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異世界崩壊編 前編
188話 おてんば姫再び
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コダ国に帰還した私達は、早々に噂を聞き付けた国王様の使いに連れられて王宮へと案内された。
以前お見合いが行われた豪華な応接間に案内される。
そこに勢い良く駆け込んで来たのはグラント王とラニア王妃だった。
扉を守護する兵士の驚く声が聞こえたと思った瞬間に扉を勢い良く開け放たれた。
出されたお茶お飲んで寛いでいた私達は曲者かと思い驚く。
「おおっ!ミカエル殿に「深紅の薔薇」の方々!我が国の危機に駆けつけて下さったのか!」
「まぁまぁ、本当にお久ぶりです。」
「国王様に王妃様、落ち着いて下さい。皆様が驚いています。」
後から駆けつけた兵士長のギースと近衛兵らしき人々が慌てて2人を止めに入る。
驚いた、国王様と王妃様だったのか。
一息付いた後、重い表情の国王が話し始めた。
世界放送を聞いてから国内で動揺が広がり、そして数日前にバンボゥ国の陥落の報告。
そして同日この国にもこの辺りでは見た事の無い種類の巨大モンスターが多数襲来。
この国は蜃気楼の街を捜索している上位冒険者が多数居たので比較的軽い被害で収まったらしい。
今現在も多額の報奨金を出し国の防衛力を強化している所で、破壊されたバンボゥ国からの避難民も多数入国している様だ。
そんなおり私達がこの国に訪れている話が舞い込み、英雄の凱旋とばかりに急いで呼び寄せたらしい。
ミカさんは魔人ヴルドゥと魔人クトゥル討伐をして、現在魔人ハスタを倒す為に探していると話し情報を集めて欲しいと嘆願する。
この世界は地図で表示すると西のカルダイン大陸、東のサイリーン大陸。
そしてホウシェン国の有るナザル大陸、古代都市タクティカの有る南極に北極に位置するのがアビスダンジョンの存在するこの世の果てハルモニア大陸。
ゲームには存在しなかった亜人国家のアニマ大陸。
大きく分類すると5大陸+アニマ国と言った感じだ。
今まで得た情報からするとラスボスに位置する魔人ヨグトスはハルモニア大陸のアビスダンジョン最下層に居る。
1番大きいガルダイン大陸はレッドドラゴンの魔人ヴルドゥとマザーブレイン魔人クトゥルゥが配置。
レイドボス古代神カノプスは南極大陸のタクティカ国を破壊後ナザル大陸に向けて北上しながら進行中。
この事から現在位置のサイリーン大陸は魔人ハスタとアルラトが配置されている可能性が高い。
DOSの予想では有るが暗黒神ハーデスと咲耶も同意している事から信憑性は有る。
魔人の話をしている時に再び部屋の外が騒がしくなり、口論の様な声が響いた後部屋の扉が大きな音を立てて勢い良く開かれた。
そこには両手を手錠の様な器具で拘束されたセーニア姫が息を切らせて立っていた。
後方では扉を守護していた2名の兵士が倒されていた。
恐らくお姫様を静止した際に鉄拳を喰らったのだろう。
「ミカエルにハーデス!久しぶりだな!息災だったか!」
噂では防衛戦に参加しようとして拘束された後脱獄に失敗したと言う噂を聞いていたが、どうやら脱獄に成功した様だ。
そして始まる壮絶な親子喧嘩が始まった。
主に王妃様と姫様の口論で王様は狼狽えていた。
「貴女と言う子は!結婚の日和が決まった矢先に!どうして大人しく出来ないのですか!」
「この世界が滅ぼされたら結婚も糞もないでしょう!?座して死を待つなど有り得ません!」
