120 / 252
ブラックドラゴン討伐編
120話 称号「ブラックドラゴンスレイヤー」
しおりを挟む
DOSの【アグネイア】から放たれた課金弾丸がブラックドラゴンの翼を貫通し大穴を開ける。
夜間に放たれた銃撃の見た目はまさにレーザー砲だ。
威力も当然半端無い。
ブラックドラゴンが体を大きく翻し尻尾が高速で周囲を薙ぎ払い。
私以外のパーティメンバーが吹き飛ばされる。
翼は徐々に修復されて行く。
回復速度が思ったよりも早い。
「ノックバックか!面倒でござる・・・・うおっ!」
「危ない!」
回転したブラックドラゴンの正面に吹き飛ばされたサクラに青く輝く高熱のブレスが直撃する。
咲耶が素早く炎耐性障壁を展開したが完全軽減には及ばずダメージを喰らった様だ。
空中に飛ばされたアルラトが剣を構え、その剣が輝き始める。
あれは【原初の光】だ、アルラトは究極剣技までコピー出来るのか?
だが武器性能自体はコピー出来ない・・・と思う。
見た目はミカさんの【ウリエガノン】と同じだが中身は【六道輪廻】のはずだから威力は1/3程度に落ちるはず。
左肩から背中に掛けて鱗を斬り裂く。
アルラトの後方から本物のミカさんが切り傷をなぞる様に剣で硬質の皮膚を斬り紫色の血液が噴き出す。
その瞬間に右の2本の手がミカさんとアルラトを鋭利な爪で斬り裂く様に薙ぎ払う。
ミカさんがアルラトを守る様な形で地面に叩きつけられる。
「フハハハハ!その傷口閉じさせはせんぞ!」
上空から暗黒神ハーデスの高らかな笑い声が聞こえる。
ブラックドラゴンの背中に付いた回復中の傷口に直接触れてゼロ距離で無属性最強の極大攻撃魔法【コールヘイレス】を放った。
暗黒神ハーデスの杖が触れている場所に光の粒子が収束し大爆発を起こし中心で有る彼の右腕ごと白い点に巻き込まれ消滅する。
ブラックドラゴンの背中に直径50センチの穴が開き肉が抉れ大ダメージを与えたのが分かる。
「グギャオオォォォン!!!」
ブラックドラゴンが唸り叫ぶ。
優先攻撃順位が間違い無くミカさんから変わった。
このままだとまずい!
私は右腕が無くなった暗黒神ハーデスを半ば強引に抱えて、素早く回復薬を使いながらブラックドラゴンから距離を取る。
その瞬間に元居た場所に巨大な尻尾が振り下ろされ地面を抉る。
「思った通りだ!魔法は発動距離によってダメージ量が違う。我はゲームシステムを超越したぞ!あーっはっはっは!」
「いや、無茶しすぎだって!自分の魔法で腕無くして何やってんの!DOS!サクラ!援護をお願い!」
更にブラックドラゴンが大口を開けて噛みつき攻撃をしてくるが辛うじて回避成功。
サクラが間に入り刀で牙を弾く。
・・・危うく2人でパクっといかれる所だった。
ブラックドラゴンの顔面にDOSの氷属性の弾丸が3連続で直撃し顔面の半分を凍らせる。
サクラが颯爽と飛びブラックドラゴンの頭部に有る片方の角に向けて【朧三日月・極】で一閃。
凍った角が根本から真っ二つに斬り飛ばす。
ブラックドラゴンは痛みに悶え全身で暴れる様に激しく動く。
大きく振られた首が私に直撃する。
予測し難い攻撃が来たせいで回避が遅れ地面に叩きつけられる。
痛い・・・痛すぎる。
鈍痛を我慢しつつ立ち上がり体制を整える。
ミカさんとアルラトが合わせる様に剣を高らかに掲げ、聖属性剣技【エデンズレイ】の巨大な2本の光の柱が落ち周囲に衝撃が走る。
地面にクレーターが出来る程の爆発が起きダメージの大きさを物語る。
クレーター中央のブラックドラゴンの体が赤、青、黄、白色に順に輝き、能力向上魔法魔法を自身にかけたのが見える。
攻撃力、防御力、魔法攻撃力、魔法防御力が向上した・・・と言う事は体力、すなわちHPの半分を削った証拠だ。
ブラックドラゴンが両翼を大きく広げ上空に舞い上がる。
DOSの空けた翼の傷は完全に塞がっている。
「皆!翼を集中攻撃するぞ!」
「我々も御助力します!」
蜥蜴人間種の魔法師団が駆けつけ皆の傷を回復する。
中型ドラゴンは残り6匹まで減っており狼人間種の戦士隊と冒険者の皆さんが畳み掛ける様に戦闘を繰り広げていた。
上空から攻撃してくるブラックドラゴンは地上よりも素早く攻撃が当て難い。
【手裏剣】や【クナイ】なんてゲームと違いノーダメージな上に弾かれる始末だ。
対空攻撃の無い私とサクラは、それぞれミカさんと暗黒神ハーデスの守りに徹する。
暗黒神ハーデスの極大攻撃魔法や魔法騎士隊の上位魔法でも上空を支配したブラックドラゴンの動きを止めることが出来無い。
上空から4本の腕で薙ぎ払いや体当たり、更に【高熱ブレス】攻撃が広範囲に及び皆が傷付き咲耶が忙しく回復補助に紛争する。
「ミカエル!ハーデス!私の方向へ真直ぐ走って来い!ブラックドラゴンを真正面から近距離イグナイトストライクでヘッドショットを狙う!」
「よし!アルラト!合わせるぞ!」
「はい!行きますよ!」
ミカさんとアルラトが【セイクルレイ】を放ち優先攻撃順位を稼ぐ。
そして暗黒神ハーデスと3人で猛ダッシュ。
私とサクラは3人を守りながら走る。
真後ろにブラックドラゴンの顔面が大口を開けながら高速で迫ってきている。
ド泊力とはこの事だ。
回避行動を取りたいがそういう訳にもいかない。
すぐ真後ろに大口を開けたブラックドラゴンが徐々に距離を詰めて迫る。
なんとかDOSの近くまで誘導しないと。
ブラックドラゴンの吐息が真後ろで聞こえてくる様な気がする。
~~~~~~怖い怖い怖い!
「あははははは!何か笑えて来た!」
「わー!シノブ殿!気を確かにするでござる!」
正面にDOSと後方から防御障壁を張った咲耶が姿が見える。
ゴールはあそこだ。
~~~~早く早く早く!
「私のギリギリで左右に回避するんだ!」
正面のDOSが私達に向けて大声で叫ぶ。
20・・・15・・・10・・・5メートル・・・
今だ!!
私達5人は同時に左右に散開する。
受け身を取ると同時に周囲が光り視界を覆う。
至近距離から【アグネイヤ】の課金弾丸が放たれ音が響き渡り、ブラックドラゴンの眉間に光の弾丸が触れた瞬間に頭部、胸部、腹部、下腹部、尻尾を真直ぐ貫く。
光の弾丸が貫通した部分が肉体が消滅する。
体の中央部分を失ったが、その両脇の肉体が突進の勢いを失わずDOSを通り過ぎる。
さながら3枚卸しの様になった体の両脇の肉片地面にぶちまけられる。
「勝った・・・勝ったぞ!」「すげぇ!」
「流石英雄様だ!」「まさに神!いや女神様!」
中型ドラゴンも全て討伐を終えた冒険者達から大きな歓声が上がる。
流石に20体の中型ドラゴンを相手にするのはきつかったらしく皆ボロボロになっていたがミカさんが立てた「命を大事に」の作戦の元にシャルとエウルゥが上手く指示を出し死者数はゼロだった様だ。
「とんでもない威力だな、DOS。制限時間ギリギリでクリティカルヒットは我も驚いたぞ。」
「・・・・ああ、自分でも驚いた。」
「美味しい所を全部持っていかれましたね。」
「凄い武器だね!僕感動したよ!」
戦闘に参加していた冒険者達の皆がDOSの所に集まり始める。
私は後方から大口で迫られる恐怖が脳裏に焼き付きシャルに縋っていた。
「うう、怖かった・・・怖かったよう。」
「逃げ回っていたシャルの膝枕を受け入れるとは相当怖かったのですね。」
「にゃはぁん、怯えるシノブさんも可愛い。」
いや、本当に怖かったんだって。
職業柄囮になる事は多いが、巨体で捕食してくるモンスターは未経験だった。
この恐怖感がゲームと違う所だ。
「エウルゥ殿、お疲れ様でござる。今夜・・・いや、今から祝杯出来そうですな!」
「ええ、サクラ様。是非御一緒させてください。」
ブラックドラゴン戦は苦戦しながらも倒す事が出来た。
私はブラックドラゴンに追いかけられた記憶は一生忘れる事は出来ないだろう。
きっとストレスがたまった時に夢に見るに違いない。
精神的トラウマを植え付けれたレイドボスイベントは、こうして終息した。
そして、この戦いに参加した冒険者全てに「ブラックドラゴンスレイヤー」の称号を得た様だ。
夜間に放たれた銃撃の見た目はまさにレーザー砲だ。
威力も当然半端無い。
ブラックドラゴンが体を大きく翻し尻尾が高速で周囲を薙ぎ払い。
私以外のパーティメンバーが吹き飛ばされる。
翼は徐々に修復されて行く。
回復速度が思ったよりも早い。
「ノックバックか!面倒でござる・・・・うおっ!」
「危ない!」
回転したブラックドラゴンの正面に吹き飛ばされたサクラに青く輝く高熱のブレスが直撃する。
咲耶が素早く炎耐性障壁を展開したが完全軽減には及ばずダメージを喰らった様だ。
空中に飛ばされたアルラトが剣を構え、その剣が輝き始める。
あれは【原初の光】だ、アルラトは究極剣技までコピー出来るのか?
