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AMNESIA編
249話 想い出の、その先に
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次に訪れたのはMAP表示の東側に位置する大陸北部の国だ。
漁業と海運貿易が盛んな「バンボゥ国」街の外周を大きな運河が流れ、運河と街を隔てる巨大な外壁が覆った都市だ。
豊かに発展したその国はオスロウ国の街並みに似ている印象を受けた。
平民の暮らす区画と貴族街が明確に分かれており、どこか階級格差の見える造りだった。
街を一周し、再度街の入口に到着した時にまたしても頭の中に光が瞬く。
複数の黒いドラゴンが群れを成して空を舞う、そして更に巨大なドラゴンとの戦い。
亜人種と共に壮絶な死闘の末、勝利を収める。
喜ぶ人々に囲まれた立食パーティーの様子、像がぼやけて見えないが天使の様な姿をした人物と魔王の様な人物が人々に持て囃されている。
・・・どこかで見た事が有る様な気がする。
バンボゥ国から南下した場所に巨大な砂漠が広がっており、その砂漠の中央に存在する「コダ国」へと到着する。
街の中央には巨大なミミズを模した様なオブジェが多数有り、その中央にはミミズの大群と果敢に戦う女性の石像が飾られていた。
オアシスの中央に豪華な装飾を施された城が有り、皆に城内へと案内される。
その国の国王と王妃に会い、幼い王女を紹介される。
幼いその少女はやたらとヤンチャで王族とは思えない程、礼儀を欠いた女の子だった。
その子に出会った瞬間に、記憶の欠片がまたも頭の中に蘇る。
王族同士のお見合いの様な風景、何故か私の中で笑いを堪える様な感情が湧いて来る。
同じ顔をした浅黒い肌の女性が2人・・・
これは・・・いや違う。
誰?
城を出てティオネムと言うダチョウに似た鳥類型の乗物をレンタルして、砂漠を更に南下する。
山岳地帯で鳥類から降り、洞窟を通って更に南下して行く。
洞窟を抜けると荘厳な雪景色が広がっていた。
次に到着した国は「ピトゥリア国」。
雪の女王でも出てきそうな雰囲気の街は石造りの建物が多く、雪国に慣れた国民は比較的薄着な人々が多かった。
この国の城に足を運び国王と王妃、そして幼い王子と出会う。
小学生位の年齢の王子と目が合った瞬間にまた記憶の断片が蘇る。
大勢の冒険者達と巨大な人型生物と戦う映像が浮かぶ、王子に似た面影の青年とコダ国の王女に似た顔立ちの女性が共に背中を預け戦っている。
雪原での戦闘は過酷を極め、街は破壊される。
再度戦い巨大なボスを倒す。
そして互いの手を取る青年と少女。
セーニア、アレクス・・・これが2人の名前なのか?
ピトゥリア国から船に乗り西へと向かう。
次は島国の「ホウシェン国」。
松林に日本風古民家屋に彩られた風景は江戸時代を思わせる雰囲気を漂わせていた。
神社・仏閣の様な建物を見て回り、巨大な城に住む天帝と呼ばれる王様と出会う。
筋肉質の巨体で豪快に笑う天帝は皆と仲良さそに話をしていた。
部屋の天井の隙間から忍者らしき人間が数人様子を覗いていて驚く。
護衛の人だろうか?
忍者を見た瞬間にまたしても映像が浮かんでくる。
この城の外で妖怪の様な生物と戦っている。
巨大な骸骨に尾が九つ有る狐。
そして巨大な宙に浮く球体。
場面が変わり街を修繕する人々を眺める私、そして先程見た忍者に何かを教えている風景。
最後に見えたのは、壊れた天守閣で悲し気な目をした少年が黄色い宝石を抱えて立ち尽くしている風景。
アル・・・ラト?
名前?誰の事だろう。
どう言う記憶かは定かじゃないけど、少し悲しい気分になった。
その後、転送装置を起動して再度機械都市ギュノス国へと移動する。
ギュノス国から北上し船着き場から北へと船で移動する。
紫色の雪に覆われた大地に上陸する。
モニターには最果ての地「ハルモニア大陸」と表示されていた。
「アビスダンジョン」と言う100階層ダンジョンが存在する地だと暗黒神ハーデスが教えてくれる。
私達は大陸中央に存在する巨大な大穴アビスダンジョンへと足を踏み入れる。
「ここからは戦闘が始まります。まぁ死ぬ事は無いと思いますが注意して進みましょう。目指すは50階層です。」
伊集院咲耶さんが私の手を引く。
それを見て対抗するかの様に逆の手をSAKURAさんが握る。
そしてお互いに睨み合い、DOSさんが先頭に立ち暗黒神ハーデスさんが後方に位置する。
菱形の様な陣形を組み、洞窟内部を進んで行く。
雑魚モンスターはそこまで強く無く、私でも二撃程度で倒せる難易度だった。
19階層に辿り着いた私達は、明らかにボスが出てきそうな大扉の前に立つ。
大扉の中には巨大な炎の塊が宙に浮いていた。
その見た目は燃え盛る太陽に見えた。
皆で連携をして比較的あっさりと勝利を収める。
やはり最高レベルだけあって、受けるダメージ量が少なく与えるダメージは大きい。
更に洞窟を下り20階層に先程と同様の大扉が出現する。
10階層毎にボスフロアとなっている様だ。
その扉を開けると、6体の影の様な物が地面より湧く様に蠢いて人の姿へと変容して行く。
その影の様な物体は私達のキャラクターそっくりに変化して襲い掛かって来た、自分達と同様の特殊技能を使用してくるが割とあっさり倒す事が出来た。
倒した影が部屋の中央に集まり中学生位の男の子の姿へと形を変える。
しかし眠る様に立ち尽くした状態で機能を停止する。
「シノブ、あれはアルラトだ。何か思い出さないか?」
ミカエル=アルファが男の子を指して尋ねる。
名前はアルラト・・・そう思った瞬間にまたしてもフラッシュバックが脳内を駆け巡る。
そうアルラトは女の子だ。
彼女と一緒に過ごした思い出が一気に押し寄せる。
彼女は最後に私達に敵を倒すチャンスを作る為に、命を懸けて戦ってくれたんだ。
そして私の腕の中で消滅したんだ。
思い出した瞬間にリアルで大粒の涙が一気に溢れる。
止めど無く溢れた涙でディスプレイに映ったアウラトの姿が滲む。
数々の記憶のピースが嵌って行く、楽しい思い出も悲しい思い出も全部。
私は一度ヘッドマウントディスプレイを取り涙を拭く、再度被り直して画面を見ると皆が待ってくれていた。
「大丈夫でござるか?」
「うん。大丈夫だよサクラ。」
「もう少しで最深部だ、行けるか?」
「・・・・うん。」
30階層で気体と生物の中間の様なモンスターを倒し、40階層で泡立った虹色の球体のモンスターを倒す。
そして更に下へ下へと進んで行く。
約2時間掛けて50階層に到着した。
そこには草原フィールドを白と黒とグレーで表現した様な見た目のフロアが広がっていた。
吹き抜け構造の様な形で遥か上空には紫色の空が見える。
フロア中央には10メートル以上の高さを誇る巨大なオベリスクが聳え立っていた。
私は覚えている。
これに触れるとストーリーモードラスボスの暗黒神ザナファが出現するんだ。
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豊かに発展したその国はオスロウ国の街並みに似ている印象を受けた。
平民の暮らす区画と貴族街が明確に分かれており、どこか階級格差の見える造りだった。
街を一周し、再度街の入口に到着した時にまたしても頭の中に光が瞬く。
複数の黒いドラゴンが群れを成して空を舞う、そして更に巨大なドラゴンとの戦い。
亜人種と共に壮絶な死闘の末、勝利を収める。
喜ぶ人々に囲まれた立食パーティーの様子、像がぼやけて見えないが天使の様な姿をした人物と魔王の様な人物が人々に持て囃されている。
・・・どこかで見た事が有る様な気がする。
バンボゥ国から南下した場所に巨大な砂漠が広がっており、その砂漠の中央に存在する「コダ国」へと到着する。
街の中央には巨大なミミズを模した様なオブジェが多数有り、その中央にはミミズの大群と果敢に戦う女性の石像が飾られていた。
オアシスの中央に豪華な装飾を施された城が有り、皆に城内へと案内される。
その国の国王と王妃に会い、幼い王女を紹介される。
幼いその少女はやたらとヤンチャで王族とは思えない程、礼儀を欠いた女の子だった。
その子に出会った瞬間に、記憶の欠片がまたも頭の中に蘇る。
王族同士のお見合いの様な風景、何故か私の中で笑いを堪える様な感情が湧いて来る。
同じ顔をした浅黒い肌の女性が2人・・・
これは・・・いや違う。
誰?
城を出てティオネムと言うダチョウに似た鳥類型の乗物をレンタルして、砂漠を更に南下する。
山岳地帯で鳥類から降り、洞窟を通って更に南下して行く。
洞窟を抜けると荘厳な雪景色が広がっていた。
次に到着した国は「ピトゥリア国」。
雪の女王でも出てきそうな雰囲気の街は石造りの建物が多く、雪国に慣れた国民は比較的薄着な人々が多かった。
この国の城に足を運び国王と王妃、そして幼い王子と出会う。
小学生位の年齢の王子と目が合った瞬間にまた記憶の断片が蘇る。
大勢の冒険者達と巨大な人型生物と戦う映像が浮かぶ、王子に似た面影の青年とコダ国の王女に似た顔立ちの女性が共に背中を預け戦っている。
雪原での戦闘は過酷を極め、街は破壊される。
再度戦い巨大なボスを倒す。
そして互いの手を取る青年と少女。
セーニア、アレクス・・・これが2人の名前なのか?
ピトゥリア国から船に乗り西へと向かう。
次は島国の「ホウシェン国」。
松林に日本風古民家屋に彩られた風景は江戸時代を思わせる雰囲気を漂わせていた。
神社・仏閣の様な建物を見て回り、巨大な城に住む天帝と呼ばれる王様と出会う。
筋肉質の巨体で豪快に笑う天帝は皆と仲良さそに話をしていた。
部屋の天井の隙間から忍者らしき人間が数人様子を覗いていて驚く。
護衛の人だろうか?
忍者を見た瞬間にまたしても映像が浮かんでくる。
この城の外で妖怪の様な生物と戦っている。
巨大な骸骨に尾が九つ有る狐。
そして巨大な宙に浮く球体。
場面が変わり街を修繕する人々を眺める私、そして先程見た忍者に何かを教えている風景。
最後に見えたのは、壊れた天守閣で悲し気な目をした少年が黄色い宝石を抱えて立ち尽くしている風景。
アル・・・ラト?
名前?誰の事だろう。
どう言う記憶かは定かじゃないけど、少し悲しい気分になった。
その後、転送装置を起動して再度機械都市ギュノス国へと移動する。
ギュノス国から北上し船着き場から北へと船で移動する。
紫色の雪に覆われた大地に上陸する。
モニターには最果ての地「ハルモニア大陸」と表示されていた。
「アビスダンジョン」と言う100階層ダンジョンが存在する地だと暗黒神ハーデスが教えてくれる。
私達は大陸中央に存在する巨大な大穴アビスダンジョンへと足を踏み入れる。
「ここからは戦闘が始まります。まぁ死ぬ事は無いと思いますが注意して進みましょう。目指すは50階層です。」
伊集院咲耶さんが私の手を引く。
それを見て対抗するかの様に逆の手をSAKURAさんが握る。
そしてお互いに睨み合い、DOSさんが先頭に立ち暗黒神ハーデスさんが後方に位置する。
菱形の様な陣形を組み、洞窟内部を進んで行く。
雑魚モンスターはそこまで強く無く、私でも二撃程度で倒せる難易度だった。
19階層に辿り着いた私達は、明らかにボスが出てきそうな大扉の前に立つ。
大扉の中には巨大な炎の塊が宙に浮いていた。
その見た目は燃え盛る太陽に見えた。
皆で連携をして比較的あっさりと勝利を収める。
やはり最高レベルだけあって、受けるダメージ量が少なく与えるダメージは大きい。
更に洞窟を下り20階層に先程と同様の大扉が出現する。
10階層毎にボスフロアとなっている様だ。
その扉を開けると、6体の影の様な物が地面より湧く様に蠢いて人の姿へと変容して行く。
その影の様な物体は私達のキャラクターそっくりに変化して襲い掛かって来た、自分達と同様の特殊技能を使用してくるが割とあっさり倒す事が出来た。
倒した影が部屋の中央に集まり中学生位の男の子の姿へと形を変える。
しかし眠る様に立ち尽くした状態で機能を停止する。
「シノブ、あれはアルラトだ。何か思い出さないか?」
ミカエル=アルファが男の子を指して尋ねる。
名前はアルラト・・・そう思った瞬間にまたしてもフラッシュバックが脳内を駆け巡る。
そうアルラトは女の子だ。
彼女と一緒に過ごした思い出が一気に押し寄せる。
彼女は最後に私達に敵を倒すチャンスを作る為に、命を懸けて戦ってくれたんだ。
そして私の腕の中で消滅したんだ。
思い出した瞬間にリアルで大粒の涙が一気に溢れる。
止めど無く溢れた涙でディスプレイに映ったアウラトの姿が滲む。
数々の記憶のピースが嵌って行く、楽しい思い出も悲しい思い出も全部。
私は一度ヘッドマウントディスプレイを取り涙を拭く、再度被り直して画面を見ると皆が待ってくれていた。
「大丈夫でござるか?」
「うん。大丈夫だよサクラ。」
「もう少しで最深部だ、行けるか?」
「・・・・うん。」
30階層で気体と生物の中間の様なモンスターを倒し、40階層で泡立った虹色の球体のモンスターを倒す。
そして更に下へ下へと進んで行く。
約2時間掛けて50階層に到着した。
そこには草原フィールドを白と黒とグレーで表現した様な見た目のフロアが広がっていた。
吹き抜け構造の様な形で遥か上空には紫色の空が見える。
フロア中央には10メートル以上の高さを誇る巨大なオベリスクが聳え立っていた。
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