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前編

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「藍くん、やっぱりあたしこれ以上藍くんとは付き合っていけない!バイバイ!」
「ちょっと待って!ゆ、優愛……っ」

 涙を浮かべて走り去っていく栗色のロングヘアの美少女を追いかけるのは金髪で人形みたいに整った顔をした美少年で、俺は丸でドラマのワンシーンを見てるかのような錯覚を起こした
 これが現実なのはわかってる。だってこのありきたりな恋愛ドラマのヒーロー役は俺・露木眞白つゆきましろの幼馴染の豊條藍ほうじょうらんだから。

 幼馴染として傍でずっと藍を見てきた俺は藍のモテっぷりを嫌というほど見せつけられてきている。
 藍は幼稚園の頃から
「らんくんとけっこんするのはあたしー」
「ちがうよぉわたしだよぉ」
「なにいってんのあんたたち!わたしにきまってんじゃん」
 と女子たちに取り合いされていた。

 小学生の頃も藍の隣の席は誰のものかとか藍と遠足で同じ班になるのは誰かとかでしょっちゅう女子たちが揉めていた
 藍の隣の席は誰事件に関しては藍が「俺の隣は眞白でいーんじゃない?」の一言で解決し、遠足や修学旅行の班は男同士女同士で行くことになり解決した。解決したと言っても遠足の件は女子たちはずっと文句言ってたし男子は藍のせいで女子と一緒に回れないと藍に怒りを爆発させてたが。きっと半分はやっかみだろう。

 そんなこんなで一時期は「女子ってすぐ喧嘩するし馴れ馴れしいし苦手だ。眞白と一緒にいるほうが楽しい」と言っていた藍だったが中学に入ると欲もあってかすぐに彼女を作るようになった。
 昔は眞白眞白って言っていつも俺の隣にくっついてきてたのにな……藍くんと眞白くんは本当に仲良しだね、なんてよくご近所さんに言われてたっけ。

 ――そう、何を隠そう俺は子供の頃からずっと藍のことが好きだ。
 藍が隣の席に俺を指名してきた時は心のなかで泣いて喜んだし、遠足や修学旅行の班決めでも藍が女子と一緒に回ることにならなくてほっとしたもんだ。
 そんでもって俺も子供だったから藍の「女子より眞白と一緒にいるほうが楽しい」なんてその場のノリで言った発言を鵜呑みにして(これって俺にもワンチャンあるのでは!?)とバカ正直に喜んで勘違いしたりしたっけな。

 さすがに高校生にもなってそんなバカみたいな勘違いはしてないけど、それでも俺はあの頃からずっと藍が好きだ。幼馴染の顔をしながら本当は一緒にいるだけで胸がいっぱいで、藍の幼馴染としてそばにいられることが幸せで仕方ない。
 藍はかっこいい。けど、かっこいいだけで良いなら俳優やモデルだっていいはずだ。でもどんな美形を見ても藍以外には少しもドキドキしなかった。

 それもこれも……
「ま゛~し゛~ろ゛~」
 こいつが失恋するたび俺に縋りついてきて自棄酒ならぬ自棄菓子自棄ジュースにつきあわせてくるせいだ。
「お前さっき裏庭で彼女に別れ話切り出されてたな。俺うっかり現場見ちゃったよ」
「えぇ本当に?俺かっこわるすぎるな……」
 すっかり憔悴する藍は俺があの現場を見ていたことを知ると魂の抜けたような表情になった。
「こうなったらやけ食いするしかないな!眞白、今夜も俺の部屋に来てくれ」
 俺の部屋というちょっと色っぽいワードにピクリと反応しつつ俺は「あ、ああ…」と相槌を打った。
 

 最近では仲のいい友達も違う藍とはこんな時くらいしか話す機会がない。きっと俺が縋りついてくる藍を突き放せば俺たちの縁も切れるだろう。
「ねえ!ひどくない!?思ってたのと違うって何?もっとクールでスマートだと思ってたって何なんだよ!?自分はベタベタしたがるくせに俺がベタベタしたらイメージと違うっておかしいだろ!バーカバーカ!」
 お菓子とジュースを買い込んで藍の部屋に邪魔すると藍はいつものように愚痴り始めた
 そう、俺が藍を突き放せばこの恋は終わる……けど俺にだけ見せてくるこの可愛い藍を見れなくなると思うととてもそんなことをする気にはなれない。それに失恋して一番に頼ってくるのが俺ってことは藍にとって彼女の次に優先順位が高いのは俺ってことで……そんなの嬉しくないわけがない。

「うんうん、お前はこんなにいい男なのにな。お前の彼女もお前も異性見る目がねえなあ」
 俺は藍が俺に求めているであろう答えを返し藍の失恋を笑い飛ばす。本当は藍と付き合える権利があるくせにその貴重な権利を簡単に捨ててしまえる藍の歴代彼女たちには死ぬほど腹が立つけど俺が藍にずっと片思いしてるなんていえるわけないからな。
 でも今回も三ヶ月と経たずに破局したけど次の彼女には本気になるかもしれない……これは藍の失恋自棄菓子会に付き合うたびにいつも頭を過ることだった。

「はあ。俺って恋愛に向いてないのかな?クラスの奴らは俺のこと羨ましいって言ってくるけどすぐ振られるのにどこがだよ。くそ、どーせ俺は見た目だけの中身のないスカスカ男なんだ……どーせ俺は顔さえ良くなきゃ誰とも付き合えないんだ……」
 そう思っていたのに藍の様子がいつもと違う。いつもなら次は可愛くて優しくて一途で俺のどんな姿を見ても引かない子と付き合うんだ!とかなんとか言ってすぐ立ち直るのに。

 その日からしばらく経つが藍の様子は変わらなかった。
 良くも悪くも注目される藍が彼女と別れたという噂はあっという間に学校中に広まり、友達からはからかい半分哀れみ半分で励まされ女子たちは次の彼女の座は自分が手に入れると息巻いている。
 しかし今まで来る者拒まずだった藍がついに告白を断るようになった。
 特定の誰だから断る……ということではなく誰の告白も受けないようになったのだ。お陰で藍のモテっぷりをやっかんでいた男子たちが急に藍に友好的になった。

 代わりに藍は日に日に元気をなくしていった。

「おい藍、最近どうしたんだよ?自棄菓子会も週一になってるしさあ。このままじゃ太るぞ」
 俺としては藍と週一でこうして二人きりになれるなんて願ってもないことだけどさ。俺はどうせなら元気な藍と一緒にいたいよ。
「……やっぱり俺のことを一番わかってくれるのは眞白だなって元カノとのことで痛感した。俺恋愛とか彼女とかしばらくいーや。あー眞白が女だったら眞白と付き合えたのになー!なんでお前男なんだよー」
 俺の体に抱きつき頭をこすりつけダダをこねる藍。いつもはクールで爽やかな藍が素の時はこんなに子供っぽいなんてクラスの奴らは知らないんだろうなあ。
「いやいや俺の意思は!?お前みたいなモテる奴彼氏にしたら浮気されそうでやだよ」
「えー、俺意外と一途だよ!?来る者拒まずとか言われるけどフリーじゃないと付き合わないし」
 ……うん、知ってる。
 藍はこの顔のせいで軽い奴だと思われるが、本当は誠実でこの子と付き合うと決めたら浮気なんてしない奴だ。それは幼馴染のこの俺が自信を持って保証する。なんたって片想い歴十年だしな!?
 でも素直に俺も藍みたいな彼氏がほしいなんて言えるわけないだろ。そんなこと冗談でも口に出してみろ。歯止めがきかなくなって絶対藍にもこの気持ちがバレてしまうに決まってる。

「……もう俺一生独身で死ぬときも一人きりなのかも。どーせジジイになったら顔の良し悪しなんて関係なくなるしな~。あ~俺なんか一生一人なんだ~」
 いつもは立ち直りが早い藍がこんなに長いこと落ち込むなんて珍しい。
 よっぽど元カノのことが好きだったのかな……いや、それもあるけど今まで二桁以上の女子と付き合ってきて皆に振られたり浮気されたりしてるのが堪えたのか。

「こうなったら俺への幻想なんて抱けなくなるくらいとことん落ち込んでやる……ははは……眞白、来週も自棄菓子つき……あえよ…な…」
 元カノとのことで傷ついて周りにも面白おかしく噂されてストレスが溜まっていたのか藍は途中で眠ってしまった
 今回は今までとは違う。これ以上藍が落ち込んだら取り返しのつかないことになるかもしれない。

 沈んでる藍を見続けるくらいなら次の彼女ができるくらいなんてことはない。何とかして俺が藍を失恋のショックから立ち直らせてみせる!

「待ってろよ藍」
 と俺は藍が起きないようにそっと藍の頬を撫で、静かに藍の部屋から退散した。


 って言ってもどーすりゃ良いんだって感じなんだけどね。
 失恋……いやただの自棄飯会は最近の恒例行事になってるけど最早効果ゼロだし女子に告白されたって今は男として自信持てないみたいだし。

 リビングでうんうん悩んでいるとふと本棚に置いてある少女漫画が目に入った。
 これは妹が一時期ハマって読んでた……何だっけ。あ、タイトルは『恋心は恋文ラブレターに忍ばせて』か。
 一昨年実写化もしててあのときはブームになってたよなあ。俺は男だし読んだことないけど。 

 ……んー。
 たまには少女漫画もいいか。俺だって言わば恋する乙女、いや乙男?だし。

 そんな軽い気持ちで手を出した少女漫画だったが全巻読破する頃には顔面が水分まみれの情けない有様になっていた
 よ゛がっだあああ……よかったなあ文子、恋太郎くんに想いが通じて本当によかったなあ!!
 母親が男作って家を出ていって今まで心を閉ざしていた恋太郎の氷の心を心温まるラブレターで見事に溶かしてみせた文子。これはブームになるのもわかるぞ!

 ていうかこの漫画の状況――現実にも使えるな。
 俺が直に励ましてもあんまり効果ないみたいだし、俺が女の子の振りしてラブレターを書きまくれば藍も男としての自信を取り戻せるんじゃないか!?
 俺のこの気持ち悪いくらいの藍ラブ♡な思考回路も可愛い女の子の気持ちってことにすれば気持ち悪くは思われないだろう。
 うんうん、スマホのあるこのご時世に今時こんな古典的な方法で告白する奴なんかいないだろうしこれは名案なんじゃね?

 藍のいいところなんて無限に思いつくし!そうと決まれば善は急げだ。
 俺はその日早速夜なべして藍へのラブレターを書き上げた。

 藍は俺のきったない筆跡を知ってるから女子っぽい丸文字に書くのに相当時間がかかった
 だがしかし時間をかけただけあって完璧なラブレターを書き上げられたぞ!

 俺は誰にもバレないよう早朝に学校に行きこっそりと藍の下駄箱にラブレターを入れた。
 そして素知らぬ顔で家に帰り、いつも通りの時間に学校へと向かう。

「らーん、はよ」
 何も知らないフリして声をかけることに若干の罪悪感を覚えつつ「おはよう」と藍に声をかけると俺のお手製ラブレター♡を手にして呆然と佇む藍がそこにいた
「ああ……眞白か。なあこれ……差出人も書いてないけどいたずらかな」
 あっ。まさか差出人の欄に俺の名前を書くわけにも行かなくて空欄のまま出したんだった!
「お前モテるんだしいたずらじゃないだろ?開けてみればいいじゃん」
「……それもそうだな」
 興味なさげに俺のラブレターを開封する藍。    何も考えずに開けてみればなんて言っちゃったけど、よく考えたらラブレターを宛てた相手がすぐ隣りにいるのに俺の認めた文を読まれるなんて公開告白してるようなもんじゃねえ……?なにこれ。恥ずかしいしいたたまれないんですけど。

 もう『これ書いたの俺です!実はドッキリでした!藍に元気だしてほしくてふざけてこんな手紙書きました』ってぶちまけたほうがいいか……?
 そう思い藍を見るとさっきまで興味なさそうにしていた藍が打って変わって真剣な目で俺の手紙を読んでいた。藍に俺の正直な気持ちを読まれている、それも真面目に……やばい顔が赤くなるのが自分でもわかった。
 藍が俺のことを見てないなんてことはわかってるのに俺は恥ずかしくてつい俯いた。逃げれるなら逃げたいけどここで逃げるのは不自然すぎる……くっ……こんなの公開処刑だ……っ

「眞白ぉ、この手紙書いたの誰だろう……」
「へ?」
 不意に藍を見ると藍の目が潤んでいる。な、泣いてる……?
 いや泣いてるとまでは行かないけど明らかに涙目にはなってるな?あれれー?どういうこと?

「差出人が書いてないから誰が書いたかわかんないけど、この手紙書いた子絶対俺のこと大好きじゃん……しかもこれ一ヶ月や二ヶ月の思いじゃないよ絶対……」
「ひぃ……」
 やーめーてーくーれー!
 そうです俺はお前のことが大好きです。十年間藍のことがずっと大好きでお陰で誰とも付き合ったことないし毎日藍のことしか考えてない藍バカですー!いやーはずかちー!

「……俺、誰がこの手紙書いたか知りたい。また書いてくれるかなラブレター」
 うう……
 初回でこんな公開処刑くらったら恥ずかしくてもう藍に合わせる顔もないのにそう言われると二通目も書かざるを得なくなるじゃんかよ……

 さすがに名前を書かないのは俺も不自然だと思い、今度は封筒のfrom.と書いてあるところにゆき♡と書いておいた。つましろだからゆき……我ながらネーミングセンスねーな。

 前回は藍くんの笑うと子供っぽくなるところがとても可愛くて素敵だと思ってます♡とか、実は甘党で食堂でデザートを食べてるときの幸せそうな顔が特に大好きです♡とかそんなことばかり書いたので今回は元カノとの噂を聞いたことも混じえつつ自分がいかに藍を好きで何があってもこの気持ちが変わらないかを重点的に書いてみよう

「……よしできた」
 相変わらず自分の気持ちだけ書こうとするとストレートな告白にしかならないので女子のラブレターっぽくまとめるのに時間がかかった。けど、丸文字書くのには少し慣れたかな。

 毎日届けるのはさすがに違う気がしてしばらく日を空けてから俺はまた藍の下駄箱にそっとラブレターを忍ばせまた偶然を装って藍が登校する時間に声をかけ、ラブレターへの反応を窺った。

 下駄箱を開けラブレターを見つけた瞬間、藍は明らかに表情が明るくなり、即座に下駄箱から手紙を取り出した
「眞白、見てよ!またあの子から手紙来た!名前……ゆきちゃんって言うんだ……」
「良かったな」
 もう本当穴があったら入りたいって今の俺のこと言うんだろうな。なーにが良かったな、だよ。本当は恥ずかしすぎてすぐにでもこの場から立ち去りたいと思ってるくせに。
 でも藍が手紙を受け取って、ちゃんと元気になったか確認できないと折角バカ正直にこんな手紙書いてる意味もないからな。恥ずかしいけど逃げる訳にはいかないんだ……!

「ゆきちゃん……俺のこと噂で聞いたんだ。それでも何があっても自分は俺のことが大好きなんだって。一途かよー。今時こんな子いるんだな……」
「お前の好みって一途でどんな自分でも引かない子だっけ?良かったじゃん、俺はいつか藍の中身の良さに気づく子がいるって信じてたよ」
 っつってもこの手紙書いたのは俺なんですけど……ごめんな。
「眞白……」
「あ、あはは……」
 こんなに素直に藍を褒めたことなんてなくて変な雰囲気になってしまったので俺はそそくさと教室に向かった。藍は下駄箱の前でぼーっと立ち尽くしていた。

 ……えー、俺が見るに藍は俺がラブレターを書く前よりも顔色が良くなっている気がします。正直ラブレターなんて最初は自分でもバカなこと思いついたなって思ったけど俺が恥を晒すだけで藍が元気になるなら全然平気だ。むしろ俺の手紙で元気になってくれるなんて光栄でしかない。

 その後も俺はコツコツと手紙を認め不定期で藍の下駄箱に入れ続けた。
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