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1章 超能力者の存在
7話 友達?
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「えっ……」
瑛翔は瞳孔を揺らし、あからさまに動揺する。
その姿を見た京雅は、無機質な視線を向けて瑛翔に対する興味を失ったのか、自分の机の方へ移動し始める。
「え、ちょ、ちょっと待ってよ。本当に僕たち以外に居るのと思うの?」
「………あぁ」
京雅は歩みを止めることなく、瑛翔に背を向けながらスボンに付いてるポケットに両手を入れ返事をした。
「忠告だけはしてやる」
そこで切ると、京雅は首だけを動かして瑛翔を横目で見つめた。
「そのままじゃお前………確実に死ぬことになるぜ」
「えっ……」
再び動揺する瑛翔を置き去りに京雅は自分の机まで移動し、横に掛けていたバッグを背負うと、ドアの方へ歩き始める。
理解が追い付いてないのか、瑛翔はまだその場で固まっていた。
「死にたくねぇなら、能力を使わねぇか、殺されねぇくらいに強くなれ」
瑛翔の横の位置まで来ると、京雅は真っ直ぐと前を見たままそう告げた。
京雅自身もこの世界で初めてあった超能力者だ。その上、会話もちゃんとした仲だ。
無抵抗のまま他の人間に殺されるのを黙って見れる程、浅くのない関係性までなってしまっていた。
「気を付けろよ」
「…………待ってよ」
絞り出したようなか細い声で、京雅を呼び止めた。
本来なら無視をして通り過ぎるところなのだが、その親に縋る子供のような瑛翔の姿に、京雅はこの場を去ることを躊躇していた。
「僕に……僕に教えてくれないかい」
京雅に、死ぬことになると言われてからずっと下げていた顔を上げ、京雅の顔を力強く見つめる。
闘志のような覚悟のようなものを孕んだその目に京雅は内心驚いていた。
「教える?何を?」
京雅は既に答えに辿り着いていた。だが、敢えてトボけてそう聞き返す。
瑛翔は視線だけで人を殺せそうなほど鋭い目を京雅に向け宣言する。
「人を殺す方法を、だよ」
「話が飛躍しすぎだ。だが、その意志だけは認める」
そういうと、京雅は指を鳴らした。
「………っ!!」
そして、その次の瞬間には既に瑛翔の後ろに居たのだ。
その出来事に瑛翔は付いていけなかった。
「見えたか?」
「いや……全く見えなかったよ」
「そういう事だ。意志だけじゃどうしようもない。まずはその能力を自分なりに活かせ。ただ早く走るだけの能力じゃねぇはずだ」
京雅はそう言って再びドアに向かう。
その姿を瑛翔はただ傍観していた。
あまりにも高すぎる壁にどうしようもなかったのだ。
ドアに手を掛けた時、何かを思い出したのか、瑛翔の方に顔を向けた。
そして、今までの発言をしてきた人物とは思えないほど明るく、同性でも魅入ってしまうほどのキレイな笑みで瑛翔に言った。
「超能力者だからって警戒して悪かったな。色々偉そうにしたり暴力を働いたりさ。瑛翔さえ良ければ、俺と友達になってくれよ」
「え、え?は?え、あの、えと……?」
あまりの変わりように瑛翔の思考がおかしくなってしまった。
呂律が回らず、壊れた機械のように拙い言葉や同じ言葉を何度も重ねていく。
「明日からよろしくな。じゃあ、またな!」
そう言って今度こそ教室を出ていった。
教室に一人取り残された瑛翔はおかしくなった思考回路の中で明確に一つだけ浮かぶものがあった。
───京雅って、二重人格なのか?
そんな思いが頭の中で何度もループしながら、その場でずっと立ち尽くしていた。
瑛翔が正常に戻ったのは、今から十分後。教室に来た先生に声を掛けられての事だった。
瑛翔は瞳孔を揺らし、あからさまに動揺する。
その姿を見た京雅は、無機質な視線を向けて瑛翔に対する興味を失ったのか、自分の机の方へ移動し始める。
「え、ちょ、ちょっと待ってよ。本当に僕たち以外に居るのと思うの?」
「………あぁ」
京雅は歩みを止めることなく、瑛翔に背を向けながらスボンに付いてるポケットに両手を入れ返事をした。
「忠告だけはしてやる」
そこで切ると、京雅は首だけを動かして瑛翔を横目で見つめた。
「そのままじゃお前………確実に死ぬことになるぜ」
「えっ……」
再び動揺する瑛翔を置き去りに京雅は自分の机まで移動し、横に掛けていたバッグを背負うと、ドアの方へ歩き始める。
理解が追い付いてないのか、瑛翔はまだその場で固まっていた。
「死にたくねぇなら、能力を使わねぇか、殺されねぇくらいに強くなれ」
瑛翔の横の位置まで来ると、京雅は真っ直ぐと前を見たままそう告げた。
京雅自身もこの世界で初めてあった超能力者だ。その上、会話もちゃんとした仲だ。
無抵抗のまま他の人間に殺されるのを黙って見れる程、浅くのない関係性までなってしまっていた。
「気を付けろよ」
「…………待ってよ」
絞り出したようなか細い声で、京雅を呼び止めた。
本来なら無視をして通り過ぎるところなのだが、その親に縋る子供のような瑛翔の姿に、京雅はこの場を去ることを躊躇していた。
「僕に……僕に教えてくれないかい」
京雅に、死ぬことになると言われてからずっと下げていた顔を上げ、京雅の顔を力強く見つめる。
闘志のような覚悟のようなものを孕んだその目に京雅は内心驚いていた。
「教える?何を?」
京雅は既に答えに辿り着いていた。だが、敢えてトボけてそう聞き返す。
瑛翔は視線だけで人を殺せそうなほど鋭い目を京雅に向け宣言する。
「人を殺す方法を、だよ」
「話が飛躍しすぎだ。だが、その意志だけは認める」
そういうと、京雅は指を鳴らした。
「………っ!!」
そして、その次の瞬間には既に瑛翔の後ろに居たのだ。
その出来事に瑛翔は付いていけなかった。
「見えたか?」
「いや……全く見えなかったよ」
「そういう事だ。意志だけじゃどうしようもない。まずはその能力を自分なりに活かせ。ただ早く走るだけの能力じゃねぇはずだ」
京雅はそう言って再びドアに向かう。
その姿を瑛翔はただ傍観していた。
あまりにも高すぎる壁にどうしようもなかったのだ。
ドアに手を掛けた時、何かを思い出したのか、瑛翔の方に顔を向けた。
そして、今までの発言をしてきた人物とは思えないほど明るく、同性でも魅入ってしまうほどのキレイな笑みで瑛翔に言った。
「超能力者だからって警戒して悪かったな。色々偉そうにしたり暴力を働いたりさ。瑛翔さえ良ければ、俺と友達になってくれよ」
「え、え?は?え、あの、えと……?」
あまりの変わりように瑛翔の思考がおかしくなってしまった。
呂律が回らず、壊れた機械のように拙い言葉や同じ言葉を何度も重ねていく。
「明日からよろしくな。じゃあ、またな!」
そう言って今度こそ教室を出ていった。
教室に一人取り残された瑛翔はおかしくなった思考回路の中で明確に一つだけ浮かぶものがあった。
───京雅って、二重人格なのか?
そんな思いが頭の中で何度もループしながら、その場でずっと立ち尽くしていた。
瑛翔が正常に戻ったのは、今から十分後。教室に来た先生に声を掛けられての事だった。
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