4 / 26
ブラックブリード・エンパイア
第四話 ギルド
しおりを挟む
一先ずの目的が金稼ぎになったサンジュウシはギルドへと来ていた。
辺りはすでに日が沈み、ハンターの数も疎らになっているがギルドは二十四時間運営している。
全身をSランク装備の黒傭の鎧で包んでいるせいか周囲から視線を向けられているが、構うことなく受付に向かった。
「ようこそおいで下さいました、サンジュウシ様。クエストをお受けになりますか?」
眼鏡を掛けた受付嬢はゲームと同じ言葉を吐いた。
「ああ。討伐以外のクエストはあるか?」
「少々お待ちください」受付嬢は手元に置いてあるファイルを捲り始めた。「そうですね……現在Sランクハンターが受注できるクエストの中では『火山地帯での鉱石採掘』と『クオートリの卵採取』がございます」
火山地帯はAランク以上のハンターが行ける危険なダンジョンで、クオートリは十段階評価の危険度で六のモンスターだ。ちなみにスライムは危険度一にも満たない。
「火山地帯にクオートリか。確実に戦闘は避けられないタイプのクエストだよな……もっとこう、近場での薬草採取、みたいなクエストはないのか?」
「そういったクエストはランクの低いハンターが率先して受けてしまうので、今は残っていないですね。比較的、危険度の低い討伐クエストならございますが……」
ゲームであれば簡単なクエストを何度でも受けることが出来たが、今は出来なくなっている。サンジュウシは考えるように鎧の上から顎に手を置くと、差し出されていた二枚のクエストを突き返した。
「いや、モンスターは無しだ」受付嬢がクエストの紙を受け取るのを見て、項垂れるようにカウンターに手を着いた。「だが、クエストを受けなきゃ金は無いし、今夜泊まる場所もない……どうするかな」
このゲームでは金の稼ぎ方がシビアなだけにクエストを受けると準備金として報酬の一部を先にもらうことが出来る。それはどれだけ簡単なクエストでも変わらないため、足掛かりとして考えていたサンジュウシにとっては急ブレーキを掛けられた気分だった。
項垂れるサンジュウシを見た受付嬢は眼鏡を整えながら徐に口を開いた。
「お金が必要でしたらアイテムや装備品を売っては如何ですか? Sランクハンターのサンジュウシ様であれば、不必要な道具を売ればそれなりの額になると思いますが」
「っ――それだ!」まるで雷に打たれたかのように体を震わせたサンジュウシは受付嬢の手を握り締めた。「ありがとう、お嬢さん! 今度何か奢ります!」
そう言って駆け出したサンジュウシは街の外灯の中を雑貨屋に向けて進んでいく。
この世界には武器屋・装備屋・雑貨屋など様々な店があるが、その中で若干買取価格が落ちるものの、なんでも買い取ってくれるのは雑貨屋のみだ。各店を回るのが面倒な者はアイテムなどを売るのを雑貨屋で済ませてしまう。
とはいえ、サンジュウシが今まで装備品やアイテムを売ることを思いつかなかったのも仕方が無い。中級者以上のプレイヤーの中で、狩人の背嚢を持っている者は手に入れたアイテムなどを全て確認したりはしないし、何より上限から解放されるから新しい装備を買ったり作ったりしても持ち物が圧迫されることがない。
加えて現実での金稼ぎを目的としていたプレイヤーたちは基本的にモンスター退治やクエストの報酬で金を貯めているから、アイテムを売るという発想自体が無いのだ。
「雑貨屋は……こっちか」
商店街のように立ち並ぶ店の中から唯一、明かりの点いている建物に入ると小太りの店主がサンジュウシに気が付いた。
「いらっしゃい。ただ、もう店仕舞いの時間なんだがね」
「買取だけなんでちょっとお願いできませんか?」
「買取ぃ? あんたSランクハンターだろ? そんな身なりでその日暮らしなんざ合わないぜ」
「合う合わないはほっといてくれ。訳ありで文無しなんだ。俺の持っている使っていない装備や武器を――」その時、気付いたようなサンジュウシは自らの体を見下ろした。「もしかしなくともこの鎧、目立つか?」
「そりゃあなぁ。そんなレアもんを持っているハンターは数限られる」
「そうか……着替える場所あるか?」
指差されたほうにはさすがはなんでも売っている雑貨屋、カーテンで仕切られた更衣室があった。
「つーか、これどうすんだ?」更衣室に入り、背嚢に手を突っ込んだところで呟いた。「着替え……脱ぎ方もわからねぇしな」
