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第12章 -廃都フォレストトーレ奪還作戦-
†第12章† -31話-[勇者突入!一方その頃…]
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「みんな、準備はいいな!」
声は無くとも意思は伝わる。
このフォレストトーレから逃げ帰ってからまだそこまで時も経たずして、
まさかここまで来ることになるとは俺自身も想像だにしていなかった。
全てのお膳立ては他人にしてもらったとはいえ、
この大役を担えるのは自分だけらしい。
いや、本当を言えば水無月さんに任されたという意識は拭えないけど・・・。
そんなおよそ決戦に相応しくない気持ちを想起させながら場内へ繋がるドアノブを回す。
ギィィィィィィ・・・。
と、整備のされていない扉は音を鳴らしながら開いていく。
「しっかし、城に入るってのにまさかデカイ方じゃ無くて兵士の出入口からとはな」
「仕方ありません。
中からしか開けられない仕組みなのですから」
後頭部をガシガシと掻きながら俺の後に続くクライヴさんが文句を言い、
マクラインがそれに答えた。
しかし、順調に行ったのはそこまで。
仲間が全員場内へ入った瞬間に扉は耳に痛い激しい音で閉じると同時に、
場内の雰囲気が一気にきな臭いものへと変わった。
「閉じ込められた?」
「外の兵士が閉じ込める意味もありませんし、
救助にしろ動きがあってもおかしくないはずですが・・・」
いきなりの展開だけど、
別にすぐに命の危機を感じる脅威を目の前にしたわけではないので、
仲間も俺もこの程度で焦りはしない。
ただ、閉じ込められたよりも、
この肌で感じる空気の変化は・・・。
「ダンジョンに似てやがるな」
「いや、ダンジョンだろう。勇者の仲間は鈍いな」
「あ”?」
「喧嘩をしている暇はありませんよ。
上階へ進んで魔神族と戦い勝たなければこの戦も終わらせられないのですから」
口の悪いヒューゴとクライヴさんは相性が良いのか悪いのか。
ともかく、この場での喧嘩はミリエステが収め、
改めて場内を見回す。
「この広間は敵のは見えないけど、
ポツポツと場内での気配が増えていくね」
『強さで言えばランク8相当ですね。
実際はランク7ダンジョンなのでしょうが』
「瘴気で狂化して強くなっている・・・か」
瘴気による狂化の幅はランクで言えば0.5~1程度と聞いている。
アルカンシェ姫が戦われた赤鬼はランク8+だったらしいけど、
ほとんどランク9相当だったそうだ。
モンスターや魔物のランクは3つで大きく変化する。
1~3までが初級、4~6までが中級、7~9が上級、
そして10が最上級や壁越え級と呼ばれている。
同じ上級でもランクが1~2違うだけのモンスターがわんさか居るなんて、
魔神族に辿り着くのも命懸けだ。
レベル適正の80は越えているものの、
普通のダンジョンの普通のモンスターはゾンビ映画みたいに無闇矢鱈と突進して来たりはしない。
囲まれればいくら適正でも死んでしまう可能性は高い。
〔ザザザ・・・ま、ザザザ・・・すか? ザザザ・・・をしてください〕
その時、耳に付けた揺蕩う唄から声がギルマスの声が雑音を含みながら聞こえ始める。
「プレイグさん、雑音が酷いです」
〔ザザザ・・・事ですな。空間に干渉が成されて揺蕩う唄も影響を受けているようです〕
「あ、ちゃんと聞こえるようになってきました。
こっちは無事ですが扉が開かなくなりました」
〔念のため[エクソダス]は使用出来ますかな?〕
「試してみます!《エクソダス》
――だめですね、発動しません」
この時、動転していて気が付けなかったが、
今思えば脱出出来ていたらクライヴさんはPTではないから一人取り残される事になっていた。
気付いた時に失敗して良かったと安心したほどだ。
「外はどうなっていますか?」
場内の説明をするよりも、
俺達がいる広間は一応安全地帯の判定らしいから先に外の情報を求めた。
〔勇者様が城内へ入られた後に城は突如発生したツタに包まれました。
現在は中と外で分断されている状態です〕
「分断!?あー、まぁ救援の予定でもなかったしそこまで焦ることでもないんですかね」
一瞬焦ったけど、やることは変わらないからね。
〔また、魔神族が数名現れたようです。
いずれもアスペラルダに集中している様ですがね〕
「複数・・・というのは?」
〔アスペラルダのギルドマスター。アインスからの情報ですが、
苛刻のシュティーナ、氷垢のステルシャトー、叢風のメルケルスが確認されたとのことです。
こちらが決戦ならばあちらもそれなりに抵抗をすると考え、これで終わりではないかもしれませんな〕
「3人も!?誰が相対しているんですかっ!?」
〔苛刻のシュティーナは水無月宗八、氷垢のステルシャトーはアルカンシェ姫、叢風のメルケルスはマリエル=ネシンフラです〕
確かにその3人なら魔神族と相対出来るだろう。
水無月さんとマリエルさんは自身の目で戦えることは確認したし、
アルカンシェ様が竜の島で魔神族と相対したという話も伺っている。
「他2国で援護はしていないのですか?」
〔3組とも空の上なので、手をこまねいている状況ですな〕
「あぁ・・・なるほど・・・」
納得した。
水無月さんは言わずもがな、マリエルさんも飛べていた。
アルカンシェ様は開戦の時同様にブルー・ドラゴンに乗っておられるんだろうな。
高レベルのアナザー・ワンなら高く飛び上がることも出来ると思うけど、
空を移動しながら戦われては支援のしようもないか。
〔最後に水無月宗八より伝言です。
初めてのダンジョン攻略は[ガーディアン]が最奥に待ち受けている。
それを討伐したあとは魔神族だから体力の配分を間違えるな、とのことです〕
「心に留めて攻略を開始します」
〔ご武運を願っております〕
* * * * *
〔各国の指揮官ならびにお役目ある立場に就かれる皆様へアスペラルダからお伝え致します〕
勇者様が城内へ突入された直後、
お城がツタに覆われて城内と城外は分断されたそうです。
〔城の異常事態は皆様ご認識されておられると思われますが、
城下町周辺の遙か後方の森にも異常事態が発生しております〕
揺蕩う唄をアルシェ達から渡されてから半年も経って居ませんが、
自分の声を揺蕩う唄に反映するかをON/OFF出来るようになっているので、
今は耳でアインスさんの話を聞きながら口に出して周囲の者へと自分が声に出して伝えている状況です。
〔森はその全てをトレントへと姿を変えており、
種類は[エルダー=トゥレント]だと、アスペラルダ宮廷魔導師セリア=シルフェイド様より情報提供頂きました。
また、瘴気の影響は受けて居らず、ランクは7との事です〕
「森全体がエルダ=トレント化ですか?
トレント発生の際に稀に出現するレア個体ばかりがいきなり出現するのはおかしいですね、妹」
「瘴気が関わっていればまだ無理矢理納得も出来ましたが、
関わっていないとなると尚更不思議ですね、姉」
私の護衛として離れることの出来ない姉妹が意見交換している。
そのエルダ=トレントの脅威度も私はわかりませんから、
後でちゃんと教えて貰いましょう。
〔セリア様からの情報には続きがあり、
周囲の異常事態は[キュクレウス=ヌイ]が発生しているからだと推察されております。
別名[高貴な樹姫]とも呼ばれる高位の魔物で、
自身の支配する森の大樹をトレントへ変異させる力は確かに持ち合わせるそうですが、
ここまで広範囲にエルダー=トレントへ変異させるのは異常とのことです〕
あ、わかったよ。
経験の低い私も流石にここから続く内容は察したよ。
嬉しくて2人にも目配せをしましたが、
クルルクス姉妹は少し顔色も悪くなっていて軽口も叩かなくなっています。
あれ?そんなに拙い状況なんですか?
〔問題の[キュクレウス=ヌイ]ですが、
本作戦に置いて最も注意喚起をしておりました中位階風精霊を用いた瘴気禍津核モンスターであると予想しております。
さらにキュクレウス自体は戦闘力が低いマザーの役割の為、
姿を現すまでは気配を察知する事は非情に難しいそうですので、
各員注意をお願い致します〕
うん、予想通りだったね。で?
クルルクス姉妹が何を考えているのかを促す。
「キュクレウスという魔物は我々でも知らない高位な魔物です。
周囲の森をエルダー=トレントに変異させる能力も脅威ですが、
禍津核モンスターは通常の魔物とは方向性の違う力を持っている事も多いと伺っております」
トーニャの言う通り禍津核モンスターは+@の力を持ち、
魔法で棍棒を生成するキュクロプスなどが例に挙げられますね。
「ですが、そこに瘴気が混ざることで何が起こるか私たちは経験不足です。
中位階風精霊を使った禍津核モンスターが単体ならば対処の方法もありましたが、
ランク7のトレントをこれほど量産出来るなら、
他の能力に目覚めていた場合はクレア様の護りが2枚では薄くなる可能性もございます」
サーニャの懸念は護衛人数ですか。
アナザー・ワンと言えど出来ることにも限度があります。
レベルと敵ランクが同等になってもプレイヤースキルの高い2人なら護りきる事は可能でしょう。
ただ、魔法や遠距離攻撃が混ざると護りを片方が担っても、
動きが悪くなるのは確かな話。
「周囲に兵士も大勢いるでしょう?」
「お言葉ですが、
如何に勇猛な信徒でも相手によっては全く役に立たないかも知れません」
「その為に水無月様は逃がす為の対策を用意して下さっているのではありませんか」
そういえば水無月さんが「いざとなったらゲートで逃げろ」と言ってましたね。
そこまで予想しているってことですか?
「流石にそこまでではないでしょう。
ただ、彼の者は最悪を考えて準備をするよう心がけているそうですから」
「サーニャは水無月さんからいざとなったらの揺蕩う唄を預かっていますよね?」
「確かに預かっておりますが、
いま件の精霊が動き出しても助けては貰えませんよ」
サーニャは私から顔を外して、
アスペラルダの陣営方面へと仰ぎ見ながら助けは来ないと口にする。
私にはわからない何かを掴んでいるのだろう。
だから私は問う。
「――どうしてですか?」
その答えはサーニャではなく、
再び口を開いたアインスさんからもたらされた。
〔緊急伝達致します。
アスペラルダにて魔神族が出現致しました〕
「え?」
〔出現したのは苛刻のシュティーナ、氷垢のステルシャトー、叢風のメルケルスの3体。
それぞれ水無月宗八、アルカンシェ様、マリエル=ネシンフラが相対を開始〕
「なんで!?アルシェも1対1で戦っているのですかっ!?
城下町に控える我が信徒は何をしているのですかっ!?」
展開が早過ぎますっ!
決戦を決めたのは昨日の話で、
今日は朝から各国が準備万端で配置についていました。
なのに、勇者様が城内へ突入したタイミングで謀ったように・・・。
いえ、謀ったのですね・・・。
勇者様とは分断されたとアインスさんの報告も上がっていましたし、
その解決に動けそうな水無月さん達PTの足止めに魔神族が出て来たという事でしょうか?