「一国の王女が糞などと言う低俗な言葉を使うんじゃありません!そもそも貴女が前線に出る必要は有りません!城で大人しくしておきまなさい!」
「お母さま!話を逸らさないで下さい!私はこの国のどの兵士や冒険者にも引けを取るつもりはない実力が有ると自負しております!自国を守る事のどこが駄目なのか教えて頂きたい!」
セーニアと王妃が出会うなり物凄い勢いで口論を始める。
会話内容から王妃は娘の事を思って話していてセーニアは自身の力を国の為に役立てたいと言う絶対に平行線から抜け出せない言い合いだった。
「まぁまぁ2人共落ち着きなさい。」
「貴方は黙っていて下さい!」
「お父様は黙ってて!」
途中止めに入った国王が2人に怒鳴られシュンとする。
国王様をしり目に慌てて止めに入る兵士とミカさん。
何だろう・・・この国だけ他の国と違ってアットホームな気がする。
取り敢えず場が落ち着き話を再開させる。
逃げない事と戦闘に参加しない事を条件にしてセーニア姫は手錠を外して貰い話し合いに参加する。
セーニア姫は私の横に居る暗黒神ハーデスの真横に座り、また替え玉になってくれと小声で話しているのが聞こえた。
当然だが暗黒神ハーデスは即断っていた、この人全然懲りていない。
話し合いの最中に伝令兵らしき人物が部屋に通されギースが対応していた。
ギースが驚いた表情で国王と王妃に耳打ちする。
2人は深刻な表情となり俯く。
何か有ったのですかとミカさんが聞くと国王はゆっくりと口を開いた。
「・・・・ピトゥリア国が落ちた。国王やその一族・・・アレクスは安否不明との事だ。」
その話を聞いたセーニア姫が勢い良く立ち上がろうとして暗黒神ハーデスが咄嗟に肩を抑え止める。
怒りの表情で殺気の籠った視線を暗黒神ハーデスに向けるが彼は一切動揺する事無く彼女の目を見つめる。
彼女は溜息をつき、改めて椅子に座り直す。
数日遅れで伝令が届いたとして、攻め込まれたのは同じ日かも知れない。
多数巨大モンスターに攻められたピトゥリア国は善戦虚しく敗北した様だ。
婚約者とその一家の安否が不明とか落ち着いて居られないのは当然だろう。
北のバンボゥ国と南のピトゥリア国が滅ぼされた。
この国は砂漠とそれを取り囲む様に連なった巨大な山岳地帯に守られて、更に多数の冒険者が滞在していると言う好条件が重なった幸運により滅びずに済んだと言う所か・・・
でも次は確実にこの国に最大戦力で攻め込んで来るはずだ。
ミカさんとDOSが何やら話をしているが距離があって聞こえない。
「グラント国王、私の予想が正しければ次は総戦力でこの国を滅ぼしに来ます。我々に指揮権を与えては貰え無いでしょうか。」
ミカさんが椅子から立ち上がり真剣な表情で話す。
当然国王は国の防衛に「深紅の薔薇」が参加する事を願ったり叶ったりと即答で返答する。
ミカさんは国王を含め部屋に居る全員に討伐目標となる魔人ハスタの話と、現在敵側に在籍するアルラトの話をしていた。
憶測では有るが彼女は決して敵では無い可能性が高いと言う事を伝えていた。
彼女は世界放送で大々的に発していた「深紅の薔薇」に対する挑発的に取れる発言は世界中の人々が聞いているはずだ。
普段の彼女を知らない連中からしたら単純に裏切り寝返ったと感じるだろう。
その後直ぐに労働組合に伝達し、現在滞在している冒険者達を城に招く運びとなった。
本日中に国中に通達が行き渡り、集合は明朝予定だ。
簡易的な部隊を組み防衛配置をする必要が有る。
当然全員が作戦に参加する事は無いのを見越し作戦参加者にはランクに合わせて労働組合に提示して有る額の倍額以上の報奨金を支払う事を通達した。
仮に参加しなくても遊撃部隊の様な形で戦いには参加をすると思う。
長い話し合いの後、国王の計らいで私達は王宮に泊まる運びとなった。
以前お見合いが行われた豪華な応接間に案内される。
そこに勢い良く駆け込んで来たのはグラント王とラニア王妃だった。
扉を守護する兵士の驚く声が聞こえたと思った瞬間に扉を勢い良く開け放たれた。
出されたお茶お飲んで寛いでいた私達は曲者かと思い驚く。
「おおっ!ミカエル殿に「深紅の薔薇」の方々!我が国の危機に駆けつけて下さったのか!」
「まぁまぁ、本当にお久ぶりです。」
「国王様に王妃様、落ち着いて下さい。皆様が驚いています。」
後から駆けつけた兵士長のギースと近衛兵らしき人々が慌てて2人を止めに入る。
驚いた、国王様と王妃様だったのか。
一息付いた後、重い表情の国王が話し始めた。
世界放送を聞いてから国内で動揺が広がり、そして数日前にバンボゥ国の陥落の報告。
そして同日この国にもこの辺りでは見た事の無い種類の巨大モンスターが多数襲来。
この国は蜃気楼の街を捜索している上位冒険者が多数居たので比較的軽い被害で収まったらしい。
今現在も多額の報奨金を出し国の防衛力を強化している所で、破壊されたバンボゥ国からの避難民も多数入国している様だ。
そんなおり私達がこの国に訪れている話が舞い込み、英雄の凱旋とばかりに急いで呼び寄せたらしい。
ミカさんは魔人ヴルドゥと魔人クトゥル討伐をして、現在魔人ハスタを倒す為に探していると話し情報を集めて欲しいと嘆願する。
この世界は地図で表示すると西のカルダイン大陸、東のサイリーン大陸。
そしてホウシェン国の有るナザル大陸、古代都市タクティカの有る南極に北極に位置するのがアビスダンジョンの存在するこの世の果てハルモニア大陸。
ゲームには存在しなかった亜人国家のアニマ大陸。
大きく分類すると5大陸+アニマ国と言った感じだ。
今まで得た情報からするとラスボスに位置する魔人ヨグトスはハルモニア大陸のアビスダンジョン最下層に居る。
1番大きいガルダイン大陸はレッドドラゴンの魔人ヴルドゥとマザーブレイン魔人クトゥルゥが配置。
レイドボス古代神カノプスは南極大陸のタクティカ国を破壊後ナザル大陸に向けて北上しながら進行中。
この事から現在位置のサイリーン大陸は魔人ハスタとアルラトが配置されている可能性が高い。
DOSの予想では有るが暗黒神ハーデスと咲耶も同意している事から信憑性は有る。
魔人の話をしている時に再び部屋の外が騒がしくなり、口論の様な声が響いた後部屋の扉が大きな音を立てて勢い良く開かれた。
そこには両手を手錠の様な器具で拘束されたセーニア姫が息を切らせて立っていた。
後方では扉を守護していた2名の兵士が倒されていた。
恐らくお姫様を静止した際に鉄拳を喰らったのだろう。
「ミカエルにハーデス!久しぶりだな!息災だったか!」
噂では防衛戦に参加しようとして拘束された後脱獄に失敗したと言う噂を聞いていたが、どうやら脱獄に成功した様だ。
そして始まる壮絶な親子喧嘩が始まった。
主に王妃様と姫様の口論で王様は狼狽えていた。
「貴女と言う子は!結婚の日和が決まった矢先に!どうして大人しく出来ないのですか!」
「この世界が滅ぼされたら結婚も糞もないでしょう!?座して死を待つなど有り得ません!」
「一国の王女が糞などと言う低俗な言葉を使うんじゃありません!そもそも貴女が前線に出る必要は有りません!城で大人しくしておきまなさい!」
「お母さま!話を逸らさないで下さい!私はこの国のどの兵士や冒険者にも引けを取るつもりはない実力が有ると自負しております!自国を守る事のどこが駄目なのか教えて頂きたい!」
