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49話 恋バナ 2
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「なんでここで姫乃の名前が出てくんだよ?」
「バカっ!姫乃から相談受けてんだろ……!今は茶化す時じゃねぇって!」
「あれ?そうだっけ?」
陽斗が海斗に何か耳打ちしていたが……一体何を言ってたんだ?
まぁ、おかげで海斗も大人しくなったし良かったが。
どんな事情であれ、お礼ぐらいは言っておかないとな。
「ありがとな、陽斗」
「ん?いや……てか、さっきの聞こえたか?」
「さっきのって?」
「ほら、海斗に言ったやつ」
「いや、聞こえなかったぞ」
「そうか……なら良いんだ」
よく分からんが、そんなに俺に聞かれたくないことなのか?あからさまに顔の表情が緩んでるし、相当聞かれたくない内容なんだろうな。
気になると言えば気になるが、どうせ陽斗の事だしくだらない事だろうなって思う。
「それで、陽斗はどうすんだよ?カナちゃんも彩華も可愛いんだから、考えてみろよ」
「そうだなぁ……どうせ亮には彼女ができるだろうし、蓮翔も時間の問題だろうしな。トリプルデートっても面白いかもな」
「綺麗に俺だけ抜くね?」
彼女……か。俺も瑠魅とそんな関係に……って、それは難しいか。でも、たとえそんな関係にならなくても瑠魅の事は守ってやらないと……それが俺の役目だもんな。
~~~~
~姫野那乃視点~
「それでね、亮君ってほんとにウブでね──」
わたしと瑠魅ちゃんは今ファミレスで冬華の惚気話を聞いていた。最近よく亮君と話すようになって好きになったって言ってるけど、わたしにはわからない。人を好きになるってそんなに簡単なことなのかな?
「私も、蓮翔は好きだよ」
「確かに仲良いしね。でも、蓮翔君は諦めた方が良いかもねぇ」
ニヤニヤしながらコッチを見てくる冬華に対してわたしは呆れた顔しか出来なかった。
「それはわたしたちが決めてくことだからいーの」
「え?私たち?どういうこと?」
冬華は手に持っていたコップを置いて、ド肝抜かれたような顔をしているけど、本来はこのことを話すために冬華を呼んだんだけどな……なのにいつの間にか冬華の惚気が始まって……。
とりあえず、陽斗君たちは男子として蓮君に色々聞いて欲しいと頼んではいるけど、大丈夫かなぁ……。今日早速やってみると言っていたけど、ハッキリ言って不安しかないんだけど。
「えっと、もしかして瑠魅ちゃんも蓮翔君の事も好き、って事は知ってたの?」
「まぁね」
「えぇ……修羅場になると思ったのに……」
「ここに来る前に話したよね?」
「あれ?そうだっけ?」
もぉ……冬華はいつもそうやってふざけるんだから。でも、おかげでコッチも気負わずに色々話せるようになったし、冬華様様ってやつだね。
「来る時も少し話したけどね、わたしも瑠魅ちゃんも本気なの」
「そっかぁ……にしても、フィクションみたいだね。まさか二人とも同じ人を好きになるなんて」
「そうかな?」
亮君はかなりの子から好かれてるイメージがある。でも、確かに一線を引いてる感じはあるなぁ。それでも女子間の恋バナでは亮君の名前は結構出てくるほうだよね。
「だって、普通に考えて亮君と蓮翔君だったら亮君じゃない?」
「……なんで?」
「わたしも意味がわかんないんだけど?」
静かにコップに入ったジュースを飲んで傍観していた瑠魅ちゃんが口を開いた。わたしもそれに続くようにして疑問を投げかける。
あの言い方だとまるで亮君の方が上だと言われる気がして咄嗟に言い返してしまった。少し口調も荒くなっちゃったし……。
「あ、あれ?私もしかして地雷踏んだ?」
「あ、ごめん。ちょっと強く言いすぎた……」
「私も、ごめん。反射的に……」
「いや、コッチこそごめん。亮君にも蓮翔君にも違う良さがあるもんね。私の言い方が悪かったよ」
冬華に気を遣わせちゃった。蓮君の話になると、どうしても感情の起伏が大きくなっちゃう。なんで、なんて分かってるのに……ここに蓮君が居なくてホントに良かった。今の状態を蓮君に見て欲しくないもん。
「うん。じゃあこの話はもう置いておこうってことで良い、かな?」
「うん。色々とごめんね?じゃあさ、早速質問なんだけどね?二人も彼女が居るっておかしいと思う?」
「バカっ!姫乃から相談受けてんだろ……!今は茶化す時じゃねぇって!」
「あれ?そうだっけ?」
陽斗が海斗に何か耳打ちしていたが……一体何を言ってたんだ?
