6 / 20
4 私のストレス発散法
しおりを挟む
屋敷に恋人のアーサーを呼んだ。恋人らしく温室で溢れる花々を眺める。
毎日に嫌気がさす。『王女の恋人』アーサーは実に理想的に振る舞ってくれる。とても気に入っている。
「アーサー」
甘い声で呼びかける。
「はい。愛しい人」
きちんと応える。律儀だ。
「アーサー」
「はい?」
「ごめん。呼んだだけ。大好き。大好きなアーサーが目の前にいると思うと幸せで…」
「困った人だ」
そんな事を言い、抱き留めてくれる。
軽く接吻をする。そして見つめ合い二人同時に微笑みを交わす。
綺麗な男だ。大輪の薔薇の様な人。
二年前に亡くなった父自慢の薔薇の庭。
アーサーの前には霞んでしまう。彼と共に過ごす時間は好きだ。
王女の身分も隣国からの内政干渉も鉄不足も何も考えずに済む。
せっかくの時間なのに来客が現れた。その為、星や部下も温室に来てしまった。
不意に第一王子が尋ねてきたのだ。彼は、私の婚約者。伯母と甥(兄王の子)
隣国の嫌がらせである。
「あれ?遊ぶ約束してないわよ?」
好いところを邪魔され対応も冷たくなる。
「おい!男と何してるんだ!」
思いがけない大声で第一王子が詰る。
「何ってナニよ。見ての通りイケメンといちゃいちゃよ。見て。すっごいイケメンでしょう?こんな素敵な人、ちょっといないわよ?」
「お前分かっているのか、俺という者が有りながら!」
「ちょっと止してよ。アーサーの顔と並んでご覧なさい」
「は?」
「ね?恥ずかしくって並べ無いでしょう?うっとりしちゃう、かっこよさ。アーサー好き」
「おま、おまえ…」
何やら悔しそうだ。如何した。
何時まで見ているのだろう。今日は先客があり約束もしていないのだ、お引き取り願いたいのだが。
無視を決め込み続きを致す。
アーサーの首に腕をまわし抱き合う。
アーサーにだけ優しく微笑みかける。そして、うっとりしたまま夢見る表情で抱き合う。
甥もピンクの髪の何とか云う娘と付き合っている。
王族の息抜きだろう。お互い迷惑をかけない範囲でやろう。
王族なんて責任ばかりで辛いな。
毎日に嫌気がさす。『王女の恋人』アーサーは実に理想的に振る舞ってくれる。とても気に入っている。
「アーサー」
甘い声で呼びかける。
「はい。愛しい人」
きちんと応える。律儀だ。
「アーサー」
「はい?」
「ごめん。呼んだだけ。大好き。大好きなアーサーが目の前にいると思うと幸せで…」
「困った人だ」
そんな事を言い、抱き留めてくれる。
軽く接吻をする。そして見つめ合い二人同時に微笑みを交わす。
綺麗な男だ。大輪の薔薇の様な人。
二年前に亡くなった父自慢の薔薇の庭。
アーサーの前には霞んでしまう。彼と共に過ごす時間は好きだ。
王女の身分も隣国からの内政干渉も鉄不足も何も考えずに済む。
せっかくの時間なのに来客が現れた。その為、星や部下も温室に来てしまった。
不意に第一王子が尋ねてきたのだ。彼は、私の婚約者。伯母と甥(兄王の子)
隣国の嫌がらせである。
「あれ?遊ぶ約束してないわよ?」
好いところを邪魔され対応も冷たくなる。
「おい!男と何してるんだ!」
思いがけない大声で第一王子が詰る。
「何ってナニよ。見ての通りイケメンといちゃいちゃよ。見て。すっごいイケメンでしょう?こんな素敵な人、ちょっといないわよ?」
「お前分かっているのか、俺という者が有りながら!」
「ちょっと止してよ。アーサーの顔と並んでご覧なさい」
「は?」
「ね?恥ずかしくって並べ無いでしょう?うっとりしちゃう、かっこよさ。アーサー好き」
「おま、おまえ…」
何やら悔しそうだ。如何した。
何時まで見ているのだろう。今日は先客があり約束もしていないのだ、お引き取り願いたいのだが。
無視を決め込み続きを致す。
アーサーの首に腕をまわし抱き合う。
アーサーにだけ優しく微笑みかける。そして、うっとりしたまま夢見る表情で抱き合う。
甥もピンクの髪の何とか云う娘と付き合っている。
王族の息抜きだろう。お互い迷惑をかけない範囲でやろう。
王族なんて責任ばかりで辛いな。
10
お気に入りに追加
1,218
あなたにおすすめの小説
どうやらお前、死んだらしいぞ? ~変わり者令嬢は父親に報復する~
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「ビクティー・シークランドは、どうやら死んでしまったらしいぞ?」
「はぁ? 殿下、アンタついに頭沸いた?」
私は思わずそう言った。
だって仕方がないじゃない、普通にビックリしたんだから。
***
私、ビクティー・シークランドは少し変わった令嬢だ。
お世辞にも淑女然としているとは言えず、男が好む政治事に興味を持ってる。
だから父からも煙たがられているのは自覚があった。
しかしある日、殺されそうになった事で彼女は決める。
「必ず仕返ししてやろう」って。
そんな令嬢の人望と理性に支えられた大勝負をご覧あれ。

わたくしが悪役令嬢だった理由
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、マリアンナ=ラ・トゥール公爵令嬢。悪役令嬢に転生しました。
どうやら前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生したようだけど、知識を使っても死亡フラグは折れたり、折れなかったり……。
だから令嬢として真面目に真摯に生きていきますわ。
シリアスです。コメディーではありません。
婚約破棄からの断罪カウンター
F.conoe
ファンタジー
冤罪押しつけられたから、それなら、と実現してあげた悪役令嬢。
理論ではなく力押しのカウンター攻撃
効果は抜群か…?
(すでに違う婚約破棄ものも投稿していますが、はじめてなんとか書き上げた婚約破棄ものです)

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。
悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。
二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。
けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。
ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。
だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。
グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。
そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。

【完結】もしかして悪役令嬢とはわたくしのことでしょうか?
桃田みかん
恋愛
ナルトリア公爵の長女イザベルには五歳のフローラという可愛い妹がいる。
天使のように可愛らしいフローラはちょっぴりわがままな小悪魔でもあった。
そんなフローラが階段から落ちて怪我をしてから、少し性格が変わった。
「お姉様を悪役令嬢になんてさせません!」
イザベルにこう高らかに宣言したフローラに、戸惑うばかり。
フローラは天使なのか小悪魔なのか…

【完結】トレード‼︎ 〜婚約者の恋人と入れ替わった令嬢の決断〜
秋月一花
恋愛
公爵令嬢のカミラ・リンディ・ベネット。
彼女は階段から降ってきた誰かとぶつかってしまう。
その『誰か』とはマーセルという少女だ。
マーセルはカミラの婚約者である第一王子のマティスと、とても仲の良い男爵家の令嬢。
いつに間にか二人は入れ替わっていた!
空いている教室で互いのことを確認し合うことに。
「貴女、マーセルね?」
「はい。……では、あなたはカミラさま? これはどういうことですか? 私が憎いから……マティスさまを奪ったから、こんな嫌がらせを⁉︎」
婚約者の恋人と入れ替わった公爵令嬢、カミラの決断とは……?
そしてなぜ二人が入れ替わったのか?
公爵家の令嬢として生きていたカミラと、男爵家の令嬢として生きていたマーセルの物語。
※いじめ描写有り
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる