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決意
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「ねぇ、いいの?」
ぼんやりして天井を見ていると、紅戌が話しかけてきた。
「え・・・」
「このままだと・・・襲っちゃうけど」
真紀はその言葉を聞き少し焦ったが、静かにうなずいた。
「わかった」
そう短く言うと、真紀の服を器用に脱がせてきた。
真紀はあっという間に下着姿になり、恥ずかしくなってシーツに包まり身をよじった。
「嫌?」
その言葉はとてもやさしく、真紀を無理やりどうにかしたいという感情は読み取れず、心配と配慮のものだった。
真紀はその行為の前にどうしても知りたいことがあった。
勇気を振り絞り真紀は尋ねた。
「あの・・・あなたの本当の名前は?」
「八代」
「八代さん・・・」
「ん?」
「私は飯野真紀です」
「活動名と一緒なんだね。あぶないよ。身バレしちゃう」
「そうなんですか?」
はぁ・・・と八代は息を吐き少し真剣な声で言った。
「そんなんだから目の届くところへ閉じ込めたいと思うよ」
「・・・っ!?」
その言葉を聞き真紀は戸惑いながらもじっと八代の目を見つめた。
ゆっくりとした動きで下着を脱がされた。
これから始まる行為は真紀にとっては未知のものだったが不思議と怖くはなかった。
軽く唇が触れるキスをされ真紀はぎゅっと目を閉じて身を任せる覚悟を決めた。
唇を割り湿り気のあるものが舌を絡めとる。
慣れない感覚。
身体がほてり、下腹部がじんと切なげな感覚に陥る。
足を無意識にこすり合わせてやり過ごそうと体が動いたが八代は真紀の足の間に指を滑り込ませた。
秘部を触られ真紀は小さくのどを鳴らせた。
「真紀・・・初めてだよね・・・いっぱい濡れてから・・・するよ」
真紀はかぁっと顔を赤らめた。
その言葉通り快楽の芽を何度も優しく八代は撫でる。
くちゅくちゅと音が聞こえる。
少しずつ指を入れては出すという行為で秘部が濡らされ、何かが伝い落ちていく。
「あ・・・んぅ!」
少し刺激が強くなり真紀は我慢していた声を漏らした。
「イケたか?」
「わからないけどまだ・・・・変な感じがします」
小さな声で答えると硬いものが秘部にあてがわれた。
「挿れるよ」
すごく切羽詰まったような声で八代が真紀に言った。
ゆっくりと八代のものが自分の狭いところに押し入ってきた。
痛みを耐えて、八代を受け入れた真紀は少し微笑んで見せた。
その微笑は八代を安心させたいと思い作った表情だった。
「堪らない・・・」
八代の腰の動きが激しいものに変わり真紀はただ受け入れるしかできなくなった。
行為が終わり静かな時間が訪れた。
かすれた声で八代が言った。
「こんな遠くの土地にまで来てくれると思わなかった」
その言葉を聞きくすくすと笑いながら真紀は答えた。
「だって・・・八代さんが泣くから」
そう真紀がこの地に来たきっかけは彼の涙だった。
数日前。
八代と通話を楽しんでいるときのことだった。
彼と話す時間が真紀にとって外の世界とつながっている時間と感じるほど充実したものだった。
真紀は・・・両親に監視され管理されていることをわかっていた。
いつも通話するときは両親が外出しているときにするように気を配っていた。
だが、この日運悪く通話していることを知られてしまいスマホを取られて履歴を見られてしまった。
「だれ?この人」
母が不機嫌そうにリビングのlテーブルの上にスマホを置いた。
真紀は素直な性格で隠し事がうまくできないタイプだった。
(・・・嘘をつき通せる自信がない・・・この機会にも認めてもらいたい)
隠し事抜きで真紀はすべて話した。
配信をしている事。今、気になっている配信者の”紅戌”という男性と遠距離恋愛をしている事。
・・・今まで隠れて通話してきたこと。
