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一話 いきなりピンチって ある意味反則じゃないか?
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月白誠、二二歳。現在大学四年生で、就職浪人候補生。特技は物事に動じない事。どこででも寝られる事。好き嫌いがない事。父子家庭ながら父親が育児放棄で幼稚園生から祖父母に育てられる。その祖父母も二〇歳の時に亡くなった。
感覚的には天涯孤独。それでも祖父母はいい人で、愛情たっぷりに育てて貰った。
多分他は色々と普通。顔だってそれなり……不細工には入らないくらい。学力も普通。彼女は高校二年の時にいたけど、清い感じだった。
さて、どうして俺がこんなことを考えているのか。それはつまり、俺という人間を俺自身が確認しているからだ。
ではどうしてそんな事をしなければいけないか。それは、今俺がいるここが常識に合わない場所で、俺に今起こっている状況がありえないからだ。
今現在、俺はよく分からない深い深い森の中にいて、そんでもって名前も知らない蔦植物に足首を絡め取られ、その状態で逆さ吊りにされている。流石に少し頭に血が上ってきた。
さて、こうなると色々と疑うべき事が出てくる。ここは……日本じゃないよな? だって俺、街に住んでた。こんな森知らない。だからって拉致られる覚えもない。
そして今俺を捕まえているこの植物。これは俺の世界の植物なのか? もしそうだと言うなら名前と属性を教えろ。
夢かな……。なんて、ちょっと思ってみたけれど俺を捕まえて逆さ吊りにしているその足首が微妙に痛い。痛いって事は夢じゃない。ついでに死んでるわけでもない。なにせ痛い。
そうなると、だ。ここは俺の知っている世界ではなくて、こいつは俺の知らないモンスター的なものかもしれなくて、俺はこれからこいつに食われるのか?
人生二二年、さすがにちょっと短くないか。いや、残したい思いとか、とてつもない後悔とかもないけれど。でも、最後が知らん場所でよく分からん植物に食われるって、幸薄いにもほどがある。
「あ! 俺ここで死んでも誰も気づいてくれないんじゃないのか!」
うわ、家族なし、職無し、彼女なしで墓なしかよ! ちくしょう、ちょっと恨んで出てきたくなってきた。
蔦が俺の太ももの辺りを掴んだ。本格的に離す気はなさそうだ。抵抗してみたけれど、もの凄い力でどうにもならない。腕にも絡んで本格的に自由がない。口か? 言葉か? 暴言という暴力使うぞ!
「んぅ! むぅぅぅぅ!」
その口にも何かそこそこ太い蔦が入り込んで塞がれた。この蔦、ちょっと気持ち悪い。ヌルン、スベーとしている。太さはフランクフルトくらい。それがうねうね口の中で蠢いている。
「んぅ!」
なんか、時々チリッとする。くすぐったいような、痺れるような。
いつの間にか姿勢は真っ直ぐになった。頭に血が上るのはとりあえず回避。ふぅ、やれやれ。
けれど太ももを捕まえている蔦が足を割り開くようにしてくる。俺、このまま割けるチーズみたいにされるのか?
「むぬぅ、ふぐっ」
それにしてもこの口の中のもの、ちょっと不愉快。先っぽが舌みたいにうねうねして、絶妙に気持ちが悪い。それに時々喉の奥にぶつかって、その度に嗚咽が漏れる。苦しいし。
ふと視界に、なんか細いのが数本見えた。あれは……なんだ? イカゲソぐらいの細さで、数はイソギンチャク? うねうねして気持ち悪い。それが俺に伸びてきて、ズボンの裾から入り込んだかと思うと器用にうねって先に進んで、俺の息子に絡みついた。
「ふぅぅ! んうぅ!」
細いのが絡みついて扱き上げてる。しかも絶妙な力加減! 何これ凄い! て、飲まれてる場合じゃない!
抵抗しようと身を捩ってもどうしようもない。押さえつけてるのはすんごい力だ。へたに動いたら関節とか外れそう。
そのうちもどかしくなってきたのか、違う蔦が乱暴に俺の服を剥ぎ取っていく。ビリッと破かれる度に乙女チックに「ひぃぃぃぃ!」と声が出そうだ。そうしてどんどん無防備にされた俺は、そいつをしっかり認識した。
ラフレシアかよ! と思うような大きな花から蔦が無数に伸びてきてる。凄い色の花だ。暗いオレンジに黒に近い紫って毒感半端ない!
「んぅ! んんんんんん!」
ヌルヌルっと、蔦が俺のケツを撫でた。ベロンベロンと撫でたそれは細いのをいいことにヌチュと入り込もうとする。俺は急いでケツの穴を引き締めた。こんなの入ったら何されるか分からない。
でもそれはクイクイと押してくる。何より先が尖ってて入り込みやすい形をしている。ツプッと一本が入り込むと、後はもうどうしようもない。我先にと三本が入り込んで、奥を目指してヌチュヌチュと侵入してきた。
「いっ! ふんぅぅぅぅぅ!!」
括約筋頑張れ! 俺のケツ穴は一気に広げられている。中で蔦がギチギチと狭そうに出入りしている。腸壁を撫でられるなんてゾワゾワする。俺の目尻から涙が溢れた。
蔦の一つが俺の胸にも伸びてくる。ツルンとした乳首をコロコロと転がすと、先端から何かヌルヌルしたものを出してきてそれを塗りたくっている。くすぐったい感じがしているけれど、徐々にそこが熱くなってウズウズとしてくる。
「ふっ、ふぅんぅ」
気持ちいい。初めてこいつの行為でそう思った。頭の中がトロトロと蕩けていく。ジンジンと痺れるような感じと、押し潰されたときの甘く痺れる感じ。ジワッと切ない感じが広がっていく。
口を犯していた奴も動きを変えた。理性的に舌を絡め、歯の裏や舌の付け根を刺激してくる。トロトロと甘い蜜みたいな物が出てて、それを飲み込むと強い酒を流し込まれたみたいに体が熱くなった。
あっ、もしかしてこれって、毒的なものかも……。
思った時には遅い。体が芯から痺れて疼いてくる。前がパンパンに膨らんで、ズチュズチュと音を立てている。すんごいお漏らし状態だ。てか、扱かれる度に先端から溢れさせている。
こうなると尻を犯されるのも気持ちがいい。いつの間にかイカゲソからタコ足くらいの太さに変わっていた。それが俺の中を行き来する。
心臓壊れそう。気持ちよくて崩壊する。わけが分からない。俺、もうイキたい。
俺の希望を理解したのか、イカゲソが前を激しく扱き上げ、潜り込むように先端を虐める。それだけでも体は内からカッと熱くなったのに、中に入り込んだタコ足がよく分からない部分を強く押し込んだ。
「ふぅぅぅぅぅ!!」
ビクンッと体を強ばらせた俺は、そのままドッと吐き出した。止まる気配がない。人生においてこれだけ出した事ってあっただろうか。止まらなくて逆に辛い。玉が空っぽになるかってくらい吐き出して、ようやく俺は脱力した。
力が抜けたのを感じたのか、拘束している蔦が少し緩まった。そのままゆっくり俺の体は下に降りてくる。現在地表から二メートル以上。どんな空中プレイだよ。
けれど次に俺はとんでもないものを見た。ラフレシアの中央が割けて、そこからどう見てもすさまじいものが見えた。男の腕くらいの太さと長さのあるペニスがにょっきり生えている。色は黄色と緑。あまりにショッキングで思考が停止した。
「まさか……」
いつの間にか口を犯していた蔦もなくなって、俺はようやく意味のある言葉を口に出来た。気のせいでなければ、俺はその凶器のようなペニスへと落ちていっている。
「嘘だろ……」
こいつ、俺を食うつもりだ。でも、そっちかよ!
