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2章 奇妙な事件
12話 和解
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「なるほどな。つまり、キサマはヴァンパイアじゃないと」
「ん?そうなんだが、なぜそうなる?」
京雅の話を聞いたリベルトはまだ完全に信用している雰囲気はないが少なくとも敵意は消えていた。
「にしても、超能力者か。下に居るのもそうなのか?」
「よく分かったな」
「何となく変な力を感じるんだ。我らヴァンパイアとは違う別の力がな」
リベルトは警戒心はあるものの京雅に対して友好的だが、王女ミリフィアと京雅に縛られていた金髪の男は警戒からか、京雅からできる限り距離を置いた場所に居た。
「はぁ……リガル。お前まで怯えるなよ」
「………怯えてなんか、ない。俺は王女をそのゲスから守ってるだけだ」
「このままだと会話に支障をきたすかもしれん。会話の相手を変えよう。少し待っててくれ」
金髪の男、リガルの怯え具合を見た京雅は下に居る瑛翔を呼びに一階へと降りて行った。
「よう、瑛翔。暇してたかって……なんだよ、その目は?」
一階に降りると、ジト目で京雅の方を見つめた瑛翔が居た。音を遮る物がない以上、今までの会話は全て筒抜けだ。つまり、なんで京雅が降りてきたのか、考えずとも容易に思いつくというものだ。
「僕、やりたくないんだけど?」
「聞こえてたか……まぁ、そういうなよ。俺は警戒されていてどうしようもない。もう瑛翔だけが頼りなんだ」
「そもそも僕は自分を守ることも出来ないんだよ。そんな僕が二階に行くなんて……敵陣に全裸で攻めるようなものじゃんか」
「そん時は助けに行くからさ」
瑛翔がなおも渋っていると二階からリベルトが降りてきた。
「結論から言ってくれ。急遽忙しくなった」
「それは今夜、裏切り者が動くからか?」
「そうだ。今夜また人が死ぬ」
「そういうことなら協力しよう」
「得体も知れない奴らに力を借りるほど我らは弱くない」
「それが事実なら人間界に被害は出なかったはずだろ?」
その京雅の言葉は図星をついたのか、リベルトは口を閉じした。
「すまなかったな。我らが弱いばかりに……」
長い沈黙のあと、リベルトは頭を下げた。
「俺に背中を預ける勇気、お前にはあるか?」
京雅は淡々と質問した。リベルトは頭を上げて京雅の目を見る。
無言で見つめ合う二人。だが、リベルトは心の中で葛藤していた。ここで出すべき勇気は果たして背中を預ける勇気か、それとも敵対する可能性があったとしても自身の意思を貫く勇気か。
「………力を貸してくれ」
「そうこないとな」
長い葛藤の末、リベルトは京雅の手を取ることにした。
二階でこの会話を聞いているミリフィアとリガルは一切口出しをすることは無かった。それは、リベルトが全ての決定権を持っている他ならなかった。
「良いのか、独断で?」
「あぁ。我はミリフィア様の護衛では無い。我は本来、我らが国王ラベル様に仕える者なのでな。王無き今、我らの国での決定権は側近である我にあるのだ」
「ふぅん。確かにお前だけ纏う雰囲気も実力も異質だったしな」
京雅はリベルトの方へ歩み寄ると、片手を突き出す。
「これは?」
「握手だよ。今回はよろしくな」
「………こちらこそな」
こうしてヴァンパイアと人間という異色の連合が出来た。
「じゃあ、早速作戦会議といこう」
「ん?そうなんだが、なぜそうなる?」
京雅の話を聞いたリベルトはまだ完全に信用している雰囲気はないが少なくとも敵意は消えていた。
「にしても、超能力者か。下に居るのもそうなのか?」
「よく分かったな」
「何となく変な力を感じるんだ。我らヴァンパイアとは違う別の力がな」
リベルトは警戒心はあるものの京雅に対して友好的だが、王女ミリフィアと京雅に縛られていた金髪の男は警戒からか、京雅からできる限り距離を置いた場所に居た。
「はぁ……リガル。お前まで怯えるなよ」
「………怯えてなんか、ない。俺は王女をそのゲスから守ってるだけだ」
「このままだと会話に支障をきたすかもしれん。会話の相手を変えよう。少し待っててくれ」
金髪の男、リガルの怯え具合を見た京雅は下に居る瑛翔を呼びに一階へと降りて行った。
「よう、瑛翔。暇してたかって……なんだよ、その目は?」
一階に降りると、ジト目で京雅の方を見つめた瑛翔が居た。音を遮る物がない以上、今までの会話は全て筒抜けだ。つまり、なんで京雅が降りてきたのか、考えずとも容易に思いつくというものだ。
「僕、やりたくないんだけど?」
「聞こえてたか……まぁ、そういうなよ。俺は警戒されていてどうしようもない。もう瑛翔だけが頼りなんだ」
「そもそも僕は自分を守ることも出来ないんだよ。そんな僕が二階に行くなんて……敵陣に全裸で攻めるようなものじゃんか」
「そん時は助けに行くからさ」
瑛翔がなおも渋っていると二階からリベルトが降りてきた。
「結論から言ってくれ。急遽忙しくなった」
「それは今夜、裏切り者が動くからか?」
「そうだ。今夜また人が死ぬ」
「そういうことなら協力しよう」
「得体も知れない奴らに力を借りるほど我らは弱くない」
「それが事実なら人間界に被害は出なかったはずだろ?」
その京雅の言葉は図星をついたのか、リベルトは口を閉じした。
「すまなかったな。我らが弱いばかりに……」
長い沈黙のあと、リベルトは頭を下げた。
「俺に背中を預ける勇気、お前にはあるか?」
京雅は淡々と質問した。リベルトは頭を上げて京雅の目を見る。
無言で見つめ合う二人。だが、リベルトは心の中で葛藤していた。ここで出すべき勇気は果たして背中を預ける勇気か、それとも敵対する可能性があったとしても自身の意思を貫く勇気か。
「………力を貸してくれ」
「そうこないとな」
長い葛藤の末、リベルトは京雅の手を取ることにした。
二階でこの会話を聞いているミリフィアとリガルは一切口出しをすることは無かった。それは、リベルトが全ての決定権を持っている他ならなかった。
「良いのか、独断で?」
「あぁ。我はミリフィア様の護衛では無い。我は本来、我らが国王ラベル様に仕える者なのでな。王無き今、我らの国での決定権は側近である我にあるのだ」
「ふぅん。確かにお前だけ纏う雰囲気も実力も異質だったしな」
京雅はリベルトの方へ歩み寄ると、片手を突き出す。
「これは?」
「握手だよ。今回はよろしくな」
「………こちらこそな」
こうしてヴァンパイアと人間という異色の連合が出来た。
「じゃあ、早速作戦会議といこう」
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