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伝説の武器編

098話 クラブバー「グラズヘイム」

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「本当に4人は来ないのですか?」

昨日の内に作戦を立てた私達は2チームに分かれ仕事をする事になった。

チームA:ミカさん・DOSどっちゃん・サクラはマザーブレインと労働組合ギルドに高難易度・高報酬の仕事を斡旋して貰う。

チームB:私と咲耶と暗黒神ハーデスハーちゃんとアルラトは以前咲耶がアルバイトをしていた国営賭博場カジノ内に存在するクラブバー「グラズヘイム」で特別ゲストとして2日間働く事となった。

そして約2日間でどちらのチームが多く稼げるか勝負する事となった。

客観的に考えて高難易度の仕事といってもミカさん達なら余裕で複数こなせるだろう。
多分、分担しても楽勝だ。

英雄と言う称号補正が有るので、どんな仕事をしても高額なギャランティが期待出来るという訳だ。

DOSどっちゃんに関しては睡眠・食事不要という種族ボーナスにより頑張れば48時間連続で働く事が出来る。

彼の親の世代はバブル期で「24時間働けますか?」と言うフレーズのCMが有ったそうだ。
働いた分だけ給料が出たので効率を求める現代日本とは景気等が少し違った様だ。

昨夜の内に仕事の件でマザーブレインに謁見したミカさんが言うには、マザーブレインが30億ゴールドを月々100万ゴールド返済のリボ払いで貸しましょうかと言ってきたので丁寧にお断りしたそうだ。

熱いリボ払い押しとか超怖い。
あの国王は結構とんでもないな・・・・
返済に何百年かかるんだよ、まったく。




国営賭博場カジノ内に有るグラズヘイムは普段VIP待遇のお客様すらも今日は長蛇の列に並んでいると言う異常事態へと陥り、他のスタッフや指名数ナンバー1~4以下のキャストは全て配膳側に回らなければ間に合わない程忙しいと予測されていた。

〖グラズヘイム〗を取り仕切る人間種ヒューマンの支配人は嬉しいやらVIPの視線が痛いやらで多方面から多幸感とストレスを同時に感じていたらしい。

通常は夜19時~24時の営業だけだが、今日と明日は私達の要望で朝10時開店~夜24時閉店と言う特別営業時間に変更されている。

前日告知営業にも関わらず朝7時には国営賭博場カジノ内半分まで埋め尽くす程の待機客が来ている。

国営賭博場カジノは24時間営業なので待ち時間にも売上が上がっていると感情の無いオーナーAIがテンションが上がった様な口調で喜んでいた。

オーナーAIは実は少し人間臭いと感じた。
もしかして常に進化しているのか?

暗黒神ハーデスハーちゃん!凄く似合っているよ!」

「ふん、そうか?まぁ我が魔眼で女性客を魅了してくれるわ!」

「それはモンスター専門の特殊技能スキルでしょうに。」

暗黒神ハーデスハーちゃんは咲耶に習って胸部に補正下着を着用して男性スタッフが着用するパンツスーツタイプの正装を身に着け長い髪を後ろで結ぶ。

どこから見ても男性の様に変装していた。

サーファー上がりの様な浅黒い肌に後ろで結んだ長髪、基は女性アバターのはずだが中性的なイケメンホストの完成形だった。

そして何故か咲耶とチップ稼ぎ勝負をするらしい。

咲耶はいつもの様に綺麗な緑色ショートボブをオールバックに纏め、自前の高級スーツを着熟している。

咲耶が正統派イケメンホストで暗黒神ハーデスハーちゃんは俺様系イケメンホストと言った感じだ。

私は通常の男性用フロアスーツにして貰い、2人のヘルプとして働く予定だが開店と同時に予約指名が入っていると支配人から聞いている。

本当かよ?
どんな物好きなんだか・・・。

アルラトは普段通りのスーツだが目を離せない為、私と2人組で行動する事になっている。

アルラトは見た目が中学生男子だから、ショタ好きの顧客に好かれそうだがどうなんだろうか?

「支配人、料理は10時からの提供にして、2時間早く開店しましょう。予約は前倒しで良いでしょう。」

「そうだね、皆準備は出来てますからね。」

「ふん、問題無い。」

「僕も良いよ!」

グラズヘイムの最大収容人数は100名弱、外には1000名以上の開店待ちのお客様が押し寄せている。

チャージ料5000ゴールド。
指名料は通常とは異なり特別料金1万ゴールドと飲料料金は別になる。

私とアルラトはお店のコンプライアンスの関係で注文可能飲料はソフトドリンクなので、かなり経済的なキャストになる。

話術を駆使してより高額な注文を複数して貰えるかが勝負の決め手となる。

咲耶と暗黒神ハーデスハーちゃんは、やる気満々なので1番高いアルコールをボトルキープさせた上でシャンパンタワーとか強要するんじゃないだろうか。

そもそも全員女性キャラが男装をしているのだが外のお客様を見た感じ男女比が半々といった感じに見える。
しかも小さい子供も連れられて来ている様にも見える。

この大人の雰囲気のお店に家族連れで来ているんじゃ無いだろうか?
入店出来るのか?

支配人が国営賭博場カジノのオーナーAIに依頼してグラズヘイムの早期開店を店内・外へ放送する。

ザワザワザワ・・・

放送を聞いたお客様が反応し行列が崩れそうになる。

それを見た国営賭博場カジノ内の機械警備員が集まり、お客様が雪崩れ込まない様に改めて誘導する。

『大変お待たせしました!只今より特別ゲストを招待したイベントを開催いたします!』

そしてオーナーAI自らがグラズヘイムのオープンを宣言。
同時に支配人の手でグラズヘイムの入口の扉が開かれた。

「さぁ!皆さん張り切って行きましょう!」

「はい!」
「我が魔力、存分に味合わせてくれるわ!」
「えいえいおー!」

「深紅の薔薇」チーム対抗イベントの開催である。
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