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6話 忙しい1日
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「本当に急遽だったため窓側の後ろの席……海斗の隣の席な」
「マジ?」
男子の恨めしい目線が海斗に刺さる。その中にはもちろん俺も含まれている。
なんでアイツなんだよ。てか、あの辺の席って主人公枠じゃねぇかよ。
俺はなんとも言えねぇ場所なのによ!
「まぁ、聞きたいことは沢山あるだろうが、後でな。よし、じゃあ町下さん、席に座って」
「……はい」
何かを探してるかのようにキョロキョロとしていた。席に向かいながらも周りを見ていた。
すると不意に目が合った。
「っ………!」
目が合った途端、優しく微笑みかけてきた。その笑みに周囲の生徒(特に男子)が頬を赤らめて居た。
言うまでもないが、その中にはもちろん俺も含まれている。
「なぁ、今俺に」
「いや、俺だろ」
「馬鹿じゃねぇの?その目は見せ掛けか?百パー俺だろ?」
そんな男子の会話に呆れたような目を向ける女子たち。まぁ、さすがにしょうがないな。
俺はホームルームには興味が無いので机に顔を伏せて寝た。
俺以外にもそういう奴はチラホラと居る。ソイツらと俺の違いを挙げるなら、アイツらは朝早くから辛い朝練をしていて、俺は夜遅く寝て、朝早く起きてしまったのが原因だ。
「…………」
もし、仮にだ。仮にさっき俺と目が合って微笑んだとするぞ?
それはつまり昨日のが嘘じゃなかったって事だろ?
つぅこと事は、昨日のやり取りも現実なんだろ?
「おう、まい、がー……」
他所からから見るとさっき全く変わらないように見えるだろうが、内心やばい。
え、俺の心臓大丈夫?心臓がはち切れそうなほどうるさいんだけど?
隣の人とかに聞かれてたら恥ずかしくて金輪際顔をあげられねぇよ。
「………なぁ」
「………」
いや、まて。落ち着くんだ。俺の心音がそんなにデカイはずない。
「なぁって、おい」
「…………」
そんなにデカかったら俺の心臓は精神的にも物理的にも爆破する。
「聞いてくれよぉ……なぁ」
「………ん?」
肩を揺らされて意識が戻ってきた。どうやら山海君が話しかけて来ていたようだ。
「どうしたんだ、海斗?」
「助けて欲しい……俺、死にそうだよ」
「急にどうした?」
さっきとは打って変わって今にも泣きそうだった。
「精神が病みそうだ」
俺はその一言で理解した。まぁ、そりゃそうだよな。急に転校生が来て隣の席になったらラブコメの雰囲気が出るよな。
「隣が可愛すぎて心臓が持たない」
「あれ、そっち?」
てっきり、殺気の籠った視線に耐え難いのかと思ったのだけれど。
「さっき話した女の子いるじゃん」
「あ、うん」
「あれ、あの子なんだよ。ヤバくない?ついに俺にも恋が到来するかも知れない」
「そ、そうか」
多感な時期だしな。そう思うよな。俺だとしてもそう思う。偶然とは思いたくないよな。
俺は瑠魅が居る方に視線を向けた。瑠魅の席には人集りが出来ており、転校生特有の質問攻めでも受けているのだろう。
「にしてもお前さ、なんか達観してるけど、どうした?」
「そうか?まぁ、そうなのかもな」
「なんだよそれ。お前、自分のことだろ?」
「そうなんだけどさ。なんか俺にも分かんなくてよ」
確かに。なんで俺はこんな状況で他人事のような、外野のような感想しか出ないのだろうか?
俺だって……もしかしたらって考えてるのに。まるで安全圏から眺めてる気分だ。
「まぁ、良いか。俺もあの子に聞きたいことあるし。お前も来いよ」
「いや、俺は眠いから寝てるよ」
「そうか?気が変わったらいつでも来いよ」
「あぁ、そうするよ」
今行ったら質問どころか目すら合わせられない。
俺はまた机に伏せて寝ているように装う。
すると、急にクラス内がどよめいた。
妙に視線を感じ、とてつもなく寝づらい。
自意識過剰すぎるかな?そうだよな。さすがに一斉に俺に視線が集まるなんてそうそう無い。
特に何もしてない俺に集まるなんて不可解すぎる。
そんな事を思っていると足音がした。静寂を破るかのように、その足音が教室に響く。
「ちょっと良い?」
俺の机の前で足音が止まる。俺はこの声の主を知っている。
「えっと……なんの用で?」
顔を上げてそう言い放つ。案の定、その声の主は瑠魅だった。
クラスの全員の視線がこちらを向いてる。生きた心地がしない。
「お願いがあるの。学校案内、頼める?」
「………俺が?」
適任なら他に居るだろうに。まぁ、でもここから逃げる良い口実とでも思っておこう。
「まぁ、良いよ」
「マジ?」
男子の恨めしい目線が海斗に刺さる。その中にはもちろん俺も含まれている。
なんでアイツなんだよ。てか、あの辺の席って主人公枠じゃねぇかよ。
俺はなんとも言えねぇ場所なのによ!
