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4:同窓会のかいさいはここです
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二百銀行
銀行の名前に番号ついてるので解るがナンバー銀行、それも最後の二百がついてる銀行である
創業は大正4年
最後のナンバー銀行として設立された銀行
長らく小規模経営が続くがバブル経済最中に弱小が故に土地や債券、株式投資含めて過剰融資せずにコツコツ預金量を増やした事が功を奏し
バブル経済破綻後に次々と地方銀行の救済、立て直しに回り地方銀行の雄として力を持つに至った
以後も地域密着、堅実経営、自己資本の拡大を三本柱を軸にした経営体制が続いている
地元の大学を出た人間ならば必ず就職先候補として上がり、親世代なら子供が就職先となると鼻が高い企業である
「なんで二百銀行の社会科見学なの?」
「私は高校に上がってからずっと気になって何か理由がないか調べたの」
「事故や不審死、行方不明者などで亡くなっている可能性が高い同級生が元6年2組と気付いた時自分自身も死ぬかと思ったら怖かったし、何か共通点があるかもしれないと思って6年時の行事や給食、出来事を調べると唯一6年2組だけが関わったのが二百銀行の社会科見学だけだったの」
「なるほど!それは確かに疑うかもね」
「でも二百銀行の社会科見学が特定されただけで理由までは解っていないし、もしかしたら全然関係ないかもしれない」
「私の仮説だと中には殺された可能性がある人もいるかもしれないけど調べてる時間も無かった」
「でももう時間がないし、江上くんの同級生への記憶が薄れてしまうかもしれないからこれに賭けてみることにしたの」
「それで同窓会を理由に呼んだと?」
しかし竹久瞳は首を横に振った
「別に同窓会が無くても江上くんには会いたかったから…」
おっと…
これは確の実なのではないだろうか?
「んんっ…俺も会いたかったしぃ…」
そう言うと少しだけ竹久瞳は微笑んだ
「それでどうやって9年前だっけ?行くの?」
「私が連れていく!」
「ど…どうやって?」
そうするとスッと竹久瞳は手の平を出した
出した腕は白く華奢で手首にブレスレットがつけられている
握れ?と言うことだろうか?
「ぜ…全身の力を抜いて脱力して私の手を握って欲しい」
竹久瞳は何故か急に歯切れが悪い?緊張しているようにも感じる
まぁ本当に9年前に行くなら緊張くらいする?のか…?
俺は手を重ねると竹久瞳はグイッと力強く俺を引き寄せると口付けをした…
はっ…?
また思考が混乱と言うか真っ白になる
口付けだけでなく柔らかくて暖かい舌の感触がする
その瞬間握っていた手がまばゆく光りだした
「信じてくれてありがとう」
竹久瞳がそう言うと俺の頭はボーっとしてきてめまいがすると同時に物凄く優しい光に包まれた
「おい!!エガ!!エガ!!」
なんか懐かしいあだ名を呼ばれた気がした
「おい!!もう着いたぞ」
俺は強く揺さぶられて目が覚めた
「あれ?大…ちゃん?」
「何いってんだ?お前ねぼけてるのか?」
目の前には小学生時代の記憶にある村野大輔がいた
「大ちゃんやめなよ~エガちゃんは昨日多分楽しみで眠れなかったんだよ」
「おおそっか…とにかくまぁ目が覚めたならいいや」
「エガくんが寝ぼけてるの初めて見たよククッ」
あぁ懐かしい顔だ
大ちゃんに、ワッキー、そうちゃん…
ガチで俺9年前?に来たんだ…
周りを見回すとどうやらバスの中っぽい
社会科見学に行くバスだろうか?その中で俺は目覚めた
「エガお前、これが最後なんだろ?せっかくなのに途中で寝るなよ」
「大ちゃん、エガちゃんは引っ越しの荷造りとかあるから疲れてるんだと思うよ」
「あぁ~僕も引っ越した時すっごい疲れたからエガくんの気持ちわかるわ」
どうやら俺は引っ越す前にこの社会科見学に参加したっぽい設定なのだろうか?
本当に過去に戻っているなら俺の本体は既に東京で生活をしているってことか?
「今日の二百銀行の見学めっちゃくちゃ楽しみだよな!毎年祭りで景品くれる銀行だからな」
「そうやね、俺も輪投げで一等商品貰えたし」
「あれお前のズルやろ?銀行の人見て無いスキに近づいて全部入れたし」
あれ?そうだったけ?
「あぁ~僕も見てたわ…銀行の人優しかったから笑って一等商品にしてくれたよね」
「まぁ結果オーライじゃないですか?」
なんか懐かしいやり取りだなぁ…と思うと涙が出てくる
本当はこの三人ももう死んでいるのか?
そう考えると熱くこみ上げてくる
「いやお前泣くなよ!おとがめなしなんだし」
そんなやり取りをしながら先生の誘導で二百銀行の裏手の入り口がある駐車場に集合した
あぁ懐かしい…確か名前は小石先生だった!
俺が3年生の頃に赴任して来てからずっと担任で理科が特に面白くて凄く好きだった先生だ
「は~い今日の社会科見学を担当させて頂く児玉です!みなさんは今日は銀行の人、銀行員と言います」
「その行員と同じという扱いをしますのでちゃんと二百銀行の行員の自覚をもって見学してくださいね」
「おいエガ!じかくってなんだ?」
「自覚は…自分の置かれてる立場とかを知るって意味だよ」
「おぉ~エガちゃん頭良いね」
「正直以外です」
そういえば4人でいるときいつも大ちゃんが話題振って俺が答えてワッキーとそうちゃんが突っ込むみたいな流れだったなぁ~
(…え…る…聞こ…える?)
この声は…?
