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機械都市編
065話 国営賭博場「キャデラック」
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マザーブレインに謁見してから3時間後。
私達は手分けして避難民の元へと向かった。
マザーブレインの話を放送する為の映像装置を待機している兵士と避難民に見せる為の物だ。
トラブルを避ける為に暗黒神ハーデスは咲耶と一緒に東大門方面へ向かって貰う。
立体映像を投影する魔法装置を東西南北の避難場所に設置して全国民に対してマザーブレインの口から現在の状況を説明する。
『国民の皆様、私はクトゥル。この国を統括している者です。現在暗黒神の復活が近い状況に有ります。その為緊急措置として鎖国を慣行しました。国民の皆様には大変不便な状況を作り出しも追う仕分け有りませんでした。』
マザーブレインの謝罪に対して驚く人が多い。
国王に位置する人物が頭を下げる事なんて異常な事なのだろう。
マザーブレインを知っている人は驚き、会った事の無い人々は彼女の美しさに見とれている様子だった。
この状況はゲームとは全く違った展開。
これは私達の知らない別ルートに入ったと言う事だろうか。
ゲームではマザーブレインはもっと冷酷な雰囲気で問答無用で戦う事になっていた。
しかしこの世界では冷淡では有るが、理性的で話せる存在だった。
マザーブレインは今後の方針を国民に語る。
機械都市ギュノス国は半鎖国状態を維持し、食料の備蓄確保と防衛強化を実施すると話す。
仮に暗黒神が復活した場合は出入国を制限するので、この国に残る人と去る人も承知の上で判断して下さいと話す。
その後は兵士団の指示に従い。
国民は元の生活圏へと帰還して行った。
実質上レジスタンス軍は解散である。
そしてこの国で暮らす人々には普通の日常が返って来た。
現在機械都市ギュノスは上空のドームを閉じ、東に位置する正面大門のみ解放し他の大門は封鎖状態の準鎖国状態へと移行していた。
縫う国制限も以前より厳しく行われ、私達が破壊した守護機械兵も再建造中との事だった。
・
・
・
-機械都市ギュノス国 国営賭博場「キャデラック」-
ギャンブルは人を駄目にする、稀に少額の掛け金で大金が舞い込む。
脳内を快楽物質が満たし無意識にその快感が脳に依存し始める。
面白い、楽しい、悔しい、惜しい、嬉しい・・・・様々な感情が私の中から溢れ出し思考の大半を占領していく。
大金を簡単に稼ぐという目的からギャンブルを楽しむと言うルーティーンが構成されて、勝った時の記憶は鮮明に脳に刻まれ、負けた時の記憶は忘却されていく。
最終的にギャンブルに使用した金額合計が黒字なのか赤字なのか曖昧になり、その時々の勝敗に一喜一憂をする事が日常となるのだと咲耶が熱く語る。
経験者は語る的な感じだろうか・・・?
トレーダーを始めた頃の自分と重ねている的な・・・。
・
・
・
機械都市ギュノスに滞在し始めて3日が経ち、私はクリスタルタワーのマザーズルームの防衛をDOSとサクラと交代制で任されている。
私は午前7時から午後16時までの8時間勤務。
防衛と言っても特にする事は少ない、マザーブレインの話し相手と言った所だ。
借金として犯罪者歴を消して貰う事にした私達の頭上には犯罪者印は存在しない。
晴れて往来を歩ける程にはなった。
その解放感は私の心にゆとりを与えてくれた。
そして、その事が原因かは分からないが私はギャンブルに嵌ってしまった。
17時以降の私は国営賭博場で噂の人となったいた。
ビギナーズラックと仲間は言うが3日間で2億ゴールドと言う大金を稼いだ史上最年少の客として、VIP待遇を受けるほ程になっていたのだ。
何でも広告塔としてコマーシャル出演もして欲しいとオファーが有った位だ。
そして付いた二つ名は「黒蝶」。
名前の由来は良く分からない。
服のセンスから来たのだろうか。
・・・蛾とかじゃなくて良かった。
国営賭博場には専用メダルに換金する必要が有り、その際数パーセントの手数料を取られる。
ギャンブルの種類はルーレット、カードゲーム、スロット、VRモンスター格闘場が有り。
一通り楽しんだが個人的にはカードゲームが1番好きだ。
しかし最も収入が高かったのがスロットで奇跡的な確率でジャックポッドが揃い、約1億ゴールド分のメダルを獲得したのだ。
現在所持メダルは2億1303万枚と個人でも上位の入る程の所持枚数らしい。
リアルではギャンブルなんて無縁の生活を行っていた普通の女子高生。
・・・しかし私は気が付いてしまった。
私にはギャンブラーの才覚が有ると確信した。
警備の仕事が終わると、クリスタルタワー階段下に待機している車に乗り込む。
黒いリムジンの様な車と2名の女性コンシェルジュが私が来るのを待っているのだ。
彼女の名前は「アナ」と「レド」私専属のコンシェルジュで国営賭博場に所属している。
・・・と言っても私が雇っている訳じゃ無い。
私が国営賭博場にゲストとして来店する事でその事自体が入場促進になるらしい。
その為に彼女達を付けた感じらしい。
私は黒を基調にしたフォーマルなワンピースに身を包み、2人の従者と共に戦場へと赴くのが最近の日常だ。
「シノブ様、お待ちしておりました。」
「シノブ様、お待ちしておりました。」
「いつもありがとう。」
レダが車のドアを開き私は車に乗り込む。
アナは運転席に、レダは助手席に座り国営賭博場へと向かう。
改装された社内にはノンアルコール飲料が各種取り揃えられており、甘いおつまみ等も取り揃えて有る。
完全に私の好みに合わせて選択された品添えだ。
車の乗り心地は非常に良く、外部の音や道路の揺れを一切感じない造りとなっていた。
ジャズの様な曲が小さく流れる社内でゆったりと国営賭博場への到着を待つ。
「いらっしゃいませ。シノブ様、お待ちしておりました。」
初老の割に体格が良く白い髭を蓄えたダンディズム溢れるキャデラックの支配人の「ガドラ」が入口で待ち受け丁寧に会釈をし招き入れる。
中に入ると男性バトラーが私の為に用意した葡萄ジュースの入ったワイングラスを自然に渡し、私は一口だけ飲み彼の持っているトレンチに返す。
警備任務中から今日はポーカーから始めると決めていた。
ポーカーテーブルに着き空いている席に座り、ヒールを履いた足を組む。
中央にディーラーが一人と対戦相手の男性が3人。
この3人も常連らしく派手なスーツを着ている。
「これはこれは、ようこそいらっしゃいませ。【黒蝶】様。」
ポーカーのディーラーが私と両脇のコンシェルジュを見るなり大袈裟な会釈をする。
うむ、くるしゅうない。
なんだか王様になった気分が味わえるのは国営賭博場のVIP客の特権だ。
「おお!こちらが有名な!」
「確かにお若い・・・しかし気品が有りますな。」
「お手柔らかにお願いします。」
ここ3日間、国営賭博場に通って分かった事が有る、この場所を訪れる人間は3種類居る。
まず会社経営者、恐らく機械メンテナンスやプログラム関係のシステムエンジニアを統括する様な地位に居る娯楽を楽しみに通っている人間。
次に多いのが単純にギャンブル中毒の人間、着ている服は地味で見るからに一般人。
手持ちのお金が無くなるまでギャンブルを楽しむ人々。
最終的に切れて店員や機械に絡んだりしているのを見かける。
最後は極少数派だがギャンブルで生計を立てている人間、プロギャンブラーだ。
まず目付きがが違う、運が悪い日と判断したら即帰る等全てにおいて判断が早い。
初日に私にギャンブルのノウハウを教えてくれた人物が居た。
そのお姉さんは別名〖キラービー〗と呼ばれるプロギャンブラー「シルビア」だった。
身長170センチ以上、金髪ロングストレートの髪に黒色のパンツスーツを着た彼女は界隈では有名プロギャンブラーだった。
初日に良く分からずにウロウロしていた私に国営賭博場を案内してくれたのだ。
彼女も私の強運には目を見張っていた。
どうやら今日は姿が見えない様だ。
「よろしくお願いいたします。皆々様。」
優雅に挨拶をしてゲームを始める。
ポーカーの掛け金は自分で決めれるので面白い。
ただ度胸がある客は少ない。
何故なら私は倍々と賭けていくから皆降りてしまうのだ。
ものの1時間程度で3人の男性は所持金が尽きた様でポーカーテーブルを離れる。
いつの間にかポーカーテーブルの周囲には人だかりが出来ており私の勝利に歓声が上がる。
その後約2時間で1500万メダル分稼いでしまった・・・
私ってやはり天才なのかな?特殊才能授かっちゃった系女子かも。
・
・
・
「やっぱりシノブでしたか。今日も調子がよさそうですね。」
「ああ、咲耶。うん、任せて!私ギャンブル向いているみたい。」
男性ディーラー服に身を包んだ咲耶は日中はクリスタルタワーの機械メンテナンス、夜は国営賭博場でバーで働いている。
以前の村で評判が良かったのが嬉しかったのか、彼は国営賭博場内に有るクラブバー「グラズヘイム」で働いている。
