む仲間や瞬く間に瘴気のデバフに掛かる仲間を守るために魔法を唱える。
「サンクチュアリ!」
音もなく消えていた瘴気がジュゥジュゥとまるで熱と水が触れ合ったような音を立てて浄化されていく。
それでも奥から高濃度瘴気が際限なく溢れてくる事から、
ダンジョンの守護者か魔神族を討伐すれば止まるのだろう。
遠目でも誰かが王座に座り、
その左に誰かが控えており右には培養槽に似た何かがあるのはわかっていた。
進める足の速度は落ちず、
ようやっと魔神族とのまともな邂逅を俺は果たしたのであった。
「キヒヒッ!待ちくたびれたわ~!
勇者が飛び込んだって聞いていたって言うのになぁ~んでこんなに時間がかかったのかしらぁ~?!?!キヒッ!」
偉そうに足を組んだ黒い女が座っていた。
見た限りでは長身で顔は隈も酷く髪も乱れてとても女性としてみることは出来ない。
それでも男性にしては高めの声と前衛には見えない体躯からすれば、
きっと女性なのだろうと思わざるを得なかった。
そして、喋り始めた途端に発生したこの重圧……、こいつが黒幕だ!
「まぁ…まぁまぁまぁ……勇者が釣れたのは僥倖かしら?
この地での役割はほとんど終わっているわけだし、あとは邪魔をしてくれた奴を潰すだけぇ~。ケヘヘッ!
あれが貴方かはわからないけれどぉ~、ここで潰えてくれればきっといいことなのでしょうね~」
何を言っているのか1ミリも理解できない。
とにかくここで俺たちの全滅が魔神族サイドに取っては都合が良くて、
俺は知らぬうちに魔神族の思惑の邪魔をしていたという事だろうか?
それよりも瘴気に混ざって耐えがたい吐き気を催す臭気が先ほどから俺たちの鼻をくすぐる。
「おえっ!」
「メリオ、王座の隣の方から酷い匂いがしてるわ」
「……」
後ろから声を潜めたミリエステの言葉に鼻は反応する。
体の大きさから俺よりも若干若いかもしれない。
それにクライヴさんは逆の培養槽に浮かぶ壮年の男性に注がれている。
「知っている方ですか?」
「……国王だった男だ」
「!?」
水の色はわからないが、
周囲を漂う瘴気の濃さが影響して黒い水に閉じ込められている様にも映った男性が王様?
じゃあ、臭いのする方は弟王子かな?
「キヒヒヒヒ!あれこれ考えてる見たいだけれどぉ~、
そういうのはどぉ~でもいいのよねぇ~。
とっととどっちがダンジョンの守護者か倒して当ててもらおうかしら~!!」
ピシッ!ピシパシパシッ!パキキッ!
対話も少なく情報らしいものは何も引き出せぬまま培養液の詰まる水槽にヒビが広がっていく。
黒い水は魔神族の意思を受け取るかのように激しく動き、
水槽は撓みヒビの隙間から水が漏れ、やがて完全に決壊した。
「退けっ!」
クレイヴさんの声に反応してその場を飛び退けば、
黒い水が触れたサンクチュアリの上を浄化されながらも床を広がる黒い水がその目に映る。
あの水はどうやら気体の瘴気が集まり液化した物体の様だ。
そんなものに沈んでいた王様がまともなわけもない…か。
水から解放された王様の体躯が人間ではない物へと変わっていく。
膨れ上がる肉体からは上級の魔物と同じ気配を感じつつ仲間に声を張り上げた。
「戦闘用意!クレイヴさんは魔神族を!
マクライン、ヒューゴ、ミリエステは王様を!
俺とフェリシアは王子を早急に討伐せよっ!」
「「「「「応っ!!!」」」」」
現在は8階を攻略中。というか、目の前には最上階へ続く階段。
「長くね?」
「長いわね…」
ヒューゴとフェリシアが愚痴る様に呟く言葉は、
俺たち全員の心の言葉だ。
天まで続くのでは思える階段の上の方に微かな青白い光が見えるので、
きっとあそこにダンジョンのボス、または隷霊のマグニが居ると予想できた。
「ダンジョンにしてはまぁ短い方だったが、
敵の厄介さが段違いで良い経験になったな」
「その言葉が言えるだけ、やはり修羅場の数が違うのでしょうね…」
「前哨戦に瘴気モンスター多数と戦っていなかったらこのダンジョン攻略も付いていけなかっただろう事が容易に想像できてしまうのが情けない所だわ」
クライヴさんはお歳の割にこの場で一番元気そうだ。
マクラインやミリエステの言うように、
渡ってきた修羅場の数から気持ちの持ち様など精神面でも鍛えられているのかな?
瘴気モンスターとの戦闘は厄介であり、
都度都度の対処で徐々に俺たちの精神力がガリガリと音を立てて明確に削れていた。
疲弊している。
その自覚がこの後に控える大立ち回りを不安にさせた。
〔失礼します、クレイグです。
外での状況進捗のご連絡ですので返事は結構です。
アスペラルダのアルカンシェ姫殿下の護衛を務める者がキュクレウス=ヌイの核を発見したそうです。
今後破壊方法の検討後に行動を移される予定でございます。以上、失礼いたしました〕
水無月さんは順調らしい。
外の情報はギルドを通してすべて受け取っているものの、
城中の自分たちも大変だが外は外で大変だという事が分かっているうえで水無月さんは順調なのだ。
というかクレイグさんも何故ちゃんと報告してくれないのか…。
水無月さんだけではなく、アルカンシェ姫やメイドさんも一緒に動いただろうに…。
『発破を掛ける意図かもしれませんよ。
メリオは精霊使いを意識していますからね』
「そんなに分かりやすいかな?」
『自覚は無いかもしれませんが、
普段から接している者からはバレバレでしょうね(笑)』
「水無月さんや姫様にも?」
『さあ? あまり評価を気にする方とは思いませんけれど、
実際の所は聞いてみないと…』
歳もあまり離れていない相手に意識をしているって…。
なんだか凄く恥ずかしくなってきた…。
『不安は紛れたようですね。
あの御仁が意図した結果かはわかりませんが、先ほどの心持ちよりはマシでしょう』
「紛れ過ぎも良くないし、今はここまでにしておこう。
皆、そろそろ階段を上りはじめよう」
剣との語らいはほどほどに切り上げて仲間たちに一言呼びかけて足を1段目に掛ける。
クライヴさんに続いて仲間たちも一応フォーメーションを守りつつ俺の後を追ってきた。
階段の両脇には城内の明かりとしても利用されているランプが並んでいて、
仲間の顔色も足元もしっかりと確認できた。
クライヴさんは自信もあって落ち着いている様に見えるけれど、
全身から憤りが漏れ出ている様にも感じる。
彼が隷霊のマグニとの戦いに参戦した理由を考えればそれも分からなくもない。
ヒューゴは普段荒い言葉遣いだけど出会った頃は本当に普通の青年だった。
この1年で自信も付いて時には噛みつく様になってしまったが、
逆に魔神族相手にどこまで食いつけるか……。
ミリエステとフェリシア。
同じ魔法使いだけど正反対と言える性格をしている二人だが、
なんだかんだぶつかっては仲直りしているコンビだけに互いのフォローは完璧だと思っている。
緊張の面持ちのミリエステに比べればフェリシアは余裕がありそうだ。
この正反対のコンビが魔神族を上手く回ってくれると戦闘も楽になるはずだ。
マクラインはいつも通りの表情であり雰囲気も変わらない。
旅を始めた当初から助けてもらい続けてきた俺だからこそ、
彼の存在が大きな助けになると確信している。
盾の守りが彼の役目であり強味ではあるが、
魔神族相手に特殊な効果もない盾がどこまで通用するものなのか……。
そして、エクスカリバーの半身である光精。契約精霊のエクス。
彼女との契約が無ければここまで進むことはおろか、
もっと手前の戦闘で俺たちは埋もれていただろう。
勇者としての役割は彼女と共に進む道だと信じて、
魔神族だろうと魔族だろうと敵として立ち塞がるなら文字通り切り開いていける。
「そろそろボス部屋だ。 そのまま突入するか?」
「俺は問題ないです」
背後を歩くクライヴさんの掛け声に俺は自分でも思った以上に自然な声音で問題ないと回答した。
その声には必要以上の緊張感は含まれておらず、
続く仲間の声にも影響したのか全員良い気の張り方をしている様子だ。
長い階段を上がりきると、
正面には霧の掛かる大扉が待ち構えていた。
ダンジョンには何度も挑戦してきたけれど、
ここは場所が場所だからか謁見の間に続く大扉の装飾が今まで見てきた中でも豪華な作りだ。
最後に振り返って全員の顔を順々に眺める。
全員理解をしているだろうか?
水無月さんはずいぶん前から気にしていた様だけど、
戦場によっては誰かが死ぬ可能性があって、ここはダンジョンの奥だから蘇生魔法が確実に間に合わない。
そして相手は初めての魔神族。
「どうした?」
「いや、なんでもない…。行こうか、みんな」
時を遡れるのであればこの時の俺に掴みかかりたい。
本当に理解をして魔神族と対峙するのか、と。
時はすでに過去となり、
俺は覚悟をしている気になって仲間を伴い霧の扉の向こう側へと足を踏み入れてしまった。
* * * * *
霧の扉を過ぎた先には予想通り謁見の間が広がっていた。
本来は兵士や近衛や側近が左右に並び、
中央の奥まった豪華な椅子には王様が深く座って我々との意見を交わす場だ。
「ごほっごほっ!」
「瘴気が濃くてクラクラしますね……」
今までのダンジョンの比ではない濃度の瘴気がこのフロアには漂っていた。
咳き込む仲間や瞬く間に瘴気のデバフに掛かる仲間を守るために魔法を唱える。
「サンクチュアリ!」
音もなく消えていた瘴気がジュゥジュゥとまるで熱と水が触れ合ったような音を立てて浄化されていく。
それでも奥から高濃度瘴気が際限なく溢れてくる事から、
ダンジョンの守護者か魔神族を討伐すれば止まるのだろう。
遠目でも誰かが王座に座り、
その左に誰かが控えており右には培養槽に似た何かがあるのはわかっていた。
進める足の速度は落ちず、
ようやっと魔神族とのまともな邂逅を俺は果たしたのであった。
「キヒヒッ!待ちくたびれたわ~!
勇者が飛び込んだって聞いていたって言うのになぁ~んでこんなに時間がかかったのかしらぁ~?!?!キヒッ!」
偉そうに足を組んだ黒い女が座っていた。
見た限りでは長身で顔は隈も酷く髪も乱れてとても女性としてみることは出来ない。
それでも男性にしては高めの声と前衛には見えない体躯からすれば、
きっと女性なのだろうと思わざるを得なかった。
そして、喋り始めた途端に発生したこの重圧……、こいつが黒幕だ!
「まぁ…まぁまぁまぁ……勇者が釣れたのは僥倖かしら?
この地での役割はほとんど終わっているわけだし、あとは邪魔をしてくれた奴を潰すだけぇ~。ケヘヘッ!
あれが貴方かはわからないけれどぉ~、ここで潰えてくれればきっといいことなのでしょうね~」
何を言っているのか1ミリも理解できない。
とにかくここで俺たちの全滅が魔神族サイドに取っては都合が良くて、
俺は知らぬうちに魔神族の思惑の邪魔をしていたという事だろうか?
それよりも瘴気に混ざって耐えがたい吐き気を催す臭気が先ほどから俺たちの鼻をくすぐる。
「おえっ!」
「メリオ、王座の隣の方から酷い匂いがしてるわ」
「……」
後ろから声を潜めたミリエステの言葉に鼻は反応する。
体の大きさから俺よりも若干若いかもしれない。
それにクライヴさんは逆の培養槽に浮かぶ壮年の男性に注がれている。
「知っている方ですか?」
「……国王だった男だ」
「!?」
水の色はわからないが、
周囲を漂う瘴気の濃さが影響して黒い水に閉じ込められている様にも映った男性が王様?
じゃあ、臭いのする方は弟王子かな?
「キヒヒヒヒ!あれこれ考えてる見たいだけれどぉ~、
そういうのはどぉ~でもいいのよねぇ~。
とっととどっちがダンジョンの守護者か倒して当ててもらおうかしら~!!」
ピシッ!ピシパシパシッ!パキキッ!
対話も少なく情報らしいものは何も引き出せぬまま培養液の詰まる水槽にヒビが広がっていく。
黒い水は魔神族の意思を受け取るかのように激しく動き、
水槽は撓みヒビの隙間から水が漏れ、やがて完全に決壊した。
「退けっ!」
クレイヴさんの声に反応してその場を飛び退けば、
黒い水が触れたサンクチュアリの上を浄化されながらも床を広がる黒い水がその目に映る。
あの水はどうやら気体の瘴気が集まり液化した物体の様だ。
そんなものに沈んでいた王様がまともなわけもない…か。
水から解放された王様の体躯が人間ではない物へと変わっていく。
膨れ上がる肉体からは上級の魔物と同じ気配を感じつつ仲間に声を張り上げた。
「戦闘用意!クレイヴさんは魔神族を!
マクライン、ヒューゴ、ミリエステは王様を!
俺とフェリシアは王子を早急に討伐せよっ!」
「「「「「応っ!!!」」」」」
11
お気に入りに追加
736
あなたにおすすめの小説
初めての異世界転生
藤井 サトル
ファンタジー
その日、幸村 大地(ゆきむら だいち)は女神に選ばれた。
女神とのやり取りの末、大地は女神の手によって異世界へと転生する。その身には女神にいくつもの能力を授かって。
まさにファンタジーの世界へ来た大地は聖女を始めにいろんな人に出会い、出会い金を稼いだり、稼いだ金が直ぐに消えたり、路上で寝たり、チート能力を振るったりと、たぶん楽しく世界を謳歌する。
このお話は【転生者】大地と【聖女】リリア。そこに女神成分をひとつまみが合わさった異世界騒動物語である。
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!
明衣令央
ファンタジー
糸井織絵は、ある日、オブルリヒト王国が行った聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界ルリアルークへと飛ばされてしまう。
一緒に召喚された、若く美しい女が聖女――織絵は召喚の儀に巻き込まれた年増の豚女として不遇な扱いを受けたが、元スマホケースのハリネズミのぬいぐるみであるサーチートと共に、オブルリヒト王女ユリアナに保護され、聖女の力を開花させる。
だが、オブルリヒト王国の王子ジュニアスは、追い出した織絵にも聖女の可能性があるとして、織絵を連れ戻しに来た。
そして、異世界転移状態から正式に異世界転生した織絵は、若く美しい姿へと生まれ変わる。
この物語は、聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界転移後、新たに転生した一人の元おばさんの聖女が、相棒の元スマホケースのハリネズミと楽しく無双していく、恋と冒険の物語。
2022.9.7 話が少し進みましたので、内容紹介を変更しました。その都度変更していきます。
【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
家ごと異世界ライフ
ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる