ユメ。売買

淡宵 黎明

文字の大きさ
上 下
8 / 8

??・Ⅷ

しおりを挟む
 「まぁ、とりあえず座ってよ」
促されるまま私は1人がけのソファに座った。
「んーと。何から話そうか。」
悩んでる様に見せているが言いたいことはだいたい決まっているのだろう。
「言いたいこと。決まってるんじゃないです?」
そう言った瞬間、少しだけ目の奥が笑った気がした。仮面をつけていても意外とわかりやすいこの人は。
「うん。そうだね。言いたいことは決まっているよ。じゃあまず。あの子は”もち”じゃない。ちゃんとボムという名前がついている。君が怒っていると勘違いしたのは、ネーミングセンスに対する嫉妬さ。ゆるしてくれ」
「え、あ、それはごめんなさい。でも、なんでボム?」
「いや、だって丸いじゃないか!あの子。まるでボムみたいだろう?だからボム」
あぁ、この人は適当につけたんだな。多分。可哀想にもち。
「あと、君僕もユメナシじゃないの?って言ったよね。僕はユメナシじゃない。それにこの世界の人間じゃない。君みたいにこっちに連れてこられた…っていう表現が正しいかな。ある日ね、」
この人も…こっちに連れてこられた。なんで?私たちのどこが共通してるの、ここに連れてこられる人は何。
「なんで……」
「それはボクにもわからない。急だったから。願ったらここにいた。それだけ。」
願ったって、
「貴方も諦めたの?」
「さぁ、もう覚えてないよ。随分昔のことだからね」
あぁ、諦めたんだ。この人。同じなんだ。
「ねぇ、貴方名前は?」
「レト。あれ、名乗ってなかったけ?ま、いっか。
名前も教えた事だし、今日は一旦帰ろうか。」
「え?いやまだ…」
まだ言いたいことあるんでしょ、なんで帰そうとするの
「ここに何時間いると思ってるんだ?6時間はいるぞ。記憶はいじれても時間はいじれない。」
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(2件)

雨夜
2024.03.26 雨夜

入りから惹き込まれる作品は、この作品が始めてです‪!!1話目から魅力的な世界観に惹き込まれました....!泉ちゃんのクールで気だるそうな雰囲気とか、静香先生の優しそうな感じが伝わってきて、素敵です。どんな髪型をしているのかとか、身長は高めなのかとか想像してしまいますね...もちろん正解は淡宵さんにしか分かりませんが....。先生に対して泉ちゃんのしらっとした態度に「強い子だなぁ」と少し笑顔になってしまいました....wもちとの出会いも非常にかわいらしいっ!!伝えたいことが沢山あって長くなってしまいましたが、これからも健康に気をつけて頑張ってください。

淡宵 黎明
2024.03.26 淡宵 黎明

ありがとうございます🙏✨
自分でも書きながら泉ちゃん強いなぁと思ってます笑
そういえば容姿考えてなかった……。
後で!いつか!すぐ!必ず!考えます!!!!

解除
akade
2024.01.18 akade

最新話まで読ませていただきました。全体を通して、今後の展開がすごく気になる作品だったので、お気に入り登録もしました。ぜひ、これからも創作活動を頑張ってください💪

淡宵 黎明
2024.01.18 淡宵 黎明

とても励みになるお言葉ありがとうございます!
お気に入り登録までしてくださって……。
これからの展開ご期待ください
今後ともよろしくお願い致します🙇‍♂️

解除

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。