まぁ、おかげで海斗も大人しくなったし良かったが。
どんな事情であれ、お礼ぐらいは言っておかないとな。
「ありがとな、陽斗」
「ん?いや……てか、さっきの聞こえたか?」
「さっきのって?」
「ほら、海斗に言ったやつ」
「いや、聞こえなかったぞ」
「そうか……なら良いんだ」
よく分からんが、そんなに俺に聞かれたくないことなのか?あからさまに顔の表情が緩んでるし、相当聞かれたくない内容なんだろうな。
気になると言えば気になるが、どうせ陽斗の事だしくだらない事だろうなって思う。
「それで、陽斗はどうすんだよ?カナちゃんも彩華も可愛いんだから、考えてみろよ」
「そうだなぁ……どうせ亮には彼女ができるだろうし、蓮翔も時間の問題だろうしな。トリプルデートっても面白いかもな」
「綺麗に俺だけ抜くね?」
彼女……か。俺も瑠魅とそんな関係に……って、それは難しいか。でも、たとえそんな関係にならなくても瑠魅の事は守ってやらないと……それが俺の役目だもんな。
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~姫野那乃視点~
「それでね、亮君ってほんとにウブでね──」
わたしと瑠魅ちゃんは今ファミレスで冬華の惚気話を聞いていた。最近よく亮君と話すようになって好きになったって言ってるけど、わたしにはわからない。人を好きになるってそんなに簡単なことなのかな?
「私も、蓮翔は好きだよ」
「確かに仲良いしね。でも、蓮翔君は諦めた方が良いかもねぇ」
ニヤニヤしながらコッチを見てくる冬華に対してわたしは呆れた顔しか出来なかった。
「それはわたしたちが決めてくことだからいーの」
「え?私たち?どういうこと?」
冬華は手に持っていたコップを置いて、ド肝抜かれたような顔をしているけど、本来はこのことを話すために冬華を呼んだんだけどな……なのにいつの間にか冬華の惚気が始まって……。
とりあえず、陽斗君たちは男子として蓮君に色々聞いて欲しいと頼んではいるけど、大丈夫かなぁ……。今日早速やってみると言っていたけど、ハッキリ言って不安しかないんだけど。
「えっと、もしかして瑠魅ちゃんも蓮翔君の事も好き、って事は知ってたの?」
「まぁね」
「えぇ……修羅場になると思ったのに……」
「ここに来る前に話したよね?」
「あれ?そうだっけ?」
もぉ……冬華はいつもそうやってふざけるんだから。でも、おかげでコッチも気負わずに色々話せるようになったし、冬華様様ってやつだね。
「来る時も少し話したけどね、わたしも瑠魅ちゃんも本気なの」
「そっかぁ……にしても、フィクションみたいだね。まさか二人とも同じ人を好きになるなんて」
「そうかな?」
亮君はかなりの子から好かれてるイメージがある。でも、確かに一線を引いてる感じはあるなぁ。それでも女子間の恋バナでは亮君の名前は結構出てくるほうだよね。
「だって、普通に考えて亮君と蓮翔君だったら亮君じゃない?」
「……なんで?」
「わたしも意味がわかんないんだけど?」
静かにコップに入ったジュースを飲んで傍観していた瑠魅ちゃんが口を開いた。わたしもそれに続くようにして疑問を投げかける。
あの言い方だとまるで亮君の方が上だと言われる気がして咄嗟に言い返してしまった。少し口調も荒くなっちゃったし……。
「あ、あれ?私もしかして地雷踏んだ?」
「あ、ごめん。ちょっと強く言いすぎた……」
「私も、ごめん。反射的に……」
「いや、コッチこそごめん。亮君にも蓮翔君にも違う良さがあるもんね。私の言い方が悪かったよ」
冬華に気を遣わせちゃった。蓮君の話になると、どうしても感情の起伏が大きくなっちゃう。なんで、なんて分かってるのに……ここに蓮君が居なくてホントに良かった。今の状態を蓮君に見て欲しくないもん。
「うん。じゃあこの話はもう置いておこうってことで良い、かな?」
「うん。色々とごめんね?じゃあさ、早速質問なんだけどね?二人も彼女が居るっておかしいと思う?」
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