敵ながら仲間想いですね。
事はそんな簡単な話では無さそうですが。
「気配が空で動いておりますし、
小さくはありますがおそらくあれはブルー・ドラゴンではないでしょうか?」
空を睥睨しながらトーニャが指差す。
指先を追って城下町の空を見やれば、
確かに何かが飛んでいてブレスを吐いているようにも見える。
「空の戦闘では我らアナザー・ワンもお役に立てません。
そこも見事な戦略かと。
余計な邪魔が入らないようにそれぞれの戦場を確保しているのですから。
我々はアスペラルダへ感謝をしてせめて他の事案が発生した際にサポートする様に動くでしょう」
サーニャの横顔は出来ないことに悔しがってはいなかった。
きっと、今出来ることで返す為。
最後に見せた微笑みは何の心配もしていない澄んだ笑顔だった。
「サーニャは水無月さんを信じているのですね」
「そんなことはありません。
心配するだけ無駄な気がするだけですよ」
途端に真顔になって憎まれ口を言い始めるけど、
私も水無月さんとアルシェを信じていますよ。
* * * * *
「ちょっと思ってたのと違うなぁ!おい!」
「口動かしてないで手を動かしなさいよ!」
宗八が後方の森で聖獣の子供がトレントと戦っている姿を確認し、
迎えに行くと判断した直後には俺達も移動を開始していた。
「多くはゼノウ達が引き付けている!今のうちにオベリスクを破壊するぞ!」
宗八が抜けても姫様のPTは皆が一人一人強い。
そんな彼らと兵士達の間に配置された精霊が妙に気になったので、
セーバーPTも連れて宗八達から離れたわけだが・・・。
これは忙しいな。
「ライナー!」
「任せろっ!うぅぅん、りゃ!!!」
オベリスクがあればあるだけ魔法使いは辛い。
フランザは俺達から遅れる形で距離を開けて支援をしてくれているが、
いまはオベリスクも多い為、
攻撃魔法は威力が激減しているからどちらかといえば回避をメインに後を追ってくるモンスターを引き付けてくれている。
アルカンシェ様の動きを追って多く割いていた機動訓練。
危うい場面はトワインのカバーが入るとはいえ、
魔法使いがよく回避しているとPT内で最も身軽な自分が見ても見事な物だ。
「フランザ!《爆裂矢》シフト:トリプル!」
動きの素早い4足歩行の火を噴く禍津核モンスターと岩の皮膚を持つ禍津核モンスターに矢が当たり爆発する。
その隙にフランザは少し距離を置き一息着いた。
「ありがとう。
ふぅ・・・ランクが低いとはいえ、結構厳しいわね」
「いやぁ~十分でしょう。
近距離で魔法を撃つ余裕もあって、もう何体倒した?」
「数えてないわよ。
核の破壊しか手がないんだから胸か頭を片っ端から吹き飛ばしただけだもの」
魔神族の姿はこちらでは見ていないが、
浮遊精霊2体~3体分の強さの禍津核モンスターが引く程湧いている。
予想では苛刻のシュティーナが関係してオベリスクと同様に禍津核もバラ撒いたのだろう。
兵士を挟撃しようとしてか、
協力者の精霊達を狙ってかまでは知らないけれど、
少なくともオベリスクと禍津核モンスターの組み合わせは対処が面倒だ。
ただし、フランザの言う通り倒せない訳ではない。
というか少しずつでも数を減らしていかなければ追いかけっこがいつまで経っても終わらない。
「トワイン!」
「はいはい!ったく、忙しいわねっ!《氷結矢》シフト:ダブル!」
正面から新たに合流して襲いかかってきたモンスターの足止めに、
後方から飛んできたトワインの矢が足回りを凍り漬けにした隙に横を駆け抜ける。
「はははっ!バゼド飲食店地下を思い出すなぁ!ゼノウ!」
「マリーブパリアの新ダンジョンか?
確かに敵にここまで囲まれた状況は似てはいるがっ!」
モンスターの攻撃を回避し、
次のオベリスクへ突き進みながらライナーが楽しそうに話しかけてくる。
思い起こしているのはアルカンシェ様達とPTを組んだあのダンジョンだろう。
モンスターのリポップタイム無視+部屋移動をしてくるトラップの所為で、
当時は慣れない長期戦闘をして俺達はクタクタになったのだ。
あれから半年も経っていないはずだが、
当時より高ランクのモンスターにさらに数も増えた状態で囲まれ、
そしてアルカンシェ様達も同行していない中でここまで戦える様になっているのだから、ライナーでなくとも自身の成長を実感して嬉しく思うのは否定しない。
強くなる、という意味であれば宗八に着いてきて正解だった。
このまま強くなれればペルクの仇討ちも本当に夢ではないかもしれない。
「まだ、ほど遠いが・・・」
「何か言ったかよ!?」
「何も言っていない」
先ほどから揺蕩う唄を伝いアインスさんの声が聞こえていた。
どうやら、護衛隊総出で魔神族と相対しているらしいな。
せめて俺達のPTが1人でも相手取れれば負担も減らせるというのに・・・。
実力向上に喜んだ端から実力不足を痛感する。
まぁ、落ち込む暇もないんだけどな。
「魔神族が王都に乱入してきた!
数は4!霹靂のナユタはまだ現れていないから注意は怠るなよ!」
「「「「りょーかい!」」」」
声は無くとも意思は伝わる。
このフォレストトーレから逃げ帰ってからまだそこまで時も経たずして、
まさかここまで来ることになるとは俺自身も想像だにしていなかった。
全てのお膳立ては他人にしてもらったとはいえ、
この大役を担えるのは自分だけらしい。
いや、本当を言えば水無月さんに任されたという意識は拭えないけど・・・。
そんなおよそ決戦に相応しくない気持ちを想起させながら場内へ繋がるドアノブを回す。
ギィィィィィィ・・・。
と、整備のされていない扉は音を鳴らしながら開いていく。
「しっかし、城に入るってのにまさかデカイ方じゃ無くて兵士の出入口からとはな」
「仕方ありません。
中からしか開けられない仕組みなのですから」
後頭部をガシガシと掻きながら俺の後に続くクライヴさんが文句を言い、
マクラインがそれに答えた。
しかし、順調に行ったのはそこまで。
仲間が全員場内へ入った瞬間に扉は耳に痛い激しい音で閉じると同時に、
場内の雰囲気が一気にきな臭いものへと変わった。
「閉じ込められた?」
「外の兵士が閉じ込める意味もありませんし、
救助にしろ動きがあってもおかしくないはずですが・・・」
いきなりの展開だけど、
別にすぐに命の危機を感じる脅威を目の前にしたわけではないので、
仲間も俺もこの程度で焦りはしない。
ただ、閉じ込められたよりも、
この肌で感じる空気の変化は・・・。
「ダンジョンに似てやがるな」
「いや、ダンジョンだろう。勇者の仲間は鈍いな」
「あ”?」
「喧嘩をしている暇はありませんよ。
上階へ進んで魔神族と戦い勝たなければこの戦も終わらせられないのですから」
口の悪いヒューゴとクライヴさんは相性が良いのか悪いのか。
ともかく、この場での喧嘩はミリエステが収め、
改めて場内を見回す。
「この広間は敵のは見えないけど、
ポツポツと場内での気配が増えていくね」
『強さで言えばランク8相当ですね。
実際はランク7ダンジョンなのでしょうが』
「瘴気で狂化して強くなっている・・・か」
瘴気による狂化の幅はランクで言えば0.5~1程度と聞いている。
アルカンシェ姫が戦われた赤鬼はランク8+だったらしいけど、
ほとんどランク9相当だったそうだ。
モンスターや魔物のランクは3つで大きく変化する。
1~3までが初級、4~6までが中級、7~9が上級、
そして10が最上級や壁越え級と呼ばれている。
同じ上級でもランクが1~2違うだけのモンスターがわんさか居るなんて、
魔神族に辿り着くのも命懸けだ。
レベル適正の80は越えているものの、
普通のダンジョンの普通のモンスターはゾンビ映画みたいに無闇矢鱈と突進して来たりはしない。
囲まれればいくら適正でも死んでしまう可能性は高い。
〔ザザザ・・・ま、ザザザ・・・すか? ザザザ・・・をしてください〕
その時、耳に付けた揺蕩う唄から声がギルマスの声が雑音を含みながら聞こえ始める。
「プレイグさん、雑音が酷いです」
〔ザザザ・・・事ですな。空間に干渉が成されて揺蕩う唄も影響を受けているようです〕
「あ、ちゃんと聞こえるようになってきました。
こっちは無事ですが扉が開かなくなりました」
〔念のため[エクソダス]は使用出来ますかな?〕
「試してみます!《エクソダス》
――だめですね、発動しません」
この時、動転していて気が付けなかったが、
今思えば脱出出来ていたらクライヴさんはPTではないから一人取り残される事になっていた。
気付いた時に失敗して良かったと安心したほどだ。
「外はどうなっていますか?」
場内の説明をするよりも、
俺達がいる広間は一応安全地帯の判定らしいから先に外の情報を求めた。
〔勇者様が城内へ入られた後に城は突如発生したツタに包まれました。
現在は中と外で分断されている状態です〕
「分断!?あー、まぁ救援の予定でもなかったしそこまで焦ることでもないんですかね」
