195 / 252
異世界崩壊編 前編
195話 アルラト救出
しおりを挟む
魔人ハスタが左手をサクラに向けて翳すと複数の竜巻が発生し、地面を抉りながら迫る。
サクラ達は走り出し魔人ハスタからから距離を取る。
遠距離・近距離攻撃に対しては強力な防御障壁、そして遠距離から強力な風属性魔法と風属性物理攻撃。
魔人ハスタを誘導したいがヤツはその場を動く事が無い。
後ろに居るアルラトを何とかして助けたい。
咲耶を守りつつミカさんが隙を伺っているのが見える。
何か良い案は無いだろうか。
暗黒神ハーデスが火炎と氷の上位魔法を巧みに操り温度差を生むことで竜巻の弱体化を行っている。
DOSは魔人を覆う風のシールドの一点突破を狙っているらしく同じヶ所を狙う様に射撃をしているが、ヤツのシールドは銃撃に対しての耐性が異常に強い様だ。
銃弾がシールドの接触した瞬間に弾道が微妙に曲げられてしまうのだ。
DOSはそれを計算にいれて銃撃をしている様だが風のシールドは一定方向に流れている訳では無いらしいので貫通してダメージを与える事が出来ない様だ。
特殊技能「貫通」付きの【アグネイヤ】の超火力でも本体に届かないとは、今までのレイドボスと比べ段違いの防御力だ。
魔人ハスタが両手で素早く空を切る動作をすると、サクラを幾本の風の刃が襲い掛かる。
サクラは刀でそれを弾き返す、それはまるで姿の見えない複数の剣士と斬り合って居るような光景が繰り広げられてた。
クリス君がサクラの背中を守る形で風の刃の迎撃に加わり耐えているが2人の防具は徐々にズタズタになっている。
それを見てニヤニヤとした邪悪な笑みを浮かべる魔人ハスタは注意が逸れている。
チャンスかも知れないが対処法が浮かばず動きが止まる、悩んでる時じゃない!
私は【村雨】を収め上位回復薬【ハイポーション】と小太刀を持ち、特殊技能【影分身】【抜き足】【縮地】を同時発動し分身体は現在位置に残しアルラトの方を目掛けて走り出す。
完全回復薬【ハイエリクサー】は皆も既に在庫が尽き、市販品の上位回復薬【ハイポーション】しか手持ちが無い。
アルラトの体力値を考えると雀の涙程度しか効果が見込めないだろう。
DOSは私の動きを察しグレネード系の武器を装備し爆発系の弾丸を逆方向に放ち注意を引いてくれた。
その隙に私はアルラトが倒れている場所にそっと近付き手持ちの上位回復薬【ハイポーション】を傷口に数本振り撒き、口にも流し込む。
アルラトの体が少しずつ再生を始め呼吸が整い始める。
良かった、間に合った。
しかし魔人ハスタはアルラトと私に気付き左手をこちらに向ける。
まずい!気付かれた!
周囲に空気圧の様な物を感じてアルラトを守る様に抱きしめる。
衝撃音と共に周囲が大きく揺れ地面が沈むのが分かった。
しかしダメージが一切無い、恐る恐る目を開けると巨大なシールドを構えたミカさんと魔法障壁を張った咲耶が私とアルラトを守る様に目の前に立っていた。
「ミカエル、その盾は風魔法耐性があるのですか?」
「ヒルドルと同じ程度の防御力ですが、風魔法をダメージを50パーセント軽減する【アネモイの盾】だ。遠距離からの攻撃なら十分耐えれる。」
ミカさんの盾と咲耶の魔法障壁により魔人ハスタの攻撃はほぼ無効化されていた。
私は手持ちの上位回復薬【ハイポーション】を次々とアルラトに振り撒き、アイテムストレージの在庫が尽きた頃にはアルラトの腕が1本再生していた。
私達は防御姿勢を保ちつつ後退していく。
魔人ハスタの注意が私達に向き攻撃数が減った所をサクラ達が見逃さずサクラとシャルが先行し攻撃を仕掛ける。
シャルは亜人種猫人間種の種族特性で暗視能力、素早さ・回避率3倍、危機察知時回避率4倍とレベルは恐らく70以下だが私よりも高い回避能力を有している。
職業はクリス君と同じく戦士系中級職のウォーリアーで多数の武器が装備出来るが、彼女は両手脚を使った素早い動きを活かす為に両手に巨大な鍵爪の様な武器を装備している。
素早さを活かし攻撃目標として先行し全ての攻撃を華麗に回避する。
「アルラトを頼みます!」
十分距離を取った所でミカさんは私と咲耶にアルラトを任せ、サクラ達の援護に向かった。
咲耶が回復魔法を使いアルラトを蘇生させる。
「サクヤ・・・シノ。」
不意にアルラトが目を覚まし抱きかかえる私に気が付く。
「アルラト、気が付きましたか。」
「良かった。もう大丈夫だから。」
アルラトは両腕が蘇生した所で意識を取り戻し、回復を止めてくれと咲耶に言う。
そしてアルラトは自身に起きた事を話し出した。
アルラトは設定上破壊神アザドゥの配下となっているらしく、魔人ヨグトスが破壊神の力を奪いこの世界を創造した時に自我を持ち自由に動ける様になったらしい。
しかし少しずつ自分を侵略する「何か」を感じていたらしい。
魔人クトゥルと同じ様に魔人ヨグトスの浸食が今も進んでいると言った。
ホウシェン国に到着した頃には意識が途切れ途切れの状態だったと話す。
最近目が覚めた時に見た光景は目の前でミカさんを串刺しにした瞬間だったと、まるで魔人ヨグトスがアルラトの精神を削り殺す為にワザと起こしたかの様に・・・
そして眠らない様に意識を保ち魔人ハスタを殺そうとしたが殆どダメージを与える事が出来なかったと話した。
いずれ精神も肉体も魔人ヨグトスの支配下になるから、これ以上回復魔法は使わないで欲しいと言った。
「僕が隙を作る、あの硬いシールドを一瞬だけ無効化してみせるよ。」
そう言い放つとアルラトは地面に溶け込む様に姿を隠し気配を消す。
「ちょっ!あの娘ってば・・・」
「シノブ、行きましょう!」
魔人ハスタの方に目を向けるとミカさん、サクラ、クリス君、シャルが攻撃を捌きながら強力なシールドに連続攻撃を加えていた。
魔人ハスタはダメージを受けて無いがミカさんとサクラの特殊技能攻撃により幾度かシールドを斬り裂かれ回避行動を取らされる事に苛立ち、それが表情に出ている様子だった。
「サクラ!合わせるぞ!」
「承知!クリス!シャル!遅れるな!」
「了解!」「はい!」
ミカさんの盾でダメージ軽減し、サクラの【朧三日月・極】がシールドを斬り裂き、シャルが両手でシールドを抉じ開ける様に広げる。
其処をクリス君の【天業ノ黒】が隙間を縫う様に魔人ハスタの胸を貫く。
紫の鮮血が飛び散り、初めてダメージらしいダメージが入る。
怒りに満ちた表情の魔人ハスタのシールドは一瞬で再生し、その周囲に煌めく光の糸の様な物質が出現し波打つ様に襲い掛かる。
魔人ハスタを攻撃していた4人を無数の斬撃が斬り裂きながら吹き飛ばす。
サクラは脇腹を貫通しクリス君の左腕が斬り飛ばされ、ミカさんも右足も無数に傷を負い態勢を崩したまま地面に直撃する。
シャルのスピードを持ってしても全ての攻撃を回避出来ず全身に細かい切り傷を作り着地する。
ほぼ全員が後方に吹き飛ばされ、ダメージを負う。
攻撃力もさる事ながら強力なノックバック効果付きの攻撃とは・・・。
『俺様に傷を付けた報いを受けて貰うぞ異物共!』
魔人ハスタは怒りと狂気に満ちた表情で両手を広げ始めて戦闘態勢を取った。
サクラ達は走り出し魔人ハスタからから距離を取る。
遠距離・近距離攻撃に対しては強力な防御障壁、そして遠距離から強力な風属性魔法と風属性物理攻撃。
魔人ハスタを誘導したいがヤツはその場を動く事が無い。
後ろに居るアルラトを何とかして助けたい。
咲耶を守りつつミカさんが隙を伺っているのが見える。
何か良い案は無いだろうか。
暗黒神ハーデスが火炎と氷の上位魔法を巧みに操り温度差を生むことで竜巻の弱体化を行っている。
DOSは魔人を覆う風のシールドの一点突破を狙っているらしく同じヶ所を狙う様に射撃をしているが、ヤツのシールドは銃撃に対しての耐性が異常に強い様だ。
銃弾がシールドの接触した瞬間に弾道が微妙に曲げられてしまうのだ。
DOSはそれを計算にいれて銃撃をしている様だが風のシールドは一定方向に流れている訳では無いらしいので貫通してダメージを与える事が出来ない様だ。
特殊技能「貫通」付きの【アグネイヤ】の超火力でも本体に届かないとは、今までのレイドボスと比べ段違いの防御力だ。
魔人ハスタが両手で素早く空を切る動作をすると、サクラを幾本の風の刃が襲い掛かる。
サクラは刀でそれを弾き返す、それはまるで姿の見えない複数の剣士と斬り合って居るような光景が繰り広げられてた。
クリス君がサクラの背中を守る形で風の刃の迎撃に加わり耐えているが2人の防具は徐々にズタズタになっている。
それを見てニヤニヤとした邪悪な笑みを浮かべる魔人ハスタは注意が逸れている。
チャンスかも知れないが対処法が浮かばず動きが止まる、悩んでる時じゃない!
私は【村雨】を収め上位回復薬【ハイポーション】と小太刀を持ち、特殊技能【影分身】【抜き足】【縮地】を同時発動し分身体は現在位置に残しアルラトの方を目掛けて走り出す。
完全回復薬【ハイエリクサー】は皆も既に在庫が尽き、市販品の上位回復薬【ハイポーション】しか手持ちが無い。
アルラトの体力値を考えると雀の涙程度しか効果が見込めないだろう。
DOSは私の動きを察しグレネード系の武器を装備し爆発系の弾丸を逆方向に放ち注意を引いてくれた。
その隙に私はアルラトが倒れている場所にそっと近付き手持ちの上位回復薬【ハイポーション】を傷口に数本振り撒き、口にも流し込む。
アルラトの体が少しずつ再生を始め呼吸が整い始める。
良かった、間に合った。
しかし魔人ハスタはアルラトと私に気付き左手をこちらに向ける。
まずい!気付かれた!
周囲に空気圧の様な物を感じてアルラトを守る様に抱きしめる。
衝撃音と共に周囲が大きく揺れ地面が沈むのが分かった。
しかしダメージが一切無い、恐る恐る目を開けると巨大なシールドを構えたミカさんと魔法障壁を張った咲耶が私とアルラトを守る様に目の前に立っていた。
「ミカエル、その盾は風魔法耐性があるのですか?」
「ヒルドルと同じ程度の防御力ですが、風魔法をダメージを50パーセント軽減する【アネモイの盾】だ。遠距離からの攻撃なら十分耐えれる。」
ミカさんの盾と咲耶の魔法障壁により魔人ハスタの攻撃はほぼ無効化されていた。
私は手持ちの上位回復薬【ハイポーション】を次々とアルラトに振り撒き、アイテムストレージの在庫が尽きた頃にはアルラトの腕が1本再生していた。
私達は防御姿勢を保ちつつ後退していく。
魔人ハスタの注意が私達に向き攻撃数が減った所をサクラ達が見逃さずサクラとシャルが先行し攻撃を仕掛ける。
シャルは亜人種猫人間種の種族特性で暗視能力、素早さ・回避率3倍、危機察知時回避率4倍とレベルは恐らく70以下だが私よりも高い回避能力を有している。
職業はクリス君と同じく戦士系中級職のウォーリアーで多数の武器が装備出来るが、彼女は両手脚を使った素早い動きを活かす為に両手に巨大な鍵爪の様な武器を装備している。
素早さを活かし攻撃目標として先行し全ての攻撃を華麗に回避する。
「アルラトを頼みます!」
十分距離を取った所でミカさんは私と咲耶にアルラトを任せ、サクラ達の援護に向かった。
咲耶が回復魔法を使いアルラトを蘇生させる。
「サクヤ・・・シノ。」
不意にアルラトが目を覚まし抱きかかえる私に気が付く。
「アルラト、気が付きましたか。」
「良かった。もう大丈夫だから。」
アルラトは両腕が蘇生した所で意識を取り戻し、回復を止めてくれと咲耶に言う。
そしてアルラトは自身に起きた事を話し出した。
アルラトは設定上破壊神アザドゥの配下となっているらしく、魔人ヨグトスが破壊神の力を奪いこの世界を創造した時に自我を持ち自由に動ける様になったらしい。
しかし少しずつ自分を侵略する「何か」を感じていたらしい。
魔人クトゥルと同じ様に魔人ヨグトスの浸食が今も進んでいると言った。
ホウシェン国に到着した頃には意識が途切れ途切れの状態だったと話す。
最近目が覚めた時に見た光景は目の前でミカさんを串刺しにした瞬間だったと、まるで魔人ヨグトスがアルラトの精神を削り殺す為にワザと起こしたかの様に・・・
そして眠らない様に意識を保ち魔人ハスタを殺そうとしたが殆どダメージを与える事が出来なかったと話した。
いずれ精神も肉体も魔人ヨグトスの支配下になるから、これ以上回復魔法は使わないで欲しいと言った。
「僕が隙を作る、あの硬いシールドを一瞬だけ無効化してみせるよ。」
そう言い放つとアルラトは地面に溶け込む様に姿を隠し気配を消す。
「ちょっ!あの娘ってば・・・」
「シノブ、行きましょう!」
魔人ハスタの方に目を向けるとミカさん、サクラ、クリス君、シャルが攻撃を捌きながら強力なシールドに連続攻撃を加えていた。
魔人ハスタはダメージを受けて無いがミカさんとサクラの特殊技能攻撃により幾度かシールドを斬り裂かれ回避行動を取らされる事に苛立ち、それが表情に出ている様子だった。
「サクラ!合わせるぞ!」
「承知!クリス!シャル!遅れるな!」
「了解!」「はい!」
ミカさんの盾でダメージ軽減し、サクラの【朧三日月・極】がシールドを斬り裂き、シャルが両手でシールドを抉じ開ける様に広げる。
其処をクリス君の【天業ノ黒】が隙間を縫う様に魔人ハスタの胸を貫く。
紫の鮮血が飛び散り、初めてダメージらしいダメージが入る。
怒りに満ちた表情の魔人ハスタのシールドは一瞬で再生し、その周囲に煌めく光の糸の様な物質が出現し波打つ様に襲い掛かる。
魔人ハスタを攻撃していた4人を無数の斬撃が斬り裂きながら吹き飛ばす。
サクラは脇腹を貫通しクリス君の左腕が斬り飛ばされ、ミカさんも右足も無数に傷を負い態勢を崩したまま地面に直撃する。
シャルのスピードを持ってしても全ての攻撃を回避出来ず全身に細かい切り傷を作り着地する。
ほぼ全員が後方に吹き飛ばされ、ダメージを負う。
攻撃力もさる事ながら強力なノックバック効果付きの攻撃とは・・・。
『俺様に傷を付けた報いを受けて貰うぞ異物共!』
魔人ハスタは怒りと狂気に満ちた表情で両手を広げ始めて戦闘態勢を取った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
77
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる