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第14話 特訓
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部屋に戻った俺は、今日のことを振り返っていた。
朝の修行の『ルフの神木』登りはいいとこ20mが限界で、昼の修行のソニックラビット狩りは、身体強化に夢中になりすぎて魔力切れで気を失ってしまった。
駄目だな。まだ初日とはいえ、これでは先が思いやられる。
どうするべきかと考えているとシルに呼びかけられる。
「ジーク!ねぇ!ジークってば!」
「………っ!?ど、どうした?」
シルの人形のように綺麗な顔が急に目の前に現れ、驚いて少し後退りしてしまう。
「もう!何回も呼んでるのに返事もしないんだから!」
「………ごめん。ちょっと考え事してた」
「考え事?何を考えてたの?」
俺のことをシルは何回も呼んでいたらしい。
考え事に夢中で全然気付いていなかった。
「いや、今日の結果が全然だめだったからどうすればいいかと思ってな………」
「そういうことね」
「そういや、シルはソニックラビットを2匹狩ったんだよな?どうやったんだ?」
「私?私は光魔法でピカッと目眩しして動きを止めてから風魔法で仕留めたかな」
「おお………!すごいな」
シルは、しっかりと魔法と使って仕留めたとのことだった。
光魔法と風魔法をどちらも使える彼女だからこその方法で、真似することはできないが、参考にはなった。
なるほど………。
「そ、それでね、今日は一緒に寝たいなぁ~って思うんだけど、どうかな?」
「………うん」
速すぎて捕まえられないなら、まずその動きを止めればいいのか。
「ほんと!?絶対だよ?!」
「………うん」
問題はどうやって動きを止めるかだな。
「じゃあおやすみ!ジーク!」
「………うん、おやすみ………」
シルのように光魔法が使えるわけじゃないし………。
………え?シ、シル!?どうして俺の布団で寝てるんだ!?
対策について考え事をしてたら、いつの間にかシルが俺の布団の中で寝ていた。理解の追いつかない状況に慌てる。
「ちょ、ちょっと、シル!起きてくれ!」
「むにゃむにゃ………えへへぇ………じーくぅ………」
さぞ良い夢でも見ているのか、シルは幸せそうな寝顔を浮かべて、起きる気配はない。
「駄目だ………全く起きない………」
しょうがない………寝るか。
俺に抱きついて寝ているシルを無理やり離すわけにはいかないし、諦めて寝ることにした。
♢ ♢ ♢
翌朝、俺は目を覚ました。
隣でまだ寝ているシルを起こさないようにゆっくりと起きて、師匠の家に置いてあった剣を持ち、外に出る。
外はやっと朝日が見え始めたくらいで、まだ薄暗い。
俺がこんな早い時間に起きたのにはわけがある。
昨日の修行で力不足を痛感した俺は、1人で特訓をすることにした。
まずは、ここから走って1時間くらいの湖までのランニングを行きと帰りの一往復。
そして、湖に着いてからはそこで素振りを1000回、腕たせ伏せを1000回、腹筋を1000回、加えて身体強化と魔力回復魔法を使って、できる限り持続させるという訓練をする事にした。
「よし!やってやるぞ!」
絶対に強くなってやる!という決意を胸に、俺の毎日の日課が決まった。
♢ ♢ ♢
【1ヶ月後】
俺は、この日も早朝に起きていつもの日課の特訓をしていた。
最初の頃は、それをこなした後に修行も、としていると毎日へとへとになっていたが、1ヶ月も続けていくうちに、体力もついてきて、今では問題なくこなしていけるようになっている。
今の俺のステータスはこんな感じになっている。
名前:ジーク
種族:人間
HP:100/100
魔力:100/100
筋力:35
耐久:30
敏捷:35
《スキル》
【上級】火魔法・・・火属性の魔法
【上級】剣術・・・剣の扱いが上手くなる
【特級】鑑定・・・あらゆるものの情報を見ることができる
【王級】魔力回復魔法・・・不明
順調にステータスが伸びて、この特訓の成果を感じられていた。
修行の方は、『ルフの神木』登りは40mぐらい、魔物狩りは日によってまちまちだが0匹ということは無くなっていた。
「そろそろ増やしてもいいかもな………」
この毎日の日課に慣れてきたので、内容を変えてもいいかもなと考えていると、近くの茂みからガサッとした音が聞こえる。
「誰かいるのか………?」
俺は誰かいるのかと思い、茂みの方に声をかけた。
するとそこから出てきたのは、なんとセレナさんだった。
「セ、セレナさん!?どうしてこんな所に………?」
朝の修行の『ルフの神木』登りはいいとこ20mが限界で、昼の修行のソニックラビット狩りは、身体強化に夢中になりすぎて魔力切れで気を失ってしまった。
駄目だな。まだ初日とはいえ、これでは先が思いやられる。
どうするべきかと考えているとシルに呼びかけられる。
「ジーク!ねぇ!ジークってば!」
「………っ!?ど、どうした?」
シルの人形のように綺麗な顔が急に目の前に現れ、驚いて少し後退りしてしまう。
「もう!何回も呼んでるのに返事もしないんだから!」
「………ごめん。ちょっと考え事してた」
「考え事?何を考えてたの?」
俺のことをシルは何回も呼んでいたらしい。
考え事に夢中で全然気付いていなかった。
「いや、今日の結果が全然だめだったからどうすればいいかと思ってな………」
「そういうことね」
「そういや、シルはソニックラビットを2匹狩ったんだよな?どうやったんだ?」
「私?私は光魔法でピカッと目眩しして動きを止めてから風魔法で仕留めたかな」
「おお………!すごいな」
シルは、しっかりと魔法と使って仕留めたとのことだった。
光魔法と風魔法をどちらも使える彼女だからこその方法で、真似することはできないが、参考にはなった。
なるほど………。
「そ、それでね、今日は一緒に寝たいなぁ~って思うんだけど、どうかな?」
「………うん」
速すぎて捕まえられないなら、まずその動きを止めればいいのか。
「ほんと!?絶対だよ?!」
「………うん」
問題はどうやって動きを止めるかだな。
「じゃあおやすみ!ジーク!」
「………うん、おやすみ………」
シルのように光魔法が使えるわけじゃないし………。
………え?シ、シル!?どうして俺の布団で寝てるんだ!?
対策について考え事をしてたら、いつの間にかシルが俺の布団の中で寝ていた。理解の追いつかない状況に慌てる。
「ちょ、ちょっと、シル!起きてくれ!」
「むにゃむにゃ………えへへぇ………じーくぅ………」
さぞ良い夢でも見ているのか、シルは幸せそうな寝顔を浮かべて、起きる気配はない。
「駄目だ………全く起きない………」
しょうがない………寝るか。
俺に抱きついて寝ているシルを無理やり離すわけにはいかないし、諦めて寝ることにした。
♢ ♢ ♢
翌朝、俺は目を覚ました。
隣でまだ寝ているシルを起こさないようにゆっくりと起きて、師匠の家に置いてあった剣を持ち、外に出る。
外はやっと朝日が見え始めたくらいで、まだ薄暗い。
俺がこんな早い時間に起きたのにはわけがある。
昨日の修行で力不足を痛感した俺は、1人で特訓をすることにした。
まずは、ここから走って1時間くらいの湖までのランニングを行きと帰りの一往復。
そして、湖に着いてからはそこで素振りを1000回、腕たせ伏せを1000回、腹筋を1000回、加えて身体強化と魔力回復魔法を使って、できる限り持続させるという訓練をする事にした。
「よし!やってやるぞ!」
絶対に強くなってやる!という決意を胸に、俺の毎日の日課が決まった。
♢ ♢ ♢
【1ヶ月後】
俺は、この日も早朝に起きていつもの日課の特訓をしていた。
最初の頃は、それをこなした後に修行も、としていると毎日へとへとになっていたが、1ヶ月も続けていくうちに、体力もついてきて、今では問題なくこなしていけるようになっている。
今の俺のステータスはこんな感じになっている。
名前:ジーク
種族:人間
HP:100/100
魔力:100/100
筋力:35
耐久:30
敏捷:35
《スキル》
【上級】火魔法・・・火属性の魔法
【上級】剣術・・・剣の扱いが上手くなる
【特級】鑑定・・・あらゆるものの情報を見ることができる
【王級】魔力回復魔法・・・不明
順調にステータスが伸びて、この特訓の成果を感じられていた。
修行の方は、『ルフの神木』登りは40mぐらい、魔物狩りは日によってまちまちだが0匹ということは無くなっていた。
「そろそろ増やしてもいいかもな………」
この毎日の日課に慣れてきたので、内容を変えてもいいかもなと考えていると、近くの茂みからガサッとした音が聞こえる。
「誰かいるのか………?」
俺は誰かいるのかと思い、茂みの方に声をかけた。
するとそこから出てきたのは、なんとセレナさんだった。
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