「竹久瞳?」
銀行の名前に番号ついてるので解るがナンバー銀行、それも最後の二百がついてる銀行である
創業は大正4年
最後のナンバー銀行として設立された銀行
長らく小規模経営が続くがバブル経済最中に弱小が故に土地や債券、株式投資含めて過剰融資せずにコツコツ預金量を増やした事が功を奏し
バブル経済破綻後に次々と地方銀行の救済、立て直しに回り地方銀行の雄として力を持つに至った
以後も地域密着、堅実経営、自己資本の拡大を三本柱を軸にした経営体制が続いている
地元の大学を出た人間ならば必ず就職先候補として上がり、親世代なら子供が就職先となると鼻が高い企業である
「なんで二百銀行の社会科見学なの?」
「私は高校に上がってからずっと気になって何か理由がないか調べたの」
「事故や不審死、行方不明者などで亡くなっている可能性が高い同級生が元6年2組と気付いた時自分自身も死ぬかと思ったら怖かったし、何か共通点があるかもしれないと思って6年時の行事や給食、出来事を調べると唯一6年2組だけが関わったのが二百銀行の社会科見学だけだったの」
「なるほど!それは確かに疑うかもね」
「でも二百銀行の社会科見学が特定されただけで理由までは解っていないし、もしかしたら全然関係ないかもしれない」
「私の仮説だと中には殺された可能性がある人もいるかもしれないけど調べてる時間も無かった」
「でももう時間がないし、江上くんの同級生への記憶が薄れてしまうかもしれないからこれに賭けてみることにしたの」
「それで同窓会を理由に呼んだと?」
しかし竹久瞳は首を横に振った
「別に同窓会が無くても江上くんには会いたかったから…」
おっと…
これは確の実なのではないだろうか?
「んんっ…俺も会いたかったしぃ…」
そう言うと少しだけ竹久瞳は微笑んだ
「それでどうやって9年前だっけ?行くの?」
「私が連れていく!」
「ど…どうやって?」
そうするとスッと竹久瞳は手の平を出した
出した腕は白く華奢で手首にブレスレットがつけられている
握れ?と言うことだろうか?
「ぜ…全身の力を抜いて脱力して私の手を握って欲しい」
竹久瞳は何故か急に歯切れが悪い?緊張しているようにも感じる
まぁ本当に9年前に行くなら緊張くらいする?のか…?
俺は手を重ねると竹久瞳はグイッと力強く俺を引き寄せると口付けをした…
はっ…?
また思考が混乱と言うか真っ白になる
口付けだけでなく柔らかくて暖かい舌の感触がする
その瞬間握っていた手がまばゆく光りだした
「信じてくれてありがとう」
竹久瞳がそう言うと俺の頭はボーっとしてきてめまいがすると同時に物凄く優しい光に包まれた
「おい!!エガ!!エガ!!」
なんか懐かしいあだ名を呼ばれた気がした
「おい!!もう着いたぞ」
俺は強く揺さぶられて目が覚めた
「あれ?大…ちゃん?」
「何いってんだ?お前ねぼけてるのか?」
目の前には小学生時代の記憶にある村野大輔がいた
「大ちゃんやめなよ~エガちゃんは昨日多分楽しみで眠れなかったんだよ」
「おおそっか…とにかくまぁ目が覚めたならいいや」
「エガくんが寝ぼけてるの初めて見たよククッ」
あぁ懐かしい顔だ
大ちゃんに、ワッキー、そうちゃん…
ガチで俺9年前?に来たんだ…
周りを見回すとどうやらバスの中っぽい
社会科見学に行くバスだろうか?その中で俺は目覚めた
「エガお前、これが最後なんだろ?せっかくなのに途中で寝るなよ」
「大ちゃん、エガちゃんは引っ越しの荷造りとかあるから疲れてるんだと思うよ」
「あぁ~僕も引っ越した時すっごい疲れたからエガくんの気持ちわかるわ」
どうやら俺は引っ越す前にこの社会科見学に参加したっぽい設定なのだろうか?
本当に過去に戻っているなら俺の本体は既に東京で生活をしているってことか?
「今日の二百銀行の見学めっちゃくちゃ楽しみだよな!毎年祭りで景品くれる銀行だからな」
「そうやね、俺も輪投げで一等商品貰えたし」
「あれお前のズルやろ?銀行の人見て無いスキに近づいて全部入れたし」
あれ?そうだったけ?
「あぁ~僕も見てたわ…銀行の人優しかったから笑って一等商品にしてくれたよね」
「まぁ結果オーライじゃないですか?」
なんか懐かしいやり取りだなぁ…と思うと涙が出てくる
本当はこの三人ももう死んでいるのか?
そう考えると熱くこみ上げてくる
「いやお前泣くなよ!おとがめなしなんだし」
そんなやり取りをしながら先生の誘導で二百銀行の裏手の入り口がある駐車場に集合した
あぁ懐かしい…確か名前は小石先生だった!
俺が3年生の頃に赴任して来てからずっと担任で理科が特に面白くて凄く好きだった先生だ
「は~い今日の社会科見学を担当させて頂く児玉です!みなさんは今日は銀行の人、銀行員と言います」
「その行員と同じという扱いをしますのでちゃんと二百銀行の行員の自覚をもって見学してくださいね」
「おいエガ!じかくってなんだ?」
「自覚は…自分の置かれてる立場とかを知るって意味だよ」
「おぉ~エガちゃん頭良いね」
「正直以外です」
そういえば4人でいるときいつも大ちゃんが話題振って俺が答えてワッキーとそうちゃんが突っ込むみたいな流れだったなぁ~
(…え…る…聞こ…える?)
この声は…?
「竹久瞳?」
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