11 / 59
異世界転生
パイ投げ
しおりを挟む
「グォォ!!」
フェンリルが勝利の雄叫びをあげる。別に勝った訳ではないが。
剣士2がやられた事で更に戦士たちの士気が落ちる。
「あと6人か」
首を回し周りの状況を確認しながら言う。残ってるのは剣士1、3。弓1、2。魔法使い1、2。
魔法使い1、2と弓1、2は自分がどうすれば良いか分からず、戸惑っている。俺を攻撃するべきか、剣士1を支援するべきか。
「チームプレイっていうのは指揮者がいなくなるとこうなるから嫌いなんだ」
俺はそう、あいつらに訴えるように言う。しかし――
「クソッ、どうすれば」
「あなたは2人の魔法使いと協力してあの男を足止めしておいてください!! 僕は弓士2人と、フェンリルをどうにかします!!」
今まで何もしてこなかった剣士3が急に指揮をとり始めた。
「お、おお」
その事に剣士1も動揺している。しかし剣士3はそんな事、気にせず指示を出す。
「弓士のみなさんは僕のサポートをしてください!!」
弓士はそれに頷きターゲットをフェンリルに絞る。片や剣士1は魔法使い1、2をつれて、俺攻撃体制をとる。
「やるなあの剣士。俺より少し年上くらいか?」
その切り替えの凄さに俺は思わず関心する。
「おい、テメェ!! よくもやってくれたな!!」
剣士1が俺に怒鳴り付ける。
「テメェはこの俺がぶっ飛ばす!!」
そう啖呵を切り、こっちに突っ込んでくる。
「あの剣に直撃したら俺でも少し、やばそうだな。ただ――」
剣士1は力の限りでその大きな両手剣を振りおろしてくる。俺はサラリとそれを避ける。
「当たらなければどうと言うこ事はない」
しかし剣士1の攻撃はこれで終わらない。
「オラァァ!!」
その威勢の良い声と共に次なる攻撃がくる。
「おっせぇなぁ」
しかし俺はそれを当たり前の様に避ける。しかし、剣士1はそれを詠んでいた様に、次なる攻撃に出る。
なるほど。俺のスピードを把握して大振りだと当たらないから、流れるような細かい動きに変えてきたな。しかも、それを悟られないように上手く誤魔化してる。
客観的に見れば剣士1はただ剣をヤタラメッタラ大振りしている様に見えるが実際は違う。これはフェイクなのだ。
男のその大振りに見える攻撃は俺の気を引き付けるための物であり、囮なのだ。その証拠に魔法使い1は剣士1と自分で俺を挟み撃ちにしている。そして魔法使い2が大きな魔法の準備をしている。
「逃げ場をなくして……フェンリルと同じか」
表面的な攻撃はすべてフェイクで本領は魔法使い2の強大な魔法。
おそらくこれは剣士3の指示だろ。1発大きいのを当てれば十分だと。
「し~かし、それは獣相手に通じても俺には通じな~い」
「オラァァ!! じゃかし――」
「ドッセィ!!!」
「――グハァァ!!」
男がよそ見をした俺を見て1発入れようと踏み込んできた。俺は今回の転生で貰った能力を試すべく、手にあるものを生成した。それは――
「まるで野球ボールのように飛んでいったな」
男は俺の攻撃をモロに喰らい場外に吹き飛んだ。吹き飛び方があまりにも真っ直ぐで野球ボールのようだったからつい口に出てしまった。
「クソイッテェ……てかウメェなこれ!!」
――パイだ。
剣士1は顔についたパイを食っている。つまり俺はパイ投げをしたのだ(ただ単に顔に押し付けただけ)。
男は場外に出されて不満そうな顔をしているが、一心不乱に顔についてるパイを食べている。余程気に入った様だ。
因みに今つくったパイの魔力消費量は少し多い。パイを作るには多くの魔力を使った。
そんな状態に実況者は言葉を無くしたのだった。
「さてお前らだ」
剣士1が一瞬でやられた事に動揺している魔法使い1、2を俺は弓士から奪い取った弓を使い、普通に倒した。
武器に魔力を込めれば、込めるほどその威力は絶大になる。俺は弓にある程度の魔力を溜め、魔法使い1、2の足元に放ったのだ。そうすることで、魔法使い1、2はその衝撃で場外に吹き飛ばされる。
まあ、地面に落ちるのだから痛くないわけではないだろうけど矢を人体に喰らうよりはましだろう。
「残り2分ってところか?」
相手は残り3人。余裕だ。
フェンリルが勝利の雄叫びをあげる。別に勝った訳ではないが。
剣士2がやられた事で更に戦士たちの士気が落ちる。
「あと6人か」
首を回し周りの状況を確認しながら言う。残ってるのは剣士1、3。弓1、2。魔法使い1、2。
魔法使い1、2と弓1、2は自分がどうすれば良いか分からず、戸惑っている。俺を攻撃するべきか、剣士1を支援するべきか。
「チームプレイっていうのは指揮者がいなくなるとこうなるから嫌いなんだ」
俺はそう、あいつらに訴えるように言う。しかし――
「クソッ、どうすれば」
「あなたは2人の魔法使いと協力してあの男を足止めしておいてください!! 僕は弓士2人と、フェンリルをどうにかします!!」
今まで何もしてこなかった剣士3が急に指揮をとり始めた。
「お、おお」
その事に剣士1も動揺している。しかし剣士3はそんな事、気にせず指示を出す。
「弓士のみなさんは僕のサポートをしてください!!」
弓士はそれに頷きターゲットをフェンリルに絞る。片や剣士1は魔法使い1、2をつれて、俺攻撃体制をとる。
「やるなあの剣士。俺より少し年上くらいか?」
その切り替えの凄さに俺は思わず関心する。
「おい、テメェ!! よくもやってくれたな!!」
剣士1が俺に怒鳴り付ける。
「テメェはこの俺がぶっ飛ばす!!」
そう啖呵を切り、こっちに突っ込んでくる。
「あの剣に直撃したら俺でも少し、やばそうだな。ただ――」
剣士1は力の限りでその大きな両手剣を振りおろしてくる。俺はサラリとそれを避ける。
「当たらなければどうと言うこ事はない」
しかし剣士1の攻撃はこれで終わらない。
「オラァァ!!」
その威勢の良い声と共に次なる攻撃がくる。
「おっせぇなぁ」
しかし俺はそれを当たり前の様に避ける。しかし、剣士1はそれを詠んでいた様に、次なる攻撃に出る。
なるほど。俺のスピードを把握して大振りだと当たらないから、流れるような細かい動きに変えてきたな。しかも、それを悟られないように上手く誤魔化してる。
客観的に見れば剣士1はただ剣をヤタラメッタラ大振りしている様に見えるが実際は違う。これはフェイクなのだ。
男のその大振りに見える攻撃は俺の気を引き付けるための物であり、囮なのだ。その証拠に魔法使い1は剣士1と自分で俺を挟み撃ちにしている。そして魔法使い2が大きな魔法の準備をしている。
「逃げ場をなくして……フェンリルと同じか」
表面的な攻撃はすべてフェイクで本領は魔法使い2の強大な魔法。
おそらくこれは剣士3の指示だろ。1発大きいのを当てれば十分だと。
「し~かし、それは獣相手に通じても俺には通じな~い」
「オラァァ!! じゃかし――」
「ドッセィ!!!」
「――グハァァ!!」
男がよそ見をした俺を見て1発入れようと踏み込んできた。俺は今回の転生で貰った能力を試すべく、手にあるものを生成した。それは――
「まるで野球ボールのように飛んでいったな」
男は俺の攻撃をモロに喰らい場外に吹き飛んだ。吹き飛び方があまりにも真っ直ぐで野球ボールのようだったからつい口に出てしまった。
「クソイッテェ……てかウメェなこれ!!」
――パイだ。
剣士1は顔についたパイを食っている。つまり俺はパイ投げをしたのだ(ただ単に顔に押し付けただけ)。
男は場外に出されて不満そうな顔をしているが、一心不乱に顔についてるパイを食べている。余程気に入った様だ。
因みに今つくったパイの魔力消費量は少し多い。パイを作るには多くの魔力を使った。
そんな状態に実況者は言葉を無くしたのだった。
「さてお前らだ」
剣士1が一瞬でやられた事に動揺している魔法使い1、2を俺は弓士から奪い取った弓を使い、普通に倒した。
武器に魔力を込めれば、込めるほどその威力は絶大になる。俺は弓にある程度の魔力を溜め、魔法使い1、2の足元に放ったのだ。そうすることで、魔法使い1、2はその衝撃で場外に吹き飛ばされる。
まあ、地面に落ちるのだから痛くないわけではないだろうけど矢を人体に喰らうよりはましだろう。
「残り2分ってところか?」
相手は残り3人。余裕だ。
46
お気に入りに追加
1,918
あなたにおすすめの小説
魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡
サクラ近衛将監
ファンタジー
女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。
シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。
シルヴィの将来や如何に?
毎週木曜日午後10時に投稿予定です。
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅
散歩道 猫ノ子
ファンタジー
捨てられてしまった2匹の神獣と育む異世界育成ファンタジー
2匹のねこのこを育む、ほのぼの育成異世界生活です。
人間の汚さを知る主人公が、動物のように純粋で無垢な女の子2人に振り回されつつ、振り回すそんな物語です。
主人公は最強ですが、基本的に最強しませんのでご了承くださいm(*_ _)m
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる