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伝説の武器編
097話 新たな目標
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温泉街の騒動の後5人でホテルに帰還する道中、DOSと暗黒神ハーデスと出会う。
温泉街の騒動を誰かから聞いたらしく詳しい内容を尋ねて来たので、私が誇張無しで細部まで詳しく説明をしておいた。
サクラと咲耶は「今の台詞は空想が混じっている!」とか「異議有り!」と逆●裁判ばりの大袈裟な指差しをしながら否定していたが全無視しておいた。
「事件は解決したんですね。」
「覗きの容疑者2人が逮捕されて無いけどね。」
「酷いでござる!」
「酷いです!」
サクラと咲耶はブーブーと反論をしていたが全て「はいはい。」で済ます。
私達はその足で宿泊先のホテルへと帰還した。
部屋に戻るとDOSがリビングに有る楕円形のソファテーブルに皆を集め神妙な面持ちで話し始める。
「皆、聞いて欲しい事が有る。」
公営競売場に希少鉱石の【森羅万象】が出品されていた事、そして落札に協力して欲しいとの事だった。
普段冷静で控えめなDOSにしては珍しく、どうしても手に入れたいと言う欲求を全面に出してお願いをしていた。
【森羅万象】もしくは【ネオウルツァイド】はストーリーモードをプレイしてオスロウ国かハイメス国どちらかに加担すれば必ず入手出来る。
トレードや売買不可能でアイテムストレージ外に有る「重要アイテム」の欄に保管される様になるアイテムで、他のレア素材を集めてジルナークへ渡すと伝説の武器・防具を作ることが出来る。
伝説の武器に関しては大抵のプレイヤーはレア素材を集めることが出来ず作成出来なかった。
ゲームサービス中では大手ギルドのギルドマスターが1人か2人位しか入手出来なかったと聞いた。
私達がこの世界に転移してからはゲームフラグや重要アイテムは全てリセットされていたらしく持っていなかった。
「そもそも公営競売場に出品出来ないアイテムでしょう?」
ミカさんが極当たり前の質問をするが、咲耶と暗黒神ハーデスが説明する。
この世界はゲームのシステム的な制約を外れている事が有ると。
イベント回避可能、仲間にならないはずのNPCが仲間になる。
譲渡不可能アイテムが譲渡出来る。
フロアボスがダンジョンを抜け出し自由に行動出来る等、数えればキリが無い。
「確かに・・・私の【神衣カヴァーチャ】を造くる時に、何気なくDOSから【ネオウルツァイド】を手渡されたね。」
「そうでござるな、システムとして考えて無かったでござるな。」
「と、言う事は譲渡不能な課金強化装備も出品出来るって事ですか?」
通常の宝石強化装備は公営競売場出品可能だが、課金アイテムを使用した破損不可アイテムは強化時に所持者登録が行われ譲渡や出品が不可能になる。
「今、試してきた。」
DOSは自身の主力武器【シャランガーナ】を50億ゴールドで出品したと爆弾発言をして、流石に皆も驚く。
あの武器はDOSの右腕【シャランガーナ】は伝説の武器の長銃に匹敵する位に強化された愛器だ。
実験なら別の装備や譲渡不能アイテムでも良かったはず。
「DOSは伝説の武器を造ろうとしているのだ・・・伊達や酔狂で無く本気でな。我も聞いた時、耳を疑ったがな。」
一緒に公営競売場に赴いていた暗黒神ハーデスは彼の決意を真剣に話していた。
落札されなければ手元に戻ってくるから問題無いが、最悪のパターンは【シャランガーナ】が落札されて【森羅万象】が落札出来ない状況だ。
「【森羅万象】の終了日時が4日後・・・私達が出品したアビスダンジョンの素材と【シャランガーナ】は3日終了に設定してある。今から4日後までに出来るだけ多くのゴールドを集めたいんだ。協力をして欲しい!」
DOSが皆の前で土下座をし懇願する。
私は当然協力を約束する、私の防具を造って貰ったお返しが出来るからだ。
サクラと咲耶も「しょうがないな」と苦笑しながら、快く了承する。
ミカさんがソファから立ち上がり皆に宣言する。
「じゃ、皆DOSの為にバカンス返上で金策をしましょう!目標金額は・・・・60億で!」
「マスターは目標が大きいでござるな。マスターなら一人で30億はなんとかしそうでござるが。」
「まぁ落札価格が想像出来ませんからね、予算は多いに越した事は無いでしょう。それよりも伝説の武器を造るレア素材の目途は有るのですか?」
咲耶が核心となる部分をDOSに質問する。
伝説の武器は伝説の防具を造るよりも必要素材数や種類が多く設定されており、素材を集めるのが困難だ。
最終的に防御や回避はプレイヤースキルで補えるが攻撃力やDPSは特殊技能と武器攻撃力と命中力と攻撃回数に依存する為、大抵のプレイヤーは【森羅万象】を手に入れて伝説の武器を造る前にサービス最終日を迎えた人が多数だ。
・・・勿論私もその一人だった。
「ああ、もう少しだったんだ。サービス開始から集めて8割程度は揃っている。」
「DOS!私も持っている長銃用のレア素材を渡すよ。後でアイテムを教えて!」
「私も協力します、この世界に来てからもDOSには世話になっていますからね。」
残りの必要レア素材をギルドメンバーで各々持ち寄ると、伝説の長銃武器作成に必要な素材をほぼ全て揃える事が出来た。
これはもう【森羅万象】を手に入れるしかない!
ギルド「深紅の薔薇」の目標が決まり皆で新たに金策をする事となった。
温泉街の騒動を誰かから聞いたらしく詳しい内容を尋ねて来たので、私が誇張無しで細部まで詳しく説明をしておいた。
サクラと咲耶は「今の台詞は空想が混じっている!」とか「異議有り!」と逆●裁判ばりの大袈裟な指差しをしながら否定していたが全無視しておいた。
「事件は解決したんですね。」
「覗きの容疑者2人が逮捕されて無いけどね。」
「酷いでござる!」
「酷いです!」
サクラと咲耶はブーブーと反論をしていたが全て「はいはい。」で済ます。
私達はその足で宿泊先のホテルへと帰還した。
部屋に戻るとDOSがリビングに有る楕円形のソファテーブルに皆を集め神妙な面持ちで話し始める。
「皆、聞いて欲しい事が有る。」
公営競売場に希少鉱石の【森羅万象】が出品されていた事、そして落札に協力して欲しいとの事だった。
普段冷静で控えめなDOSにしては珍しく、どうしても手に入れたいと言う欲求を全面に出してお願いをしていた。
【森羅万象】もしくは【ネオウルツァイド】はストーリーモードをプレイしてオスロウ国かハイメス国どちらかに加担すれば必ず入手出来る。
トレードや売買不可能でアイテムストレージ外に有る「重要アイテム」の欄に保管される様になるアイテムで、他のレア素材を集めてジルナークへ渡すと伝説の武器・防具を作ることが出来る。
伝説の武器に関しては大抵のプレイヤーはレア素材を集めることが出来ず作成出来なかった。
ゲームサービス中では大手ギルドのギルドマスターが1人か2人位しか入手出来なかったと聞いた。
私達がこの世界に転移してからはゲームフラグや重要アイテムは全てリセットされていたらしく持っていなかった。
「そもそも公営競売場に出品出来ないアイテムでしょう?」
ミカさんが極当たり前の質問をするが、咲耶と暗黒神ハーデスが説明する。
この世界はゲームのシステム的な制約を外れている事が有ると。
イベント回避可能、仲間にならないはずのNPCが仲間になる。
譲渡不可能アイテムが譲渡出来る。
フロアボスがダンジョンを抜け出し自由に行動出来る等、数えればキリが無い。
「確かに・・・私の【神衣カヴァーチャ】を造くる時に、何気なくDOSから【ネオウルツァイド】を手渡されたね。」
「そうでござるな、システムとして考えて無かったでござるな。」
「と、言う事は譲渡不能な課金強化装備も出品出来るって事ですか?」
通常の宝石強化装備は公営競売場出品可能だが、課金アイテムを使用した破損不可アイテムは強化時に所持者登録が行われ譲渡や出品が不可能になる。
「今、試してきた。」
DOSは自身の主力武器【シャランガーナ】を50億ゴールドで出品したと爆弾発言をして、流石に皆も驚く。
あの武器はDOSの右腕【シャランガーナ】は伝説の武器の長銃に匹敵する位に強化された愛器だ。
実験なら別の装備や譲渡不能アイテムでも良かったはず。
「DOSは伝説の武器を造ろうとしているのだ・・・伊達や酔狂で無く本気でな。我も聞いた時、耳を疑ったがな。」
一緒に公営競売場に赴いていた暗黒神ハーデスは彼の決意を真剣に話していた。
落札されなければ手元に戻ってくるから問題無いが、最悪のパターンは【シャランガーナ】が落札されて【森羅万象】が落札出来ない状況だ。
「【森羅万象】の終了日時が4日後・・・私達が出品したアビスダンジョンの素材と【シャランガーナ】は3日終了に設定してある。今から4日後までに出来るだけ多くのゴールドを集めたいんだ。協力をして欲しい!」
DOSが皆の前で土下座をし懇願する。
私は当然協力を約束する、私の防具を造って貰ったお返しが出来るからだ。
サクラと咲耶も「しょうがないな」と苦笑しながら、快く了承する。
ミカさんがソファから立ち上がり皆に宣言する。
「じゃ、皆DOSの為にバカンス返上で金策をしましょう!目標金額は・・・・60億で!」
「マスターは目標が大きいでござるな。マスターなら一人で30億はなんとかしそうでござるが。」
「まぁ落札価格が想像出来ませんからね、予算は多いに越した事は無いでしょう。それよりも伝説の武器を造るレア素材の目途は有るのですか?」
咲耶が核心となる部分をDOSに質問する。
伝説の武器は伝説の防具を造るよりも必要素材数や種類が多く設定されており、素材を集めるのが困難だ。
最終的に防御や回避はプレイヤースキルで補えるが攻撃力やDPSは特殊技能と武器攻撃力と命中力と攻撃回数に依存する為、大抵のプレイヤーは【森羅万象】を手に入れて伝説の武器を造る前にサービス最終日を迎えた人が多数だ。
・・・勿論私もその一人だった。
「ああ、もう少しだったんだ。サービス開始から集めて8割程度は揃っている。」
「DOS!私も持っている長銃用のレア素材を渡すよ。後でアイテムを教えて!」
「私も協力します、この世界に来てからもDOSには世話になっていますからね。」
残りの必要レア素材をギルドメンバーで各々持ち寄ると、伝説の長銃武器作成に必要な素材をほぼ全て揃える事が出来た。
これはもう【森羅万象】を手に入れるしかない!
ギルド「深紅の薔薇」の目標が決まり皆で新たに金策をする事となった。
応援ありがとうございます!
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