恐らく今は休憩なのだろう。
彼が言うにはチップ収入が凄く良いらしい。
何でも自分のマイナス残高のカードを提示し涙を見せると、彼目当ての女性客が同情しその場で直接チャージをしてくれるらしい。
お店はそれで良いのだろうか疑問だ。
そしていつか女性に刺される未来が待っているだろう。
まぁ咲耶なら死んだふりして、状況が沈静化したら回復魔法を使うんだろうな。
「散々疑ってたのに華麗な掌返しですね。」
最初はギャンブルなんて借金が増えるだけだと思っていたけれど、案外自分自身の8億円の借金は簡単に返せるんじゃないかなと思う。
咲耶も3日間で私に次ぐ金額の約1億3000万ゴールドを稼ぎ出していた。
DOSとサクラは私と同じくクリスタルタワーの警備をしながら労働組合の依頼を中心に稼いでいるらしい。
彼ら2人に関しては手持ちの所持金でを全部使って自身の損害額を帳消しに出来たので、街の外での仕事の依頼も可能だそうだ。
昨日の近隣の村に立ち寄ってもらいリオとリナの無事も確認して貰った。
シゲオ夫妻にも私達の無時を伝えてもらった。
本当は自分達が直接伝えたいが、借金完済まで出国が禁止されている為致し方無い。
暗黒神ハーデスもマザーブレインの警護をしながら公営競売場に行き来しているらしい。
アイテムストレージ限界まで有る微レアアイテムを公営競売場で捌いているらしく、高額な資金を得ているらしい。
一切姿を見ていないので咲耶からの情報でしか状況を知らない。
大丈夫だろうか?
マザーブレインからの演算結果は未だ未定だし、しばらくは今の生活を続けるしかない。
借金完済まではまだまだ時間が掛かりそうだ。
「深紅の薔薇」統合市民IDカード
所持金合計金額
マイナス16億7000万ゴールド(累計)
所持現金合計4億9500万ゴールド
私達は手分けして避難民の元へと向かった。
マザーブレインの話を放送する為の映像装置を待機している兵士と避難民に見せる為の物だ。
トラブルを避ける為に暗黒神ハーデスは咲耶と一緒に東大門方面へ向かって貰う。
立体映像を投影する魔法装置を東西南北の避難場所に設置して全国民に対してマザーブレインの口から現在の状況を説明する。
『国民の皆様、私はクトゥル。この国を統括している者です。現在暗黒神の復活が近い状況に有ります。その為緊急措置として鎖国を慣行しました。国民の皆様には大変不便な状況を作り出しも追う仕分け有りませんでした。』
マザーブレインの謝罪に対して驚く人が多い。
国王に位置する人物が頭を下げる事なんて異常な事なのだろう。
マザーブレインを知っている人は驚き、会った事の無い人々は彼女の美しさに見とれている様子だった。
この状況はゲームとは全く違った展開。
これは私達の知らない別ルートに入ったと言う事だろうか。
ゲームではマザーブレインはもっと冷酷な雰囲気で問答無用で戦う事になっていた。
しかしこの世界では冷淡では有るが、理性的で話せる存在だった。
マザーブレインは今後の方針を国民に語る。
機械都市ギュノス国は半鎖国状態を維持し、食料の備蓄確保と防衛強化を実施すると話す。
仮に暗黒神が復活した場合は出入国を制限するので、この国に残る人と去る人も承知の上で判断して下さいと話す。
その後は兵士団の指示に従い。
国民は元の生活圏へと帰還して行った。
実質上レジスタンス軍は解散である。
そしてこの国で暮らす人々には普通の日常が返って来た。
現在機械都市ギュノスは上空のドームを閉じ、東に位置する正面大門のみ解放し他の大門は封鎖状態の準鎖国状態へと移行していた。
縫う国制限も以前より厳しく行われ、私達が破壊した守護機械兵も再建造中との事だった。
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-機械都市ギュノス国 国営賭博場「キャデラック」-
ギャンブルは人を駄目にする、稀に少額の掛け金で大金が舞い込む。
脳内を快楽物質が満たし無意識にその快感が脳に依存し始める。
面白い、楽しい、悔しい、惜しい、嬉しい・・・・様々な感情が私の中から溢れ出し思考の大半を占領していく。
大金を簡単に稼ぐという目的からギャンブルを楽しむと言うルーティーンが構成されて、勝った時の記憶は鮮明に脳に刻まれ、負けた時の記憶は忘却されていく。
最終的にギャンブルに使用した金額合計が黒字なのか赤字なのか曖昧になり、その時々の勝敗に一喜一憂をする事が日常となるのだと咲耶が熱く語る。
経験者は語る的な感じだろうか・・・?
トレーダーを始めた頃の自分と重ねている的な・・・。
・
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機械都市ギュノスに滞在し始めて3日が経ち、私はクリスタルタワーのマザーズルームの防衛をDOSとサクラと交代制で任されている。
私は午前7時から午後16時までの8時間勤務。
防衛と言っても特にする事は少ない、マザーブレインの話し相手と言った所だ。
借金として犯罪者歴を消して貰う事にした私達の頭上には犯罪者印は存在しない。
晴れて往来を歩ける程にはなった。
その解放感は私の心にゆとりを与えてくれた。
そして、その事が原因かは分からないが私はギャンブルに嵌ってしまった。
17時以降の私は国営賭博場で噂の人となったいた。
ビギナーズラックと仲間は言うが3日間で2億ゴールドと言う大金を稼いだ史上最年少の客として、VIP待遇を受けるほ程になっていたのだ。
何でも広告塔としてコマーシャル出演もして欲しいとオファーが有った位だ。
そして付いた二つ名は「黒蝶」。
名前の由来は良く分からない。
服のセンスから来たのだろうか。
・・・蛾とかじゃなくて良かった。
国営賭博場には専用メダルに換金する必要が有り、その際数パーセントの手数料を取られる。
ギャンブルの種類はルーレット、カードゲーム、スロット、VRモンスター格闘場が有り。
一通り楽しんだが個人的にはカードゲームが1番好きだ。
しかし最も収入が高かったのがスロットで奇跡的な確率でジャックポッドが揃い、約1億ゴールド分のメダルを獲得したのだ。
現在所持メダルは2億1303万枚と個人でも上位の入る程の所持枚数らしい。
リアルではギャンブルなんて無縁の生活を行っていた普通の女子高生。
・・・しかし私は気が付いてしまった。
私にはギャンブラーの才覚が有ると確信した。
警備の仕事が終わると、クリスタルタワー階段下に待機している車に乗り込む。
黒いリムジンの様な車と2名の女性コンシェルジュが私が来るのを待っているのだ。
彼女の名前は「アナ」と「レド」私専属のコンシェルジュで国営賭博場に所属している。
・・・と言っても私が雇っている訳じゃ無い。
私が国営賭博場にゲストとして来店する事でその事自体が入場促進になるらしい。
その為に彼女達を付けた感じらしい。
私は黒を基調にしたフォーマルなワンピースに身を包み、2人の従者と共に戦場へと赴くのが最近の日常だ。
「シノブ様、お待ちしておりました。」
「シノブ様、お待ちしておりました。」
「いつもありがとう。」
レダが車のドアを開き私は車に乗り込む。
アナは運転席に、レダは助手席に座り国営賭博場へと向かう。
改装された社内にはノンアルコール飲料が各種取り揃えられており、甘いおつまみ等も取り揃えて有る。
完全に私の好みに合わせて選択された品添えだ。
車の乗り心地は非常に良く、外部の音や道路の揺れを一切感じない造りとなっていた。
ジャズの様な曲が小さく流れる社内でゆったりと国営賭博場への到着を待つ。
「いらっしゃいませ。シノブ様、お待ちしておりました。」
初老の割に体格が良く白い髭を蓄えたダンディズム溢れるキャデラックの支配人の「ガドラ」が入口で待ち受け丁寧に会釈をし招き入れる。
中に入ると男性バトラーが私の為に用意した葡萄ジュースの入ったワイングラスを自然に渡し、私は一口だけ飲み彼の持っているトレンチに返す。
警備任務中から今日はポーカーから始めると決めていた。
ポーカーテーブルに着き空いている席に座り、ヒールを履いた足を組む。
中央にディーラーが一人と対戦相手の男性が3人。
この3人も常連らしく派手なスーツを着ている。
「これはこれは、ようこそいらっしゃいませ。【黒蝶】様。」
ポーカーのディーラーが私と両脇のコンシェルジュを見るなり大袈裟な会釈をする。
うむ、くるしゅうない。
なんだか王様になった気分が味わえるのは国営賭博場のVIP客の特権だ。
「おお!こちらが有名な!」
「確かにお若い・・・しかし気品が有りますな。」
「お手柔らかにお願いします。」
ここ3日間、国営賭博場に通って分かった事が有る、この場所を訪れる人間は3種類居る。
まず会社経営者、恐らく機械メンテナンスやプログラム関係のシステムエンジニアを統括する様な地位に居る娯楽を楽しみに通っている人間。
次に多いのが単純にギャンブル中毒の人間、着ている服は地味で見るからに一般人。
手持ちのお金が無くなるまでギャンブルを楽しむ人々。
最終的に切れて店員や機械に絡んだりしているのを見かける。
最後は極少数派だがギャンブルで生計を立てている人間、プロギャンブラーだ。
まず目付きがが違う、運が悪い日と判断したら即帰る等全てにおいて判断が早い。
初日に私にギャンブルのノウハウを教えてくれた人物が居た。
そのお姉さんは別名〖キラービー〗と呼ばれるプロギャンブラー「シルビア」だった。
身長170センチ以上、金髪ロングストレートの髪に黒色のパンツスーツを着た彼女は界隈では有名プロギャンブラーだった。
初日に良く分からずにウロウロしていた私に国営賭博場を案内してくれたのだ。
彼女も私の強運には目を見張っていた。
どうやら今日は姿が見えない様だ。
「よろしくお願いいたします。皆々様。」
優雅に挨拶をしてゲームを始める。
ポーカーの掛け金は自分で決めれるので面白い。
ただ度胸がある客は少ない。
何故なら私は倍々と賭けていくから皆降りてしまうのだ。
ものの1時間程度で3人の男性は所持金が尽きた様でポーカーテーブルを離れる。
いつの間にかポーカーテーブルの周囲には人だかりが出来ており私の勝利に歓声が上がる。
その後約2時間で1500万メダル分稼いでしまった・・・
私ってやはり天才なのかな?特殊才能授かっちゃった系女子かも。
・
・
・
「やっぱりシノブでしたか。今日も調子がよさそうですね。」
「ああ、咲耶。うん、任せて!私ギャンブル向いているみたい。」
男性ディーラー服に身を包んだ咲耶は日中はクリスタルタワーの機械メンテナンス、夜は国営賭博場でバーで働いている。
以前の村で評判が良かったのが嬉しかったのか、彼は国営賭博場内に有るクラブバー「グラズヘイム」で働いている。
恐らく今は休憩なのだろう。
彼が言うにはチップ収入が凄く良いらしい。
何でも自分のマイナス残高のカードを提示し涙を見せると、彼目当ての女性客が同情しその場で直接チャージをしてくれるらしい。
お店はそれで良いのだろうか疑問だ。
そしていつか女性に刺される未来が待っているだろう。
まぁ咲耶なら死んだふりして、状況が沈静化したら回復魔法を使うんだろうな。
「散々疑ってたのに華麗な掌返しですね。」
最初はギャンブルなんて借金が増えるだけだと思っていたけれど、案外自分自身の8億円の借金は簡単に返せるんじゃないかなと思う。
咲耶も3日間で私に次ぐ金額の約1億3000万ゴールドを稼ぎ出していた。
DOSとサクラは私と同じくクリスタルタワーの警備をしながら労働組合の依頼を中心に稼いでいるらしい。
彼ら2人に関しては手持ちの所持金でを全部使って自身の損害額を帳消しに出来たので、街の外での仕事の依頼も可能だそうだ。
昨日の近隣の村に立ち寄ってもらいリオとリナの無事も確認して貰った。
シゲオ夫妻にも私達の無時を伝えてもらった。
本当は自分達が直接伝えたいが、借金完済まで出国が禁止されている為致し方無い。
暗黒神ハーデスもマザーブレインの警護をしながら公営競売場に行き来しているらしい。
アイテムストレージ限界まで有る微レアアイテムを公営競売場で捌いているらしく、高額な資金を得ているらしい。
一切姿を見ていないので咲耶からの情報でしか状況を知らない。
大丈夫だろうか?
マザーブレインからの演算結果は未だ未定だし、しばらくは今の生活を続けるしかない。
借金完済まではまだまだ時間が掛かりそうだ。
「深紅の薔薇」統合市民IDカード
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マイナス16億7000万ゴールド(累計)
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