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2章 奇妙な事件
3話 真剣
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「犯人とすれ違っただって?」
瑛翔は考える素振りを見せながら前に居る蒋に視線を向ける。
蒋はそれに対して特に気に留める様子を見せずにフワフワした様子だった。
「そうだな。俺的には一から説明して欲しいところだがな」
横から京雅が眠たそうな顔を浮かべながら瑛翔顔を見上げていた。
「まぁ、それはあとでね」
「まぁ、それもそうか。じゃあ、蒋。なんでその人物が犯人ってわかったんだ?」
京雅はその場を仕切るように言葉を続けた。
蒋はうぅん、と悩む仕草をしてから思い付いたかのように、難しい顔から一転してパァっと顔が明るくなる。
「フードを被っててしっかりと顔が見えなかったんだけとね……確かに見えたんだよ、血が」
「血だと……?いや、フードを被っててって事は顔だよな?顔のどこに着いてたんだ?」
京雅は腕を組みながら顔を伏せて、んんん……と唸りながらふと疑問に思ったことを口にする。
蒋はその質問の意図が分からないのか、首をこてんとさせてながらあっけらかんと答える。
「口元だけど……?あっ、見間違いじゃなきゃ八重歯って言うのかな?鋭い歯がチラッと見えてね……そこにも赤いもの……血だと思わしきものがついてたんだよ」
「っ………それって、ヴァ……ムグ!?」
「落ち着け」
何かを言いかけた瑛翔の口を手で制した京雅は片手をアゴに付けてあからさまに悩むような仕草を見せると、チラッと蒋の顔を盗み見る。
蒋はと言うと瑛翔の方を見ていて京雅の視線には気付いてる様子は無い。
「勘違い、という線は?」
瑛翔の口元から手を離して両手をスボンのポケットへと突っ込む。
「そうなんだよねぇ……見間違いとか、ただの擦り傷だって言われればそれまでなんだ。でも………」
そこで言葉を切ると蒋は瑛翔の方を見る。
「え?なに、かな?」
瑛翔は訳が分からないと、挙動不審に慌てふためく。
「実際に起きてるんだ、殺人が………偶然とは思えなくない?」
蒋にしては珍しくヤケに真面目な声でそう囁く。
京雅も何かが引っ掛かるのか、難しい顔をしたまま外を見つめていた。
「まさか、な。ここまでするとは思えない」
意味深なことをボヤいた京雅は視線を二人の方へ戻した。
「とりあえず席に戻れ。そろそろ先生が来るぞ」
努めて優しい声で、努めて冷静に二人を宥めるかのような諭すような安心する声でそう言った。
二人は一度顔を見合せてから京雅の方を視線を戻した。
「そうだね。じゃあまた後で」
「またね」
「あぁ」
そう言って二人は京雅の席から遠ざかっていく。二人に笑顔を向けるなか、京雅の拳は強くキツく握り締められ、手に血が滲んできていた。
二人が席に着いたのを見届けた京雅は前に向き直すと、笑顔が一瞬にして消えて、その顔には憎悪と言う感情のみが貼り付けてあった。
「アイツが……また何か企んでんのか?」
瑛翔は考える素振りを見せながら前に居る蒋に視線を向ける。
蒋はそれに対して特に気に留める様子を見せずにフワフワした様子だった。
「そうだな。俺的には一から説明して欲しいところだがな」
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「まぁ、それはあとでね」
「まぁ、それもそうか。じゃあ、蒋。なんでその人物が犯人ってわかったんだ?」
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京雅は腕を組みながら顔を伏せて、んんん……と唸りながらふと疑問に思ったことを口にする。
蒋はその質問の意図が分からないのか、首をこてんとさせてながらあっけらかんと答える。
「口元だけど……?あっ、見間違いじゃなきゃ八重歯って言うのかな?鋭い歯がチラッと見えてね……そこにも赤いもの……血だと思わしきものがついてたんだよ」
「っ………それって、ヴァ……ムグ!?」
「落ち着け」
何かを言いかけた瑛翔の口を手で制した京雅は片手をアゴに付けてあからさまに悩むような仕草を見せると、チラッと蒋の顔を盗み見る。
蒋はと言うと瑛翔の方を見ていて京雅の視線には気付いてる様子は無い。
「勘違い、という線は?」
瑛翔の口元から手を離して両手をスボンのポケットへと突っ込む。
「そうなんだよねぇ……見間違いとか、ただの擦り傷だって言われればそれまでなんだ。でも………」
そこで言葉を切ると蒋は瑛翔の方を見る。
「え?なに、かな?」
瑛翔は訳が分からないと、挙動不審に慌てふためく。
「実際に起きてるんだ、殺人が………偶然とは思えなくない?」
蒋にしては珍しくヤケに真面目な声でそう囁く。
京雅も何かが引っ掛かるのか、難しい顔をしたまま外を見つめていた。
「まさか、な。ここまでするとは思えない」
意味深なことをボヤいた京雅は視線を二人の方へ戻した。
「とりあえず席に戻れ。そろそろ先生が来るぞ」
努めて優しい声で、努めて冷静に二人を宥めるかのような諭すような安心する声でそう言った。
二人は一度顔を見合せてから京雅の方を視線を戻した。
「そうだね。じゃあまた後で」
「またね」
「あぁ」
そう言って二人は京雅の席から遠ざかっていく。二人に笑顔を向けるなか、京雅の拳は強くキツく握り締められ、手に血が滲んできていた。
二人が席に着いたのを見届けた京雅は前に向き直すと、笑顔が一瞬にして消えて、その顔には憎悪と言う感情のみが貼り付けてあった。
「アイツが……また何か企んでんのか?」
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