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機械都市編
056話 作戦開始!
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-機械都市ギュノス国 南大門前-
南に位置する第2大門前に約80名のレジスタンス部隊が私達の後方に待機している
。
大門前には守護機械兵「ヴィルーダカ」が大門を守っている。
青い鎧を纏った戦士型のフォルムで手には「戟」と呼ばれる槍の様な武器を構えている。
全長はドゥリタラーシュトラと同じ3メートル程度だが、かなり細めの体型で素早さと回避能力に長け攻撃射程も広いのが特徴だ。
東側に有る正面大門の守護機械兵は以前破壊した。
ゲーム同様に再生されているかも知れないと思ったが特に再配置されていなかった。
既に大門前に突入部隊を配置済だ。
西大門と北大門にも各隊長をリーダーとしたそれぞれ部隊が待機している。
私と咲耶と支援魔法が使えるギュノス兵、魔法職の冒険者の数名で残り3体の守護機械兵を破壊し門を解放する。
「私が槍を引き付けて、なるべく隙を作るから咲耶は懐に入り込んでボッコボコにしてくれる?」
「任されました!守護機械兵は全部、私が倒して見せます。」
守護機械兵の弱点は電撃属性で統一されている為、咲耶の武器が1番ダメージが期待出来る。
この戦いにおいては確実に彼が主役だ。
ギュノス兵が補助魔法を使い暖かい光に包まれ多少身体能力が向上する。
さらに物理障壁を張り、冒険者も電撃魔法の詠唱を開始する。
「じゃボチボチ行きますか。魔法士は中距離まで接近して適度に電撃魔法を、私もシノブも耐性が有るので容赦なく打ち込んで大丈夫です。」
咲耶は部隊の冒険者に指示を出す。
咲耶の装備は電撃に対してほぼ完全耐性を有しているのに対し、私の装備の耐性では良い所半減が限界だろう。
冒険者の上位魔法では大したダメージはないかもだけど、避けろって事だね。
「じゃ、先行する!」
私は【影分身】を使用し走り出す。
後方を咲耶と馬に乗った魔法隊が追従する。
守護機械兵ヴィルーダカとの距離は約100メートルに到達した瞬間に起動する。
【索敵】に巨大な赤い版覆うが出現する。
約10メートルまで接近した所でヴィルーダカの両目が赤く輝き此方を静かに見据える。
【縮地】を発動し二刀流で【不知火】を使い4人で優先攻撃順位稼ぐ。
後方から冒険者の雷撃球を放ちヴィルーダカを襲う。
幾重にも重なる多重攻撃で守護機械兵を翻弄する。
「シノブ!!」
後方から近距離に迫った咲耶が叫び、私と分身体は四方に散る様に飛びのく。
ヴィルーダカの真下に来た咲耶は【雷槌ミョルニル】を持った右腕を高らかに掲げ叫ぶ。
「穿て!雷槌!【神ノ雷】!」
ヴィルーダカの頭上が一瞬輝き巨大な雷柱が咲耶の【雷槌ミョルニル】目掛けて落ちる。
雷が放つ独特の轟音と共に周囲に衝撃波と爆発が起きる。
ダメージは大きいはずだが一撃で倒せる程甘くない。
咲耶の雷を喰らい怯んだヴィルーダカの左脚を振り上げた大槌がクリーンヒットし粉砕する。
左脚が砕け散り致命的なダメージを受けバランスを崩す。
その姿を見た冒険者達が接近し雷撃球が一斉に頭部を目掛け放つ。
距離を詰めた事で幾つもの雷撃球がヴィルーダカに全弾直撃する。
「おお、やったか!」「勝った!」
雷撃玉の直撃を見た冒険者達が歓喜の声を上げる。
同時に落雷で舞った粉塵の中から槍の刃先が突き出し、その槍が起こす爆風が冒険者達を巻き込んで薙ぎ払う。
冒険者と後方支援の兵士が弾き飛ばされ刃先が直撃した者は体が弾ける様に四散する。
悲鳴と恐怖が冒険者に動揺を与える。
「ちぃ!中距離で待機しろと言ったのに。油断しないでください!物理防御障壁を張り直してください!後、死亡フラグ禁止です!!」
咲耶が多少苛立った様子で指示を出す。
口ではNPCだと言いながらも仲間の冒険者や兵士が死ぬのは気に障る様だ。
彼も少しずつ変わりつつあるのかも知れない。
冷静さを取り戻した兵士達が体制を立て直し、負傷した人間に対して回復魔法を掛ける。
ヴィルーダカの左脚が自己再生を始め歪な形の簡易的な脚が出来上がり立ち上がる。
そして巨体を翻し咲耶目掛けて襲い掛かる。
大振りな左腕の薙ぎ払いが咲耶を捉え弾き飛ばされる。
先の雷撃と打撃のダメージで優先攻撃順位が咲耶に向いてしまった。