「やめろ! 離せぇぇ!」
何で男の俺がこんな目に合わなきゃならない。童貞だぞ。女子だと処女だぞ! 大事にしとくのもなんだが、こんな化け物相手に散らしていいもんじゃないだろ!
「第一メルヘンなお花に巨根ってぶち壊しだろ!」
ふかふかお花にお姫様が相場だっての! 全裸男の穴に巨根突っ込んで何がしたいんだこいつ!
抵抗してもやっぱりダメだ。暴れたら締まってきて、痛くて辛くなった。泣きそうになりながら何度も何度も叫んでも、森の中に消えていくばかり。助けてくれる人はいない。
涙がこぼれてどうしようもない。俺は何の呪いでこんな目にあってる。真面目に過ごしてきたっての。甘酸っぱい恋愛しかしてないっての。息子の筆卸が化け物ってひどくないか。てか、俺って何でこんなことになってるんだ。
「……筆卸じゃなくね!」
俺の息子は放置だろ、どう考えても。それって筆もおりてない!
「誰か! 誰か助けて、お願い! 誰かぁぁぁぁぁ!」
その時、何かが俺を捕まえていた蔦を一刀両断にした。俺は急に空中に放り投げられる。頭から真っ逆さまに落ちているけれど、高さ的に二メートル弱くらいまだある。
あ、死んだ。
でも、化け物にヤリ殺される事を考えればこれも慈悲なのか? 随分な神様もいたもんだ。
そう思って力の入らないまま、なすがままになっていると誰かが俺を受け止めてくれた。温かい体温と、人と思える手を感じる。その人は俺を抱えて軽々と着地すると、俺の顔を覗き込んだ。
「大丈夫か」
綺麗な人だった。短い黒髪に、同じく黒い切れ長の瞳。端正な顔立ちで、目尻には金色のアイシャドーが入っているみたいだ。それに、前髪の一部も金色だ。
その人は俺を抱えたまま、件の植物を睨んだ。蔦を切られて暴れていた植物が新たな蔦を出してこっちに来ている。俺は怖くて身を強ばらせていた。
『ライトニング!』
声が少し不思議な感じで聞こえ、稲妻が植物を打ち付けた。迫った蔦、そして植物の本体らしいあの花に。花は電撃を受けて燃え上がり、ブスブスと音を立ってて動かなくなった。
これは本格的に異世界っぽい。
いくら何でもこれが自分のいた世界とは考えられない。もしそうなら、よほど金のかかった悪趣味なドッキリだ。でもそんな事をするメリットなんてないだろ。こんだけひん剥いたら放送コード確実アウトだよ。
「何だってこんな危険な森に、こんな軽装でいるんだ」
男は咎めるような目で俺を見下ろす。そんな事を言われても、俺だって理由が聞きたい。
「大丈夫か?」
「あぁ、はい……。あの、有り難うございます」
頭がまだトロトロだ。実は体の熱がまだ去っていない。尻の奥がジンジン甘く疼いている。
「あっ、俺、月白誠っていいます」
「ツキシロマコト? 言いづらいし、聞き馴染みのない名だな。どの種族なんだ?」
「種族? 人間……ですけど?」
二二年生きてきて種族を聞かれる日が来ようとは。俺はなんだか可笑しかった。
けれど目の前の人は疑問そうに首を傾げている。俺の体をくまなく見回して……恥ずかしいから見ないでほしい。
「人間だとしてもそんな名では。それに人間ならこの森の危険を知っているはずだ。迷いの森に冒険者でもない、しかも軽装の者が入ればどうなるか」
それは身をもって知りました。そして俺としては、ここがどこかをまず知りたい。
「あの、つかぬ事をお伺いしてもいいでしょうか?」
「なんだ?」
「ここ、どこですか? 日本なんて地名じゃないですよね?」
まぁ、「そうです」って言われても信じないけれど。
男は更に疑問そうに首を傾げる。実はこの間、ずっと俺はお姫様抱っこだ。
「ここはアウンゼール王国とリトラダール王国の間にある、迷いの森だ。B+の大型モンスターや食肉植物が多く生息する危険な場所で、第二級危険区域に指定されている」
「知らない……」
どこだよその国。そしてサラッと怖いこと言ったよこの人。食肉植物って何。
「知らない? 大きな国だから、どんな小さな子供でも知っている国だ」
困惑するような様子でそう言った男はふと俺をマジマジと見て、まさかという様子で問いかけた。
「君は、異世界からきたのか?」
あぁ、その単語が出てきたか。
予想はしていたが、聞くとやっぱりショックだった。けれどおそらく認めざるを得ない現象が起こりまくってる。モンスターに人食い植物に魔法だ。俺はそんなにファンタジーな脳みそはしていないつもりだけど、普通だと思っているけれど、目の前で起こった事を否定する事もできない。
「あの、多分?」
「そうか、それなら納得だ。どうりでこんな危険な場所に、武器も防具も見当たらない一般人がいるはずだ」
男は理解したように黒い瞳を優しげに緩め、微笑んでくれる。なんていうか、ほっとするな。体温って大事。
落ち着いたらなんだか体の奥がジクジクと疼いた。思わず息を詰めると、男は俺を気遣って様子を聞いてくれた。
「どこか痛むか?」
「痛くは……でも」
明確に言葉にするのは恥ずかしいです。でも俺は一糸まとわぬ姿。全身弛緩して動かせない。だから当然、このイケメンの腕の中で俺の息子は主張しているわけだ。
「タネヤドシの樹液を飲まされたのか。辛いだろうが、少しだけ我慢しろ」
俺の体を一度地面に下ろし、ウエストポーチから厚手の毛布を引っ張り出した男がそれで俺をくるむ。肌寒さがなくなった。そして何より恥ずかしい姿を隠す事ができた。
そうすると再び俺を抱き上げ、男はとても軽い足取りで俺をどこかへ運んでいった。
感覚的には天涯孤独。それでも祖父母はいい人で、愛情たっぷりに育てて貰った。
多分他は色々と普通。顔だってそれなり……不細工には入らないくらい。学力も普通。彼女は高校二年の時にいたけど、清い感じだった。
さて、どうして俺がこんなことを考えているのか。それはつまり、俺という人間を俺自身が確認しているからだ。
ではどうしてそんな事をしなければいけないか。それは、今俺がいるここが常識に合わない場所で、俺に今起こっている状況がありえないからだ。
今現在、俺はよく分からない深い深い森の中にいて、そんでもって名前も知らない蔦植物に足首を絡め取られ、その状態で逆さ吊りにされている。流石に少し頭に血が上ってきた。
さて、こうなると色々と疑うべき事が出てくる。ここは……日本じゃないよな? だって俺、街に住んでた。こんな森知らない。だからって拉致られる覚えもない。
そして今俺を捕まえているこの植物。これは俺の世界の植物なのか? もしそうだと言うなら名前と属性を教えろ。
夢かな……。なんて、ちょっと思ってみたけれど俺を捕まえて逆さ吊りにしているその足首が微妙に痛い。痛いって事は夢じゃない。ついでに死んでるわけでもない。なにせ痛い。
そうなると、だ。ここは俺の知っている世界ではなくて、こいつは俺の知らないモンスター的なものかもしれなくて、俺はこれからこいつに食われるのか?
人生二二年、さすがにちょっと短くないか。いや、残したい思いとか、とてつもない後悔とかもないけれど。でも、最後が知らん場所でよく分からん植物に食われるって、幸薄いにもほどがある。
「あ! 俺ここで死んでも誰も気づいてくれないんじゃないのか!」
うわ、家族なし、職無し、彼女なしで墓なしかよ! ちくしょう、ちょっと恨んで出てきたくなってきた。
蔦が俺の太ももの辺りを掴んだ。本格的に離す気はなさそうだ。抵抗してみたけれど、もの凄い力でどうにもならない。腕にも絡んで本格的に自由がない。口か? 言葉か? 暴言という暴力使うぞ!
「んぅ! むぅぅぅぅ!」
その口にも何かそこそこ太い蔦が入り込んで塞がれた。この蔦、ちょっと気持ち悪い。ヌルン、スベーとしている。太さはフランクフルトくらい。それがうねうね口の中で蠢いている。
「んぅ!」
なんか、時々チリッとする。くすぐったいような、痺れるような。
いつの間にか姿勢は真っ直ぐになった。頭に血が上るのはとりあえず回避。ふぅ、やれやれ。
けれど太ももを捕まえている蔦が足を割り開くようにしてくる。俺、このまま割けるチーズみたいにされるのか?
「むぬぅ、ふぐっ」
それにしてもこの口の中のもの、ちょっと不愉快。先っぽが舌みたいにうねうねして、絶妙に気持ちが悪い。それに時々喉の奥にぶつかって、その度に嗚咽が漏れる。苦しいし。
ふと視界に、なんか細いのが数本見えた。あれは……なんだ? イカゲソぐらいの細さで、数はイソギンチャク? うねうねして気持ち悪い。それが俺に伸びてきて、ズボンの裾から入り込んだかと思うと器用にうねって先に進んで、俺の息子に絡みついた。
「ふぅぅ! んうぅ!」
細いのが絡みついて扱き上げてる。しかも絶妙な力加減! 何これ凄い! て、飲まれてる場合じゃない!
抵抗しようと身を捩ってもどうしようもない。押さえつけてるのはすんごい力だ。へたに動いたら関節とか外れそう。
そのうちもどかしくなってきたのか、違う蔦が乱暴に俺の服を剥ぎ取っていく。ビリッと破かれる度に乙女チックに「ひぃぃぃぃ!」と声が出そうだ。そうしてどんどん無防備にされた俺は、そいつをしっかり認識した。
ラフレシアかよ! と思うような大きな花から蔦が無数に伸びてきてる。凄い色の花だ。暗いオレンジに黒に近い紫って毒感半端ない!
「んぅ! んんんんんん!」
ヌルヌルっと、蔦が俺のケツを撫でた。ベロンベロンと撫でたそれは細いのをいいことにヌチュと入り込もうとする。俺は急いでケツの穴を引き締めた。こんなの入ったら何されるか分からない。
でもそれはクイクイと押してくる。何より先が尖ってて入り込みやすい形をしている。ツプッと一本が入り込むと、後はもうどうしようもない。我先にと三本が入り込んで、奥を目指してヌチュヌチュと侵入してきた。
「いっ! ふんぅぅぅぅぅ!!」
括約筋頑張れ! 俺のケツ穴は一気に広げられている。中で蔦がギチギチと狭そうに出入りしている。腸壁を撫でられるなんてゾワゾワする。俺の目尻から涙が溢れた。
蔦の一つが俺の胸にも伸びてくる。ツルンとした乳首をコロコロと転がすと、先端から何かヌルヌルしたものを出してきてそれを塗りたくっている。くすぐったい感じがしているけれど、徐々にそこが熱くなってウズウズとしてくる。
「ふっ、ふぅんぅ」
気持ちいい。初めてこいつの行為でそう思った。頭の中がトロトロと蕩けていく。ジンジンと痺れるような感じと、押し潰されたときの甘く痺れる感じ。ジワッと切ない感じが広がっていく。
口を犯していた奴も動きを変えた。理性的に舌を絡め、歯の裏や舌の付け根を刺激してくる。トロトロと甘い蜜みたいな物が出てて、それを飲み込むと強い酒を流し込まれたみたいに体が熱くなった。
あっ、もしかしてこれって、毒的なものかも……。
思った時には遅い。体が芯から痺れて疼いてくる。前がパンパンに膨らんで、ズチュズチュと音を立てている。すんごいお漏らし状態だ。てか、扱かれる度に先端から溢れさせている。
こうなると尻を犯されるのも気持ちがいい。いつの間にかイカゲソからタコ足くらいの太さに変わっていた。それが俺の中を行き来する。
心臓壊れそう。気持ちよくて崩壊する。わけが分からない。俺、もうイキたい。
俺の希望を理解したのか、イカゲソが前を激しく扱き上げ、潜り込むように先端を虐める。それだけでも体は内からカッと熱くなったのに、中に入り込んだタコ足がよく分からない部分を強く押し込んだ。
「ふぅぅぅぅぅ!!」
ビクンッと体を強ばらせた俺は、そのままドッと吐き出した。止まる気配がない。人生においてこれだけ出した事ってあっただろうか。止まらなくて逆に辛い。玉が空っぽになるかってくらい吐き出して、ようやく俺は脱力した。
力が抜けたのを感じたのか、拘束している蔦が少し緩まった。そのままゆっくり俺の体は下に降りてくる。現在地表から二メートル以上。どんな空中プレイだよ。
けれど次に俺はとんでもないものを見た。ラフレシアの中央が割けて、そこからどう見てもすさまじいものが見えた。男の腕くらいの太さと長さのあるペニスがにょっきり生えている。色は黄色と緑。あまりにショッキングで思考が停止した。
「まさか……」
いつの間にか口を犯していた蔦もなくなって、俺はようやく意味のある言葉を口に出来た。気のせいでなければ、俺はその凶器のようなペニスへと落ちていっている。
「嘘だろ……」
こいつ、俺を食うつもりだ。でも、そっちかよ!
「やめろ! 離せぇぇ!」
何で男の俺がこんな目に合わなきゃならない。童貞だぞ。女子だと処女だぞ! 大事にしとくのもなんだが、こんな化け物相手に散らしていいもんじゃないだろ!
「第一メルヘンなお花に巨根ってぶち壊しだろ!」
ふかふかお花にお姫様が相場だっての! 全裸男の穴に巨根突っ込んで何がしたいんだこいつ!
抵抗してもやっぱりダメだ。暴れたら締まってきて、痛くて辛くなった。泣きそうになりながら何度も何度も叫んでも、森の中に消えていくばかり。助けてくれる人はいない。
涙がこぼれてどうしようもない。俺は何の呪いでこんな目にあってる。真面目に過ごしてきたっての。甘酸っぱい恋愛しかしてないっての。息子の筆卸が化け物ってひどくないか。てか、俺って何でこんなことになってるんだ。
「……筆卸じゃなくね!」
俺の息子は放置だろ、どう考えても。それって筆もおりてない!
「誰か! 誰か助けて、お願い! 誰かぁぁぁぁぁ!」
その時、何かが俺を捕まえていた蔦を一刀両断にした。俺は急に空中に放り投げられる。頭から真っ逆さまに落ちているけれど、高さ的に二メートル弱くらいまだある。
あ、死んだ。
でも、化け物にヤリ殺される事を考えればこれも慈悲なのか? 随分な神様もいたもんだ。
そう思って力の入らないまま、なすがままになっていると誰かが俺を受け止めてくれた。温かい体温と、人と思える手を感じる。その人は俺を抱えて軽々と着地すると、俺の顔を覗き込んだ。
「大丈夫か」
綺麗な人だった。短い黒髪に、同じく黒い切れ長の瞳。端正な顔立ちで、目尻には金色のアイシャドーが入っているみたいだ。それに、前髪の一部も金色だ。
その人は俺を抱えたまま、件の植物を睨んだ。蔦を切られて暴れていた植物が新たな蔦を出してこっちに来ている。俺は怖くて身を強ばらせていた。
『ライトニング!』
声が少し不思議な感じで聞こえ、稲妻が植物を打ち付けた。迫った蔦、そして植物の本体らしいあの花に。花は電撃を受けて燃え上がり、ブスブスと音を立ってて動かなくなった。
これは本格的に異世界っぽい。
いくら何でもこれが自分のいた世界とは考えられない。もしそうなら、よほど金のかかった悪趣味なドッキリだ。でもそんな事をするメリットなんてないだろ。こんだけひん剥いたら放送コード確実アウトだよ。
「何だってこんな危険な森に、こんな軽装でいるんだ」
男は咎めるような目で俺を見下ろす。そんな事を言われても、俺だって理由が聞きたい。
「大丈夫か?」
「あぁ、はい……。あの、有り難うございます」
頭がまだトロトロだ。実は体の熱がまだ去っていない。尻の奥がジンジン甘く疼いている。
「あっ、俺、月白誠っていいます」
「ツキシロマコト? 言いづらいし、聞き馴染みのない名だな。どの種族なんだ?」
「種族? 人間……ですけど?」
二二年生きてきて種族を聞かれる日が来ようとは。俺はなんだか可笑しかった。
けれど目の前の人は疑問そうに首を傾げている。俺の体をくまなく見回して……恥ずかしいから見ないでほしい。
「人間だとしてもそんな名では。それに人間ならこの森の危険を知っているはずだ。迷いの森に冒険者でもない、しかも軽装の者が入ればどうなるか」
それは身をもって知りました。そして俺としては、ここがどこかをまず知りたい。
「あの、つかぬ事をお伺いしてもいいでしょうか?」
「なんだ?」
「ここ、どこですか? 日本なんて地名じゃないですよね?」
まぁ、「そうです」って言われても信じないけれど。
男は更に疑問そうに首を傾げる。実はこの間、ずっと俺はお姫様抱っこだ。
「ここはアウンゼール王国とリトラダール王国の間にある、迷いの森だ。B+の大型モンスターや食肉植物が多く生息する危険な場所で、第二級危険区域に指定されている」
「知らない……」
どこだよその国。そしてサラッと怖いこと言ったよこの人。食肉植物って何。
「知らない? 大きな国だから、どんな小さな子供でも知っている国だ」
困惑するような様子でそう言った男はふと俺をマジマジと見て、まさかという様子で問いかけた。
「君は、異世界からきたのか?」
あぁ、その単語が出てきたか。
予想はしていたが、聞くとやっぱりショックだった。けれどおそらく認めざるを得ない現象が起こりまくってる。モンスターに人食い植物に魔法だ。俺はそんなにファンタジーな脳みそはしていないつもりだけど、普通だと思っているけれど、目の前で起こった事を否定する事もできない。
「あの、多分?」
「そうか、それなら納得だ。どうりでこんな危険な場所に、武器も防具も見当たらない一般人がいるはずだ」
男は理解したように黒い瞳を優しげに緩め、微笑んでくれる。なんていうか、ほっとするな。体温って大事。
落ち着いたらなんだか体の奥がジクジクと疼いた。思わず息を詰めると、男は俺を気遣って様子を聞いてくれた。
「どこか痛むか?」
「痛くは……でも」
明確に言葉にするのは恥ずかしいです。でも俺は一糸まとわぬ姿。全身弛緩して動かせない。だから当然、このイケメンの腕の中で俺の息子は主張しているわけだ。
「タネヤドシの樹液を飲まされたのか。辛いだろうが、少しだけ我慢しろ」
俺の体を一度地面に下ろし、ウエストポーチから厚手の毛布を引っ張り出した男がそれで俺をくるむ。肌寒さがなくなった。そして何より恥ずかしい姿を隠す事ができた。
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めっちゃ感謝を込めて💕
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