普段なら手元操作で簡単に着替えられるところを、サンジュウシ本人は鎧の着脱方法など知っているわけも無く。そして、背嚢の中に装備やアイテムが入っていることは感じられるが物理的に取り出す方法がわからない。
「ぶっ壊れ性能の狩人の背嚢があるってことは、そういう使い方が出来るってことだ」呟いて目を閉じた。そして、再び目を開けた。「……できた。つまり想像で着脱可能ってことか」
そこには鎧を脱いで肌着姿になったサンジュウシがいた。
「出来る限り目立たないランクの装備で……それでいて防御力が高いのは――たしか布ベースで動き易いのがあったな」
ゴソゴソと背嚢の中で手を回せば、目的のものを見付けたのか目を閉じた。すると、ボタンが無く風通しの良さそうなポロシャツに、ワイドなカーゴパンツ姿になった。
「まぁ、こんなものか。とりあえず防具は念のために黒傭の鎧と、霜天の羽衣あたりは残しておいて、武器もそれぞれ一種類を残しておけばいいか」
呟きながら更衣室を出れば小太りの店主は驚いたような顔をして、加えていた煙草を落とした。
「あんた……そんな顔してたのか」
「なんだ、何か変か?」
「いや、黒傭のハンターの素顔がそんなベッピンだったのに驚いただけだ」
「ああ、そういうことか。アバター作成適当にやっちまったからなぁ。たしかに初期の頃はネカマを疑われていたが……こんなことになるならもっとちゃんと男寄りで厳つく作れば良かった」
「何言ってんのかよくわからねぇが、それで? 何を売るんだ?」
「防具を三十種くらいと、武器を約六十」
「全部で百前後か。随分と奮発するな」
「要り様でな。これ――どうやって渡すんだ?」
「あんた、狩人の背嚢だろ? じゃあ、その背嚢を台に乗せな」差し出された量りのような台に外した背嚢を乗せると、カウンターの下から取り出された画面に中身が映し出された。「そこから売りたいものを選びな」
「こういうところはハイテクなんだな。まぁ有り難いが」言いながら画面に触れて売るものを店側へ移すと武器・防具合わせて四つが残った。ちなみに装備しているものは表示されない。「じゃあ、とりあえずこれで」
「はいよ、確認する――えっ! あんた……本当にこれ全部売っちまっていいのかい?」
驚く店主を余所に何食わぬ顔をしたサンジュウシは頷いて見せた。
すると考えるように俯いた店主は店の奥へと進んでいき、戻ってきた手には複数の封筒が握られていた。
「じゃあ防具で一千万、武器で二千万、合わせて三千万でどうだ?」
「さすがに一割にも満たないか……よし、それで良い。買い取ってくれ」
「毎度あり。ちょいと色を足しておいたぜ?」
「助かる」頭を下げて背嚢を腰に付け、封筒に手を伸ばしたところで再び考えるように固まってしまった。「これ……どうやって仕舞うんだ?」
「あんたSランクなのにそんなことも知らないのか? その金はもうあんたのだから手に持った状態で『収納』って言えばいい」
「……収納」呟くと、その手の中にあった封筒が消えた。「なるほど。認識の問題ってことか。色々と助かったよ、店主」
「いやいや、こっちこそ儲けさせてもらった。またのお越しをお待ちしているよ」
軽く手を挙げて店を出ると、背後の雑貨屋の明かりが消えた。
辺りの店の明かりも消えており、やっている店といえば酒場や食事処ばかり。先立つものを手に入れたサンジュウシは使い道を考えつつも、最初に訪れた酒場兼宿屋に向かった。
目的はゲーム内通貨で百億円を稼ぐこと。そのために三千万をどう使うのか――さすがは一度は百億を稼いだ男だ。無駄遣いはしない……だが。
「モンスターだけはなぁ」
溜め息混じりのサンジュウシは、項垂れながら酒場兼宿屋『龍のうろこ』へと入っていった。
辺りはすでに日が沈み、ハンターの数も疎らになっているがギルドは二十四時間運営している。
全身をSランク装備の黒傭の鎧で包んでいるせいか周囲から視線を向けられているが、構うことなく受付に向かった。
「ようこそおいで下さいました、サンジュウシ様。クエストをお受けになりますか?」
眼鏡を掛けた受付嬢はゲームと同じ言葉を吐いた。
「ああ。討伐以外のクエストはあるか?」
「少々お待ちください」受付嬢は手元に置いてあるファイルを捲り始めた。「そうですね……現在Sランクハンターが受注できるクエストの中では『火山地帯での鉱石採掘』と『クオートリの卵採取』がございます」
火山地帯はAランク以上のハンターが行ける危険なダンジョンで、クオートリは十段階評価の危険度で六のモンスターだ。ちなみにスライムは危険度一にも満たない。
「火山地帯にクオートリか。確実に戦闘は避けられないタイプのクエストだよな……もっとこう、近場での薬草採取、みたいなクエストはないのか?」
「そういったクエストはランクの低いハンターが率先して受けてしまうので、今は残っていないですね。比較的、危険度の低い討伐クエストならございますが……」
ゲームであれば簡単なクエストを何度でも受けることが出来たが、今は出来なくなっている。サンジュウシは考えるように鎧の上から顎に手を置くと、差し出されていた二枚のクエストを突き返した。
「いや、モンスターは無しだ」受付嬢がクエストの紙を受け取るのを見て、項垂れるようにカウンターに手を着いた。「だが、クエストを受けなきゃ金は無いし、今夜泊まる場所もない……どうするかな」
このゲームでは金の稼ぎ方がシビアなだけにクエストを受けると準備金として報酬の一部を先にもらうことが出来る。それはどれだけ簡単なクエストでも変わらないため、足掛かりとして考えていたサンジュウシにとっては急ブレーキを掛けられた気分だった。
項垂れるサンジュウシを見た受付嬢は眼鏡を整えながら徐に口を開いた。
「お金が必要でしたらアイテムや装備品を売っては如何ですか? Sランクハンターのサンジュウシ様であれば、不必要な道具を売ればそれなりの額になると思いますが」
「っ――それだ!」まるで雷に打たれたかのように体を震わせたサンジュウシは受付嬢の手を握り締めた。「ありがとう、お嬢さん! 今度何か奢ります!」
そう言って駆け出したサンジュウシは街の外灯の中を雑貨屋に向けて進んでいく。
この世界には武器屋・装備屋・雑貨屋など様々な店があるが、その中で若干買取価格が落ちるものの、なんでも買い取ってくれるのは雑貨屋のみだ。各店を回るのが面倒な者はアイテムなどを売るのを雑貨屋で済ませてしまう。
とはいえ、サンジュウシが今まで装備品やアイテムを売ることを思いつかなかったのも仕方が無い。中級者以上のプレイヤーの中で、狩人の背嚢を持っている者は手に入れたアイテムなどを全て確認したりはしないし、何より上限から解放されるから新しい装備を買ったり作ったりしても持ち物が圧迫されることがない。
加えて現実での金稼ぎを目的としていたプレイヤーたちは基本的にモンスター退治やクエストの報酬で金を貯めているから、アイテムを売るという発想自体が無いのだ。
「雑貨屋は……こっちか」
商店街のように立ち並ぶ店の中から唯一、明かりの点いている建物に入ると小太りの店主がサンジュウシに気が付いた。
「いらっしゃい。ただ、もう店仕舞いの時間なんだがね」
「買取だけなんでちょっとお願いできませんか?」
「買取ぃ? あんたSランクハンターだろ? そんな身なりでその日暮らしなんざ合わないぜ」
「合う合わないはほっといてくれ。訳ありで文無しなんだ。俺の持っている使っていない装備や武器を――」その時、気付いたようなサンジュウシは自らの体を見下ろした。「もしかしなくともこの鎧、目立つか?」
「そりゃあなぁ。そんなレアもんを持っているハンターは数限られる」
「そうか……着替える場所あるか?」
指差されたほうにはさすがはなんでも売っている雑貨屋、カーテンで仕切られた更衣室があった。
「つーか、これどうすんだ?」更衣室に入り、背嚢に手を突っ込んだところで呟いた。「着替え……脱ぎ方もわからねぇしな」
普段なら手元操作で簡単に着替えられるところを、サンジュウシ本人は鎧の着脱方法など知っているわけも無く。そして、背嚢の中に装備やアイテムが入っていることは感じられるが物理的に取り出す方法がわからない。
「ぶっ壊れ性能の狩人の背嚢があるってことは、そういう使い方が出来るってことだ」呟いて目を閉じた。そして、再び目を開けた。「……できた。つまり想像で着脱可能ってことか」
そこには鎧を脱いで肌着姿になったサンジュウシがいた。
「出来る限り目立たないランクの装備で……それでいて防御力が高いのは――たしか布ベースで動き易いのがあったな」
ゴソゴソと背嚢の中で手を回せば、目的のものを見付けたのか目を閉じた。すると、ボタンが無く風通しの良さそうなポロシャツに、ワイドなカーゴパンツ姿になった。
「まぁ、こんなものか。とりあえず防具は念のために黒傭の鎧と、霜天の羽衣あたりは残しておいて、武器もそれぞれ一種類を残しておけばいいか」
呟きながら更衣室を出れば小太りの店主は驚いたような顔をして、加えていた煙草を落とした。
「あんた……そんな顔してたのか」
「なんだ、何か変か?」
「いや、黒傭のハンターの素顔がそんなベッピンだったのに驚いただけだ」
「ああ、そういうことか。アバター作成適当にやっちまったからなぁ。たしかに初期の頃はネカマを疑われていたが……こんなことになるならもっとちゃんと男寄りで厳つく作れば良かった」
「何言ってんのかよくわからねぇが、それで? 何を売るんだ?」
「防具を三十種くらいと、武器を約六十」
「全部で百前後か。随分と奮発するな」
「要り様でな。これ――どうやって渡すんだ?」
「あんた、狩人の背嚢だろ? じゃあ、その背嚢を台に乗せな」差し出された量りのような台に外した背嚢を乗せると、カウンターの下から取り出された画面に中身が映し出された。「そこから売りたいものを選びな」
「こういうところはハイテクなんだな。まぁ有り難いが」言いながら画面に触れて売るものを店側へ移すと武器・防具合わせて四つが残った。ちなみに装備しているものは表示されない。「じゃあ、とりあえずこれで」
「はいよ、確認する――えっ! あんた……本当にこれ全部売っちまっていいのかい?」
驚く店主を余所に何食わぬ顔をしたサンジュウシは頷いて見せた。
すると考えるように俯いた店主は店の奥へと進んでいき、戻ってきた手には複数の封筒が握られていた。
「じゃあ防具で一千万、武器で二千万、合わせて三千万でどうだ?」
「さすがに一割にも満たないか……よし、それで良い。買い取ってくれ」
「毎度あり。ちょいと色を足しておいたぜ?」
「助かる」頭を下げて背嚢を腰に付け、封筒に手を伸ばしたところで再び考えるように固まってしまった。「これ……どうやって仕舞うんだ?」
「あんたSランクなのにそんなことも知らないのか? その金はもうあんたのだから手に持った状態で『収納』って言えばいい」
「……収納」呟くと、その手の中にあった封筒が消えた。「なるほど。認識の問題ってことか。色々と助かったよ、店主」
「いやいや、こっちこそ儲けさせてもらった。またのお越しをお待ちしているよ」
軽く手を挙げて店を出ると、背後の雑貨屋の明かりが消えた。
辺りの店の明かりも消えており、やっている店といえば酒場や食事処ばかり。先立つものを手に入れたサンジュウシは使い道を考えつつも、最初に訪れた酒場兼宿屋に向かった。
目的はゲーム内通貨で百億円を稼ぐこと。そのために三千万をどう使うのか――さすがは一度は百億を稼いだ男だ。無駄遣いはしない……だが。
「モンスターだけはなぁ」
溜め息混じりのサンジュウシは、項垂れながら酒場兼宿屋『龍のうろこ』へと入っていった。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
転生悪役令嬢の本懐vs二周目道化王子の本気【連載版】
江村朋恵
ファンタジー
残虐な令嬢と非業の死を遂げた王子のやり直し。
前世が読んだ『物語』では魔力のない悪役令嬢は処刑されることで闇の巫女として復活し、魔王の封印すら解く。
処刑前は生け贄の『血』で魔術を使い、血を甘く魅力的なものに感じて殺害を繰り返す残虐な令嬢。
わずか五歳でそんな『前世が読んだ物語の悪役令嬢』に転生したことに気付き、意識はそのまま必死に足掻くパトリシアのお話。
──と、実は『物語』でパトリシアを処刑した王子が二周目に入っていた。
『物語』後に殺された王子が二周目に挑戦するもパトリシアが前回と違うことに戸惑いながらハッピーエンドを目指す。
悪役令嬢モノの皮をかぶった伏線?たっぷりの異世界バトルファンタジー。
思いつき短編からの連載版です。
※流血出血切断は普通にでてきます。
※たまに地名や用語がたくさん出ますがスルーでおねがいします。だいたいただの雰囲気名詞です。重要な言葉は登場の度、何度か説明いれます。
※表紙絵(ラフ)はパトリシア15歳頃
https://ncode.syosetu.com/n1752ge/
元銀行員の俺が異世界で経営コンサルタントに転職しました
きゅちゃん
ファンタジー
元エリート (?)銀行員の高山左近が異世界に転生し、コンサルタントとしてがんばるお話です。武器屋の経営を改善したり、王国軍の人事制度を改定していったりして、異世界でビジネススキルを磨きつつ、まったり立身出世していく予定です。
元エリートではないものの銀行員、現小売で働く意識高い系の筆者が実体験や付け焼き刃の知識を元に書いていますので、ツッコミどころが多々あるかもしれません。
もしかしたらひょっとすると仕事で役に立つかもしれない…そんな気軽な気持ちで読んで頂ければと思います。
そして、腐蝕は地獄に――
ヰ島シマ
ファンタジー
盗賊団の首領であったベルトリウスは、帝国の騎士エイブランに討たれる。だが、死んだはずのベルトリウスはある場所で目を覚ます。
そこは地獄―― 異形の魔物が跋扈する血と闘争でまみれた世界。魔物に襲われたところを救ってくれた女、エカノダもまた魔物であった。
彼女を地獄の王にのし上げるため、ベルトリウスは悪虐の道を進む。
これは一人の男の死が、あらゆる生物の破滅へと繋がる物語。
――――
◇◇◇ 第9回ネット小説大賞、一次選考を通過しました! ◇◇◇
◇◇◇ エブリスタ様の特集【新作コレクション(11月26日号)】に選出して頂きました ◇◇◇
【完結】え、別れましょう?
須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」
「は?え?別れましょう?」
何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。
ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?
だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。
※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。
ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。
漆黒帝と呼ばれた男 ~異世界から来たのでステータスやスキルはありませんけど、こちらには科学文明の力があるので最強です~
ねこのにくきう
ファンタジー
とある惑星に謎の組織が存在した。
彼ら5人は同じ目標を掲げて密かに活動する戦士たちだ。
彼らは何者にも縛られず、何者にも屈しない。そして夢の実現のためならば、あらゆる手段を行使することを厭わない。
しかし、皮肉にも母星には彼らの居場所は存在しなかった。
彼らの組織は徹底的に制限され、弾圧され、徐々に仲間の心も疲弊していった。
このままでは国家政府の陰謀で追放されてしまうかもしれない……。
そこで組織のトップである統領は、ある決断を下す。
この世界で受け入れられないならば、別の星で理想郷を作るしかない、と。
志を共にする同志たちと母星を旅立ち、たどり着いたのは遥か彼方の未開の星。
そこは、自分たちの星とは比べ物にならない程に原始的な生活を営む人類が存在していた。
しかし、原始的故に際限のない欲望が、渦巻く策謀が、力による支配が、無慈悲な統治が溢れていた。
善意が悪意に握りつぶされる光景、弱い者が強い者に虐げられる光景。
手段を選ばないにしても程がある!
何も知らない子供たちが、狡賢い大人たちの都合で死んでいいわけがない。
「俺たちの行動は決して善ではない。時には力も行使するだろう。そして、見方によっては、それは悪と罵られることかもしれない。しかし、目の前で横行している、善を装った悪事を見ないふりをするほどの腐った人間では断じてない!」
力があれば、何をしてもいいわけではない。悪には、悪なりのモラルがあるのだ。
善には善で報いよう。しかし、悪には悪を、力には力を持って、世界の理不尽をぶち破る!
帝国だろうが聖王国だろうが勇者だろうが魔王だろうが、俺たちの行動に文句があるならかかってこい!
スキル?ステータス?魔法?そんなものが存在する世界で、彼らの科学の力は異質だった。
ドラゴンが現れたらぶん殴る、勇者が現れたらぶん殴る、魔王が現れたらとりあえずぶん殴る!
理不尽な力も純粋なパワーで何とかすればいいのである。
これは、自分たちの理想を叶えようと奔走するダークヒーローたちの物語である。
〜復讐〜 精霊に愛された王女は滅亡を望む
蘧饗礪
ファンタジー
人間が大陸を統一し1000年を迎える。この記念すべき日に起こる兇変。
生命の頂点に君臨する支配者は、何故自らが滅びていくのか理解をしない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる