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ラグナロク編
238話 魂からのyell
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暗い空間に漂っている感覚、誰かが呼びかけている声が聞こえて来て耳を傾ける。
『お姉ちゃん頑張って!』
『頑張れ!』
『頑張ってください!』
アルテナの街で出会った少年探偵団の子供達の声だ。
・・・なんだか懐かしい。
頻りに頑張ってと応援してくれている。
その声が少しずつ遠ざかって行く。
『シノブさん、そなたの活躍期待しておりますぞ。』
『シノブ様、貴女の御活躍期待しております。』
『可憐なシノブさん、どうかサクラ様をお守り下さい!』
『英雄!負けんなよ!』
オスロウ国の衛兵長セアスに魔法省長ラウル、それに聖騎士団長の金髪イケメン。
周囲に労働組合で知り合った大勢の冒険者の声が聞こえそして遠ざかる。
『シノブ、接客は笑顔が基本だぜ!』
『シノブ元気かい?いつでも遊びにおいで。』
『シノブさん!今度ゆっくり遊びに来てね!』
『シノブさん、またいつか会いたいね。』
シノブ村の宿屋兼食堂のシゲオ店長と奥さんのカンナさんそれに双子の、リオとリナだ。
懐かしいな。
家庭的な味の食堂で咲耶と一緒に住み込みで働いて居たんだっけ。
短期間だったけど、アルバイトは楽しかったな。
『お久ぶりです~、あと少しですよ~!』
『ワシが造った剣で悪を滅ぼす事を願っておるぞ!』
『シノブ様!英雄の活躍、期待しております!』
『シノブ隊長!頑張ってください!』
クレジットカード会社の総元締めのマザーブレインの緩い声、武器・防具の生成で大変お世話になった伝説の鍛冶士ジルナーク。
それに機械都市ギュノス国の兵士長のゴウトにレジスタンスで一緒に戦った兵士隊の皆。
『黒蝶、あんたには天性のツキが有る。負けるんじゃないよ!』
『シノブ様御武運をお祈りしております。』
『お祈りしております。』
『お祈りしております。』
『シノブ嬢!次はお客様で来店して来いよ!』
『なんか~、私だけ~扱い酷くないですか~!?』
国営賭博場キャデラック最強のギャンブラーシルビアと支配人ガドラ。
それにいつも送迎等でお世話になった女性コンシェルジュのアナとレド。
グラズヘイムのキャストの皆。
国営賭博場対決もクラブバーのアルバイトも面白かったな、また遊びに行けたらいいな。
・・・ってか、またマザーブレインの声が遠くの方から聞こえた様な気がする。
『もう悩み、揺らぐ事は無いですよ。貴女は貴女のままに生きてください。』
『シノブ様、貴女方に勝利の女神の御加護が有らんことを。』
亜人国家アニマ国の心を読むアルフォンス国王、全てを見透かしている深紅の瞳の猫。
国王じゃなかったら猫じゃらしで遊んでいたな。
それにマジックナイトのエウルゥ、彼女は剣も魔法も強かったな。
この街で売っていた変声ジュースは男共が共有ストレージ一杯に買い占めていたっけ。
『我が国を守った英雄よ、負けるでないぞ。』
『皆様の活躍を心よりお祈りいたします。』
バンボゥ国の国王ダジム4世、王妃メルシアの声だ。
凄く豊かな国だったな、黒龍討伐作戦は総力戦だった。
その後の祝勝会でミカさんと暗黒神ハーデスが神格化されてたけど、2人ともまんざらじゃ無さそうだった。
『シノブ殿、色々世話になったな。』
『貴女方に出会えた事、心より嬉しく思っておりました。』
『おう!シノブ!負けんなよ!!』
砂漠の国コダ国のグラント国王とラニア王妃。
それにディワーム討伐数を水増しして広めた冒険者の皆。
この国でも色々有ったな・・・
蜃気楼の街、お見合い騒動。
個人的に1番長く過ごした国かも知れない。
『その節は世話になったな。』
『ありがとうございました。』
『皆さまの御活躍を陰ながら応援しております。』
雪原の国ピトゥリア国のアレクス王子、それにリグラス国王とモニカ王妃。
ゲームとは違い、雪原地帯での戦闘は大変だったな。
雪辱戦に勝利した時の事は忘れられない。
『うわはははは!シノブ!お主なら出来る!!』
『シノブ殿、貴女方の実力は本物です。』
『統領様!忍びの神髄を見せて頂きます!』
ホウシェン国天帝ホワンロンと家臣のシロウ、それに忍者部隊の皆。
凄く懐かしい街並みで、食物も日本食に近くて美味しかった。
妖怪大決戦から街の建設、優秀な忍者部隊の皆・・・。
『シノブさん、皆さんと力を合わせれば無敵です!』
クリス君の声がする。
『勝利を祈っておるぞ、シノブ。』
デイアの声がする。
『シンブ、私の替わりに打ち砕いてくれ!!』
セーニアの声が聞こえる。
『全部終わったら結婚してね!約束だよシノブ!』
シャルの声が聞こえる。
『共に倒すのじゃ・・・消滅したアルラトの想いを無駄にせんようにな。』
懐かしい老婆の声が聞こえる。
破壊神アザドゥの残滓。
アルラト・・・
彼女の声は無い。
暗闇の中で知り合った人々の声が聞こえ、そして遠ざかって行く。
私の頬を一筋の涙が流れ、目を覚ます。
周囲を浮遊する無数の光が、凄い速さで上昇し消えて行く。
私は涙を擦り、周囲の状況を確認する。
「うう、何が起きているの?」
「シノブ、目を覚ましましたか?」
すぐ近くで咲耶が私の肩を抱いて支えてくれていた。
・・・さっきのは夢だったのかな?
死にかけて走馬灯でも見てたとか無いよね・・・少し怖い。
暗黒神ハーデスが現在の状況を叫ぶように説明してくれた。
何でも、ここに安置されていた皆の魂を別の場所に移動させて破壊神ヨグトスの次元上昇を阻止したそうだ。
前に言っていた【エミュ鯖】とか言うヤツを会社の許可を得て造ったとの事らしい。
そっか皆の魂は安全な場所へと移動したのか、じゃ先程聞こえて来た声は皆からのエールだ。
挫けるな、頑張れと・・・
サクラが現実的な心配をしていた。
詳しく聞くと、ゲームの著作権や継続する為の運営費等は素人が考えているよりも金額が高いらしい。
大概の【エミュ鯖】と呼ばれる物は無許可で勝手に造られていたり、クローンゲームとして存在しているらしい。
無許可で利益を得たり何らかの営利目的が有った場合、法的処置対象になったりする事も有るらしい。
しかし今回は著作権を会社から公式に買い取った的な事らしいので暗黒神ハーデスは一生借金地獄になるんじゃないかと懸念していた。
・・・大丈夫だろうか。
話をしている内に周囲に浮遊していた魂は全て消え去り、先程夢で見た様な真っ暗な空間が広がっていた。
私達自身の体が薄く発光しているのか、【索敵】を使用しなくても皆の姿がはっきりと見えた。
破壊神ヨグトスが何かを叫んで形態変化を起こし始める。
その姿はゲームサービス最終日に対峙した暗黒神ザナファの頭部に私の体が付いた様な禍々しい姿だった。
私はサクラから【破壊刀イレース】を受け取り、装備をする。
『起きたいたいだね。行くよ、倒しに!』
「おうよ!」
私は【破壊刀イレース】を構え、皆と共に最終形態となった破壊神ヨグトスと対峙する。
この戦いに必ず勝つんだ。
『お姉ちゃん頑張って!』
『頑張れ!』
『頑張ってください!』
アルテナの街で出会った少年探偵団の子供達の声だ。
・・・なんだか懐かしい。
頻りに頑張ってと応援してくれている。
その声が少しずつ遠ざかって行く。
『シノブさん、そなたの活躍期待しておりますぞ。』
『シノブ様、貴女の御活躍期待しております。』
『可憐なシノブさん、どうかサクラ様をお守り下さい!』
『英雄!負けんなよ!』
オスロウ国の衛兵長セアスに魔法省長ラウル、それに聖騎士団長の金髪イケメン。
周囲に労働組合で知り合った大勢の冒険者の声が聞こえそして遠ざかる。
『シノブ、接客は笑顔が基本だぜ!』
『シノブ元気かい?いつでも遊びにおいで。』
『シノブさん!今度ゆっくり遊びに来てね!』
『シノブさん、またいつか会いたいね。』
シノブ村の宿屋兼食堂のシゲオ店長と奥さんのカンナさんそれに双子の、リオとリナだ。
懐かしいな。
家庭的な味の食堂で咲耶と一緒に住み込みで働いて居たんだっけ。
短期間だったけど、アルバイトは楽しかったな。
『お久ぶりです~、あと少しですよ~!』
『ワシが造った剣で悪を滅ぼす事を願っておるぞ!』
『シノブ様!英雄の活躍、期待しております!』
『シノブ隊長!頑張ってください!』
クレジットカード会社の総元締めのマザーブレインの緩い声、武器・防具の生成で大変お世話になった伝説の鍛冶士ジルナーク。
それに機械都市ギュノス国の兵士長のゴウトにレジスタンスで一緒に戦った兵士隊の皆。
『黒蝶、あんたには天性のツキが有る。負けるんじゃないよ!』
『シノブ様御武運をお祈りしております。』
『お祈りしております。』
『お祈りしております。』
『シノブ嬢!次はお客様で来店して来いよ!』
『なんか~、私だけ~扱い酷くないですか~!?』
国営賭博場キャデラック最強のギャンブラーシルビアと支配人ガドラ。
それにいつも送迎等でお世話になった女性コンシェルジュのアナとレド。
グラズヘイムのキャストの皆。
国営賭博場対決もクラブバーのアルバイトも面白かったな、また遊びに行けたらいいな。
・・・ってか、またマザーブレインの声が遠くの方から聞こえた様な気がする。
『もう悩み、揺らぐ事は無いですよ。貴女は貴女のままに生きてください。』
『シノブ様、貴女方に勝利の女神の御加護が有らんことを。』
亜人国家アニマ国の心を読むアルフォンス国王、全てを見透かしている深紅の瞳の猫。
国王じゃなかったら猫じゃらしで遊んでいたな。
それにマジックナイトのエウルゥ、彼女は剣も魔法も強かったな。
この街で売っていた変声ジュースは男共が共有ストレージ一杯に買い占めていたっけ。
『我が国を守った英雄よ、負けるでないぞ。』
『皆様の活躍を心よりお祈りいたします。』
バンボゥ国の国王ダジム4世、王妃メルシアの声だ。
凄く豊かな国だったな、黒龍討伐作戦は総力戦だった。
その後の祝勝会でミカさんと暗黒神ハーデスが神格化されてたけど、2人ともまんざらじゃ無さそうだった。
『シノブ殿、色々世話になったな。』
『貴女方に出会えた事、心より嬉しく思っておりました。』
『おう!シノブ!負けんなよ!!』
砂漠の国コダ国のグラント国王とラニア王妃。
それにディワーム討伐数を水増しして広めた冒険者の皆。
この国でも色々有ったな・・・
蜃気楼の街、お見合い騒動。
個人的に1番長く過ごした国かも知れない。
『その節は世話になったな。』
『ありがとうございました。』
『皆さまの御活躍を陰ながら応援しております。』
雪原の国ピトゥリア国のアレクス王子、それにリグラス国王とモニカ王妃。
ゲームとは違い、雪原地帯での戦闘は大変だったな。
雪辱戦に勝利した時の事は忘れられない。
『うわはははは!シノブ!お主なら出来る!!』
『シノブ殿、貴女方の実力は本物です。』
『統領様!忍びの神髄を見せて頂きます!』
ホウシェン国天帝ホワンロンと家臣のシロウ、それに忍者部隊の皆。
凄く懐かしい街並みで、食物も日本食に近くて美味しかった。
妖怪大決戦から街の建設、優秀な忍者部隊の皆・・・。
『シノブさん、皆さんと力を合わせれば無敵です!』
クリス君の声がする。
『勝利を祈っておるぞ、シノブ。』
デイアの声がする。
『シンブ、私の替わりに打ち砕いてくれ!!』
セーニアの声が聞こえる。
『全部終わったら結婚してね!約束だよシノブ!』
シャルの声が聞こえる。
『共に倒すのじゃ・・・消滅したアルラトの想いを無駄にせんようにな。』
懐かしい老婆の声が聞こえる。
破壊神アザドゥの残滓。
アルラト・・・
彼女の声は無い。
暗闇の中で知り合った人々の声が聞こえ、そして遠ざかって行く。
私の頬を一筋の涙が流れ、目を覚ます。
周囲を浮遊する無数の光が、凄い速さで上昇し消えて行く。
私は涙を擦り、周囲の状況を確認する。
「うう、何が起きているの?」
「シノブ、目を覚ましましたか?」
すぐ近くで咲耶が私の肩を抱いて支えてくれていた。
・・・さっきのは夢だったのかな?
死にかけて走馬灯でも見てたとか無いよね・・・少し怖い。
暗黒神ハーデスが現在の状況を叫ぶように説明してくれた。
何でも、ここに安置されていた皆の魂を別の場所に移動させて破壊神ヨグトスの次元上昇を阻止したそうだ。
前に言っていた【エミュ鯖】とか言うヤツを会社の許可を得て造ったとの事らしい。
そっか皆の魂は安全な場所へと移動したのか、じゃ先程聞こえて来た声は皆からのエールだ。
挫けるな、頑張れと・・・
サクラが現実的な心配をしていた。
詳しく聞くと、ゲームの著作権や継続する為の運営費等は素人が考えているよりも金額が高いらしい。
大概の【エミュ鯖】と呼ばれる物は無許可で勝手に造られていたり、クローンゲームとして存在しているらしい。
無許可で利益を得たり何らかの営利目的が有った場合、法的処置対象になったりする事も有るらしい。
しかし今回は著作権を会社から公式に買い取った的な事らしいので暗黒神ハーデスは一生借金地獄になるんじゃないかと懸念していた。
・・・大丈夫だろうか。
話をしている内に周囲に浮遊していた魂は全て消え去り、先程夢で見た様な真っ暗な空間が広がっていた。
私達自身の体が薄く発光しているのか、【索敵】を使用しなくても皆の姿がはっきりと見えた。
破壊神ヨグトスが何かを叫んで形態変化を起こし始める。
その姿はゲームサービス最終日に対峙した暗黒神ザナファの頭部に私の体が付いた様な禍々しい姿だった。
私はサクラから【破壊刀イレース】を受け取り、装備をする。
『起きたいたいだね。行くよ、倒しに!』
「おうよ!」
私は【破壊刀イレース】を構え、皆と共に最終形態となった破壊神ヨグトスと対峙する。
この戦いに必ず勝つんだ。
応援ありがとうございます!
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