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第二部『日ノ本統一! そして…』

第参話

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蘭丸が丁度良い寺院を探して戻って来た。


蘭丸「大殿!摂津高槻城より北にある本山寺という寺を見つけました!そこなら、大殿の軍勢も相手から見えないと思われます。」
「お前は何でもこなすな。褒めて遣わす!」

蘭丸「あり難き幸せ!では、本山寺の住職に報告し金子を渡して来ます!」

行長「おい蘭丸、いくらなんでも金子まで渡す事はなかろう?」
「いえ、最低限の礼儀は弁えないと失礼にあたりますからな。少なくとも、織田家において仏教を信仰していますので…」

行長「それもそうだな。配慮が足りず申し訳ない。」
「いえ、某の方こそ偉そうな物言い失礼仕った!」

行長「大殿。良い小姓を見つけましたな。さすが森様のご子息ですね。」

行長の言葉を聞いた信長は微笑み
「うむ。行長にも認められたようで何よりじゃ。行長は、ワシ直属の砲撃隊を率いる弟の信包に、上手く寺から見えない所で待機せよと伝えろ!行け!」


こうして万全の体制を整えた頃、勝家はまだ丹波に入った頃であった。


勝家「この軍勢を引き連れて行くのは流石に、大殿に悪い!勝豊。お前は先行して大殿の正確な居場所を調べた後、一度大殿に会ってワシが会いたいと伝えろ!」

勝豊「はっ!(またワシを、使い走りに使うのか!もう我慢の限界じゃ!こうなったら殿を貶めてやる。)」

などと思いながら、摂津高槻の信長の元に早馬を走らせる勝豊であった。


それから10日が過ぎた頃、ようやく勝豊は信長が居る寺を突き止め、信長に会う事にした。


蘭丸「大殿、表に勝家様の配下で柴田勝豊と名乗る者が来ております。」
「勝家ではなく勝豊か… まあ良い通せ!」

こうして信長に会えた勝豊は
「大殿。ご機嫌麗しゅうございます!」

信長「うむ。で、今日は何用で来たのだ?お前の主には波多野、山名と攻略し猿の助成に行けと命じていたのだがな。」
「それに付いてですが。猿… いえ羽柴様の合戦が終わった後の報酬が気に食わんと暴れられまして。大殿の命に叛き、軍を率いて大殿のいる、この場所に来ると。」

信長「ほう。猿に渡す報酬?どこでそれを聞いた?いや、それはワシにも心あたりはある。勝家の報酬も考えていたのだがな。」
「それはどういう報酬でしょうか?」

信長「ん?お前は柴田家の者であったな。特別に教えるが勝家には、我が尾張と岐阜それに飛騨・北近江を所領として渡すつもりだったが、この命令違反でそれもご破算じゃな。それより、丹波の波多野は落としたのか?」
「はっ!力攻めで落とし、兵15000が犠牲に…」


それを聞いた信長は激怒し
「何だと?!15000もの兵を無駄死にさせたと申すのか!」

勝豊「そ、そ、某ではなく、殿が…」
「そんな事は分かっておる!勝家は昔から猪突猛進の阿呆だと思っていたが、ここまで阿呆だとは思わなかったわ!期待していたワシの立場が無い… いや立場より不用意に死なせてしまった兵の家族に申し開きが出来んわ!」

勝豊「はぁ。殿には何と伝えれば?」
「勝家には岐阜に戻り沙汰を待てと伝えろ!」

勝豊「はっ!」
「いや待て!15000もの兵を死なせたのだから、その兵達の家族の前で磔獄門に致す!」

勝豊「あっ、いや、それは余りにも…」
「余りにも、何じゃ?おい行長、そやつを捕らえろ!柴田家に名を連なる者は同罪じゃ!」

勝豊「大殿!お待ち下され!殿はいつも盛政ばかりを可愛がり、某は蔑ろにされておりました!なので大殿に仕えとうございます!」

行長「この期に及んで命乞いとは見苦しいですぞ!」
「いや待て、行長。その噂は聞いた事がある。(前世の記憶ではあるがな…)では、そちを監視下に置き行長の下で働くのであれば良しとするが、どうじゃ?」

勝豊「はっ!それで構いません!」
「よし。では、最初の命令を与える。行長と共にワシの弟・長益の元に向い、長益に数名の兵を引き連れ勝家を捕らえて来いと伝えろ!それと兵は旧波多野家の八上城に待機させるよう指示を出せと。」

行長・勝豊「「はっ!」」


そして、長益は数名の兵と共に柴田勝家の元に向った。


長益は数日後、八上城の近くまで来ていた柴田勝家を見つけ
「某は大殿の弟・織田長益だ、貴殿の軍勢はこの旧波多野家の八上城に待機させ、貴殿には大殿の命により大殿が宿泊中の摂津高津城の北にある本山寺に連行いたす!尚、柴田勝豊殿は大殿の町作りの参謀・小西行長殿の配下になった。」

勝家「これは異な事を!ワシが?この柴田勝家が連行?馬鹿も休み休みに言え!」
「馬鹿とは失敬な!これは大殿の命令だ!」

勝家「そなたは、本当に織田長益か?おい、盛政。こやつを見た事はあるか?」
「いえ、見た事はありません。」

勝家「そう申しているが?」
「馬鹿な!ワシは正真正銘織田信秀の十一男・織田長益じゃ!これが証拠の脇差じゃ!」

家嘉は勝家に仕える前は信長に仕えていたので
「殿、その方は織田長益で間違いありません。」

勝家「間違いではない?ならワシはどうして、連行されなければならんのか説明してみよ!家嘉!」
「それは… わかりません…」

勝家「長益殿、ワシ何故連行されるのか理由を聞きたい!」
「それについては大殿にしかわかりません。では、どうしても連行を拒むのですかな?」

勝家「そんな嘘の命令なんぞに従う道理がどこにある!」
「嘘とは失礼にも程がある!ええい、実力行使じゃ。こやつを捕らえろ!」

勝家「何!?」


長益は強硬手段で勝家を捕らえようとしたが返り討ちに会い、ものの数秒で死んでしまった。


家嘉「殿!なんて事をして!!」
「うるさい!こやつが刀を抜いて襲って来たから防いだだけで勝手に死んだのだ!」

家嘉「この人数が勝手に死ぬ訳がござらぬ!どうするのです!」
「ええい、うるさい!軍勢を率いて、事の真意を殿から直接聞く!」

家嘉「無理です!軍勢もこの八上城で待機しろとの事でした。」
「では、どうしろと申すのだ。」

家嘉「ここは覚悟を決め、大殿をいや織田信長を殺すしかございません!」
「何を言っているのだ?ワシが、このワシが信長様を手にかけろと、家嘉は申すのか?」

盛政「殿!勝豊も大殿の軍門に下って、何かしらの情報を大殿に吹き込んでいるやも知れません。のでいっそ大殿を亡き者にして殿が天下に号令をかけるしか!」
「しかし、ワシは…」

家嘉「幸い、さっき長益が言っていたではありませんか!信長は摂津高津城の北にある寺に… たしか本山寺と申していたかと。だったな?盛政。」
「確か、そのような事をほざいてましたな。敵は少数に違いありません!ご決断をお願い致します!」

家嘉「もうこの方法しかございません!長益を手にかけたのですからな!」

盛政「殿!」

と、二人は勝家を説き伏せた!


