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ハイメス国編
049話 聖都ウプサラ
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聖都ウプサラまでは馬を走らせて約1日半から2日はかかる。
現在は徒歩での移動なので、街道沿いに歩いても6日間程度はかかるだろう。
クーヤさんの話ではレディポートから聖都へ向かう道は、大通りを街道沿いに進みウルソデン村を経由する最短ルートと、整備された街道を外れ農道を進むキルニス村経由ルートの2種類だ。
少し気が引けたけど、僕はクーヤさんにキルニス村に立ち寄るか聞いてみた。
彼女はちょっとだけ考え込んで「もう少し時間を置くことにするよ」と苦笑いをした。
昨夜のパーティーの前にマウリッツさんとジョルディさんにキルニス村で起きた宿屋襲撃事件の内容を伝えたらしい。
宿の娘さんには賠償という訳では無いが、もし困った時はいつでもユーイン家が働く場所などを保証すると伝え、その証明として家紋入りの徽章を渡したらしい。
「……余計なお世話かも知れないけどね」
そう言って、クーヤさんは少し寂しそうに顔を伏せる。
「別にお前が殺した訳じゃねぇんだろ? 宿屋の娘を想うのは勝手だがな、それなら教会でお前が攻撃して大怪我を負った連中はどうなんだ? 敵対する立場だから別に死んでも心が痛まないか? そいつらにも家族がいるんじゃないのか?」
足元を歩くレオニスが立ち止まり、クーヤさんに対して怒鳴り始めた。
レオニスの性格上、ウジウジとした彼女の態度が気に喰わないんだと思う。
正論ではあるけれど、気落ちしている人に対して少し厳し過ぎるような気がする。
「ああ、いるかも知れないな」
「いいか、良く聞け! 宿屋の娘の家族は運が悪かっただけだ、教会で死んだ奴もだ! 俺も先輩もお前だって運が悪ければ死ぬ、それだけだ!! 他人に責任を感じるな! 他人に責任を求めるな! 分かったか!!」
これだけ力強く言われると、なんだか説得力を感じるな。
内容の有無にはそれぞれ考え方の問題で悩むかどうか決まると思うけど、言っている事は理解できる。
クーヤさんがどう受け止めるか分からないけど、レオニスなりに彼女を励ましているんだろうな。
それよりも、大司教に空腹ごときの責任を求めていたヤツが僕の頭上で寝ているんだけど、それは許されるのだろうか。
「賢いな君は、ありがとう」
クーヤさんはどこか吹っ切れたような笑顔を浮かべ、しゃがんでレオニスの頭をくしゃくしゃと撫でる。
いつもスピカに脳筋と言われているレオニスが珍しく賢いと言われ嬉しそうに僕の方を見てきた。
僕に対して「褒めて良いんだぜ?」と言わんばかりの表情を浮かべていた。
その後、何日かの野宿とウルソデン村を経由して7日目の朝方に聖都ウプサラへと到着した。
約1週間ぶりの聖都は以前訪れた時と変わらず、大勢の冒険者や商人で賑わっていた。
「冒険者っぽい人が多いですね、何かあるのかな?」
重装備に身を包んだ大男、高価そうな杖を持つ老人、魔獣を従えた少女。
そういった見た目から冒険者だと分かる人々がそこかしこに見受けられた。
まるで高額報酬を約束された大規模なモンスター討伐作戦でも行われるかのような情景に見える。
僕が幼い頃、アルテナ国でも何度かそういった事があり、ビクトリアが参加したがっていたのを思い出した。
「ああ、そっか。ええっとね、2ヶ月後に隣国のオスロウで武闘大会が開催されるからだよ」
クーヤさんが周囲を見渡しながら思い出したかのように話す。
そう言えば、オスロウ国では毎年この時期に武闘大会が行われるんだった。
オスロウ国はハイメス国と故郷のアルテナ国との中間にある大国で、世界最大の軍事力を誇ると言われている。
……隣国といってもオスロウ国は巨大な山岳地帯に囲まれた城塞都市で、冒険者数人を雇って険しい山岳地帯を何日もかけて踏破しないと辿り着けない。
その為、実家でも父親が商人ギルドの遠征部隊に参加して仕入れに行く程度で、僕自身オスロウ国へは訪れた事はなかった。
しかし各国から強者が集うくらい大きな大会らしく、噂だけは良く聞いていた。
「あれ? ラルク君はアルテナ国出身なのかい?」
「え、ええ」
僕は話の流れで無意識に出自を喋りハッとして口を紡ぐ。
個人カードは中等部卒業と同時に出身国で発行されるものだ、当然クーヤさんも僕がタクティカ国の出身だと認識していたに違いない。
実際は自身の体に刻まれた破壊神の加護が原因で国外追放され、運良く人脈に恵まれた結果、特別な個人カードを造って貰えた。
この事実は少し親しくなったとは言え、おいそれと口外する訳にはいかない。
しかし、このまま昔話を続けているとクーヤさんの巧みな誘導話術により、精神的に丸裸にされてしまいそうな気がする。
「おい! そんなことより、早く屋台へ急ぐぞ!!」
僕が容易に口に出せない小さな悩みに思考を奪われていると頭上のスピカが騒ぎ始め、僕の横顔をベシベシと猫パンチをしてきた。
劣悪な環境で飼われている馬車の馬のような気分になってきた。
まったく痛くは無いが単純にウザイ。
「1週間以上楽しみにしていたから無理もないね、私がお勧めの屋台に案内するよ」
「おう! たのむぜ!!」
偶然とはいえスピカの食欲に助けられて胸を撫で下ろす。
僕はスピカの意に従いクーヤさんの案内で聖都の屋台を回る事にした。
食物を扱う色々な屋台を回って、それを全て胃袋に納めていく。
食いしん坊のスピカは余裕で2、3個頬張り、レオニスも競って追随するように食べる。
ここの所、野宿しながら簡易的なキャンプ飯を続けていたので、最初の内は美味しく食べていたのだけれど、満腹中枢ゲージが少しずつ高まり、やがてそのゲージが9分目を超える頃には屋台から出る食材の煙ですら嗅ぎたくないと脳が信号を送り嗚咽がせり上がってくる。
僕はクーヤさんにスピカを預け、広場で休む事にした。
それなりに満足したらしいレオニスも僕の膝の上に残り、クーヤさん達を見送った。
満腹で動けない僕は魔法都市と呼ばれる街並みを眺め、その情景と空気を全身で感じていた。
冒険者で溢れる人並み、空中をフワフワと浮かぶ謎の照明、アルテナ国やタクティカ国とは違う造りの建造物の数々が旅をしているという実感と満足感を与えてくれる。
そんな気分に浸っていると、僕の周囲を取り囲むように白装束の法衣に身を包んだ団体が現れた。
そして白装束の集団が左右両翼に分かれたかと思うと、その中央を黒装束の人物が走って来た。
どこかで見たような恰好だと思っていたが、黒装束の人物を見てその既視感に似たものの正体が判明した。
黒装束の人物はオノス・フェニック大司教で、周りの連中はサンサーラ教団の幹部の人々だ。
大司教が僕の前に立ち、おもむろに跪くと周囲を取り囲む幹部も一斉に頭を垂れた。
周囲の人々や冒険者達はその異常な光景を見て騒めき立つ。
「これはこれはラルク様! こんなにも早く足を運んでくださるとは! このオノス、恐悦至極にて感涙を禁じ得ません!!」
大司教は顔を上げると歯の浮くような台詞を大声で叫び、大袈裟な立ち振る舞いでその想いを表現して見せた。
恐らく、この街に入る際に個人カードを提示した時点で大司教に情報が流れたのだろう。
流石世界的な宗教団体、関所の衛兵にまで魔の手……じゃない、信者がいるとは。
危うく心の中で失言しそうになった。
周囲の人々が奇異の目でこの状況を眺め、固唾を呑んで見守っている。
王族に次ぐ権力を持った宗教団体の大司教が媚を売り、幹部全員が個人に対して頭を垂れているのだから当然だろう。
「あのオノスさん、目立つのでこれはちょっと」
僕が焦ってこの状況を治めようと声をかけた瞬間、人垣を掻き分けてクーヤさんとスピカが戻って来た。
助かった!と一瞬思ったが、そういえばクーヤさんと大司教は直接戦った上に消化不良的な形で僕が争いを終わらせたんだった。
「どうした! 大丈夫かラルク君!! ……うん?」
「……おや、ユーイン家の御令嬢様も一緒でしたか」
2人の目と目が合った瞬間、その間の空間に漂う空気中の魔力がグラっと揺らいだような気がした。
クーヤさんの眉間が歪み、嫌悪感と怒りをごちゃ混ぜにしたような表情に変わる。
対して大司教は目を細め、無表情で少し見下すような視線を向けていた。
彼女の姿を見た教団幹部達はその場で立ち上がり警戒するように見つめる。
……これはまずい状況だ。
僕はクーヤさんに向かって駆け出し、大槌を取り出しそうに動かした手を強引に掴むと無理矢理引っ張って人垣を掻き分けて走った。
遠くの方で「ラルク様ァァァ!!」と叫び声が聞こえて来たけど、振り向く事無く走り去った。
裏路地に隠れるように壁に背中を預け、切れた息を整える。
……と言っても呼吸が乱れているのは僕だけだった。
「どうしたんだラルク? 急に走り出して」
クーヤさんの肩の上で口の端に何かのタレを付けたスピカが不思議そうな表情で問いかける。
言うまでも無く、一触即発の状況だったから逃げたんだよ。
「クーヤさん気持ちが治まらないかも知れないけど、一応和解が成立してるので諍いは駄目ですよ。彼等から襲って来る事はなくても、こちらが手を出したら逆に犯罪者になってしまいます」
「……分かったよ、すまなかった。少し気持ちが高ぶっただけだから。それより手を……」
僕は手を握りっぱなしだった事に気付き、思わず大袈裟に手を放した。
クーヤさんはその様子を見て小さな溜息をついた。
「なぁ、ラルク君。私は君を友人だと思っているんだが、そろそろ敬称を外さないか?」
家が商売をしていたせいか、相手に対して「さん」とか「様」とか付けた方が呼び慣れているんだけど。
そういえばネイやレヴィンにも同じように言われて直したんだっけ。
他の人はいったいどういうタイミングで呼び方を変えたりするんだろうか?
……と妙な疑問を覚える。
「よし! 今から”ラルク”と”クーちゃん”で!!」
そう夏に咲き誇る向日葵のように眩しい笑顔を浮かべる。
「クーちゃ……ク、クーヤでも良い?」
僕は親し過ぎる呼び方が照れくさくて妥協案を定時した。
クーヤは「ええーっ!」と少し不満そうな声を上げたが、困っている僕を見て「分かったよ、それでいこうラルク♪」とウィンクをした。
その後、僕はクーヤの案内で冒険者ギルドへと向かい、冒険者登録をする事となった。
冒険者ギルドや商人ギルドで登録する事により個人カードに様々な項目が追加される。
冒険者ギルドでは職業、特性が自身能力によって診断されてその中から選択できる。
そして同時に修得済の特殊技能が記載されるらしい。
今の僕は”ルーン技術”とかそういった感じになるのだろうか。
あとは5人以上の纏まりを”クラン”と言い、メンバー全員が名乗れる固有名称を登録できるようだ。
仕事をこなし冒険者ランクを上げる事により、名声や報酬額が上昇する。
様々な功績を上げた有名な大手クランになると貴族位と領地を得る事もあるらしい。
商人ギルドでは店を出す際のオーナー登録と店舗登録が可能になり、商売に関する情報共有をできるようになるらしい。
税の徴収とは別に毎月商人ギルドに売上げの数パーセントを徴収されるが、メリットとして優先的に空き地や空家を安く購入できたり、大きな金額の仕入れを行う時の強い後ろ盾となってくれるようだ。
父親が個人雑貨屋を経営していたし、カルディナ先輩がオーナーになった時に色々話をしてくれた。
よくよく考えたら個人カードって父親のしか見た事無いな……以前、グレイス軍務大臣に見せて貰った時も秘匿された表面しか見えなかったし。
しかし、この名前と性別以外が秘匿された個人カードを更新なんて出来るのだろうか?
僕は一抹の不安を抱えながら冒険者ギルドの扉を開いた。
◇◇◇◇◇◆
「……失礼します」
サタ・ナが常に開け放たれている執務室のドアを形式的にノックして入室する。
もう定時報告の時間か……と思い、ペンを机に置く。
先日サイリーン大陸のコダ国が我が国の領土となり、これで実質バンボゥ国との2ヵ国目が支配国となった。
コダ国は巨大な砂漠が広がり資源に乏しい場所だが、稀に出現する”蜃気楼の街”で希少鉱石が発掘されるらしく、それが主な国の運営資金へとなっているようだ。
――僕はあの国には強い思い入れがある。
今度、視察と称して出かけるのもアリかも知れない。
問題はアビス国は魔族を中心とした国家の為、人間種や妖精種に嫌われ、真面な取引き相手となる国が無くなるという事だ。
まぁ、どの種族にもズル賢い連中がいる訳で非合法な闇取引は日常茶飯事的に行われている。
表向きは敵対している風ではあるが裏では切っても切れない深い深い繋がりが確立しており、もはや闇取引などは常識的な暗黙の了解として周知されていた。
当然国王や大貴族もその事を知っていて利用し、表向きでは自分達を”正義”と称し僕達アビス国を”悪”として一致団結するという不条理がこの世界の常識となっている。
馬鹿馬鹿しいと思いつつ、相手の土俵に乗り茶番を一緒に興じている訳だ。
最近ではコダ国の開発計画と蜃気楼の街の調査報告が大半で、比較的面白い書類が手元に届く訳だけど、今日は別途ラルクに関する報告があった。
どうやら件の宗教団体とのイザコザはサタ・ナの思惑通り解決したようだ。
そして現在、ラルクは教団を掌握し魔法都市ハイメス国に滞在しているらしい。
こっちの続報も気になる所だ。
コダ国の事もあり最近仕事が楽しいと感じて書類処理の手が軽やかに進む。
当然仕事の処理速度が向上し、それに比例してサタ・ナの機嫌も終始良かった。
「……と言う訳で、ラルク様は怪我1つ無く御健在といった次第でございます」
「それは僥倖だね、今からお忍びで逢いに行くっていうのはどう?」
僕はここぞとばかりに目一杯、可愛い笑顔で問いかけてみた。
「……駄目です、今は世界征服を急がないといけませんので。まだ残り8ヵ国もありますからね、いっそ武力にて侵略をすれば1年もかからないと思いますが如何でしょうか?」
サタ・ナの黄金色の眼が怪しく光る。
魔族全軍に加え、暗黒神を起せばサタ・ナの言う武力的な支配は可能だろう。
暗黒神の制御は不可能なので、暴れるだけ暴れさせて最終的に僕が消滅させるしかなくなるんだけどね。
……しかし、それでは意味がないんだ。
支配後の平和な世界を造ってこそ約束が果たされるってものだ。
「答えが分かってて聞くのはどうかと思うけど?」
僕が窘めるように答えると、サタ・ナは「失礼しました」と頭を下げる。
もし、「うん、良いよ」と言えば、サタ・ナは嬉々として全軍を動かし圧倒的な武力征服戦争を開始する。
マーモやレ・ヴィも賛同するだろうし、武力での支配に舵取りをしたらティンダロス国へ亡命したデウスも戻って来るかも知れない。
ル・ペオルはどちらに転んでも「面倒ですね」と気怠そうに言うだろうけど、心情的には本来の役割としての侵略の方が好みだろう。
でもそうなった時、ラルクは完全に僕の敵に回るだろう。
神話の戦いが再度行われ、そしてこの世界は傍観者として存在する管理者によって再構築されるかも知れない。
僕は僕でいたいし、今の彼も転生後の魂も幸せであって欲しいと願っている。
その為に平和な世界を維持する必要がある。
今は表向きの平和でしかないけれど、いつか彼が王座に就いた時、世界に真の平和が訪れるように僕は頑張らないといけない。
改めてラルクの監視を続けるよう指示を出し、休憩をとりに99階層内にある温泉へと向かった。
現在は徒歩での移動なので、街道沿いに歩いても6日間程度はかかるだろう。
クーヤさんの話ではレディポートから聖都へ向かう道は、大通りを街道沿いに進みウルソデン村を経由する最短ルートと、整備された街道を外れ農道を進むキルニス村経由ルートの2種類だ。
少し気が引けたけど、僕はクーヤさんにキルニス村に立ち寄るか聞いてみた。
彼女はちょっとだけ考え込んで「もう少し時間を置くことにするよ」と苦笑いをした。
昨夜のパーティーの前にマウリッツさんとジョルディさんにキルニス村で起きた宿屋襲撃事件の内容を伝えたらしい。
宿の娘さんには賠償という訳では無いが、もし困った時はいつでもユーイン家が働く場所などを保証すると伝え、その証明として家紋入りの徽章を渡したらしい。
「……余計なお世話かも知れないけどね」
そう言って、クーヤさんは少し寂しそうに顔を伏せる。
「別にお前が殺した訳じゃねぇんだろ? 宿屋の娘を想うのは勝手だがな、それなら教会でお前が攻撃して大怪我を負った連中はどうなんだ? 敵対する立場だから別に死んでも心が痛まないか? そいつらにも家族がいるんじゃないのか?」
足元を歩くレオニスが立ち止まり、クーヤさんに対して怒鳴り始めた。
レオニスの性格上、ウジウジとした彼女の態度が気に喰わないんだと思う。
正論ではあるけれど、気落ちしている人に対して少し厳し過ぎるような気がする。
「ああ、いるかも知れないな」
「いいか、良く聞け! 宿屋の娘の家族は運が悪かっただけだ、教会で死んだ奴もだ! 俺も先輩もお前だって運が悪ければ死ぬ、それだけだ!! 他人に責任を感じるな! 他人に責任を求めるな! 分かったか!!」
これだけ力強く言われると、なんだか説得力を感じるな。
内容の有無にはそれぞれ考え方の問題で悩むかどうか決まると思うけど、言っている事は理解できる。
クーヤさんがどう受け止めるか分からないけど、レオニスなりに彼女を励ましているんだろうな。
それよりも、大司教に空腹ごときの責任を求めていたヤツが僕の頭上で寝ているんだけど、それは許されるのだろうか。
「賢いな君は、ありがとう」
クーヤさんはどこか吹っ切れたような笑顔を浮かべ、しゃがんでレオニスの頭をくしゃくしゃと撫でる。
いつもスピカに脳筋と言われているレオニスが珍しく賢いと言われ嬉しそうに僕の方を見てきた。
僕に対して「褒めて良いんだぜ?」と言わんばかりの表情を浮かべていた。
その後、何日かの野宿とウルソデン村を経由して7日目の朝方に聖都ウプサラへと到着した。
約1週間ぶりの聖都は以前訪れた時と変わらず、大勢の冒険者や商人で賑わっていた。
「冒険者っぽい人が多いですね、何かあるのかな?」
重装備に身を包んだ大男、高価そうな杖を持つ老人、魔獣を従えた少女。
そういった見た目から冒険者だと分かる人々がそこかしこに見受けられた。
まるで高額報酬を約束された大規模なモンスター討伐作戦でも行われるかのような情景に見える。
僕が幼い頃、アルテナ国でも何度かそういった事があり、ビクトリアが参加したがっていたのを思い出した。
「ああ、そっか。ええっとね、2ヶ月後に隣国のオスロウで武闘大会が開催されるからだよ」
クーヤさんが周囲を見渡しながら思い出したかのように話す。
そう言えば、オスロウ国では毎年この時期に武闘大会が行われるんだった。
オスロウ国はハイメス国と故郷のアルテナ国との中間にある大国で、世界最大の軍事力を誇ると言われている。
……隣国といってもオスロウ国は巨大な山岳地帯に囲まれた城塞都市で、冒険者数人を雇って険しい山岳地帯を何日もかけて踏破しないと辿り着けない。
その為、実家でも父親が商人ギルドの遠征部隊に参加して仕入れに行く程度で、僕自身オスロウ国へは訪れた事はなかった。
しかし各国から強者が集うくらい大きな大会らしく、噂だけは良く聞いていた。
「あれ? ラルク君はアルテナ国出身なのかい?」
「え、ええ」
僕は話の流れで無意識に出自を喋りハッとして口を紡ぐ。
個人カードは中等部卒業と同時に出身国で発行されるものだ、当然クーヤさんも僕がタクティカ国の出身だと認識していたに違いない。
実際は自身の体に刻まれた破壊神の加護が原因で国外追放され、運良く人脈に恵まれた結果、特別な個人カードを造って貰えた。
この事実は少し親しくなったとは言え、おいそれと口外する訳にはいかない。
しかし、このまま昔話を続けているとクーヤさんの巧みな誘導話術により、精神的に丸裸にされてしまいそうな気がする。
「おい! そんなことより、早く屋台へ急ぐぞ!!」
僕が容易に口に出せない小さな悩みに思考を奪われていると頭上のスピカが騒ぎ始め、僕の横顔をベシベシと猫パンチをしてきた。
劣悪な環境で飼われている馬車の馬のような気分になってきた。
まったく痛くは無いが単純にウザイ。
「1週間以上楽しみにしていたから無理もないね、私がお勧めの屋台に案内するよ」
「おう! たのむぜ!!」
偶然とはいえスピカの食欲に助けられて胸を撫で下ろす。
僕はスピカの意に従いクーヤさんの案内で聖都の屋台を回る事にした。
食物を扱う色々な屋台を回って、それを全て胃袋に納めていく。
食いしん坊のスピカは余裕で2、3個頬張り、レオニスも競って追随するように食べる。
ここの所、野宿しながら簡易的なキャンプ飯を続けていたので、最初の内は美味しく食べていたのだけれど、満腹中枢ゲージが少しずつ高まり、やがてそのゲージが9分目を超える頃には屋台から出る食材の煙ですら嗅ぎたくないと脳が信号を送り嗚咽がせり上がってくる。
僕はクーヤさんにスピカを預け、広場で休む事にした。
それなりに満足したらしいレオニスも僕の膝の上に残り、クーヤさん達を見送った。
満腹で動けない僕は魔法都市と呼ばれる街並みを眺め、その情景と空気を全身で感じていた。
冒険者で溢れる人並み、空中をフワフワと浮かぶ謎の照明、アルテナ国やタクティカ国とは違う造りの建造物の数々が旅をしているという実感と満足感を与えてくれる。
そんな気分に浸っていると、僕の周囲を取り囲むように白装束の法衣に身を包んだ団体が現れた。
そして白装束の集団が左右両翼に分かれたかと思うと、その中央を黒装束の人物が走って来た。
どこかで見たような恰好だと思っていたが、黒装束の人物を見てその既視感に似たものの正体が判明した。
黒装束の人物はオノス・フェニック大司教で、周りの連中はサンサーラ教団の幹部の人々だ。
大司教が僕の前に立ち、おもむろに跪くと周囲を取り囲む幹部も一斉に頭を垂れた。
周囲の人々や冒険者達はその異常な光景を見て騒めき立つ。
「これはこれはラルク様! こんなにも早く足を運んでくださるとは! このオノス、恐悦至極にて感涙を禁じ得ません!!」
大司教は顔を上げると歯の浮くような台詞を大声で叫び、大袈裟な立ち振る舞いでその想いを表現して見せた。
恐らく、この街に入る際に個人カードを提示した時点で大司教に情報が流れたのだろう。
流石世界的な宗教団体、関所の衛兵にまで魔の手……じゃない、信者がいるとは。
危うく心の中で失言しそうになった。
周囲の人々が奇異の目でこの状況を眺め、固唾を呑んで見守っている。
王族に次ぐ権力を持った宗教団体の大司教が媚を売り、幹部全員が個人に対して頭を垂れているのだから当然だろう。
「あのオノスさん、目立つのでこれはちょっと」
僕が焦ってこの状況を治めようと声をかけた瞬間、人垣を掻き分けてクーヤさんとスピカが戻って来た。
助かった!と一瞬思ったが、そういえばクーヤさんと大司教は直接戦った上に消化不良的な形で僕が争いを終わらせたんだった。
「どうした! 大丈夫かラルク君!! ……うん?」
「……おや、ユーイン家の御令嬢様も一緒でしたか」
2人の目と目が合った瞬間、その間の空間に漂う空気中の魔力がグラっと揺らいだような気がした。
クーヤさんの眉間が歪み、嫌悪感と怒りをごちゃ混ぜにしたような表情に変わる。
対して大司教は目を細め、無表情で少し見下すような視線を向けていた。
彼女の姿を見た教団幹部達はその場で立ち上がり警戒するように見つめる。
……これはまずい状況だ。
僕はクーヤさんに向かって駆け出し、大槌を取り出しそうに動かした手を強引に掴むと無理矢理引っ張って人垣を掻き分けて走った。
遠くの方で「ラルク様ァァァ!!」と叫び声が聞こえて来たけど、振り向く事無く走り去った。
裏路地に隠れるように壁に背中を預け、切れた息を整える。
……と言っても呼吸が乱れているのは僕だけだった。
「どうしたんだラルク? 急に走り出して」
クーヤさんの肩の上で口の端に何かのタレを付けたスピカが不思議そうな表情で問いかける。
言うまでも無く、一触即発の状況だったから逃げたんだよ。
「クーヤさん気持ちが治まらないかも知れないけど、一応和解が成立してるので諍いは駄目ですよ。彼等から襲って来る事はなくても、こちらが手を出したら逆に犯罪者になってしまいます」
「……分かったよ、すまなかった。少し気持ちが高ぶっただけだから。それより手を……」
僕は手を握りっぱなしだった事に気付き、思わず大袈裟に手を放した。
クーヤさんはその様子を見て小さな溜息をついた。
「なぁ、ラルク君。私は君を友人だと思っているんだが、そろそろ敬称を外さないか?」
家が商売をしていたせいか、相手に対して「さん」とか「様」とか付けた方が呼び慣れているんだけど。
そういえばネイやレヴィンにも同じように言われて直したんだっけ。
他の人はいったいどういうタイミングで呼び方を変えたりするんだろうか?
……と妙な疑問を覚える。
「よし! 今から”ラルク”と”クーちゃん”で!!」
そう夏に咲き誇る向日葵のように眩しい笑顔を浮かべる。
「クーちゃ……ク、クーヤでも良い?」
僕は親し過ぎる呼び方が照れくさくて妥協案を定時した。
クーヤは「ええーっ!」と少し不満そうな声を上げたが、困っている僕を見て「分かったよ、それでいこうラルク♪」とウィンクをした。
その後、僕はクーヤの案内で冒険者ギルドへと向かい、冒険者登録をする事となった。
冒険者ギルドや商人ギルドで登録する事により個人カードに様々な項目が追加される。
冒険者ギルドでは職業、特性が自身能力によって診断されてその中から選択できる。
そして同時に修得済の特殊技能が記載されるらしい。
今の僕は”ルーン技術”とかそういった感じになるのだろうか。
あとは5人以上の纏まりを”クラン”と言い、メンバー全員が名乗れる固有名称を登録できるようだ。
仕事をこなし冒険者ランクを上げる事により、名声や報酬額が上昇する。
様々な功績を上げた有名な大手クランになると貴族位と領地を得る事もあるらしい。
商人ギルドでは店を出す際のオーナー登録と店舗登録が可能になり、商売に関する情報共有をできるようになるらしい。
税の徴収とは別に毎月商人ギルドに売上げの数パーセントを徴収されるが、メリットとして優先的に空き地や空家を安く購入できたり、大きな金額の仕入れを行う時の強い後ろ盾となってくれるようだ。
父親が個人雑貨屋を経営していたし、カルディナ先輩がオーナーになった時に色々話をしてくれた。
よくよく考えたら個人カードって父親のしか見た事無いな……以前、グレイス軍務大臣に見せて貰った時も秘匿された表面しか見えなかったし。
しかし、この名前と性別以外が秘匿された個人カードを更新なんて出来るのだろうか?
僕は一抹の不安を抱えながら冒険者ギルドの扉を開いた。
◇◇◇◇◇◆
「……失礼します」
サタ・ナが常に開け放たれている執務室のドアを形式的にノックして入室する。
もう定時報告の時間か……と思い、ペンを机に置く。
先日サイリーン大陸のコダ国が我が国の領土となり、これで実質バンボゥ国との2ヵ国目が支配国となった。
コダ国は巨大な砂漠が広がり資源に乏しい場所だが、稀に出現する”蜃気楼の街”で希少鉱石が発掘されるらしく、それが主な国の運営資金へとなっているようだ。
――僕はあの国には強い思い入れがある。
今度、視察と称して出かけるのもアリかも知れない。
問題はアビス国は魔族を中心とした国家の為、人間種や妖精種に嫌われ、真面な取引き相手となる国が無くなるという事だ。
まぁ、どの種族にもズル賢い連中がいる訳で非合法な闇取引は日常茶飯事的に行われている。
表向きは敵対している風ではあるが裏では切っても切れない深い深い繋がりが確立しており、もはや闇取引などは常識的な暗黙の了解として周知されていた。
当然国王や大貴族もその事を知っていて利用し、表向きでは自分達を”正義”と称し僕達アビス国を”悪”として一致団結するという不条理がこの世界の常識となっている。
馬鹿馬鹿しいと思いつつ、相手の土俵に乗り茶番を一緒に興じている訳だ。
最近ではコダ国の開発計画と蜃気楼の街の調査報告が大半で、比較的面白い書類が手元に届く訳だけど、今日は別途ラルクに関する報告があった。
どうやら件の宗教団体とのイザコザはサタ・ナの思惑通り解決したようだ。
そして現在、ラルクは教団を掌握し魔法都市ハイメス国に滞在しているらしい。
こっちの続報も気になる所だ。
コダ国の事もあり最近仕事が楽しいと感じて書類処理の手が軽やかに進む。
当然仕事の処理速度が向上し、それに比例してサタ・ナの機嫌も終始良かった。
「……と言う訳で、ラルク様は怪我1つ無く御健在といった次第でございます」
「それは僥倖だね、今からお忍びで逢いに行くっていうのはどう?」
僕はここぞとばかりに目一杯、可愛い笑顔で問いかけてみた。
「……駄目です、今は世界征服を急がないといけませんので。まだ残り8ヵ国もありますからね、いっそ武力にて侵略をすれば1年もかからないと思いますが如何でしょうか?」
サタ・ナの黄金色の眼が怪しく光る。
魔族全軍に加え、暗黒神を起せばサタ・ナの言う武力的な支配は可能だろう。
暗黒神の制御は不可能なので、暴れるだけ暴れさせて最終的に僕が消滅させるしかなくなるんだけどね。
……しかし、それでは意味がないんだ。
支配後の平和な世界を造ってこそ約束が果たされるってものだ。
「答えが分かってて聞くのはどうかと思うけど?」
僕が窘めるように答えると、サタ・ナは「失礼しました」と頭を下げる。
もし、「うん、良いよ」と言えば、サタ・ナは嬉々として全軍を動かし圧倒的な武力征服戦争を開始する。
マーモやレ・ヴィも賛同するだろうし、武力での支配に舵取りをしたらティンダロス国へ亡命したデウスも戻って来るかも知れない。
ル・ペオルはどちらに転んでも「面倒ですね」と気怠そうに言うだろうけど、心情的には本来の役割としての侵略の方が好みだろう。
でもそうなった時、ラルクは完全に僕の敵に回るだろう。
神話の戦いが再度行われ、そしてこの世界は傍観者として存在する管理者によって再構築されるかも知れない。
僕は僕でいたいし、今の彼も転生後の魂も幸せであって欲しいと願っている。
その為に平和な世界を維持する必要がある。
今は表向きの平和でしかないけれど、いつか彼が王座に就いた時、世界に真の平和が訪れるように僕は頑張らないといけない。
改めてラルクの監視を続けるよう指示を出し、休憩をとりに99階層内にある温泉へと向かった。
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