【神ノ雷】の再充填時間が終わるまで回避能力の高い私に意識を向けさせなければ咲耶の回避能力ではダメージを喰らってしまう。
「喰らえ!【地獄ノ業火】!」
蒼い炎の連撃でヴィルーダカの胸部を4人で一斉に強襲する。
電撃以外の魔法耐性と物理防御の高い守護機械兵には効果が薄い。
私の最高攻撃力でも抑え込み、多少傷を付ける程度でしかない。
このゲームの忍術は五行思想に由来する。
火・水・木・金・土の遁術に依存していて雷を冠する特殊技能が無い。
しかも攻撃に関する遁術は火だけだ。
残りは自然の地形効果を利用した防御効果の術ばかりだ。
よって私は守護機械兵の弱点を付く攻撃が無い。
その為かたまには咲耶みたいに派手な攻撃に憧れる。
結局胸部に多少のヒビを入れただけで振り払われる。
ヴィルーダカは槍を構え直し刺突攻撃をして来る。
しかし所詮は大振りだ回避は余裕。
脚の関節を狙い【不知火】で集中攻撃を行う。
守護機械兵との連戦と都市戦にクリスタルタワー内部の事を考えると、【地獄ノ業火】での連戦は自然回復が有るにせよ燃費的に微妙だ。
咲耶が攻撃に割って入り、胸部の罅割れに追撃を加えアーマーを砕く。
同時に私の攻撃で右脚の関節を破壊し姿勢を崩し仰向けに仰け反る形で倒す。
私は特殊技能【影縫い】を使用する。
【影縫い】は成功率35パーセントで相手を暫く行動不能にする特殊技能だ。
咲耶の大槌が胸部に刺さったままヴィルーダカの両腕が開いた状態で地面に貼り付ける。
成功だ!
所詮は中ボス、レイドボスの様に状態異常無効化能力は所持していない。
「流石ですシノブ!補助隊!能力向上魔法を掛けてください!」
【影縫い】が成功したのは完全に運だったけど、咲耶がトドメを刺してくれるはずだ。
後方の回復に回っていたギュノス兵が咲耶に向かって能力向上魔法を掛ける。
両手で自身の頭上に掲げた【雷槌ミョルニル】を守護機械兵の顔面に殴打を与える。
直撃した状態で咲耶が不敵な笑みを浮かべ叫ぶ。
「これで終わりです!轟け雷鳴よ!【神ノ雷】!」
轟音と共にひと際大きな雷柱が守護機械兵に向けて落ち直撃。
咲耶を残し、ヴィルーダカの全身が粉々に砕け散った。
勝つ事は出来たが冒険者2名、補助魔法兵3名が死亡。
負傷者3名。
完封出来なかったのが悔やまれる。
回復もそこそこに負傷者は待機部隊に任せ、私達は馬に跨り西大門に向かう。
南に位置する第2大門前に約80名のレジスタンス部隊が私達の後方に待機している
。
大門前には守護機械兵「ヴィルーダカ」が大門を守っている。
青い鎧を纏った戦士型のフォルムで手には「戟」と呼ばれる槍の様な武器を構えている。
全長はドゥリタラーシュトラと同じ3メートル程度だが、かなり細めの体型で素早さと回避能力に長け攻撃射程も広いのが特徴だ。
東側に有る正面大門の守護機械兵は以前破壊した。
ゲーム同様に再生されているかも知れないと思ったが特に再配置されていなかった。
既に大門前に突入部隊を配置済だ。
西大門と北大門にも各隊長をリーダーとしたそれぞれ部隊が待機している。
私と咲耶と支援魔法が使えるギュノス兵、魔法職の冒険者の数名で残り3体の守護機械兵を破壊し門を解放する。
「私が槍を引き付けて、なるべく隙を作るから咲耶は懐に入り込んでボッコボコにしてくれる?」
「任されました!守護機械兵は全部、私が倒して見せます。」
守護機械兵の弱点は電撃属性で統一されている為、咲耶の武器が1番ダメージが期待出来る。
この戦いにおいては確実に彼が主役だ。
ギュノス兵が補助魔法を使い暖かい光に包まれ多少身体能力が向上する。
さらに物理障壁を張り、冒険者も電撃魔法の詠唱を開始する。
「じゃボチボチ行きますか。魔法士は中距離まで接近して適度に電撃魔法を、私もシノブも耐性が有るので容赦なく打ち込んで大丈夫です。」
咲耶は部隊の冒険者に指示を出す。
咲耶の装備は電撃に対してほぼ完全耐性を有しているのに対し、私の装備の耐性では良い所半減が限界だろう。
冒険者の上位魔法では大したダメージはないかもだけど、避けろって事だね。
「じゃ、先行する!」
私は【影分身】を使用し走り出す。
後方を咲耶と馬に乗った魔法隊が追従する。
守護機械兵ヴィルーダカとの距離は約100メートルに到達した瞬間に起動する。
【索敵】に巨大な赤い版覆うが出現する。
約10メートルまで接近した所でヴィルーダカの両目が赤く輝き此方を静かに見据える。
【縮地】を発動し二刀流で【不知火】を使い4人で優先攻撃順位稼ぐ。
後方から冒険者の雷撃球を放ちヴィルーダカを襲う。
幾重にも重なる多重攻撃で守護機械兵を翻弄する。
「シノブ!!」
後方から近距離に迫った咲耶が叫び、私と分身体は四方に散る様に飛びのく。
ヴィルーダカの真下に来た咲耶は【雷槌ミョルニル】を持った右腕を高らかに掲げ叫ぶ。
「穿て!雷槌!【神ノ雷】!」
ヴィルーダカの頭上が一瞬輝き巨大な雷柱が咲耶の【雷槌ミョルニル】目掛けて落ちる。
雷が放つ独特の轟音と共に周囲に衝撃波と爆発が起きる。
ダメージは大きいはずだが一撃で倒せる程甘くない。
咲耶の雷を喰らい怯んだヴィルーダカの左脚を振り上げた大槌がクリーンヒットし粉砕する。
左脚が砕け散り致命的なダメージを受けバランスを崩す。
その姿を見た冒険者達が接近し雷撃球が一斉に頭部を目掛け放つ。
距離を詰めた事で幾つもの雷撃球がヴィルーダカに全弾直撃する。
「おお、やったか!」「勝った!」
雷撃玉の直撃を見た冒険者達が歓喜の声を上げる。
同時に落雷で舞った粉塵の中から槍の刃先が突き出し、その槍が起こす爆風が冒険者達を巻き込んで薙ぎ払う。
冒険者と後方支援の兵士が弾き飛ばされ刃先が直撃した者は体が弾ける様に四散する。
悲鳴と恐怖が冒険者に動揺を与える。
「ちぃ!中距離で待機しろと言ったのに。油断しないでください!物理防御障壁を張り直してください!後、死亡フラグ禁止です!!」
咲耶が多少苛立った様子で指示を出す。
口ではNPCだと言いながらも仲間の冒険者や兵士が死ぬのは気に障る様だ。
彼も少しずつ変わりつつあるのかも知れない。
冷静さを取り戻した兵士達が体制を立て直し、負傷した人間に対して回復魔法を掛ける。
ヴィルーダカの左脚が自己再生を始め歪な形の簡易的な脚が出来上がり立ち上がる。
そして巨体を翻し咲耶目掛けて襲い掛かる。
大振りな左腕の薙ぎ払いが咲耶を捉え弾き飛ばされる。
先の雷撃と打撃のダメージで優先攻撃順位が咲耶に向いてしまった。
【神ノ雷】の再充填時間が終わるまで回避能力の高い私に意識を向けさせなければ咲耶の回避能力ではダメージを喰らってしまう。
「喰らえ!【地獄ノ業火】!」
蒼い炎の連撃でヴィルーダカの胸部を4人で一斉に強襲する。
電撃以外の魔法耐性と物理防御の高い守護機械兵には効果が薄い。
私の最高攻撃力でも抑え込み、多少傷を付ける程度でしかない。
このゲームの忍術は五行思想に由来する。
火・水・木・金・土の遁術に依存していて雷を冠する特殊技能が無い。
しかも攻撃に関する遁術は火だけだ。
残りは自然の地形効果を利用した防御効果の術ばかりだ。
よって私は守護機械兵の弱点を付く攻撃が無い。
その為かたまには咲耶みたいに派手な攻撃に憧れる。
結局胸部に多少のヒビを入れただけで振り払われる。
ヴィルーダカは槍を構え直し刺突攻撃をして来る。
しかし所詮は大振りだ回避は余裕。
脚の関節を狙い【不知火】で集中攻撃を行う。
守護機械兵との連戦と都市戦にクリスタルタワー内部の事を考えると、【地獄ノ業火】での連戦は自然回復が有るにせよ燃費的に微妙だ。
咲耶が攻撃に割って入り、胸部の罅割れに追撃を加えアーマーを砕く。
同時に私の攻撃で右脚の関節を破壊し姿勢を崩し仰向けに仰け反る形で倒す。
私は特殊技能【影縫い】を使用する。
【影縫い】は成功率35パーセントで相手を暫く行動不能にする特殊技能だ。
咲耶の大槌が胸部に刺さったままヴィルーダカの両腕が開いた状態で地面に貼り付ける。
成功だ!
所詮は中ボス、レイドボスの様に状態異常無効化能力は所持していない。
「流石ですシノブ!補助隊!能力向上魔法を掛けてください!」
【影縫い】が成功したのは完全に運だったけど、咲耶がトドメを刺してくれるはずだ。
後方の回復に回っていたギュノス兵が咲耶に向かって能力向上魔法を掛ける。
両手で自身の頭上に掲げた【雷槌ミョルニル】を守護機械兵の顔面に殴打を与える。
直撃した状態で咲耶が不敵な笑みを浮かべ叫ぶ。
「これで終わりです!轟け雷鳴よ!【神ノ雷】!」
轟音と共にひと際大きな雷柱が守護機械兵に向けて落ち直撃。
咲耶を残し、ヴィルーダカの全身が粉々に砕け散った。
勝つ事は出来たが冒険者2名、補助魔法兵3名が死亡。
負傷者3名。
完封出来なかったのが悔やまれる。
回復もそこそこに負傷者は待機部隊に任せ、私達は馬に跨り西大門に向かう。
応援ありがとうございます!
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