だが武器性能自体はコピー出来ない・・・と思う。
見た目はミカさんの【ウリエガノン】と同じだが中身は【六道輪廻】のはずだから威力は1/3程度に落ちるはず。
左肩から背中に掛けて鱗を斬り裂く。
アルラトの後方から本物のミカさんが切り傷をなぞる様に剣で硬質の皮膚を斬り紫色の血液が噴き出す。
その瞬間に右の2本の手がミカさんとアルラトを鋭利な爪で斬り裂く様に薙ぎ払う。
ミカさんがアルラトを守る様な形で地面に叩きつけられる。
「フハハハハ!その傷口閉じさせはせんぞ!」
上空から暗黒神ハーデスの高らかな笑い声が聞こえる。
ブラックドラゴンの背中に付いた回復中の傷口に直接触れてゼロ距離で無属性最強の極大攻撃魔法【コールヘイレス】を放った。
暗黒神ハーデスの杖が触れている場所に光の粒子が収束し大爆発を起こし中心で有る彼の右腕ごと白い点に巻き込まれ消滅する。
ブラックドラゴンの背中に直径50センチの穴が開き肉が抉れ大ダメージを与えたのが分かる。
「グギャオオォォォン!!!」
ブラックドラゴンが唸り叫ぶ。
優先攻撃順位が間違い無くミカさんから変わった。
このままだとまずい!
私は右腕が無くなった暗黒神ハーデスを半ば強引に抱えて、素早く回復薬を使いながらブラックドラゴンから距離を取る。
その瞬間に元居た場所に巨大な尻尾が振り下ろされ地面を抉る。
「思った通りだ!魔法は発動距離によってダメージ量が違う。我はゲームシステムを超越したぞ!あーっはっはっは!」
「いや、無茶しすぎだって!自分の魔法で腕無くして何やってんの!DOS!サクラ!援護をお願い!」
更にブラックドラゴンが大口を開けて噛みつき攻撃をしてくるが辛うじて回避成功。
サクラが間に入り刀で牙を弾く。
・・・危うく2人でパクっといかれる所だった。
ブラックドラゴンの顔面にDOSの氷属性の弾丸が3連続で直撃し顔面の半分を凍らせる。
サクラが颯爽と飛びブラックドラゴンの頭部に有る片方の角に向けて【朧三日月・極】で一閃。
凍った角が根本から真っ二つに斬り飛ばす。
ブラックドラゴンは痛みに悶え全身で暴れる様に激しく動く。
大きく振られた首が私に直撃する。
予測し難い攻撃が来たせいで回避が遅れ地面に叩きつけられる。
痛い・・・痛すぎる。
鈍痛を我慢しつつ立ち上がり体制を整える。
ミカさんとアルラトが合わせる様に剣を高らかに掲げ、聖属性剣技【エデンズレイ】の巨大な2本の光の柱が落ち周囲に衝撃が走る。
地面にクレーターが出来る程の爆発が起きダメージの大きさを物語る。
クレーター中央のブラックドラゴンの体が赤、青、黄、白色に順に輝き、能力向上魔法魔法を自身にかけたのが見える。
攻撃力、防御力、魔法攻撃力、魔法防御力が向上した・・・と言う事は体力、すなわちHPの半分を削った証拠だ。
ブラックドラゴンが両翼を大きく広げ上空に舞い上がる。
DOSの空けた翼の傷は完全に塞がっている。
「皆!翼を集中攻撃するぞ!」
「我々も御助力します!」
蜥蜴人間種の魔法師団が駆けつけ皆の傷を回復する。
中型ドラゴンは残り6匹まで減っており狼人間種の戦士隊と冒険者の皆さんが畳み掛ける様に戦闘を繰り広げていた。
上空から攻撃してくるブラックドラゴンは地上よりも素早く攻撃が当て難い。
【手裏剣】や【クナイ】なんてゲームと違いノーダメージな上に弾かれる始末だ。
対空攻撃の無い私とサクラは、それぞれミカさんと暗黒神ハーデスの守りに徹する。
暗黒神ハーデスの極大攻撃魔法や魔法騎士隊の上位魔法でも上空を支配したブラックドラゴンの動きを止めることが出来無い。
上空から4本の腕で薙ぎ払いや体当たり、更に【高熱ブレス】攻撃が広範囲に及び皆が傷付き咲耶が忙しく回復補助に紛争する。
「ミカエル!ハーデス!私の方向へ真直ぐ走って来い!ブラックドラゴンを真正面から近距離イグナイトストライクでヘッドショットを狙う!」
「よし!アルラト!合わせるぞ!」
「はい!行きますよ!」
ミカさんとアルラトが【セイクルレイ】を放ち優先攻撃順位を稼ぐ。
そして暗黒神ハーデスと3人で猛ダッシュ。
私とサクラは3人を守りながら走る。
真後ろにブラックドラゴンの顔面が大口を開けながら高速で迫ってきている。
ド泊力とはこの事だ。
回避行動を取りたいがそういう訳にもいかない。
すぐ真後ろに大口を開けたブラックドラゴンが徐々に距離を詰めて迫る。
なんとかDOSの近くまで誘導しないと。
ブラックドラゴンの吐息が真後ろで聞こえてくる様な気がする。
~~~~~~怖い怖い怖い!
「あははははは!何か笑えて来た!」
「わー!シノブ殿!気を確かにするでござる!」
正面にDOSと後方から防御障壁を張った咲耶が姿が見える。
ゴールはあそこだ。
~~~~早く早く早く!
「私のギリギリで左右に回避するんだ!」
正面のDOSが私達に向けて大声で叫ぶ。
20・・・15・・・10・・・5メートル・・・
今だ!!
私達5人は同時に左右に散開する。
受け身を取ると同時に周囲が光り視界を覆う。
至近距離から【アグネイヤ】の課金弾丸が放たれ音が響き渡り、ブラックドラゴンの眉間に光の弾丸が触れた瞬間に頭部、胸部、腹部、下腹部、尻尾を真直ぐ貫く。
光の弾丸が貫通した部分が肉体が消滅する。
体の中央部分を失ったが、その両脇の肉体が突進の勢いを失わずDOSを通り過ぎる。
さながら3枚卸しの様になった体の両脇の肉片地面にぶちまけられる。
「勝った・・・勝ったぞ!」「すげぇ!」
「流石英雄様だ!」「まさに神!いや女神様!」
中型ドラゴンも全て討伐を終えた冒険者達から大きな歓声が上がる。
流石に20体の中型ドラゴンを相手にするのはきつかったらしく皆ボロボロになっていたがミカさんが立てた「命を大事に」の作戦の元にシャルとエウルゥが上手く指示を出し死者数はゼロだった様だ。
「とんでもない威力だな、DOS。制限時間ギリギリでクリティカルヒットは我も驚いたぞ。」
「・・・・ああ、自分でも驚いた。」
「美味しい所を全部持っていかれましたね。」
「凄い武器だね!僕感動したよ!」
戦闘に参加していた冒険者達の皆がDOSの所に集まり始める。
私は後方から大口で迫られる恐怖が脳裏に焼き付きシャルに縋っていた。
「うう、怖かった・・・怖かったよう。」
「逃げ回っていたシャルの膝枕を受け入れるとは相当怖かったのですね。」
「にゃはぁん、怯えるシノブさんも可愛い。」
いや、本当に怖かったんだって。
職業柄囮になる事は多いが、巨体で捕食してくるモンスターは未経験だった。
この恐怖感がゲームと違う所だ。
「エウルゥ殿、お疲れ様でござる。今夜・・・いや、今から祝杯出来そうですな!」
「ええ、サクラ様。是非御一緒させてください。」
ブラックドラゴン戦は苦戦しながらも倒す事が出来た。
私はブラックドラゴンに追いかけられた記憶は一生忘れる事は出来ないだろう。
きっとストレスがたまった時に夢に見るに違いない。
精神的トラウマを植え付けれたレイドボスイベントは、こうして終息した。
そして、この戦いに参加した冒険者全てに「ブラックドラゴンスレイヤー」の称号を得た様だ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
77
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる