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第1話 伝説の始まり(前編)
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俺_____ジークは今、この王都『センテラス』を魔物暴走から守る為に正門の前にいる。
10000体は越えようかという魔物の数に周りの衛兵、冒険者達は萎縮してしまって今にも逃げ出しそうにしている。
魔物10000体に対してこちらの人数は、いいとこ300人かそこらである。
目に見えて近づいてくる恐怖に、周りの人達が慌て始める。
「おい………!む、無理だろあんな数!」
「とても俺達だけでどうにかなるもんじゃねーぞ!」
「逃げるしかねぇよ!」
「逃げるたってどこにだよ!このままだとこの王都が魔物の群れに呑まれてしまうんだぞ!?」
魔物の群れはこちらを目指して今だに進行を続けている。
群れの中には、D級『オーク』、C級『サイクロプス』、B級『ミノタウロス』など様々な種類がいる。
その群れの奥には、この魔物暴走の元凶と思われるS級魔物『ヒュドラ』がいた。
「サイクロプスにミノタウルスまで…………!」
「お、おい………その奥にいるのって……!」
「S級魔物のヒュドラか!?」
「嘘だろ………!?」
「終わった………!もうこの王都は終わりだ……!」
大量の魔物の数に加えて、S級冒険者しか倒せないとされているS級魔物のヒュドラがいることがわかり、より一層周りに絶望感が漂う。
今この場には、S級冒険者はおろかA級冒険者さえいない。
そんな状態ではこの状況はまさに絶望的であった。
「ジーク?」
「貴方、まさか…………」
幼馴染のシルヴィとエルフのセレナが心配そうに見つめる中、俺は集団の中から前に出る。
「お、おい!小僧何してんだ!」
「早くしないと逃げ遅れるぞ!」
「てめぇ、もしかして…………!」
「あんなのに向かってたら命がいくつあっても足んねーぞ!」
「お前みたいな魔力値100がどうにかなる相手じゃないぞ!」
俺が前に出ると、周りの冒険者達が忠告してくる。
「シル、ここを守ってもらってもいいか?」
「ジークはどうするの………?」
「……俺はあいつらを倒しに行く」
「わかった……。でも無茶しちゃ駄目だよ!」
シルは心配そうに見つめてくるが、俺はもう決心していた。
彼女の魔力値と光魔法なら十分な時間ここを守ることはできるだろう。
「あれを相手に1人で挑むつもり?」
セレナは、奥にいるヒュドラを視線を一度送ってからこちらを見つめてくる。
「全部を俺1人でやろうって訳じゃないさ。ただこの絶望的な雰囲気を払拭する為には、誰かが勢いをつけなきゃいけないからな」
「はぁ……分かったわ………。どうせ止めたって聞かないものね」
「………ごめんな」
「別に謝ることじゃないわ……。ジークのそういうところ嫌いじゃないもの」
今のこの誰もが諦めかけてる状況を打破する為には、誰かが希望を見せなきゃいけない。
そのために俺は命を賭けよう。
「よし!シルはここを頼んだ!セレナは城壁から俺の撃ち漏らした敵を倒してくれ!」
「おっけー!」
「分かったわ!」
シルとセレナに指示を出し、俺は戦う準備をする。
「おい、あいつら何かする気だぞ……!」
「何をしようと無駄だろ………」
「もうどうにもできやしねぇよ……」
「俺たちはもう終わりだ………」
全てを諦めたような声が聞こえる。
その声を皮切りに俺は戦いを始める。
「やるぞ、イフリート!剣に魔力20、身体に魔力30だ」
《おう、ジーク!最初っから飛ばすじゃねぇか!》
「うるせぇ、さっさとしろ!」
火の賢者の石【イフリート】に言い、自分の魔力を火に変える。
そして物体強化でその火を剣に、身体強化で身体に纏わせる。剣は燃え盛る炎のような刀身に変わり、俺の身体は炎のオーラを纏っている。
「フンッ!」
掛け声と共に俺は、強化した剣を振るった。
その瞬間、剣から炎の斬撃が出る。
斬撃は凄まじい速度で魔物の群れにぶつかると、500を超える魔物を燃やし尽くす。
「え…………!?」
「な、なんだ!?今のは!?」
「あの小僧が剣を振った瞬間、炎の斬撃が出て魔物を蹴散らしたぞ!?」
「あ、ああ!それになんだあの剣!刀身が燃えてるみてぇだ!」
「小僧の身体の方もだ!あれは身体強化か………?」
目の前で起きた事に冒険者達は驚く。
しかし、今の一撃を受けても魔物の群れは止まることはない。
《ヒュ~!やるじゃねぇか、ジーク!》
「いや、まだ足りない。このまま突っ込むぞ!」
《あいよ!》
先程の攻撃のことなんか意に介してないように進んでくる魔物の群れに向かって俺は走り出す。
群れにぶつかった俺は、強化した剣と身体で魔物共を次々と倒していく。剣を一振りすれば、10は魔物を滅ぼし、強化された身体能力の動きに魔物共は、手も足も出ない。
「お、おい!やべぇぞ、あの小僧!1人で全部倒しちまうんじゃねーか!?」
「ほんとにすげぇ!そのままやっちまえ!」
「それにしてもあいつ魔力値100だったんじゃねーのかよ!?」
「た、確かに!あんなにずっと身体強化や物体強化が持つはずがねぇ!」
「そもそも魔力どうこうの前にずっと強化してたんじゃ、体力が持たねーよ!」
この戦いの最中俺は、魔力が切れないように常時魔力回復魔法を使用している。それにより、無尽蔵の魔力で強化を持続させることができている。
獅子奮迅の勢いで戦い、魔物の数を半分は減らしたかと思った矢先、ついにあのヒュドラの元まで辿り着いた。
「やっとボスのお出ましか」
やっと出てきた9つの頭を持つ化物に対して俺は、剣を振るって先程の炎の斬撃を放つ。
ヒュドラ目掛けて繰り出された斬撃は、勢いそのままにぶつかり、傷一つつけることなく掻き消された。
「ちっ……!この化物が!」
ヒュドラは攻撃されて怒ったのか、こちらに向かって頭の一つからブレスが飛んでくる。
「あぶねっ!」
俺はそれを咄嗟に避けたが、ブレスの巻き添えを食らった魔物は、煙を上げながら体が溶けていた。
「敵味方お構いなしかよ……!」
動きはそこまで早くないので、ヒュドラの攻撃が当たることはないが、こちらの攻撃が効いてる様子もない。
俺とヒュドラが対峙していると、俺たちを無視して周りの魔物共はそのまま王都に向かって、進んでいってしまう。
「ちょっと待て……!ぐっ!」
俺は魔物共止めようとするが、ヒュドラの邪魔によって足止めされてしまう。
「俺をここから逃す気はないってわけか」
向こうにはまだシルとセレナがいる。
あの2人に向こうは任せて、自分はこちらに集中しようと考えた俺は、そのままヒュドラを相手にする事にした。
10000体は越えようかという魔物の数に周りの衛兵、冒険者達は萎縮してしまって今にも逃げ出しそうにしている。
魔物10000体に対してこちらの人数は、いいとこ300人かそこらである。
目に見えて近づいてくる恐怖に、周りの人達が慌て始める。
「おい………!む、無理だろあんな数!」
「とても俺達だけでどうにかなるもんじゃねーぞ!」
「逃げるしかねぇよ!」
「逃げるたってどこにだよ!このままだとこの王都が魔物の群れに呑まれてしまうんだぞ!?」
魔物の群れはこちらを目指して今だに進行を続けている。
群れの中には、D級『オーク』、C級『サイクロプス』、B級『ミノタウロス』など様々な種類がいる。
その群れの奥には、この魔物暴走の元凶と思われるS級魔物『ヒュドラ』がいた。
「サイクロプスにミノタウルスまで…………!」
「お、おい………その奥にいるのって……!」
「S級魔物のヒュドラか!?」
「嘘だろ………!?」
「終わった………!もうこの王都は終わりだ……!」
大量の魔物の数に加えて、S級冒険者しか倒せないとされているS級魔物のヒュドラがいることがわかり、より一層周りに絶望感が漂う。
今この場には、S級冒険者はおろかA級冒険者さえいない。
そんな状態ではこの状況はまさに絶望的であった。
「ジーク?」
「貴方、まさか…………」
幼馴染のシルヴィとエルフのセレナが心配そうに見つめる中、俺は集団の中から前に出る。
「お、おい!小僧何してんだ!」
「早くしないと逃げ遅れるぞ!」
「てめぇ、もしかして…………!」
「あんなのに向かってたら命がいくつあっても足んねーぞ!」
「お前みたいな魔力値100がどうにかなる相手じゃないぞ!」
俺が前に出ると、周りの冒険者達が忠告してくる。
「シル、ここを守ってもらってもいいか?」
「ジークはどうするの………?」
「……俺はあいつらを倒しに行く」
「わかった……。でも無茶しちゃ駄目だよ!」
シルは心配そうに見つめてくるが、俺はもう決心していた。
彼女の魔力値と光魔法なら十分な時間ここを守ることはできるだろう。
