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2:同窓会にいってらっしゃい
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8月15日
俺は胸を高鳴ならせながら飛行機、バス、電車と乗り継ぎながら、かつて過ごした田舎へ10年振りに向かう
駅に着くと正直驚いたと言うかかつての田舎の面影はほとんど無かった
駅舎は綺麗に整備され当時電車を使った記憶は無いが、おんぼろな小屋みたいな印象だったから見違えた
駅前は綺麗なレンガ張りのターミナルになりちょっと洒落たカフェみたいなものがあったが閑散としており正直人口や街のレベルに似つかわしくない感じがした
「あっ!二百銀行だ!まだここにあるんだ」
二百銀行は当時田舎でも比較的立派な店舗を構えており、5月のゴールデンウイークと12月のクリスマス時期に駐車場で子供向けの催し物が毎年開催されておりイベントの少ない田舎では俺はもちろん周辺の子供たちはみんな好きだった
輪投げ大会で全部入れを達成した爽快感や貰った景品は今でも忘れていない
俺が大学で経済を専攻し銀行や金融関連で働きたいと思った根底ももしかしたら子供時代の二百銀行へ頂いたこの印象があるかもしれない
夕方ごろ駅近くのホテルに荷物を置き、18時開催予定の「洋風居酒屋サンブーカ」を確認後俺はしばらく街を見て回った
すっかり様変わりしており当時住んでいた家はもう取り壊され最近建ったであろう戸建てがあった
「ダメだ何か緊張するな…」
街を見ても懐かしさよりもただ違う街に来た感覚しかなく同窓会のことを考えるとソワソワしておちつかない
もう一度ホテルに戻ると一応シャワーを浴びて何も食べて無いの歯磨き、髪を入念にセットする、美容院へは一昨日行ってきた
「いやいや一体俺は何を期待しているんだ?」
いやわざわざ遠くにいる俺を誘っている以上向こうも何かしら期待しているかも?とか気持ち悪い妄想をしながら俺は17時55分に居酒屋に着く
居酒屋は少し小洒落た感じの木の作りの居酒屋で引き戸のドアを開けると既に客が半分くらい入っていた
期待で胸が一気にバクバクとなって辺りを見回す
「いらっしゃいませー!1名様ですか?」
厨房にいるオジサンと大学生風の女性に声を掛けられる
「あの同窓会で…」
「お連れ様で~す!2階になりま~す、階段上がって左の個室で~す」と入り口横にある階段に案内される
全員は無理でも20人くらいは来るはずだからさすがに1階は収まり切れないか
2階を上がる際も心臓がドクドクなり続けやたらと音が聞こえる気がする
やけに静かだな?まだ乾杯前とは言え久々に合うメンツもいるから話し声くらい聞こえても良いはずだ?
俺は廊下左側の扉をガラリとあけるとテーブルが何台か連なり箸とお皿、おしぼりがセッティングされていた
「えっ?誰も来ていないの?まだ?」
部屋はガランとしていて18時前なのに誰も来ていなかった
箸や皿は20人近くあるので予約はされているのだろう?
「えっ?どっきり?時間早い?」
俺はすっかり戸惑ってしまった
「こっちよ江上くん」
優しい柔らかい心地の良い声が聞こえた
俺はこの声に聞き覚えがある
竹久瞳だ!!!!!!!!!!!!
誰もいないと思ったが席の端に竹久瞳は座っていた
その瞬間に電撃が走った気分だった
昔に比べ少し切った顎にかかるかぐらいのショートカットに昔と変わらぬ猫のようなパッチリとした目、それに透き通るような白い肌
やばっ!!!!!!!!!!!!めちゃくちゃ可愛くなってるやんけ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「あっ…久しぶり」
ダメだヤバいヤバすぎる!!!!!!!心臓ヤバイ!!!!!!!!!!!
一目惚れじゃ無いけど一目惚れした!もう好き!
人は顔じゃないけど顔だろ!!!!!!!!!!!!!
平静なんて装えないし多分今日ずっと気になるし、この先も一生気になるわ!!!!!!!
俺はここぞとばかりに竹久瞳の正面に座る
今日誰が来てもここは譲らない!!!!!!!!!!!俺はそう誓った
「同窓会招待ありがとう!みんなは?まだ来てないのかな?」
一生来なくても良いと思った!二人で良いだろ!
「来ないよ」
「えっ?」
「来ないというか来れないの」
「??なにそれ??それシンガポールにいる的な?」
「なにそれ」
クスクスと竹久瞳は笑う
Yes!!!!!つかみは良かったんじゃないか?