セーニアと王妃が出会うなり物凄い勢いで口論を始める。
会話内容から王妃は娘の事を思って話していてセーニアは自身の力を国の為に役立てたいと言う絶対に平行線から抜け出せない言い合いだった。
「まぁまぁ2人共落ち着きなさい。」
「貴方は黙っていて下さい!」
「お父様は黙ってて!」
途中止めに入った国王が2人に怒鳴られシュンとする。
国王様をしり目に慌てて止めに入る兵士とミカさん。
何だろう・・・この国だけ他の国と違ってアットホームな気がする。
取り敢えず場が落ち着き話を再開させる。
逃げない事と戦闘に参加しない事を条件にしてセーニア姫は手錠を外して貰い話し合いに参加する。
セーニア姫は私の横に居る暗黒神ハーデスの真横に座り、また替え玉になってくれと小声で話しているのが聞こえた。
当然だが暗黒神ハーデスは即断っていた、この人全然懲りていない。
話し合いの最中に伝令兵らしき人物が部屋に通されギースが対応していた。
ギースが驚いた表情で国王と王妃に耳打ちする。
2人は深刻な表情となり俯く。
何か有ったのですかとミカさんが聞くと国王はゆっくりと口を開いた。
「・・・・ピトゥリア国が落ちた。国王やその一族・・・アレクスは安否不明との事だ。」
その話を聞いたセーニア姫が勢い良く立ち上がろうとして暗黒神ハーデスが咄嗟に肩を抑え止める。
怒りの表情で殺気の籠った視線を暗黒神ハーデスに向けるが彼は一切動揺する事無く彼女の目を見つめる。
彼女は溜息をつき、改めて椅子に座り直す。
数日遅れで伝令が届いたとして、攻め込まれたのは同じ日かも知れない。
多数巨大モンスターに攻められたピトゥリア国は善戦虚しく敗北した様だ。
婚約者とその一家の安否が不明とか落ち着いて居られないのは当然だろう。
北のバンボゥ国と南のピトゥリア国が滅ぼされた。
この国は砂漠とそれを取り囲む様に連なった巨大な山岳地帯に守られて、更に多数の冒険者が滞在していると言う好条件が重なった幸運により滅びずに済んだと言う所か・・・
でも次は確実にこの国に最大戦力で攻め込んで来るはずだ。
ミカさんとDOSが何やら話をしているが距離があって聞こえない。
「グラント国王、私の予想が正しければ次は総戦力でこの国を滅ぼしに来ます。我々に指揮権を与えては貰え無いでしょうか。」
ミカさんが椅子から立ち上がり真剣な表情で話す。
当然国王は国の防衛に「深紅の薔薇」が参加する事を願ったり叶ったりと即答で返答する。
ミカさんは国王を含め部屋に居る全員に討伐目標となる魔人ハスタの話と、現在敵側に在籍するアルラトの話をしていた。
憶測では有るが彼女は決して敵では無い可能性が高いと言う事を伝えていた。
彼女は世界放送で大々的に発していた「深紅の薔薇」に対する挑発的に取れる発言は世界中の人々が聞いているはずだ。
普段の彼女を知らない連中からしたら単純に裏切り寝返ったと感じるだろう。
その後直ぐに労働組合に伝達し、現在滞在している冒険者達を城に招く運びとなった。
本日中に国中に通達が行き渡り、集合は明朝予定だ。
簡易的な部隊を組み防衛配置をする必要が有る。
当然全員が作戦に参加する事は無いのを見越し作戦参加者にはランクに合わせて労働組合に提示して有る額の倍額以上の報奨金を支払う事を通達した。
仮に参加しなくても遊撃部隊の様な形で戦いには参加をすると思う。
長い話し合いの後、国王の計らいで私達は王宮に泊まる運びとなった。
応援ありがとうございます!
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