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1章 超能力者の存在
15話 違和感
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京雅は家に向かう道中で時々瑛翔の様子を伺いながら歩いていた。
京雅の家が遠目に見える頃に瑛翔の体調は良くなってきていた。
「にしても……なぜ勝司は俺に接触してきたのに、アイツらは瑛翔に……?」
「お、オレの名前覚えたのか?」
「っ………!!」
京雅は顔を歪めて顔を上げた。
そこには前回会った時と全く同じ姿をした勝司が居た。
勝司が京雅に向けて不敵な笑みを見せると反射的に地面を蹴りつけて勝司との距離を取っていた。
「何の用だ?」
「そんなにビビんなよ。えいと君よ」
勝司はジャケットの内ポケットに手を入れると、一本のナイフを取り出す。
「君の戦闘力を測りに来たんだよ、"思考鈍化"」
その一言で京雅の脳内は集中力が切れて、体全体に気怠さのようなものを感じさせる。
目の前から飛んでくるナイフすらもまるで自分には関係ないようかのにボォと見つめるのみ。
「っ……!」
ナイフが目に刺さろうとする瞬間、京雅の意識は完全に戻る。
咄嗟に背を後ろに反らして間一髪でナイフを避ける。
「殺す気か?」
目の前を通ったナイフの持ち手を掴み、姿勢を戻して勝司を睨みつける。
「……………」
勝司は警戒するような眼差しで京雅を見ていた。
京雅はナイフを逆手にして顔の前で持ち、姿勢を低くして構えた。
「思考鈍化を破り、避けるだけでなくナイフすら取ってみせるとは……流石の超スピードだ」
「…………」
勝司は静かに京雅を見ていた。
二人は一切その場から動くことなく、ただ見つめ合うのみ。
「殺し合うか?」
「フハハ。降参だよ。オレの負けで良いさ」
勝司はその場で豪快に笑うと、京雅に背を向けた。
そのまま京雅の方を一度も振り返ることなく去って行った。
「次は逃がさねぇからな」
京雅は無意識にナイフを持つ手を下ろしており、低くしていた姿勢も直っていた。
「『異空倉庫』」
次元を割いて楕円の形をした空間が現れた。その空間は形容のできない変な色をした空間だった。
その楕円形の先に続く空間へ一切の躊躇無く手を突っ込み、手に持っていたナイフを入れた。
その空間から京雅が手を出すと勝手にその空間は閉じて無くなってしまう。
京雅はその空間が完全になくなるのを確認すると視線を前に戻して自分の家へと向かっていく。
~~~~
「ただいまぁ」
「あ、おかえり、京雅」
京雅は真っ直ぐに自分の部屋へと向かっていく。
「あ、蒋君から連絡来てたわよ」
自室へ入ろうとした京雅に母親が声をかけた。京雅は母親の方へ視線を向けて訝しげな目で母親を見た。
「蒋から?なんで?」
「分からないけど……なんか明日学校行かないって言われたわ」
「そっか」
京雅は特に気に止めることなく、そのまま自室へと入って行った。
京雅は背負いバックを適当に放り投げてベッドに倒れ込み、天井を見つめた。
「なんだろう………何か引っかかるぞ。このモヤモヤはなんなんだ?」
そう小さく呟くと京雅の瞼は段々重くなっていき、いつの間にか京雅は気を失ったかのような深い眠りについていた。
京雅の家が遠目に見える頃に瑛翔の体調は良くなってきていた。
「にしても……なぜ勝司は俺に接触してきたのに、アイツらは瑛翔に……?」
「お、オレの名前覚えたのか?」
「っ………!!」
京雅は顔を歪めて顔を上げた。
そこには前回会った時と全く同じ姿をした勝司が居た。
勝司が京雅に向けて不敵な笑みを見せると反射的に地面を蹴りつけて勝司との距離を取っていた。
「何の用だ?」
「そんなにビビんなよ。えいと君よ」
勝司はジャケットの内ポケットに手を入れると、一本のナイフを取り出す。
「君の戦闘力を測りに来たんだよ、"思考鈍化"」
その一言で京雅の脳内は集中力が切れて、体全体に気怠さのようなものを感じさせる。
目の前から飛んでくるナイフすらもまるで自分には関係ないようかのにボォと見つめるのみ。
「っ……!」
ナイフが目に刺さろうとする瞬間、京雅の意識は完全に戻る。
咄嗟に背を後ろに反らして間一髪でナイフを避ける。
「殺す気か?」
目の前を通ったナイフの持ち手を掴み、姿勢を戻して勝司を睨みつける。
「……………」
勝司は警戒するような眼差しで京雅を見ていた。
京雅はナイフを逆手にして顔の前で持ち、姿勢を低くして構えた。
「思考鈍化を破り、避けるだけでなくナイフすら取ってみせるとは……流石の超スピードだ」
「…………」
勝司は静かに京雅を見ていた。
二人は一切その場から動くことなく、ただ見つめ合うのみ。
「殺し合うか?」
「フハハ。降参だよ。オレの負けで良いさ」
勝司はその場で豪快に笑うと、京雅に背を向けた。
そのまま京雅の方を一度も振り返ることなく去って行った。
「次は逃がさねぇからな」
京雅は無意識にナイフを持つ手を下ろしており、低くしていた姿勢も直っていた。
「『異空倉庫』」
次元を割いて楕円の形をした空間が現れた。その空間は形容のできない変な色をした空間だった。
その楕円形の先に続く空間へ一切の躊躇無く手を突っ込み、手に持っていたナイフを入れた。
その空間から京雅が手を出すと勝手にその空間は閉じて無くなってしまう。
京雅はその空間が完全になくなるのを確認すると視線を前に戻して自分の家へと向かっていく。
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「ただいまぁ」
「あ、おかえり、京雅」
京雅は真っ直ぐに自分の部屋へと向かっていく。
「あ、蒋君から連絡来てたわよ」
自室へ入ろうとした京雅に母親が声をかけた。京雅は母親の方へ視線を向けて訝しげな目で母親を見た。
「蒋から?なんで?」
「分からないけど……なんか明日学校行かないって言われたわ」
「そっか」
京雅は特に気に止めることなく、そのまま自室へと入って行った。
京雅は背負いバックを適当に放り投げてベッドに倒れ込み、天井を見つめた。
「なんだろう………何か引っかかるぞ。このモヤモヤはなんなんだ?」
そう小さく呟くと京雅の瞼は段々重くなっていき、いつの間にか京雅は気を失ったかのような深い眠りについていた。
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