勝家「… ワシは大殿に大恩がある!が、この戦国の乱世に下克上が当たり前!分かった、ワシは大殿… いや織田信長を討つ事に決めた!!」

家嘉「それでこそ殿じゃ!某は正直、殿が好かんかったが… 今後は忠誠を尽くし付いていきまする。」
「ほう。好かんというのは聞かなかった事にしてやる!」

盛政「某は言うまでもありません!」
「うむ。(大殿を倒し、家康を倒し、お市様を奪い返すぞ!)では向うとするか!」

盛政・家嘉「「はっ!」」


柴田軍は摂津高津の北に位置する本山寺に軍を進めたのであった。


               
                   ★



長益を勝家に元に向わせた2日がたった。


信長「長益は遅いな。のう蘭丸。」
「大変です!その長益様が柴田勝家様に殺されたとの情報が入りました!」

信長「何じゃと?!まさか使者を、それも我が弟を手にかけるとは!!」
「柴田勝家様も地に落ちましたな…」

信長「まだ謝れば許したかも知れんが、もはや家臣でも何でもない!対策を練るぞ。」
「はっ!」

信長「それはそうと、偵察に来た勝豊はこちらに居る訳じゃから、兵を隠す必要がない。どうじゃ蘭丸。」
「はっ!柴田勝家が大殿に言う猪突猛進だとしても、攻めて来るのは夜でしょうし…」

信長「お前は賢いな。ワシもそう睨んでいる。ならば、この寺を本陣として砲撃隊を寺の後方に配置し、鶴翼の陣形に編成し、左右に鉄砲隊を配置させるのも良いか。」
「しかし、大殿。鶴翼の陣形は良いとして機動力に劣る鉄砲隊では包囲出来ない可能性も出てくるのでは?」

信長「まるで猿と話しているようじゃ。お前は頭の回転が早くて、益々気に入ったわ。」
「あ、あり難き幸せ…」

と、蘭丸は頬を赤く染めた。


信長「鉄砲騎馬があれば良かったのだが、こちらは大筒の改良型500と新式火縄銃2万に槍兵1万と足軽1万で残りは小荷駄隊じゃからな。まさか権六が謀反を起こすとは計算外だったわ!」
「しかし、鶴翼の陣形で迎え撃ち、軍勢が中腹まで来たら大筒で一斉砲火を浴びせるのが良いかと思いまする。」

信長「それは良い考えじゃ、我が軍に機動力が無いのが良かったかも知れんな。では、本陣の前に鉄砲隊3000を置き、後方に大筒300を置く。左右の中腹に大筒を100づつ待機させ、第5・第6備えに槍隊を各3000ずつ配備させよう。第1・第2備えに残りの兵を均等に配置させよう。それと旗は立てるなと伝えておけ!」
「そうですね。遠くからでも見えそうですし。分かりました。」

信長「しかし、権六の軍勢には騎馬隊が多い。それをどれだけ削れるかで勝敗が決まる!さて、権六のお手並み拝見じゃな。」

と、信長は昼の内に陣形を引き柴田軍を迎え撃つ準備に急ぐのであった。



その頃、柴田勝家は亀山の町近くまで軍を進めていた。


家嘉「殿、いくら信長が少数とはいえ明るいうちに攻撃なさるより、夜戦の方が宜しいかと!」
「そうだな。もし相手に鉄砲隊が居た時の事を考えて、夜の方が良いな!」


しかし、信長は大筒に花火で使用する玉を改良した物を撃って辺りを明るくする技法を完成させていあたのだった。


信長「あやつら、夜は射撃が出来んと思ってるに違いない。まさか対策があるとは思っておらんぞ!凄いだろう?蘭丸!」
「はっ!大殿は凄いです。どこでそんな知識を?」

信長「まぁ、色々とな。しかし、二人きりの時は大殿と呼ぶな!」
「え?では何とお呼びすれば…」

信長「それは、そうじゃ!三郎様と呼べ!この呼び方は濃にも許してないからな、お前は特別じゃ。」
「あ、あの、さ、三郎様…」

と、照れながら話す蘭丸を見て信長は
「もう、アレだな。権六を捕らえた後に祝言を執り行おう!お前はもう誰のもやらん!」

蘭丸「はい!末永くお願い申し上げます!」


そうこうしている内に日が沈み運命の夜が始まるのであった。


信長「(さて、鬼柴田のお手並み拝見いたそうか!)蘭丸!伝令を密にせよ!」
「はっ!」

信長「蘭丸!先程二人で話したがワシなりに策を変える事にした。陣形はそのままだがな。そして、お前をワシの参謀に据え置く。良いな。」
「某を参謀役ですか?」

信長「心配するな。お前なら出来る!」
「はっ!精一杯頑張りまする!」


そして、集まった軍勢向って信長が話し始めた。


信長「皆の者。勝家は「鬼柴田」と恐れられた将じゃ。だが、臆する必要はない。こちらには新式の大筒と火縄銃がある。それとな、ワシの参謀に蘭丸を置く。この者は森可成の次男で頭が切れる。ワシに伝令する場合は、この蘭丸を通すようにな。では、陣形は通達した通り鶴翼の陣じゃ。一番備・信包、弐式鉄砲隊3000。二番備・元綱、弐式鉄砲隊3000。三番備・直政、紅式大筒隊50及び参式鉄砲隊2000。四番備・頼隆、紅式大筒隊50及び参式鉄砲隊2000。五番備・光冶、短式鉄砲足軽隊3000。六番備・秀政、短式鉄砲足軽隊3000。長槍隊5000を本陣の前列に配置し、そのすぐ後ろに花炎弾装填した固定式大筒10基を設置。本陣の後方に紅式大筒隊400を行長に任せる!一番備と三番備の間にも長槍隊を置き、二番備と四番備の間にも同じく長槍隊を置くが、この指揮は個々の判断に任せる。敵が中央付近に差し掛かる前に本陣の固定大筒から光玉を打つ!それが合図に三番・四番は中央に向って一斉砲撃を2回行った後、長槍隊は突っ込め!それと同時に五番・六番は敵の後方を遮断し一兵たりとも逃がさず敵を後方から突き崩せ!質問はあるか?」



【弐式火縄銃。新式火縄銃より砲身が長く飛距離をさらに伸ばした武器。】

【参式火縄銃。新式火縄銃より口径広く殺傷能力が高い武器。】

【紅式大筒。花火の玉を応用した炸裂弾が撃てる武器。貫通力は無いが殺傷率が非常に高い。】

【固定大筒。文字通り地面に固定した大筒で砲身が長く射程が最大400間(約360m)ある。】

【光玉。花火の玉を改良した物で約半刻辺りを照らし、範囲は50間(半径25m)殺傷能力は無い。】


光冶「大殿。」
「なんじゃ?光冶。遠慮せずに申せ!」

光冶「はっ!我らの攻撃で味方に当らないかと心配です。」
「それについては大丈夫じゃ。その短式は改良済みで玉の飛距離は12間(約10m)と短いくなっている。」

光冶「おお!では長槍を二本持った位の位置で撃てば良いって事ですな。」
「それで良い!他は無いか?無ければこの策で行く!勝豊の情報によれば向こうの兵力は3万5千。対するこちらは5万ではあるが実質4万で、あちらには機動力があるが、こちらには破壊力がある。勝敗は一瞬で決まる!しかし、撃ちもらすと劣勢になるが、まぁワシらは今まで培って来た経験がある!必ず、勝つと信じておる!それから勝家は出来るだけ生きて捕らえよ!旗を降ろし静かに待て!では各自、隊に速やかに戻れ!」

蘭丸「上手く行きますでしょうか?敵には騎馬隊がいますし…」
「そう思って長槍隊を大目に配置したのじゃ!なぁに大丈夫じゃ!(とは言えんのが合戦の恐ろしい所じゃがな…)」


信長は一抹の不安を残すのであった。


その頃、もう目と鼻の先まで来ていた柴田軍の総大将こと柴田勝家は悩んでいた。


勝家「お前達、ちと話したい事があるので、もう少し先に進もう」

と、軍勢と距離を取ったところで勝家が話始めた。


勝家「(あやつらに、あぁは言うた物の… ワシは信長様を裏切って良い物なのか?猿を認めてしまえば良かったのではないか?)のぅ、家嘉。ワシは信長様を討つ事には…」
「何を今更!信長は目の前ですぞ!」

勝家「ここまで来てなんじゃが、軍勢を八上城に引き返させワシが信長様に謝罪すれば、あるいは…」
「殿!いい加減になさいませ!ここまで来て!」

盛政「家嘉!言葉が過ぎるぞ!殿に向って!」
「今、信長を討てば歴史が変わる!何故わからんのじゃ!」

勝家「悪いがワシは降りる。盛政はどうする?」
「某はいつまでも殿と一緒が…」

家嘉「ええい!もうよいわ!!」

と、次の瞬間に家嘉が勝家に斬りかかった!


勝家は、その不意打ちを避けきれずに馬の手綱を握ってた利き腕を切られ落馬した。


すぐさま家嘉も馬を降り、勝家にとどめをしようとした時、盛政が勝家の前に割り込んで家嘉の刀が運悪く盛政の胴体を貫通しまった!


慌てて勝家は左手で応戦したが、家嘉は落馬した時落ちた勝家の兜を拾い馬に乗り軍勢が居る方に駆けていったのだった。


勝家はというと、盛政を抱きかかて
「盛政。すまなかった!ワシがもっと冷静なら… ワシが猿を認めていたら…」

盛政は最後の力を振り絞り
「殿!これは好機ですぞ!某が信益を殺したと大殿に報告し、某の首を差し出せば大殿は許してくれるやもしれません!どうか!」

勝家「な、何を言うか!そんな事までして大殿に許しを請うワシだと思うか!」
「殿… 某は勝家様が不幸に成るのは見たくありません… どうか某の案を聞き入れて下され… それが某の望み… で… ご…」

と、盛政は息絶えたのであった。


勝家「すまん!盛政!お前の案を受け入れ大殿に謝罪する!」


そして盛政の首を切り落とし泣く泣く盛政の着物に包んで信長の居る本山寺に向ったのであった。


日は落ち暗かった事もあり、家嘉は勝家の兜を被り勝家に成りすまし兵達を騙し
「もう信長はすぐそこだ!寺が見えたら、突撃し信長を討て!見事、討ち取ったら報酬は思いのままくれてやるぞ!」


”おおぉぉぉぉぉ”

と、士気が上がったのであった。


しかし、その声を信長の密偵は見逃さず、すぐに信長の耳に入る事となった。


信長「来たか!お前達は五番・六番の先頭で潜伏し目の前を通過したらワシに報告しろ!(報告が来たら、いよいよ開戦だな…)」



石山本願寺の本願寺顕如は、織田信長が新しい町へ来て欲しいと再三の誘いがあったが日本各地に浄土真宗の寺を建てる計画で忙しくしていたが、やっと一段落したので配下の坊官・下間頼廉を先発隊として派遣していたが、その頼廉が血相を変えて戻って来た。


頼廉「顕如様!顕如さま!大変です!大変なのです!!」
「何ですか?騒々しい。ここは御神体がある本殿ですよ。もっと静かにしなさい。」

頼廉「そんな事は分かっています!大変なんですよ!」
「だから、その大変とは何ですか?」

頼廉「あの織田きっての猛将と言われる柴田勝家が謀反!信長様が居る摂津高津の本山寺に攻めて来てるとの情報を入手しました!」
「何だと?!あの「鬼柴田」が謀反?!これはまずい。今、信長様に死なれては日ノ本中に浄土真宗を広める事が出来なくなる!すぐに、比叡山と根来に早馬を送って摂津高津の本山寺にて織田信長様の助勢に向えと!拙僧も準備をして僧兵1万を率い出陣します!松明の準備も急がせるのです!!」

頼廉「私も早馬の手配が済み次第、顕如様の後を追います!」


(信長様!どうかご無事で!この本願寺顕如が、お助けに参ります!)


そんな援軍が来る事とは知らない織田信長は、ついに開戦の時を迎えた!



「信長様、来ました!」

信長「うむ。固定大筒隊、出来るだけ砲身を上に上げて、花炎弾装填!」
「はっ!準備出来ております!」

信長「よし、前方に向け撃て!」
「はっ!は、放てぇぇぇぇ!!」


”どどどどどおおぉぉぉぉぉんん!!”


固定大筒から放たれた光玉が遠くで炸裂し、その炸裂した周りが明るく照らされ、そこに柴田軍の軍勢が見えた!


家嘉「何?!辺りが明るくなっただと?

 
その直後、辺りを見渡すと
「これは… 鶴翼の陣か!まずい、ワシは一旦下がる。お前達はこのまま直進して本陣に突撃しろ!」


”おおおぉぉぉぉぉ!”


そうとは知るよしもない信長は
「よし!続けて固定大筒よし狼煙弾を打ち上げ、三番・四番に指示を出せ!」


すぐに中央付近に居る柴田軍に左右から一斉砲撃・射撃を放つが殆どが誰も居ない場所に放たれた。


本陣の蘭丸の元に伝令が次々と来て
「伝令!敵に致命傷を与えられず通り抜けられました!」

「伝令!柴田軍の一隊約2万が五番備の不破隊に襲い掛かっています!」

「伝令!一番・二番、その両翼の長槍隊と柴田軍のもう一方と交戦中でございます!」


この伝令の報告を信長に伝えると
「ええい!あやつも知恵を付けたという事か、すぐに不破隊の援護に六番・堀隊を向わせるように指示を遅れ!(やはり機動力には勝てぬか…)」


信長の一抹の不安が的中したのだった。


その頃、勝家の兜を被った偽勝家こと拝郷家嘉は犠牲を最小限に抑えて五番備の不破隊を壊滅させていた。


「敵指揮官、討ち取ったぁぁぁ!!」

偽勝家「おお!素晴らしい!後で検分するので腰に吊るしておけ!よし、次は後ろから鉄砲隊が来るのは明白じゃ!反転してこれを叩く!進めぇぇ!」


その報は蘭丸を通して信長に伝わった。


信長「何?!不破光冶が討死?馬鹿な!勝家ぇぇぇ!もう許さん!蘭丸、権六は殺せ!必ず殺せ!」

と、信長は怒り心頭であった。


また伝令が飛び込んで来て
「伝令!別動隊・長槍隊壊滅、一番・二番もかなりの被害が出てる模様!」


それの信長に伝わり
「まさか、権六にやられるとは思わなかったわ… 一番から四番まで後退させろ!」

蘭丸「後退させて、何処へ行けと?」
「家康の元に向かえと伝えろ!」

蘭丸「我らはどうするのですか?」
「お前も父の元に帰れ!ワシが殿(シンガリ)をする!」

蘭丸「そんな!?某もお供致します!!」
「ならん!!」


そんな時また
「伝令!」

信長「今度は何じゃ!」
「援軍です!」

信長「援軍だと?どこの家中の者だ?」
「それが僧兵にございます!」

信長「僧兵?本願寺か!これは撤退の好機じゃ!蘭丸!貴様は一番・二番を率いて後退しろ、これは命令だ!」
「嫌でございます!某は三郎様と共に居たいのです!」

信長「貴様も頑固じゃのぅ。分かった、ワシと残れ!では一番・二番隊に伝令を送れ!。」
「はっ!あり難き幸せ!え?」

信長「ん?どうし…た… は?」


信長と蘭丸は突然の来訪者に驚いたのだった。


そう柴田軍総大将の柴田勝家が信長と蘭丸のすぐ後ろに血だらけで立っていたのだ。



勝家「信長様…」


すると蘭丸は身動きが取れずに恐怖で硬直し仁王立ちになっていたのを信長が気付き、蘭丸の前に信長が出て
「よう、権六。ここまで来れた事、あっぱれである。(もはやこれまでか… ワシはまた死ぬのか…)」

と、死を覚悟した信長だったが、勝家は刀を捨て信長の前で座り込んで頭を下げ
「信長様、今回の騒動を引き起こした罪は某の不徳の致す所。信長様の弟である長益様を手にかけた下手人を捕らえ持参したしだいです。」