「まぁ、聞きたいことは沢山あるだろうが、後でな。よし、じゃあ町下さん、席に座って」
「……はい」
何かを探してるかのようにキョロキョロとしていた。席に向かいながらも周りを見ていた。
すると不意に目が合った。
「っ………!」
目が合った途端、優しく微笑みかけてきた。その笑みに周囲の生徒(特に男子)が頬を赤らめて居た。
言うまでもないが、その中にはもちろん俺も含まれている。
「なぁ、今俺に」
「いや、俺だろ」
「馬鹿じゃねぇの?その目は見せ掛けか?百パー俺だろ?」
そんな男子の会話に呆れたような目を向ける女子たち。まぁ、さすがにしょうがないな。
俺はホームルームには興味が無いので机に顔を伏せて寝た。
俺以外にもそういう奴はチラホラと居る。ソイツらと俺の違いを挙げるなら、アイツらは朝早くから辛い朝練をしていて、俺は夜遅く寝て、朝早く起きてしまったのが原因だ。
「…………」
もし、仮にだ。仮にさっき俺と目が合って微笑んだとするぞ?
それはつまり昨日のが嘘じゃなかったって事だろ?
つぅこと事は、昨日のやり取りも現実なんだろ?
「おう、まい、がー……」
他所からから見るとさっき全く変わらないように見えるだろうが、内心やばい。
え、俺の心臓大丈夫?心臓がはち切れそうなほどうるさいんだけど?
隣の人とかに聞かれてたら恥ずかしくて金輪際顔をあげられねぇよ。
「………なぁ」
「………」
いや、まて。落ち着くんだ。俺の心音がそんなにデカイはずない。
「なぁって、おい」
「…………」
そんなにデカかったら俺の心臓は精神的にも物理的にも爆破する。
「聞いてくれよぉ……なぁ」
「………ん?」
肩を揺らされて意識が戻ってきた。どうやら山海君が話しかけて来ていたようだ。
「どうしたんだ、海斗?」
「助けて欲しい……俺、死にそうだよ」
「急にどうした?」
さっきとは打って変わって今にも泣きそうだった。
「精神が病みそうだ」
俺はその一言で理解した。まぁ、そりゃそうだよな。急に転校生が来て隣の席になったらラブコメの雰囲気が出るよな。
「隣が可愛すぎて心臓が持たない」
「あれ、そっち?」
てっきり、殺気の籠った視線に耐え難いのかと思ったのだけれど。
「さっき話した女の子いるじゃん」
「あ、うん」
「あれ、あの子なんだよ。ヤバくない?ついに俺にも恋が到来するかも知れない」
「そ、そうか」
多感な時期だしな。そう思うよな。俺だとしてもそう思う。偶然とは思いたくないよな。
俺は瑠魅が居る方に視線を向けた。瑠魅の席には人集りが出来ており、転校生特有の質問攻めでも受けているのだろう。
「にしてもお前さ、なんか達観してるけど、どうした?」
「そうか?まぁ、そうなのかもな」
「なんだよそれ。お前、自分のことだろ?」
「そうなんだけどさ。なんか俺にも分かんなくてよ」
確かに。なんで俺はこんな状況で他人事のような、外野のような感想しか出ないのだろうか?
俺だって……もしかしたらって考えてるのに。まるで安全圏から眺めてる気分だ。
「まぁ、良いか。俺もあの子に聞きたいことあるし。お前も来いよ」
「いや、俺は眠いから寝てるよ」
「そうか?気が変わったらいつでも来いよ」
「あぁ、そうするよ」
今行ったら質問どころか目すら合わせられない。
俺はまた机に伏せて寝ているように装う。
すると、急にクラス内がどよめいた。
妙に視線を感じ、とてつもなく寝づらい。
自意識過剰すぎるかな?そうだよな。さすがに一斉に俺に視線が集まるなんてそうそう無い。
特に何もしてない俺に集まるなんて不可解すぎる。
そんな事を思っていると足音がした。静寂を破るかのように、その足音が教室に響く。
「ちょっと良い?」
俺の机の前で足音が止まる。俺はこの声の主を知っている。
「えっと……なんの用で?」
顔を上げてそう言い放つ。案の定、その声の主は瑠魅だった。
クラスの全員の視線がこちらを向いてる。生きた心地がしない。
「お願いがあるの。学校案内、頼める?」
「………俺が?」
適任なら他に居るだろうに。まぁ、でもここから逃げる良い口実とでも思っておこう。
「まぁ、良いよ」
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