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13 自決当日 さらば!
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自決当日、実に爽やかに目覚めた。
昨夜は9時に寝て6時に起床。子供か!予定では、飲酒に喫煙、男遊びにぐでんぐでんで寝るはずだったのに。
わーん。私の馬鹿馬鹿。
爽やかついでに、朝の走り込みと剣の素振りもしてしまった。習慣とは怖い。
無意味なんだが(このあと死ぬのだから)モリモリ朝食を頂く。朝練の後は美味しいな。
午前10時、王都に鐘が響く。
ゴミ親子の処刑の鐘だ。
信仰心なんて微塵もないが冥福を祈る。
次は私だ。
私の屋敷の者らに別れを告げてまわる。今生の別れ。
皆困り顔。うーむ。もっと涙ぐむとか、悲しんでほしかったな…案外、無用な主人だったのか。悲しい。こういうところ王宮の人間が怖い。
仕方ないか…気を取り直して、死ぬか。
自室に戻る。
独りになった。
前から気になってた紫の毒を飲もうと思うんだ。即効性が売りだとか。
イソイソとお気に入りの男装のド派手な衣装を着込む。鏡で確認する。ウム。似合う。スカートは嫌いだ。男装は一人で着れるし合理的だ。せめて好きな服で死にたい。
着替え終わると、ふっと今までの人生が浮かぶ。
17歳で死亡か。特にこれといって何もない一生だったな。結婚も子供もまだだったし。ウエディングドレス着てみたかったな。我が国では、シルクはなんとか用意出来てもビーズは無理だな……質素なドレスだなぁ。くすっ。
あと、誕生日以外の何でもない日にケーキ食べたかったな…あと、…………ヤメヨウ……
もう何も考えないよう気を落ち着ける。
ベッドに上がり上体をベッドボードに預け、クイッと一気に毒をあおる。
まずーい。
早く効くよう、苦しまぬようじっとする。段々眠くなってきた…
さらばだ!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「効いたか?」
心配そうな影が王女の顔を覗き込み確認する。薬が効いている様だ。
女官が盃を音を立てないように片付ける。さらに机に几帳面に並べられた遺書を集めて持ち帰る。
ベッドサイドでは、女官長が王女の頭を愛おしそうになで、髪を整える。入れ代わりに雲が王女に優しく毛布をかける。
最後に、月は恭しく王女の手の甲へ口づけを贈る。
そして静かに全員が退室する。
「お休みなさいませ」
そっと扉が閉められた。
持ち帰った遺書を広間と円卓に集まる重臣、大臣へ渡される。それぞれ自分宛の遺書を手に恐々そっと読みはじめる。
エカテリーナ宛は、皆で回し読みをして燃やされた。
月が独り言つ
「エカテリーナ、王冠は渡せない。悪いが王冠が欲しかったら、夫を殺して夫の頭からむしり取ってくれ。悪役令嬢。もう17年だ。流石に悪女過ぎだ。お前は、二度と祖国の地を踏むこと能わず。さらば。君の実家の家族も困っているよ。何人死んだか。我が国の王族の血は甘美だったかね……」
あの日、謁見場で死んだ星や死んで行った仲間を思い冥福を祈る。
昨夜は9時に寝て6時に起床。子供か!予定では、飲酒に喫煙、男遊びにぐでんぐでんで寝るはずだったのに。
わーん。私の馬鹿馬鹿。
爽やかついでに、朝の走り込みと剣の素振りもしてしまった。習慣とは怖い。
無意味なんだが(このあと死ぬのだから)モリモリ朝食を頂く。朝練の後は美味しいな。
午前10時、王都に鐘が響く。
ゴミ親子の処刑の鐘だ。
信仰心なんて微塵もないが冥福を祈る。
次は私だ。
私の屋敷の者らに別れを告げてまわる。今生の別れ。
皆困り顔。うーむ。もっと涙ぐむとか、悲しんでほしかったな…案外、無用な主人だったのか。悲しい。こういうところ王宮の人間が怖い。
仕方ないか…気を取り直して、死ぬか。
自室に戻る。
独りになった。
前から気になってた紫の毒を飲もうと思うんだ。即効性が売りだとか。
イソイソとお気に入りの男装のド派手な衣装を着込む。鏡で確認する。ウム。似合う。スカートは嫌いだ。男装は一人で着れるし合理的だ。せめて好きな服で死にたい。
着替え終わると、ふっと今までの人生が浮かぶ。
17歳で死亡か。特にこれといって何もない一生だったな。結婚も子供もまだだったし。ウエディングドレス着てみたかったな。我が国では、シルクはなんとか用意出来てもビーズは無理だな……質素なドレスだなぁ。くすっ。
あと、誕生日以外の何でもない日にケーキ食べたかったな…あと、…………ヤメヨウ……
もう何も考えないよう気を落ち着ける。
ベッドに上がり上体をベッドボードに預け、クイッと一気に毒をあおる。
まずーい。
早く効くよう、苦しまぬようじっとする。段々眠くなってきた…
さらばだ!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「効いたか?」
心配そうな影が王女の顔を覗き込み確認する。薬が効いている様だ。
女官が盃を音を立てないように片付ける。さらに机に几帳面に並べられた遺書を集めて持ち帰る。
ベッドサイドでは、女官長が王女の頭を愛おしそうになで、髪を整える。入れ代わりに雲が王女に優しく毛布をかける。
最後に、月は恭しく王女の手の甲へ口づけを贈る。
そして静かに全員が退室する。
「お休みなさいませ」
そっと扉が閉められた。
持ち帰った遺書を広間と円卓に集まる重臣、大臣へ渡される。それぞれ自分宛の遺書を手に恐々そっと読みはじめる。
エカテリーナ宛は、皆で回し読みをして燃やされた。
月が独り言つ
「エカテリーナ、王冠は渡せない。悪いが王冠が欲しかったら、夫を殺して夫の頭からむしり取ってくれ。悪役令嬢。もう17年だ。流石に悪女過ぎだ。お前は、二度と祖国の地を踏むこと能わず。さらば。君の実家の家族も困っているよ。何人死んだか。我が国の王族の血は甘美だったかね……」
あの日、謁見場で死んだ星や死んで行った仲間を思い冥福を祈る。
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