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2章 奇妙な事件
16話 対話 2
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「俺がお前に聞きたいのはたった一つだけだ」
「なんです?」
ミリフィアは力を抑え、左の瞳からはフィーミレッド家の紋章が消えている。しかし、京雅に対する警戒は以前強く、反撃ができる程度の程よい距離感を保っていた。
「お前らはいつから存在していた?」
その時、京雅は初めて明確は敵意を持ってミリフィアを睨みつけた。
「ずっと昔からです。私たちは人間がこの場所に街を作るずっと昔から」
「…………なるほどな。そう言う設定か。さぁ、そろそろ『起きろ』」
京雅は独り言を漏らすと、すぐさま言霊を使い気絶していた瑛翔も気絶させられていたリガル、リベルトの意識を戻らせた。
「はっ!お前今何をした!?」
勢いよく起き上がったリガルはミリフィアと京雅の間に体を差し込んだ。敵意むき出し眼差しを受けて、京雅はうっすらと笑みを浮かべていた。
「手荒な真似をしたな。とりあえず、この関係が崩れないよう、精一杯の謝罪はしよう」
「一度まででなく二度まで許すと思うなよ!お前のその蛮行をミスミス見逃す事は出来ん。やはり共闘などすべきじゃないだろ!」
「リガル、落ち着け」
横から入ってきたリベルトはそう諭すように声をかけると、いつもの鋭い視線を京雅に向ける。
「我らとてキサマと対峙する気はサラサラない。だが、今回のその行為は信頼を地に戻すものだ」
「なるほど。それは俺にとっても不都合だな。で、そんな遠回しに言うほどのお願いとはどれほどのものなんだ?」
「分かっていたか。単刀直入に言う……この作戦が成功した暁には……キサマらには死んでほしいのだ」
瑛翔はリベルトのその発言を聞き、「えっ……?」と堪らず発した。それとは対照的に京雅は一切表情を変えることなく、リベルトを見据えていた。
「記憶を消すなりなんなりすれば良いだろ?ワザワザ殺すことなんてないだろ」
「それが出来ぬから言ってるんだ。なにより、我が言っているのは死んでほしいであり、殺したいではない」
「つまり、自主的に死ねと?」
「あぁ。残念だが、我らの力じゃどう足掻いてもキサマ一人すら殺せない。返り討ちにあうのが分かりきっている」
「はぁ……お前───」
『キョーガ様!奴らに動きがありました!』
京雅の脳内に直接声が響いた。その声は龍帝のものとは異なり、かなり焦っている様子だ。
『シャウォか。て言うことは、あのイケオジか?』
シャウォ。本来の名はシャドーウォーカー。固有の魔力、『影渡り』で影と影とを自在に移動することの出来る魔物だ。
『はい。突然監視対象から異様な力が発せられて……』
『わかった。すぐに行くから』
そこで話を中断すると、京雅の目付きは鋭いものとなる。
「奴らが動き出した」
「それはホントか?」
「この状況で嘘をつくわけないだろ?行くぞ」
京雅は目を瞑り、脳内に街の地図を映し、対象を探し出す。
『龍帝』
『なんでしょう?』
『援軍だ』
『えっ?それはどう──』
龍帝の言葉を遮り京雅は龍帝をシャウォの元へと転送させた。
「マズイ状況だ。蒋が狙われた」
「なんです?」
ミリフィアは力を抑え、左の瞳からはフィーミレッド家の紋章が消えている。しかし、京雅に対する警戒は以前強く、反撃ができる程度の程よい距離感を保っていた。
「お前らはいつから存在していた?」
その時、京雅は初めて明確は敵意を持ってミリフィアを睨みつけた。
「ずっと昔からです。私たちは人間がこの場所に街を作るずっと昔から」
「…………なるほどな。そう言う設定か。さぁ、そろそろ『起きろ』」
京雅は独り言を漏らすと、すぐさま言霊を使い気絶していた瑛翔も気絶させられていたリガル、リベルトの意識を戻らせた。
「はっ!お前今何をした!?」
勢いよく起き上がったリガルはミリフィアと京雅の間に体を差し込んだ。敵意むき出し眼差しを受けて、京雅はうっすらと笑みを浮かべていた。
「手荒な真似をしたな。とりあえず、この関係が崩れないよう、精一杯の謝罪はしよう」
「一度まででなく二度まで許すと思うなよ!お前のその蛮行をミスミス見逃す事は出来ん。やはり共闘などすべきじゃないだろ!」
「リガル、落ち着け」
横から入ってきたリベルトはそう諭すように声をかけると、いつもの鋭い視線を京雅に向ける。
「我らとてキサマと対峙する気はサラサラない。だが、今回のその行為は信頼を地に戻すものだ」
「なるほど。それは俺にとっても不都合だな。で、そんな遠回しに言うほどのお願いとはどれほどのものなんだ?」
「分かっていたか。単刀直入に言う……この作戦が成功した暁には……キサマらには死んでほしいのだ」
瑛翔はリベルトのその発言を聞き、「えっ……?」と堪らず発した。それとは対照的に京雅は一切表情を変えることなく、リベルトを見据えていた。
「記憶を消すなりなんなりすれば良いだろ?ワザワザ殺すことなんてないだろ」
「それが出来ぬから言ってるんだ。なにより、我が言っているのは死んでほしいであり、殺したいではない」
「つまり、自主的に死ねと?」
「あぁ。残念だが、我らの力じゃどう足掻いてもキサマ一人すら殺せない。返り討ちにあうのが分かりきっている」
「はぁ……お前───」
『キョーガ様!奴らに動きがありました!』
京雅の脳内に直接声が響いた。その声は龍帝のものとは異なり、かなり焦っている様子だ。
『シャウォか。て言うことは、あのイケオジか?』
シャウォ。本来の名はシャドーウォーカー。固有の魔力、『影渡り』で影と影とを自在に移動することの出来る魔物だ。
『はい。突然監視対象から異様な力が発せられて……』
『わかった。すぐに行くから』
そこで話を中断すると、京雅の目付きは鋭いものとなる。
「奴らが動き出した」
「それはホントか?」
「この状況で嘘をつくわけないだろ?行くぞ」
京雅は目を瞑り、脳内に街の地図を映し、対象を探し出す。
『龍帝』
『なんでしょう?』
『援軍だ』
『えっ?それはどう──』
龍帝の言葉を遮り京雅は龍帝をシャウォの元へと転送させた。
「マズイ状況だ。蒋が狙われた」
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