(正直に話したのだからわかってくれるよね・・・)
真紀のその考えは甘いものだった。
母は真紀に怒りの感情を向けてきた。
「今までこそこそそんなことしてたの!?」
「ごめん、隠してて。反対されると思って」
真紀はのどを詰まらせながら謝った。
しかし、母の怒りはさらにひどくなった。
「お金も満足に家に入れられないくせに男と関わっている余裕はあるのね!」
そう言い残し母は自室に入っていった。
真紀は悲しくなり涙をこぼした。
そして母とのことを”紅戌”に話した。
「このままじゃ・・・別れさせれちゃう」
紅戌は少し何かを考え口を開いた。
「真紀。母親に話したいことがあるから通話させてくれないか?」
真紀は迷ったがその声音が怒りを孕んでいるものと感じながらも母にスマホを渡した。
母は、真紀を自室から追い出したので二人が何を話しているのかはわからなかった。
しばらくして母は真紀の部屋にやってきて、こう言った。
「もう好きにしたらいい。恩知らず!」
母はスマホを真紀に投げつけた。
バタンっと大きな音をたてドアを締められた。
なぜ、母が自分に暴言を吐いているのか真紀は理解できなかった。
通話画面が消えていることが気になり慌てて、紅戌に電話をかけなおした。
「紅戌さん!母がおかしいの!」
「俺のせいだな。ごめんな。嫌な思いさせたみたいで」
怒りと悔しさやいろいろな感情が混ざった複雑な声だった。
紅戌の声を聞き真紀は急に彼に会いたくなった。
「あのね・・・今すごく会いたい」
しかし、二人は南と北の端っこに住んでいるのでそう簡単には会える距離ではなかった。
そもそも真紀は外の世界に出ることが億劫で旅行などもしたもなく、飛行機のチケットの買い方もわからない。
そんな真紀が会いたい言ったことに紅戌は涙を流した。
「ありがとう。すごくうれしい。俺が本当は連れ去りに行きたいよ」
「いやいや。それは誘拐みたいだよ」
わざと真紀は茶化すように言った。
紅戌にこれ以上泣いてほしくなかったのだ。
そのことを理解した紅戌はわざと明るい声で笑った。
ぼんやりして天井を見ていると、紅戌が話しかけてきた。
「え・・・」
「このままだと・・・襲っちゃうけど」
真紀はその言葉を聞き少し焦ったが、静かにうなずいた。
「わかった」
そう短く言うと、真紀の服を器用に脱がせてきた。
真紀はあっという間に下着姿になり、恥ずかしくなってシーツに包まり身をよじった。
「嫌?」
その言葉はとてもやさしく、真紀を無理やりどうにかしたいという感情は読み取れず、心配と配慮のものだった。
真紀はその行為の前にどうしても知りたいことがあった。
勇気を振り絞り真紀は尋ねた。
「あの・・・あなたの本当の名前は?」
「八代」
「八代さん・・・」
「ん?」
「私は飯野真紀です」
「活動名と一緒なんだね。あぶないよ。身バレしちゃう」
「そうなんですか?」
はぁ・・・と八代は息を吐き少し真剣な声で言った。
「そんなんだから目の届くところへ閉じ込めたいと思うよ」
「・・・っ!?」
その言葉を聞き真紀は戸惑いながらもじっと八代の目を見つめた。
ゆっくりとした動きで下着を脱がされた。
これから始まる行為は真紀にとっては未知のものだったが不思議と怖くはなかった。
軽く唇が触れるキスをされ真紀はぎゅっと目を閉じて身を任せる覚悟を決めた。
唇を割り湿り気のあるものが舌を絡めとる。
慣れない感覚。
身体がほてり、下腹部がじんと切なげな感覚に陥る。
足を無意識にこすり合わせてやり過ごそうと体が動いたが八代は真紀の足の間に指を滑り込ませた。
秘部を触られ真紀は小さくのどを鳴らせた。
「真紀・・・初めてだよね・・・いっぱい濡れてから・・・するよ」
真紀はかぁっと顔を赤らめた。
その言葉通り快楽の芽を何度も優しく八代は撫でる。
くちゅくちゅと音が聞こえる。
少しずつ指を入れては出すという行為で秘部が濡らされ、何かが伝い落ちていく。
「あ・・・んぅ!」
少し刺激が強くなり真紀は我慢していた声を漏らした。
「イケたか?」
「わからないけどまだ・・・・変な感じがします」
小さな声で答えると硬いものが秘部にあてがわれた。
「挿れるよ」
すごく切羽詰まったような声で八代が真紀に言った。
ゆっくりと八代のものが自分の狭いところに押し入ってきた。
痛みを耐えて、八代を受け入れた真紀は少し微笑んで見せた。
その微笑は八代を安心させたいと思い作った表情だった。
「堪らない・・・」
八代の腰の動きが激しいものに変わり真紀はただ受け入れるしかできなくなった。
行為が終わり静かな時間が訪れた。
かすれた声で八代が言った。
「こんな遠くの土地にまで来てくれると思わなかった」
その言葉を聞きくすくすと笑いながら真紀は答えた。
「だって・・・八代さんが泣くから」
そう真紀がこの地に来たきっかけは彼の涙だった。
数日前。
八代と通話を楽しんでいるときのことだった。
彼と話す時間が真紀にとって外の世界とつながっている時間と感じるほど充実したものだった。
真紀は・・・両親に監視され管理されていることをわかっていた。
いつも通話するときは両親が外出しているときにするように気を配っていた。
だが、この日運悪く通話していることを知られてしまいスマホを取られて履歴を見られてしまった。
「だれ?この人」
母が不機嫌そうにリビングのlテーブルの上にスマホを置いた。
真紀は素直な性格で隠し事がうまくできないタイプだった。
(・・・嘘をつき通せる自信がない・・・この機会にも認めてもらいたい)
隠し事抜きで真紀はすべて話した。
配信をしている事。今、気になっている配信者の”紅戌”という男性と遠距離恋愛をしている事。
・・・今まで隠れて通話してきたこと。
(正直に話したのだからわかってくれるよね・・・)
真紀のその考えは甘いものだった。
母は真紀に怒りの感情を向けてきた。
「今までこそこそそんなことしてたの!?」
「ごめん、隠してて。反対されると思って」
真紀はのどを詰まらせながら謝った。
しかし、母の怒りはさらにひどくなった。
「お金も満足に家に入れられないくせに男と関わっている余裕はあるのね!」
そう言い残し母は自室に入っていった。
真紀は悲しくなり涙をこぼした。
そして母とのことを”紅戌”に話した。
「このままじゃ・・・別れさせれちゃう」
紅戌は少し何かを考え口を開いた。
「真紀。母親に話したいことがあるから通話させてくれないか?」
真紀は迷ったがその声音が怒りを孕んでいるものと感じながらも母にスマホを渡した。
母は、真紀を自室から追い出したので二人が何を話しているのかはわからなかった。
しばらくして母は真紀の部屋にやってきて、こう言った。
「もう好きにしたらいい。恩知らず!」
母はスマホを真紀に投げつけた。
バタンっと大きな音をたてドアを締められた。
なぜ、母が自分に暴言を吐いているのか真紀は理解できなかった。
通話画面が消えていることが気になり慌てて、紅戌に電話をかけなおした。
「紅戌さん!母がおかしいの!」
「俺のせいだな。ごめんな。嫌な思いさせたみたいで」
怒りと悔しさやいろいろな感情が混ざった複雑な声だった。
紅戌の声を聞き真紀は急に彼に会いたくなった。
「あのね・・・今すごく会いたい」
しかし、二人は南と北の端っこに住んでいるのでそう簡単には会える距離ではなかった。
そもそも真紀は外の世界に出ることが億劫で旅行などもしたもなく、飛行機のチケットの買い方もわからない。
そんな真紀が会いたい言ったことに紅戌は涙を流した。
「ありがとう。すごくうれしい。俺が本当は連れ去りに行きたいよ」
「いやいや。それは誘拐みたいだよ」
わざと真紀は茶化すように言った。
紅戌にこれ以上泣いてほしくなかったのだ。
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