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1章 クズ勇者の目標!?
クズ勇者、魔王城を攻略する 2
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リョーマの斬撃により魔王城は少しずつズレていった。
「所詮は魔族。落下して死ねば良い」
「そう簡単にいくとは思えないんだけど…」
そして、ついに魔王城の上の部分が地面に轟音と共に落ちた。
残ったのは塔の一階か二階程度の高さのみだった。
遠目で見た時は俺の知る魔王城だったのに、近付いて見るとただの塔だと?
幻術の類か?だとしたら、こんな簡単にいくわけが……。
切り倒した張本人は今になって色々と考え込んでいた。
「りょ、リョーマ」
「あ"?黙れクソアマ」
『今までで一番強い魔力を感じます。魔王はまだ生きてるんじゃないですかね?』
倒れた方から魔力は感じない。残った塔の下に魔力が集中してるのか?
面倒なことをしやがって。黙って殺されていれば良いものを。
『これはこれは。手荒な登場で』
塔の一階と思わしき場所のドアから出てきたのはかなり歳のいった老人だった。
年甲斐もなく堂々と立ち歩く姿にリョーマは無意識に身構えた。
どうやら、身構えたのはリョーマだけではなかったようだ。
「あの人。かなり強いと思うよ」
「あの程度のザコに怖気付くのか?俺が道中でせっかく修行してやったのに?」
リョーマとフィールは魔王城に来るまでの道中で、かなりの頻度で修行をしていた。
そのため進みが全くなかったのだ。だが、食料不足に伴い修行の時間を無くし、急いで魔王城にむかって来ていたのだ。
まぁ、フィールを殺す機会が増えると思ってやってただけだがな。
結局今日の今日までコイツは殺せなかった。
俺自身にもムカつくが、コイツの存在自体が俺を無性にムカつかせる。
『なんの御用でお越しなさったのかな、勇者殿とそのお仲間さんたちは?』
「「『!!!!』」」
まさか、一瞬で俺の事を勇者と見抜くだと!?魔力はしっかりと抑えていたはずだ。
やはり、俺が強すぎるからか。
「良く分かっ………」
『まさか、女性の勇者とは。わたくしの知る限り初めてですな』
あいつ、殺してぇな。なぜあんなクソゴミカスを勇者だと判断出来るんだよ。俺のが強ぇのによ。
魔族も見る目は死んでやがる。
『まぁ、大方予想はつきますが……』
すると、その老人魔族はニヤリと笑い、一瞬にして距離を詰められた。
『わたくしは魔王様の側近のビランと申します。御無礼を承知で……その命を頂戴しますね』
「っ……!」
呆気にとられ、身動きが出来ずに居たフィールにリョーマは体当たりをした。
老人側近改めビランの攻撃を剣で受け止めたリョーマ。
なんの変哲もねぇ杖なのにクソ硬ぇじゃねぇかよ。
『モブ風情が勇者を庇うとは、なかなか面白いですね』
「誰がモブだぁ?テメェの目は飾りか?」
『余興も楽しみたいのはやまやまですが、勇者との戦いが本命なのであなたは死んでください』
「ファニ!」
『はい!(竜の息吹)』
ファイアボールなんか放ったら殺そうと思っていたが、あいつもそこまでバカじゃないみたいだな。
リョーマはビランを抑え、ファニのドラゴンブレスが届く寸のところで横に回避した。
クソザコのブレスなんてたかが知れてるが、ゴミカスな魔族には痛手になるはずだ。
だが、リョーマのそんな思いとは裏腹に、ビランはピンピンしていた。
『ドラゴンのブレスもこの程度ですか。まぁ、想像以上に弱いと言っておきましょう』
やっぱり、ザコドラは所詮カスだ。自分の力以外を信じるなんてバカバカしいな。
「クソジジィ。その聞こえねぇような耳でよく聞けよ。俺はテメェを殺す気はねぇ。だからさっさと魔王を出せ」
『それはありがたい提案ですが、叶えることは難しいですな』
「そうか。じゃあ殺すしかねぇな」
「ちょっと落ち着いてよ、リョーマ。私に考えがあるんだ」
「所詮は魔族。落下して死ねば良い」
「そう簡単にいくとは思えないんだけど…」
そして、ついに魔王城の上の部分が地面に轟音と共に落ちた。
残ったのは塔の一階か二階程度の高さのみだった。
遠目で見た時は俺の知る魔王城だったのに、近付いて見るとただの塔だと?
幻術の類か?だとしたら、こんな簡単にいくわけが……。
切り倒した張本人は今になって色々と考え込んでいた。
「りょ、リョーマ」
「あ"?黙れクソアマ」
『今までで一番強い魔力を感じます。魔王はまだ生きてるんじゃないですかね?』
倒れた方から魔力は感じない。残った塔の下に魔力が集中してるのか?
面倒なことをしやがって。黙って殺されていれば良いものを。
『これはこれは。手荒な登場で』
塔の一階と思わしき場所のドアから出てきたのはかなり歳のいった老人だった。
年甲斐もなく堂々と立ち歩く姿にリョーマは無意識に身構えた。
どうやら、身構えたのはリョーマだけではなかったようだ。
「あの人。かなり強いと思うよ」
「あの程度のザコに怖気付くのか?俺が道中でせっかく修行してやったのに?」
リョーマとフィールは魔王城に来るまでの道中で、かなりの頻度で修行をしていた。
そのため進みが全くなかったのだ。だが、食料不足に伴い修行の時間を無くし、急いで魔王城にむかって来ていたのだ。
まぁ、フィールを殺す機会が増えると思ってやってただけだがな。
結局今日の今日までコイツは殺せなかった。
俺自身にもムカつくが、コイツの存在自体が俺を無性にムカつかせる。
『なんの御用でお越しなさったのかな、勇者殿とそのお仲間さんたちは?』
「「『!!!!』」」
まさか、一瞬で俺の事を勇者と見抜くだと!?魔力はしっかりと抑えていたはずだ。
やはり、俺が強すぎるからか。
「良く分かっ………」
『まさか、女性の勇者とは。わたくしの知る限り初めてですな』
あいつ、殺してぇな。なぜあんなクソゴミカスを勇者だと判断出来るんだよ。俺のが強ぇのによ。
魔族も見る目は死んでやがる。
『まぁ、大方予想はつきますが……』
すると、その老人魔族はニヤリと笑い、一瞬にして距離を詰められた。
『わたくしは魔王様の側近のビランと申します。御無礼を承知で……その命を頂戴しますね』
「っ……!」
呆気にとられ、身動きが出来ずに居たフィールにリョーマは体当たりをした。
老人側近改めビランの攻撃を剣で受け止めたリョーマ。
なんの変哲もねぇ杖なのにクソ硬ぇじゃねぇかよ。
『モブ風情が勇者を庇うとは、なかなか面白いですね』
「誰がモブだぁ?テメェの目は飾りか?」
『余興も楽しみたいのはやまやまですが、勇者との戦いが本命なのであなたは死んでください』
「ファニ!」
『はい!(竜の息吹)』
ファイアボールなんか放ったら殺そうと思っていたが、あいつもそこまでバカじゃないみたいだな。
リョーマはビランを抑え、ファニのドラゴンブレスが届く寸のところで横に回避した。
クソザコのブレスなんてたかが知れてるが、ゴミカスな魔族には痛手になるはずだ。
だが、リョーマのそんな思いとは裏腹に、ビランはピンピンしていた。
『ドラゴンのブレスもこの程度ですか。まぁ、想像以上に弱いと言っておきましょう』
やっぱり、ザコドラは所詮カスだ。自分の力以外を信じるなんてバカバカしいな。
「クソジジィ。その聞こえねぇような耳でよく聞けよ。俺はテメェを殺す気はねぇ。だからさっさと魔王を出せ」
『それはありがたい提案ですが、叶えることは難しいですな』
「そうか。じゃあ殺すしかねぇな」
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