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異世界崩壊編 後編
218話 下層攻略作戦会議
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-アビスダンジョン 50階層-
翌朝、ギルドメンバーが全員揃った段階でブリーフィングが始まる。
ミカさんとDOSによるアビスダンジョン下層攻略説明・対策会議だ。
・・・・って言ってもゲーム内と同じモンスターとは限らない訳でって言うのを踏まえての復習になる。
当然NPC出身者のシャル達は初探索となるので、注意喚起を兼ねて説明が必要だ。
51階層~60階層は聖属性以外の物理攻撃無効のモンスターが多数出現する。
この階層の攻撃役はミカさんと咲耶と暗黒神ハーデスとデイアになる。
「私が前線で戦いましょう。」
「ふん、我ら魔法職に任せておけ!」
61階層~70階層は魔法無効のモンスターが多い。
魔法職以外の近接職が攻撃役となる。
「拙者が斬り込み隊長をするでござる!」
「うん、私も雑魚戦は任せて!」
71階層~80階層は斬撃・斬撃に分類される物理・魔法攻撃で分裂するモンスターが出現する。
ここの攻撃役は打撃系の特殊技能が使えるセーニアとクリス君と咲耶だ。
「私の【雷槌ミョルニル】の出番ですね!」
「この階層は私も前線で役立ちそうだな!」
「僕も微力ながら御助力いたします!」
問題は次の階層からだ。
81階層~90階層は物理攻撃半減・弱点属性魔法以外吸収するモンスターが配置されている最も厄介な階層になる。
ここはミカさんとDOSが適宜指示を出し各個撃破となる。
そして91階層~99階層は物理・魔法攻撃半減、能力弱体魔法・各種状態異常攻撃を使用してくる。
ここは長期消耗戦になり易い。
いかに回復系アイテムを節約出来るかが最下層攻略の鍵となる。
「そして・・・最終目標です。」
100階層、本来は破壊神アザドゥが出現する。
破壊神アザドゥはこのゲームに存在する全ての特殊技能を一定範囲もしくは、全体に向けて完全ランダムに使用してくる。
高確率即死攻撃も含まれるので、運が悪いパーティーは全体高確率即死攻撃を喰らって全滅すると言う最悪のパターンを引く事も有る。
ちなみに100階層に居るとされる。
元40階層の魔人ヨグトスは物理攻撃耐性・魔法攻撃耐性を持ち、弱点属性変化を持ち、ソーサラー系の極大攻撃魔法を短時間で連続使用してくる。
今までの情報を総合すると破壊神となった魔人ヨグトスは全ての特殊技能と魔法を短時間で全体攻撃で発動出来る。
物理・魔法耐性が高く弱点属性変化を持っていて弱点属性と逆属性を吸収する。
「もしプログラマー並みの事が出来るのであれば、事象改変も可能だろうな。」
暗黒神ハーデスが言うには、この世界の法則をも操作出来るかも知れないと言う。
「なんですそれ?勝てるんですか?」
「フフフ、面白いではないか。何が起こるか分からないんだ。」
・・・ともはや小学生の考えたチート級の「最強のボス」を体現した様な能力を保有している可能性が有ると暗黒神ハーデスが嬉しそうに語っていた。
何ソレ勝てないじゃん。
・・・もう無敵じゃん。
「ミカエル、聞いても良いか?魔法を吸収するモンスターが魔法を使って来て、その魔法を反射した場合はどうなる?」
「反射された魔法を吸収し傷が回復します。」
おもむろに手を上げたデイアが挙手してミカさんに問う。
結構良い質問だ。
デイアの装備する魔法反射防具で反射された魔法で相手が回復する事が有るのか初めて知った。
「ふむ、それはや厄介だな。」
そもそも魔法反射防具なんて激レア装備だ。
持っているプレイヤーなんて私は見た事無い。
「私も質問!分裂するモンスターって具体的どんな感じなんですか?」
「例えば腕を斬り落としたら、その腕が別のモンスターとして独立して動いて攻撃をして来る。本体は斬られた部分が攻撃に適した形状に変化する。体力は斬ったダメージ5パーセント、本体85パーセント、腕10パーセントの様に多少減るが攻撃目標が増えるので斬撃は禁止だ。」
普段質問をしないシャルが珍しく質問を投げかける。
私が昨夜、下層の怖さを説明していたのが効いたみたいだ。
「そうか、だから私の打撃がメインになるのだな!」
「そうです、斬撃で細切れにすると範囲火炎魔法等で対処しないといけなくなります。」
分裂モンスターフロアは剣主体の物理攻撃職的に超面倒なんだ。
細切れにして絶命させる事は出来なくはないが、小さくすればするほど相手の回避能力と攻撃命中率と攻撃回数が増加する。
その為、斬撃禁止と言うのが鉄則だ。
アビスダンジョン下層は上級プレイヤーのパーティープレイ専用として造られている為、単独でクリアしたプレイヤーは存在しない。
唯一斬撃攻撃をしてモンスターを分裂させない職業は戦士系中級職の「暗黒剣士」のみ。
【暗黒剣】と言う括りの攻撃は唯一分裂させずにダメージを与えられる戦士職と言う設定だ。
「ミカエル、お前はヨグトスを倒せると思うか?」
「・・・分からない。だが立ち向かうしかない、逃げ場は無いからな。」
暗黒神ハーデスの質問に対して、ミカさんが素直に答える。
ゲームの感覚で言えば挑むだけ無駄なボスだ。
高レベルのプレイヤーが勝ちパターンを分析してアップされた攻略動画や情報を把握した上でその真似をして運次第で勝てる程度の強さの様な気がする。
私的には、今までにも有った「戦わないルート」が有るんじゃないかと考えている。
でも皆は考え方が少し違う。
皆の考えは「この世界が崩壊するのは仕方が無い事で、魔人ヨグトスを倒し現実世界へと戻る」事。
私の考えと言うか理想は「この世界を維持しつつ、現実世界に戻る」だ。
この世界は私の超能力を魔人ヨグトスが運用する事で成り立っていて、魔人ヨグトスはより上位の次元へと移る事が目的だ。
魂のストレージに保存されているエネルギーを使う事無く 次元上昇出来れば、能力運用の仕方を教えて貰えるんじゃ無いだろうか?と言う希望的観測を持っている。
まぁ私の頭では方法自体想像すら出来ない。
次元上昇って言葉自体謎のオカルト臭がする位なのだから。
・
・
・
約1時間のブリーフィングを終えて、皆は武器を持ち準備する。
キャンプは咲耶の意見でそのままにして行くらしい。
「勝っても、負けても伝説の地になりそうじゃないですか?」って言っていた。
この世界がどう言う運命を辿るのか全く想像が付かない。
もし残るのであれば伝説の地になるかも知れないけどね。
アビスダンジョン地下50階層に有る崩れたオベリスクと神秘的な温泉跡、この戦いを皆がそれぞれ違う結末を想像している。
真意は分からないけど咲耶はきっと、この場所が伝説として語り継がれる様な未来を願っているんじゃないかな。
それはこの世界が存続する未来、私もこの場所を残す事には賛成だ。
翌朝、ギルドメンバーが全員揃った段階でブリーフィングが始まる。
ミカさんとDOSによるアビスダンジョン下層攻略説明・対策会議だ。
・・・・って言ってもゲーム内と同じモンスターとは限らない訳でって言うのを踏まえての復習になる。
当然NPC出身者のシャル達は初探索となるので、注意喚起を兼ねて説明が必要だ。
51階層~60階層は聖属性以外の物理攻撃無効のモンスターが多数出現する。
この階層の攻撃役はミカさんと咲耶と暗黒神ハーデスとデイアになる。
「私が前線で戦いましょう。」
「ふん、我ら魔法職に任せておけ!」
61階層~70階層は魔法無効のモンスターが多い。
魔法職以外の近接職が攻撃役となる。
「拙者が斬り込み隊長をするでござる!」
「うん、私も雑魚戦は任せて!」
71階層~80階層は斬撃・斬撃に分類される物理・魔法攻撃で分裂するモンスターが出現する。
ここの攻撃役は打撃系の特殊技能が使えるセーニアとクリス君と咲耶だ。
「私の【雷槌ミョルニル】の出番ですね!」
「この階層は私も前線で役立ちそうだな!」
「僕も微力ながら御助力いたします!」
問題は次の階層からだ。
81階層~90階層は物理攻撃半減・弱点属性魔法以外吸収するモンスターが配置されている最も厄介な階層になる。
ここはミカさんとDOSが適宜指示を出し各個撃破となる。
そして91階層~99階層は物理・魔法攻撃半減、能力弱体魔法・各種状態異常攻撃を使用してくる。
ここは長期消耗戦になり易い。
いかに回復系アイテムを節約出来るかが最下層攻略の鍵となる。
「そして・・・最終目標です。」
100階層、本来は破壊神アザドゥが出現する。
破壊神アザドゥはこのゲームに存在する全ての特殊技能を一定範囲もしくは、全体に向けて完全ランダムに使用してくる。
高確率即死攻撃も含まれるので、運が悪いパーティーは全体高確率即死攻撃を喰らって全滅すると言う最悪のパターンを引く事も有る。
ちなみに100階層に居るとされる。
元40階層の魔人ヨグトスは物理攻撃耐性・魔法攻撃耐性を持ち、弱点属性変化を持ち、ソーサラー系の極大攻撃魔法を短時間で連続使用してくる。
今までの情報を総合すると破壊神となった魔人ヨグトスは全ての特殊技能と魔法を短時間で全体攻撃で発動出来る。
物理・魔法耐性が高く弱点属性変化を持っていて弱点属性と逆属性を吸収する。
「もしプログラマー並みの事が出来るのであれば、事象改変も可能だろうな。」
暗黒神ハーデスが言うには、この世界の法則をも操作出来るかも知れないと言う。
「なんですそれ?勝てるんですか?」
「フフフ、面白いではないか。何が起こるか分からないんだ。」
・・・ともはや小学生の考えたチート級の「最強のボス」を体現した様な能力を保有している可能性が有ると暗黒神ハーデスが嬉しそうに語っていた。
何ソレ勝てないじゃん。
・・・もう無敵じゃん。
「ミカエル、聞いても良いか?魔法を吸収するモンスターが魔法を使って来て、その魔法を反射した場合はどうなる?」
「反射された魔法を吸収し傷が回復します。」
おもむろに手を上げたデイアが挙手してミカさんに問う。
結構良い質問だ。
デイアの装備する魔法反射防具で反射された魔法で相手が回復する事が有るのか初めて知った。
「ふむ、それはや厄介だな。」
そもそも魔法反射防具なんて激レア装備だ。
持っているプレイヤーなんて私は見た事無い。
「私も質問!分裂するモンスターって具体的どんな感じなんですか?」
「例えば腕を斬り落としたら、その腕が別のモンスターとして独立して動いて攻撃をして来る。本体は斬られた部分が攻撃に適した形状に変化する。体力は斬ったダメージ5パーセント、本体85パーセント、腕10パーセントの様に多少減るが攻撃目標が増えるので斬撃は禁止だ。」
普段質問をしないシャルが珍しく質問を投げかける。
私が昨夜、下層の怖さを説明していたのが効いたみたいだ。
「そうか、だから私の打撃がメインになるのだな!」
「そうです、斬撃で細切れにすると範囲火炎魔法等で対処しないといけなくなります。」
分裂モンスターフロアは剣主体の物理攻撃職的に超面倒なんだ。
細切れにして絶命させる事は出来なくはないが、小さくすればするほど相手の回避能力と攻撃命中率と攻撃回数が増加する。
その為、斬撃禁止と言うのが鉄則だ。
アビスダンジョン下層は上級プレイヤーのパーティープレイ専用として造られている為、単独でクリアしたプレイヤーは存在しない。
唯一斬撃攻撃をしてモンスターを分裂させない職業は戦士系中級職の「暗黒剣士」のみ。
【暗黒剣】と言う括りの攻撃は唯一分裂させずにダメージを与えられる戦士職と言う設定だ。
「ミカエル、お前はヨグトスを倒せると思うか?」
「・・・分からない。だが立ち向かうしかない、逃げ場は無いからな。」
暗黒神ハーデスの質問に対して、ミカさんが素直に答える。
ゲームの感覚で言えば挑むだけ無駄なボスだ。
高レベルのプレイヤーが勝ちパターンを分析してアップされた攻略動画や情報を把握した上でその真似をして運次第で勝てる程度の強さの様な気がする。
私的には、今までにも有った「戦わないルート」が有るんじゃないかと考えている。
でも皆は考え方が少し違う。
皆の考えは「この世界が崩壊するのは仕方が無い事で、魔人ヨグトスを倒し現実世界へと戻る」事。
私の考えと言うか理想は「この世界を維持しつつ、現実世界に戻る」だ。
この世界は私の超能力を魔人ヨグトスが運用する事で成り立っていて、魔人ヨグトスはより上位の次元へと移る事が目的だ。
魂のストレージに保存されているエネルギーを使う事無く 次元上昇出来れば、能力運用の仕方を教えて貰えるんじゃ無いだろうか?と言う希望的観測を持っている。
まぁ私の頭では方法自体想像すら出来ない。
次元上昇って言葉自体謎のオカルト臭がする位なのだから。
・
・
・
約1時間のブリーフィングを終えて、皆は武器を持ち準備する。
キャンプは咲耶の意見でそのままにして行くらしい。
「勝っても、負けても伝説の地になりそうじゃないですか?」って言っていた。
この世界がどう言う運命を辿るのか全く想像が付かない。
もし残るのであれば伝説の地になるかも知れないけどね。
アビスダンジョン地下50階層に有る崩れたオベリスクと神秘的な温泉跡、この戦いを皆がそれぞれ違う結末を想像している。
真意は分からないけど咲耶はきっと、この場所が伝説として語り継がれる様な未来を願っているんじゃないかな。
それはこの世界が存続する未来、私もこの場所を残す事には賛成だ。
応援ありがとうございます!
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