信長「おぬしはいったい何を言っておるのだ?」
「あの軍勢は某が指揮しておりません。某は引き返そうとしたのですが拝郷家嘉に突然襲われ、利き腕を負傷し、何とかここまで来ました。」

信長「ん?もう一度聞くぞ?おぬしはいったい何を言っておるのだ?」
「いやだから…」

信長「待て、待て!あれは権六ではなく拝郷家嘉だと申すのだな?」
「はい…」

信長「まさか権六の配下に、いや元はワシの配下か。まさかここまで追い込まれるとは、思いもよらなんだわ。権六!お前があやつらに命令して止める事は可能か?」
「いえ、それは無理かと。某の兜を切られた拍子に奪われたので…」

信長「何だと?!」


そこのまた伝令が
「伝令!僧兵が北と南からも続々と参戦するも、次々と討ち取られ敗走致しました。」

信長「敗走?顕如殿は来てないのか?」
「いえ、来られてたみたいですが、大殿にすまないと伝えろ…」


そして別の伝令が
「六番・堀隊壊滅。しかし、堀様は顕如様と一緒に敗走中との事。」

信長「そうか… お前達も早く家康の元に逃げろ!」
「いえ。我らも大殿と残ります!」

勝家「信長様!某がここに残って殿を務めます!」
「馬鹿者!!貴様一人でおよそ2万もの兵とどうするのだ!敵が欲しいのは、ワシの首じゃ。そちも逃げろ!」

勝家「いえ!某も信長様と、ここで暴れとうございます。」

と、満面の笑みを浮かべた。


信長「おぬしも頑固よのぅ。」
「して、この者は誰でございましょう?立ったまま気絶しておるみたいだが…」


その声に反応した蘭丸は
「き、き、気絶などしておらん!某は森家次男・森蘭丸だ!」

勝家「ほう。可成の息子か、それでは相等腕が良いのだろうな!最後の晴れ舞台、共に参ろうではないか!」
「嫌です!某は三郎様と戦うのです!」

勝家「三郎様?信長様!こやつは何なのだ、いや、ですか?」
「こやつは、女でワシの側室じゃ!」

勝家「は?おなごでしたか… 信長様、こんな時に何なのですが羨ましいですぞ!!」
「そうか?そう言えば、貴様はまだ祝言もあげてなかったな。悪いな。わっはっはっは!」

勝家「信長様、そろそろですな!」


そして本陣前で立ち止まった柴田軍約15000の中から、偽勝家こと拝郷家嘉が現れた。


偽勝家「ついに追い詰めたぞ信長!ん?そこの居るには誰かと思えば…」

勝家「貴様!大殿に呼び捨てとはどういう了見だ。家嘉!」
「これは異な事を、ワシが柴田勝家じゃ!どこぞのみすぼらしい田舎侍に言われたくない!」

勝家「何だと!?」

信長「よい!それより、よくここまで来たな。さて、ワシは降伏するつもりは無い!」
「ほう。さすが織田信長だ!」

信長「なにが「ほう」じゃ!余計な言葉は不要!さあ参れ!ワシと小姓と田舎侍と残兵約3000が相手致す!」



そして気が付けば、もう辺りは明るくなっていた。



信長「三途の川を、昼頃渡れるだろうな。」
「ふん!たかが3000。今すぐ蹴散らしてくれるわ!」

と、偽勝家の指示で進軍しようとした。


その時、信長本陣斜め後方から数千もの大量の矢が柴田軍の頭上に降り注いた!


当然ではあるが突然、降り注ぐ矢に柴田軍は大混乱した。


偽勝家「者共、慌てるでない!被害は?」
「はっ!大半が戦闘不能です!」

偽勝家「ええい!戦える者は何人じゃ!」
「はっ!およそ7000~8000だと、それだあれ… ば… うぐ。」


その矢を放った軍勢の、もの凄い数を見て家嘉は唾を飲み込んだ。


???「よう、義兄上!助けは必要か?」

と、ドヤ顔で信長に話しかけたのは、家康ではなく東北の獅子・伊達政宗だった!


                   ★


信長は伊達政宗の援軍で形勢逆転したのは言うまでもないが、一番の理由は明るくなった事で柴田軍の兵達の指揮官が拝郷家嘉だという事に気付き、そして織田軍だと思っていた相手に本当の柴田勝家が居た事で戦意喪失し事実上の壊滅に至ったのだった。


信長は、今回の謀反に至った原因の首謀者とみていた柴田勝家が拝郷家嘉だという事に成った経緯を勝家から聞いたが佐久間盛政の事は闇の中にして…


信長「そうか… で、佐久間盛政が権六を振り払って信益を殺して、権六が取り押さえ首をはねたという事だな。」
「はっ!(盛政、すまぬ。)しかし某の嫉妬と、曖昧な行動による事で多大なる損失を与えた事に関しては謝罪のしようもありません。」

信長「その事については、貴様を捕らえて死罪を申し渡すつもりであったが、ワシを守り勇敢に戦かった事により免除と致す。」
「いや、いやいや。それでは、皆に示しが付かないかと!何卒、処分のほどをお願い仕りまする!」

信長「うむ。蘭丸、どうしたら良いと思うか?」
「はっ!では、波多野攻略で殺してしまった兵の家族に謝罪と勝家様の今現在の私財をその家族に与え、身分を侍大将まで降格するというのはどうでしょう?」

信長「蘭丸は、凄いのぅ。権六!それでよいか?」
「はっ!寛大なる御慈悲に感謝し、大殿の命に従いまする!」

信長「で、あるか。そうじゃ!貴様はワシの直属家臣として本陣の一隊の指揮を命じる事とする。」
「は?はっ!あり難き幸せ!」

信長「それはそうと、政宗!」

と、信長が政宗を呼ぶが、その政宗はというと…


政宗「この筒が織田家の大筒か?景綱」
「そのようですな。それにしても凄い武器ですな。この武器一つ、いったい幾らするのでしょうな?」

政宗「わからぬが、それだけ織田信長という男は凄いという事じゃ。」

と、政宗と景綱の二人が話していた。


そして、信長の呼びかけに気付き
「これはすみません!義兄じゃ!で何の話でござるか?」

信長「お前は、どうやってワシの援軍に来れたのかと…」
「あー、それは森可成殿の嫡男・長可という者が訪ねて来て、大殿の無理難題を…」


その発言はヤバいと思い、横から片倉景綱が
「殿!」

政宗「あ!いや、命令をですね…」

信長「今、無理難題と言わなかったか?」
「いえ!大殿の聞き間違いかと!」

信長「そうか… で?」
「はっ!で、他の家臣より一番若輩者だったので「これは信長様に良い印象を与える絶好の機会じゃ!」と思い。すぐに命令を実行し逸早く大殿の作った町に向った次第です。」

信長「ほう… そちは思ってる事を口に出してしまう性質なんじゃな?」
「え?出てましたか?わっはっはっは!」

信長「わっはっは、ではない!!」

と、信長に怒鳴られた政宗は怒られた子犬の様にしゅんとした。


信長「まぁ、良い!それより、今回は助かったぞ!礼を申す… この通りじゃ!」

と、信長は深々と頭を下げた。


これを見た政宗は慌てて
「そ、そんな!『すがじゃ。ワシと度量が違い過ぎる!これが織田信長か!参った!』大殿、頭を上げて下さい!『益々、ワシは織田信長に対する好意が跳ね上がったわい!』こちらこそ…」


それを横で聞いていた片倉景綱は
「殿!心の声が漏れてますぞ!」

政宗「え?」

と、恥ずかしそうな顔をする政宗を見て信長は大いに笑ったのであった。


かくして、偽柴田勝家の謀反は終わりを告げ、柴田勝家が本来向うはずの秀吉の助勢に信長自信が兵を再構成し、山名家の鳥取城に向うのであった。


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