男爵令嬢と結婚するから婚約破棄?二代続けてふざけるな!この低脳がっ!!

三条桜子

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5 デバガメ王子破滅キーワードを発す オワタ~

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 何とした事か。第一王子がしつこく、温室に留まり見学を辞めない。

「イヤイヤ帰れ。人のラブシーン見てんじゃ無い。今度遊ぼう。連絡してから来なよ?」
王子が小刻みに震えている。顔が赤い。高血圧の心配の無い若者で良かった。血管が切れるではないか。

「馬鹿にしやがって!」
馬鹿だろうが、何を言い出した。

「婚約破棄だ。俺は、俺はエレナと結婚する」
驚いたな。
馬鹿馬鹿と子供のころから呼んできたが、本当に馬鹿だった。此処まで来れば最早、低脳。

「エレナ?ピンク頭の?」

「そうだ」

「お似合いのピンク犯罪ちゃんか」

 此処からはとても見せられない。雲を呼びアーサーを帰す。

「アーサー、ごめんね。今日はここまでで。王子と今後の話があるから…」
彼は良く弁えていて顔色一つ変えることなく淡々と帰宅した。
 見事。
 顔だけではない。いい男だ。惚れなおす。

 


「さて、待たせたね?はっきり言うよ。馬鹿だと思っていたが、低脳だったんだね?私と婚約した意味が分からぬ程、低脳だったんだね~」
 
 嫌悪感に顔が歪む。アーサーに見せられないな。自嘲する。

「何を!イツモイツモ…」

「お互いイヤイヤ付き合ってんだ。態度が悪い?嫌だもん」

蔑んだ目つきで王子を詰る。

「だが…」

「君の両親がゴミだから。私に掃除の仕事が回ってきた。何年も何年もゴミ係。うんざり。ゴミ親子!傷付いた顔をするな。お前達親子のせいで我が国は困窮している。お前達のせいで物不足。お前達の…」
言っているうちに興奮してしまう。落ち着こうと深呼吸をする。

「私と婚約破棄するんだ。ゴミは、やっぱり捨てれば良いんじゃないかな?掃除してもゴミがある限り永遠に掃除が終わらないヨネー。この係辛い。私はゴミ係、下りるよ」
王子は分からぬ顔だ。
 
 王子なのに何も分からぬ彼。
 何故婚約破棄するのか。結婚後、離婚でも毒殺でも色々な手段があるだろうに。王族の結婚を理解していない証拠だ。
 更には、あの様な愚かな男爵令嬢と結婚するとは。身分制度を理解していない証拠ではないか。
 しかも、お前の親も。

 

 ゴミ親子は、父親の代でも同じ事をやった。

 学園の卒業パーティーの出来事だ。ゴミの父親は、完璧な公爵令嬢と婚約破棄。その後、不純異性交遊の相手である男爵令嬢と結婚してしまった。

 側近の宰相の息子、騎士団長の息子、魔法団長の息子、揃いも揃って公爵令嬢を糾弾した。パーティー会場でたくさんの人間の見世物にされた令嬢が憐れだ。

 幸い公爵令嬢は、親の決めた婚約に不満だった。だから破棄に
大喜び。隣国の王子にその場で求婚され、二人は手に手を取り隣国へ行ってしまう。

 この後、17年に及ぶ隣国からの『ざまあ』が始まる。我が国の受難の始まり。
 
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