「みんな来れないの」
「忙しくて俺だけ招待に応じたってこと?」
「う~ん…」
何か歯切れが悪い
まさか俺に会いたくて同窓会を口実に誘ったのか?
いやいやじゃあここに並べられた箸やお皿は何のわけ?
「来れないってなんで同窓会開いたの?俺の番号知らないから連絡取りようないけど2人なら1階でも良かったんじゃ?」
「う~んっと説明難しいなぁ」
人差し指で顎を触る仕草が可愛い!!!!!!!!!いや全部可愛いしもう好き!!!!!!!!
「今から私が言うこと全部信じてくれる?」
「えっ?」
何か嫌な予感してきた…まさか宗教やマルチ勧誘じゃ無いだろうな?知らない怖いオジサン出てくるとか?
「時と場合によります…」
「なんで敬語?」
「いやいきなり理解できない状況で全部信じろって…」
「もう江上しかいないし信じて欲しい」
「う~ん」
好きだけど好きだけど…う~んなんだこれ
「今から話すこと全部信じてくれないとダメになっちゃうんだ」
「だから信じて欲しい」
「表面的な言葉じゃなくて心から信じて欲しい」
「むむ…」
本当なんだよこれ宗教か?宗教だろ?
「江上くん…昔私バレンタインチョコあげたことあったよね」
「えっ?うん…」
「あの時あげたの江上くんだけだよ…好きだったから」
「えっ?」
やっぱそう!!!!!!!!そうなのか!!!!!!!!信じます!!!!!!!!はい信じます!!!!!!!!ええ信じますとも!!!!!!!!
「江上くんはどうかな?」
「…………………」
現在進行形で好きです!!!!!!!!
「好きだったと思う」
「嬉しい…だから信じて欲しい」
竹久瞳はイジワルぽく笑う
はい可愛い‼︎‼︎
でも俺は1分ほど悩み、その間二人は沈黙だったが竹久瞳はじっと俺を見ていた
本当に信じれる…か?
「わかった内容によっては受入られないかもしれないけどとりあえず信じる」
「ありがとう」
「疑問に思ったら必ず、絶対質問してね、疑ったままだとダメになっちゃうから」
何がダメなのか全くわからないが可愛いからとりあえず信じることにした
「わかった。約束する」
竹久瞳はすうっと息をすると大きくため息をついた
「5年2組のクラスは江上くんを除いてみんな死んでるの」
「……………………………………………………………………………………………はっ…?」
俺は胸を高鳴ならせながら飛行機、バス、電車と乗り継ぎながら、かつて過ごした田舎へ10年振りに向かう
駅に着くと正直驚いたと言うかかつての田舎の面影はほとんど無かった
駅舎は綺麗に整備され当時電車を使った記憶は無いが、おんぼろな小屋みたいな印象だったから見違えた
駅前は綺麗なレンガ張りのターミナルになりちょっと洒落たカフェみたいなものがあったが閑散としており正直人口や街のレベルに似つかわしくない感じがした
「あっ!二百銀行だ!まだここにあるんだ」
二百銀行は当時田舎でも比較的立派な店舗を構えており、5月のゴールデンウイークと12月のクリスマス時期に駐車場で子供向けの催し物が毎年開催されておりイベントの少ない田舎では俺はもちろん周辺の子供たちはみんな好きだった
輪投げ大会で全部入れを達成した爽快感や貰った景品は今でも忘れていない
俺が大学で経済を専攻し銀行や金融関連で働きたいと思った根底ももしかしたら子供時代の二百銀行へ頂いたこの印象があるかもしれない
夕方ごろ駅近くのホテルに荷物を置き、18時開催予定の「洋風居酒屋サンブーカ」を確認後俺はしばらく街を見て回った
すっかり様変わりしており当時住んでいた家はもう取り壊され最近建ったであろう戸建てがあった
「ダメだ何か緊張するな…」
街を見ても懐かしさよりもただ違う街に来た感覚しかなく同窓会のことを考えるとソワソワしておちつかない
もう一度ホテルに戻ると一応シャワーを浴びて何も食べて無いの歯磨き、髪を入念にセットする、美容院へは一昨日行ってきた
「いやいや一体俺は何を期待しているんだ?」
いやわざわざ遠くにいる俺を誘っている以上向こうも何かしら期待しているかも?とか気持ち悪い妄想をしながら俺は17時55分に居酒屋に着く
居酒屋は少し小洒落た感じの木の作りの居酒屋で引き戸のドアを開けると既に客が半分くらい入っていた
期待で胸が一気にバクバクとなって辺りを見回す
「いらっしゃいませー!1名様ですか?」
厨房にいるオジサンと大学生風の女性に声を掛けられる
「あの同窓会で…」
「お連れ様で~す!2階になりま~す、階段上がって左の個室で~す」と入り口横にある階段に案内される
全員は無理でも20人くらいは来るはずだからさすがに1階は収まり切れないか
2階を上がる際も心臓がドクドクなり続けやたらと音が聞こえる気がする
やけに静かだな?まだ乾杯前とは言え久々に合うメンツもいるから話し声くらい聞こえても良いはずだ?
俺は廊下左側の扉をガラリとあけるとテーブルが何台か連なり箸とお皿、おしぼりがセッティングされていた
「えっ?誰も来ていないの?まだ?」
部屋はガランとしていて18時前なのに誰も来ていなかった
箸や皿は20人近くあるので予約はされているのだろう?
「えっ?どっきり?時間早い?」
俺はすっかり戸惑ってしまった
「こっちよ江上くん」
優しい柔らかい心地の良い声が聞こえた
俺はこの声に聞き覚えがある
竹久瞳だ!!!!!!!!!!!!
誰もいないと思ったが席の端に竹久瞳は座っていた
その瞬間に電撃が走った気分だった
昔に比べ少し切った顎にかかるかぐらいのショートカットに昔と変わらぬ猫のようなパッチリとした目、それに透き通るような白い肌
やばっ!!!!!!!!!!!!めちゃくちゃ可愛くなってるやんけ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「あっ…久しぶり」
ダメだヤバいヤバすぎる!!!!!!!心臓ヤバイ!!!!!!!!!!!
一目惚れじゃ無いけど一目惚れした!もう好き!
人は顔じゃないけど顔だろ!!!!!!!!!!!!!
平静なんて装えないし多分今日ずっと気になるし、この先も一生気になるわ!!!!!!!
俺はここぞとばかりに竹久瞳の正面に座る
今日誰が来てもここは譲らない!!!!!!!!!!!俺はそう誓った
「同窓会招待ありがとう!みんなは?まだ来てないのかな?」
一生来なくても良いと思った!二人で良いだろ!
「来ないよ」
「えっ?」
「来ないというか来れないの」
「??なにそれ??それシンガポールにいる的な?」
「なにそれ」
クスクスと竹久瞳は笑う
Yes!!!!!つかみは良かったんじゃないか?
「みんな来れないの」
「忙しくて俺だけ招待に応じたってこと?」
「う~ん…」
何か歯切れが悪い
まさか俺に会いたくて同窓会を口実に誘ったのか?
いやいやじゃあここに並べられた箸やお皿は何のわけ?
「来れないってなんで同窓会開いたの?俺の番号知らないから連絡取りようないけど2人なら1階でも良かったんじゃ?」
「う~んっと説明難しいなぁ」
人差し指で顎を触る仕草が可愛い!!!!!!!!!いや全部可愛いしもう好き!!!!!!!!
「今から私が言うこと全部信じてくれる?」
「えっ?」
何か嫌な予感してきた…まさか宗教やマルチ勧誘じゃ無いだろうな?知らない怖いオジサン出てくるとか?
「時と場合によります…」
「なんで敬語?」
「いやいきなり理解できない状況で全部信じろって…」
「もう江上しかいないし信じて欲しい」
「う~ん」
好きだけど好きだけど…う~んなんだこれ
「今から話すこと全部信じてくれないとダメになっちゃうんだ」
「だから信じて欲しい」
「表面的な言葉じゃなくて心から信じて欲しい」
「むむ…」
本当なんだよこれ宗教か?宗教だろ?
「江上くん…昔私バレンタインチョコあげたことあったよね」
「えっ?うん…」
「あの時あげたの江上くんだけだよ…好きだったから」
「えっ?」
やっぱそう!!!!!!!!そうなのか!!!!!!!!信じます!!!!!!!!はい信じます!!!!!!!!ええ信じますとも!!!!!!!!
「江上くんはどうかな?」
「…………………」
現在進行形で好きです!!!!!!!!
「好きだったと思う」
「嬉しい…だから信じて欲しい」
竹久瞳はイジワルぽく笑う
はい可愛い‼︎‼︎
でも俺は1分ほど悩み、その間二人は沈黙だったが竹久瞳はじっと俺を見ていた
本当に信じれる…か?
「わかった内容によっては受入られないかもしれないけどとりあえず信じる」
「ありがとう」
「疑問に思ったら必ず、絶対質問してね、疑ったままだとダメになっちゃうから」
何がダメなのか全くわからないが可愛いからとりあえず信じることにした
「わかった。約束する」
竹久瞳はすうっと息をすると大きくため息をついた
「5年2組のクラスは江上くんを除いてみんな死んでるの」
「……………………………………………………………………………………………はっ…?」
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