男爵令嬢と結婚するから婚約破棄?二代続けてふざけるな!この低脳がっ!!

三条桜子

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8 王女モード発動す②

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 大臣達は、難しい顔で話合う。官僚達は苦々しい顔で押し黙る。発言権があれば怒鳴っているだろう。広間とはいえ2、30人で詰めかければ手狭である。
 熱気を帯、息苦しさを覚えた。
 続き部屋の円卓会議室も開けさせる。せめて大臣は円卓に座らせよう。


「王と王子の首を差し出し、あの女は生きたまま差し出しましょう」

「いや、断られるのが落ちでは?」

中のよい大臣同士二人が掛け合いを始める。

「そもそも、あの国は、いつでも息の根を止めれる状態でずっと監視していたんだ」

「でもやらぬよりマシだろう」

ここで、財務と外務の大臣が口を挟む。

「これ以上の関税は、耐えられん」

「関所も年々厳しくなり、移動もほぼ難しい。封じ込めにあってるんだぞ!」

 ヒートアップし怒りに捕われている。赤い顔で、怒鳴る様に意見を出す。然し、よい案も出ない様だ。既に円卓に座らせ1時間は経過している。


 此処で初めて、私が口を開く。
「皆、既に私の部下を報告に向かわせた。あちらの出方を待つか?」

 意見の纏まりが見られず、隣国の出方次第でどうかと言ってみる。私は、既に諦めているよ。
 
「そんな事では後手にまわってしまいます」

「そうです。何か対策を」

大臣の一人が見えない空間を睨む。

「このままでは最悪の事態が!」

「もしもの時は…」

ふっ。既に手遅れだろう…誰かの言いかけた言葉に被せる。

「もしもの時は、王権を差し出しそう」

「王女!」「姫!」「馬鹿なことを!」

口々に反対する。

「既にこの国は、傾き打つ手なし。王族の命と王権を差し出し赦しをこう。植民地となる。大臣達は、出来るだけ自治権の維持に勤めよ。皆、覚悟を決めよ」

私は下りるよ。

掃除係は、辛い。それ以上に、傾いた国を建て直すすべが無いことが辛い。

私達、王族の命で国民が守れるなら。

王族など国の贄。

「皆、さらばだ」

「王女!」

怒声が飛ぶ。

「待って下さい!何か、何かあるはず!」

まだ若い大臣が引き止める。

無いさ。何もない。これしかない。




「何を喋ってるんだ?」

茫然とした第一王子が、言葉を漏らす。

呆れる他無い。馬鹿だ。

深々とため息をつく。

「何を言ってるんだ?王子だろ?」

「状況が飲み込めないのか?」不思議そうな掛け合いの二人。

「あの親にしてこの子有り」年寄りの大臣が諺風な事を言う。

「婚約破棄した後を考えなかったのか?」先ほど空間を睨んでいた大臣がまたまた睨む。

大臣達がぶつぶつ話している。

もしかして、親の代でやらかした婚約破棄を知らぬのか?

我が国が傾いたのは、なぜだ?いつからだ?

知らぬのは罪。

誰も教えずとも、自分で調べよ。

疑問を持て。国を見よ。現実はとても、厳しい…



「大臣達よ。やはり、さらばだ。国を守ってくれ。すまぬ苦労をかける。せいぜい私の遺体を使って、なんらかの交渉を持ちかけ有利になるよう動いてくれ」



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