一瞬焦ったけど、やることは変わらないからね。
〔また、魔神族が数名現れたようです。
いずれもアスペラルダに集中している様ですがね〕
「複数・・・というのは?」
〔アスペラルダのギルドマスター。アインスからの情報ですが、
苛刻のシュティーナ、氷垢のステルシャトー、叢風のメルケルスが確認されたとのことです。
こちらが決戦ならばあちらもそれなりに抵抗をすると考え、これで終わりではないかもしれませんな〕
「3人も!?誰が相対しているんですかっ!?」
〔苛刻のシュティーナは水無月宗八、氷垢のステルシャトーはアルカンシェ姫、叢風のメルケルスはマリエル=ネシンフラです〕
確かにその3人なら魔神族と相対出来るだろう。
水無月さんとマリエルさんは自身の目で戦えることは確認したし、
アルカンシェ様が竜の島で魔神族と相対したという話も伺っている。
「他2国で援護はしていないのですか?」
〔3組とも空の上なので、手をこまねいている状況ですな〕
「あぁ・・・なるほど・・・」
納得した。
水無月さんは言わずもがな、マリエルさんも飛べていた。
アルカンシェ様は開戦の時同様にブルー・ドラゴンに乗っておられるんだろうな。
高レベルのアナザー・ワンなら高く飛び上がることも出来ると思うけど、
空を移動しながら戦われては支援のしようもないか。
〔最後に水無月宗八より伝言です。
初めてのダンジョン攻略は[ガーディアン]が最奥に待ち受けている。
それを討伐したあとは魔神族だから体力の配分を間違えるな、とのことです〕
「心に留めて攻略を開始します」
〔ご武運を願っております〕
* * * * *
〔各国の指揮官ならびにお役目ある立場に就かれる皆様へアスペラルダからお伝え致します〕
勇者様が城内へ突入された直後、
お城がツタに覆われて城内と城外は分断されたそうです。
〔城の異常事態は皆様ご認識されておられると思われますが、
城下町周辺の遙か後方の森にも異常事態が発生しております〕
揺蕩う唄をアルシェ達から渡されてから半年も経って居ませんが、
自分の声を揺蕩う唄に反映するかをON/OFF出来るようになっているので、
今は耳でアインスさんの話を聞きながら口に出して周囲の者へと自分が声に出して伝えている状況です。
〔森はその全てをトレントへと姿を変えており、
種類は[エルダー=トゥレント]だと、アスペラルダ宮廷魔導師セリア=シルフェイド様より情報提供頂きました。
また、瘴気の影響は受けて居らず、ランクは7との事です〕
「森全体がエルダ=トレント化ですか?
トレント発生の際に稀に出現するレア個体ばかりがいきなり出現するのはおかしいですね、妹」
「瘴気が関わっていればまだ無理矢理納得も出来ましたが、
関わっていないとなると尚更不思議ですね、姉」
私の護衛として離れることの出来ない姉妹が意見交換している。
そのエルダ=トレントの脅威度も私はわかりませんから、
後でちゃんと教えて貰いましょう。
〔セリア様からの情報には続きがあり、
周囲の異常事態は[キュクレウス=ヌイ]が発生しているからだと推察されております。
別名[高貴な樹姫]とも呼ばれる高位の魔物で、
自身の支配する森の大樹をトレントへ変異させる力は確かに持ち合わせるそうですが、
ここまで広範囲にエルダー=トレントへ変異させるのは異常とのことです〕
あ、わかったよ。
経験の低い私も流石にここから続く内容は察したよ。
嬉しくて2人にも目配せをしましたが、
クルルクス姉妹は少し顔色も悪くなっていて軽口も叩かなくなっています。
あれ?そんなに拙い状況なんですか?
〔問題の[キュクレウス=ヌイ]ですが、
本作戦に置いて最も注意喚起をしておりました中位階風精霊を用いた瘴気禍津核モンスターであると予想しております。
さらにキュクレウス自体は戦闘力が低いマザーの役割の為、
姿を現すまでは気配を察知する事は非情に難しいそうですので、
各員注意をお願い致します〕
うん、予想通りだったね。で?
クルルクス姉妹が何を考えているのかを促す。
「キュクレウスという魔物は我々でも知らない高位な魔物です。
周囲の森をエルダー=トレントに変異させる能力も脅威ですが、
禍津核モンスターは通常の魔物とは方向性の違う力を持っている事も多いと伺っております」
トーニャの言う通り禍津核モンスターは+@の力を持ち、
魔法で棍棒を生成するキュクロプスなどが例に挙げられますね。
「ですが、そこに瘴気が混ざることで何が起こるか私たちは経験不足です。
中位階風精霊を使った禍津核モンスターが単体ならば対処の方法もありましたが、
ランク7のトレントをこれほど量産出来るなら、
他の能力に目覚めていた場合はクレア様の護りが2枚では薄くなる可能性もございます」
サーニャの懸念は護衛人数ですか。
アナザー・ワンと言えど出来ることにも限度があります。
レベルと敵ランクが同等になってもプレイヤースキルの高い2人なら護りきる事は可能でしょう。
ただ、魔法や遠距離攻撃が混ざると護りを片方が担っても、
動きが悪くなるのは確かな話。
「周囲に兵士も大勢いるでしょう?」
「お言葉ですが、
如何に勇猛な信徒でも相手によっては全く役に立たないかも知れません」
「その為に水無月様は逃がす為の対策を用意して下さっているのではありませんか」
そういえば水無月さんが「いざとなったらゲートで逃げろ」と言ってましたね。
そこまで予想しているってことですか?
「流石にそこまでではないでしょう。
ただ、彼の者は最悪を考えて準備をするよう心がけているそうですから」
「サーニャは水無月さんからいざとなったらの揺蕩う唄を預かっていますよね?」
「確かに預かっておりますが、
いま件の精霊が動き出しても助けては貰えませんよ」
サーニャは私から顔を外して、
アスペラルダの陣営方面へと仰ぎ見ながら助けは来ないと口にする。
私にはわからない何かを掴んでいるのだろう。
だから私は問う。
「――どうしてですか?」
その答えはサーニャではなく、
再び口を開いたアインスさんからもたらされた。
〔緊急伝達致します。
アスペラルダにて魔神族が出現致しました〕
「え?」
〔出現したのは苛刻のシュティーナ、氷垢のステルシャトー、叢風のメルケルスの3体。
それぞれ水無月宗八、アルカンシェ様、マリエル=ネシンフラが相対を開始〕
「なんで!?アルシェも1対1で戦っているのですかっ!?
城下町に控える我が信徒は何をしているのですかっ!?」
展開が早過ぎますっ!
決戦を決めたのは昨日の話で、
今日は朝から各国が準備万端で配置についていました。
なのに、勇者様が城内へ突入したタイミングで謀ったように・・・。
いえ、謀ったのですね・・・。
勇者様とは分断されたとアインスさんの報告も上がっていましたし、
その解決に動けそうな水無月さん達PTの足止めに魔神族が出て来たという事でしょうか?
敵ながら仲間想いですね。
事はそんな簡単な話では無さそうですが。
「気配が空で動いておりますし、
小さくはありますがおそらくあれはブルー・ドラゴンではないでしょうか?」
空を睥睨しながらトーニャが指差す。
指先を追って城下町の空を見やれば、
確かに何かが飛んでいてブレスを吐いているようにも見える。
「空の戦闘では我らアナザー・ワンもお役に立てません。
そこも見事な戦略かと。
余計な邪魔が入らないようにそれぞれの戦場を確保しているのですから。
我々はアスペラルダへ感謝をしてせめて他の事案が発生した際にサポートする様に動くでしょう」
サーニャの横顔は出来ないことに悔しがってはいなかった。
きっと、今出来ることで返す為。
最後に見せた微笑みは何の心配もしていない澄んだ笑顔だった。
「サーニャは水無月さんを信じているのですね」
「そんなことはありません。
心配するだけ無駄な気がするだけですよ」
途端に真顔になって憎まれ口を言い始めるけど、
私も水無月さんとアルシェを信じていますよ。
* * * * *
「ちょっと思ってたのと違うなぁ!おい!」
「口動かしてないで手を動かしなさいよ!」
宗八が後方の森で聖獣の子供がトレントと戦っている姿を確認し、
迎えに行くと判断した直後には俺達も移動を開始していた。
「多くはゼノウ達が引き付けている!今のうちにオベリスクを破壊するぞ!」
宗八が抜けても姫様のPTは皆が一人一人強い。
そんな彼らと兵士達の間に配置された精霊が妙に気になったので、
セーバーPTも連れて宗八達から離れたわけだが・・・。
これは忙しいな。
「ライナー!」
「任せろっ!うぅぅん、りゃ!!!」
オベリスクがあればあるだけ魔法使いは辛い。
フランザは俺達から遅れる形で距離を開けて支援をしてくれているが、
いまはオベリスクも多い為、
攻撃魔法は威力が激減しているからどちらかといえば回避をメインに後を追ってくるモンスターを引き付けてくれている。
アルカンシェ様の動きを追って多く割いていた機動訓練。
危うい場面はトワインのカバーが入るとはいえ、
魔法使いがよく回避しているとPT内で最も身軽な自分が見ても見事な物だ。
「フランザ!《爆裂矢》シフト:トリプル!」
動きの素早い4足歩行の火を噴く禍津核モンスターと岩の皮膚を持つ禍津核モンスターに矢が当たり爆発する。
その隙にフランザは少し距離を置き一息着いた。
「ありがとう。
ふぅ・・・ランクが低いとはいえ、結構厳しいわね」
「いやぁ~十分でしょう。
近距離で魔法を撃つ余裕もあって、もう何体倒した?」
「数えてないわよ。
核の破壊しか手がないんだから胸か頭を片っ端から吹き飛ばしただけだもの」
魔神族の姿はこちらでは見ていないが、
浮遊精霊2体~3体分の強さの禍津核モンスターが引く程湧いている。
予想では苛刻のシュティーナが関係してオベリスクと同様に禍津核もバラ撒いたのだろう。
兵士を挟撃しようとしてか、
協力者の精霊達を狙ってかまでは知らないけれど、
少なくともオベリスクと禍津核モンスターの組み合わせは対処が面倒だ。
ただし、フランザの言う通り倒せない訳ではない。
というか少しずつでも数を減らしていかなければ追いかけっこがいつまで経っても終わらない。
「トワイン!」
「はいはい!ったく、忙しいわねっ!《氷結矢》シフト:ダブル!」
正面から新たに合流して襲いかかってきたモンスターの足止めに、
後方から飛んできたトワインの矢が足回りを凍り漬けにした隙に横を駆け抜ける。
「はははっ!バゼド飲食店地下を思い出すなぁ!ゼノウ!」
「マリーブパリアの新ダンジョンか?
確かに敵にここまで囲まれた状況は似てはいるがっ!」
モンスターの攻撃を回避し、
次のオベリスクへ突き進みながらライナーが楽しそうに話しかけてくる。
思い起こしているのはアルカンシェ様達とPTを組んだあのダンジョンだろう。
モンスターのリポップタイム無視+部屋移動をしてくるトラップの所為で、
当時は慣れない長期戦闘をして俺達はクタクタになったのだ。
あれから半年も経っていないはずだが、
当時より高ランクのモンスターにさらに数も増えた状態で囲まれ、
そしてアルカンシェ様達も同行していない中でここまで戦える様になっているのだから、ライナーでなくとも自身の成長を実感して嬉しく思うのは否定しない。
強くなる、という意味であれば宗八に着いてきて正解だった。
このまま強くなれればペルクの仇討ちも本当に夢ではないかもしれない。
「まだ、ほど遠いが・・・」
「何か言ったかよ!?」
「何も言っていない」
先ほどから揺蕩う唄を伝いアインスさんの声が聞こえていた。
どうやら、護衛隊総出で魔神族と相対しているらしいな。
せめて俺達のPTが1人でも相手取れれば負担も減らせるというのに・・・。
実力向上に喜んだ端から実力不足を痛感する。
まぁ、落ち込む暇もないんだけどな。
「魔神族が王都に乱入してきた!
数は4!霹靂のナユタはまだ現れていないから注意は怠るなよ!」
「「「「りょーかい!」」」」
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