配信から始まる恋もある

えり

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最終話

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「昨夜もしたし、身体きつくないの?」
「大丈夫」
真紀は八代の頬に触れながら言った。
「真紀・・・煽んないで」
「え・・・煽る?なに?」
聞き返すと八代はバツの悪そうな表情を浮かべた。
ゆっくりした動きで真紀をベッドに寝かせ自身の服を脱ぎ捨てた。
「わ・・・っ」
「可愛い反応だ」
八代は笑っている。
その笑みは何も含んでいないものだった。
真紀は安心した。なぜかというと八代が行為の時に豹変するのではないかと思っていたのだ。
だが、八代は今までの時より落ち着いていた。
「脱がすよ?」
優しくかけられる声にじわじわと心に真紀も優しい気持ちになる。
やはり八代は器用だと真紀は思う。
ゆっくりとした手つきで真紀の服を脱がしていった。
(明るい・・・)
「あ!電気消してない!」
「この空気の時にそんなことおおきな声で言っちゃう?」
くすくすと八代は笑いながら真紀の頭を撫でた。
「だって・・・恥ずかしい」
「いつももっと恥ずかしいことしてるでしょ?今からもするところだよ」
いつもは照明を消してくれていた。
でも、八代は消そうとはしない。
「全部見せて」
「や・・・やだ!!」
ぐっと手を抑え込まれ八代は真紀の身体をじっと見つめている。
その視線が身体を熱くさせる。
こうなってしまうと八代を突き飛ばすことは不可能だ。
「綺麗だ」
「でも、傷いっぱいあるし」
「気にしないって言ったでしょ」
優しい手つきで体を撫でられる。
ぞわぞわと気持ちいい感覚が訪れる。
「んっ」
声を出さないよう真紀は頑張っている。
その姿を見て八代は笑みを深めた。
「今度は声がいっぱい出せるところでしたいね」
「え・・・それって・・・」
「うん。ホテルで」
真紀はかぁっと顔を赤らめた。
「声は・・・我慢する!!絶対出さない」
恥ずかしさのあまり少し大きな声で反発してしまった。
「じゃあ、声どこまで我慢できるか試す?」
手つきが急に荒々しい動きに変わった。
「ひぁ!!」
胸の頂を急にきゅっと摘ままれた真紀の身体はびくりとはねた。
「ふふ、声でてる」
意地の悪い笑みだった。
「最低・・・」
「最高の誉め言葉。俺は善人ではないよ」
真紀の腹部を優しくなでながら手を秘部に滑らせた。
くちゅっとした音が真紀にも聞こえた。
「もう濡れてる」
「早く真紀の中に挿れたい」
八代は自身のそり立ったものを濡れているところにこすりつける。
少しずつ八代のそれは真紀の中に入ってくる。
「はぁ・・・んっ」
真紀の身体も快楽を欲し腰が自然に揺れる。
その動きで真紀が快楽を早く欲していることに気が付いた八代は一気にそれを突き挿れた。
「んんっ!!」
急に訪れた快感に真紀は声を抑えることはかなわなかった。
「ああ・・・気持ちい」
八代は艶っぽい声でつぶやいた。
真紀は何度も強く突かれ、八代のカタチに自分の場所が変わっていく気がした。
「ん!!あっ・・・んぅ」
腰の動きに合わせ真紀は声を出し続けている。
我慢なんてできるはずがなかった。
それほどの快楽を体に刻み込まれている。
汗ばむ肌と肌が触れ合う。
腰の動きでそろそろ八代が果てると真紀は感じた。
今日は避妊具を付けてくれている。
真紀の中でびくびくとした感覚があった。
「はぁ・・・・」
「八代・・・」
それは交わりの終わりを意味していた。
にゅるっと八代のものが引き抜かれた。
同時に自分の愛液がつぅっと出てきた。
「真紀・・・愛している」
そう言いながら八代は真紀を抱きしめた。

2人はシャワーで身を清めその日は眠りについた。

・・・・・・・・・・・・・・・

真紀が朝目覚めると八代は仕事に向かったようで姿はなかった。
ふと指に違和感を覚え左手を見ると薬指に小さな宝石が付いた指輪があった。
「え・・・」
枕元には手紙があった。
(八代?)
手紙の内容はすごくうれしいものだった。

”真紀、これからも俺の性質で苦しめるかもしれない。でも、俺を理解してくれようとしたことはすごくうれしかった。これからも一緒にいたい。俺の覚悟を受けっとてほしい。形はどうあれ真紀の幸せを願ってるし、俺が幸せにしたいって思ってる”
真紀は瞳を潤ませながら手紙を読んだ。
手紙の最後には・・・
”愛してる。真紀”
八代の覚悟と本気が心にすとんと落ちてきた。
真紀は、すぐ八代に電話をかけた。

「真紀起きた?」
「うん・・・あの・・・」
「何で泣いてるの?」
「八代のせいよ。本当にバカ!でも・・・うれしい。ありがとう」

これからも八代と真紀の物語は紡がれる。
きっと八代の性癖に真紀が振り回される。
しかし、それが二人の”物語”なのだ。

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