「あれを相手に1人で挑むつもり?」
セレナは、奥にいるヒュドラを視線を一度送ってからこちらを見つめてくる。
「全部を俺1人でやろうって訳じゃないさ。ただこの絶望的な雰囲気を払拭する為には、誰かが勢いをつけなきゃいけないからな」
「はぁ……分かったわ………。どうせ止めたって聞かないものね」
「………ごめんな」
「別に謝ることじゃないわ……。ジークのそういうところ嫌いじゃないもの」
今のこの誰もが諦めかけてる状況を打破する為には、誰かが希望を見せなきゃいけない。
そのために俺は命を賭けよう。
「よし!シルはここを頼んだ!セレナは城壁から俺の撃ち漏らした敵を倒してくれ!」
「おっけー!」
「分かったわ!」
シルとセレナに指示を出し、俺は戦う準備をする。
「おい、あいつら何かする気だぞ……!」
「何をしようと無駄だろ………」
「もうどうにもできやしねぇよ……」
「俺たちはもう終わりだ………」
全てを諦めたような声が聞こえる。
その声を皮切りに俺は戦いを始める。
「やるぞ、イフリート!剣に魔力20、身体に魔力30だ」
《おう、ジーク!最初っから飛ばすじゃねぇか!》
「うるせぇ、さっさとしろ!」
火の賢者の石【イフリート】に言い、自分の魔力を火に変える。
そして物体強化でその火を剣に、身体強化で身体に纏わせる。剣は燃え盛る炎のような刀身に変わり、俺の身体は炎のオーラを纏っている。
「フンッ!」
掛け声と共に俺は、強化した剣を振るった。
その瞬間、剣から炎の斬撃が出る。
斬撃は凄まじい速度で魔物の群れにぶつかると、500を超える魔物を燃やし尽くす。
「え…………!?」
「な、なんだ!?今のは!?」
「あの小僧が剣を振った瞬間、炎の斬撃が出て魔物を蹴散らしたぞ!?」
「あ、ああ!それになんだあの剣!刀身が燃えてるみてぇだ!」
「小僧の身体の方もだ!あれは身体強化か………?」
目の前で起きた事に冒険者達は驚く。
しかし、今の一撃を受けても魔物の群れは止まることはない。
《ヒュ~!やるじゃねぇか、ジーク!》
「いや、まだ足りない。このまま突っ込むぞ!」
《あいよ!》
先程の攻撃のことなんか意に介してないように進んでくる魔物の群れに向かって俺は走り出す。
群れにぶつかった俺は、強化した剣と身体で魔物共を次々と倒していく。剣を一振りすれば、10は魔物を滅ぼし、強化された身体能力の動きに魔物共は、手も足も出ない。
「お、おい!やべぇぞ、あの小僧!1人で全部倒しちまうんじゃねーか!?」
「ほんとにすげぇ!そのままやっちまえ!」
「それにしてもあいつ魔力値100だったんじゃねーのかよ!?」
「た、確かに!あんなにずっと身体強化や物体強化が持つはずがねぇ!」
「そもそも魔力どうこうの前にずっと強化してたんじゃ、体力が持たねーよ!」
この戦いの最中俺は、魔力が切れないように常時魔力回復魔法を使用している。それにより、無尽蔵の魔力で強化を持続させることができている。
獅子奮迅の勢いで戦い、魔物の数を半分は減らしたかと思った矢先、ついにあのヒュドラの元まで辿り着いた。
「やっとボスのお出ましか」
やっと出てきた9つの頭を持つ化物に対して俺は、剣を振るって先程の炎の斬撃を放つ。
ヒュドラ目掛けて繰り出された斬撃は、勢いそのままにぶつかり、傷一つつけることなく掻き消された。
「ちっ……!この化物が!」
ヒュドラは攻撃されて怒ったのか、こちらに向かって頭の一つからブレスが飛んでくる。
「あぶねっ!」
俺はそれを咄嗟に避けたが、ブレスの巻き添えを食らった魔物は、煙を上げながら体が溶けていた。
「敵味方お構いなしかよ……!」
動きはそこまで早くないので、ヒュドラの攻撃が当たることはないが、こちらの攻撃が効いてる様子もない。
俺とヒュドラが対峙していると、俺たちを無視して周りの魔物共はそのまま王都に向かって、進んでいってしまう。
「ちょっと待て……!ぐっ!」
俺は魔物共止めようとするが、ヒュドラの邪魔によって足止めされてしまう。
「俺をここから逃す気はないってわけか」
向こうにはまだシルとセレナがいる。
あの2人に向こうは任せて、自分はこちらに集中しようと考えた俺は、そのままヒュドラを相手にする事にした。
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