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エリアナ・ディエムのやり直し
(15)重要任務
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ニアの嬉しそうな顔をたくさん見ることができて、初めて良い方向に進んでいると思えて、放課後、デュゲ先生の元へ向かう足取りが軽かった。
もうすぐ長期休暇。
以前は友人の別荘地に遊びに行ったりなんかしていたけど、今回は寮で過ごしながらデュゲ先生のもとで魔法の勉強をする毎日になると思う。
それを特に苦痛には感じなかった。
魔法を学ぶことはやり甲斐があるとか、楽しいとかってわけじゃないけど、少しでも何か意味のあることに近付いているんだと思えば、一生懸命にはなった。
だから、遊んでいる場合じゃないって気持ちになるのかな。
そう言えば、ふと思い出したことがあるけど、長期休暇中にどこかの牢獄が大規模な爆発に巻き込まれたなんて事件があったような。
それが起きたのは王都のどこかで、でもその時は友人の別荘で事件のことを知ったからあまり気にしていなかった。
同じ出来事が繰り返されるものなのかな。
そうなれば大事件だけど……
お城の一画を一人で歩いて行き、デュゲ先生の執務室に入ると、資料整理を手伝うレアンドルの姿もあった。
「こんにちは、デュゲ先生。レアンドルさん。今日もよろしくお願いします」
「待っていたよ、エリアナ。さぁ、私の憂を解消してくれ」
憂と言うのは、散らかっている机の上のことだ。
魔法の訓練というからには、何か心身共に鍛えられるようなことをするのかと思ったけど、そんなことはなかった。
まず最初にデュゲ先生の机の上の整理をすることから始めて、それが終わってからが魔法についての講義の時間となる。
ここに通い始めた最初の頃に、宮廷魔法士については教えてもらった。
王侯貴族によって創設されている騎士団とは違い、団長という存在はいないらしい。
代わりに十の階級が存在していて、それが第一位から第十位までとなると。
デュゲ先生は第一位、レアンドルは第四位、魔法士になりたての私は第十位ということになる。
団長はいないと言っても、必然的に一人しかいない第一位のデュゲ先生が責任者のような立場となるようだけど。
デュゲ先生と、一部の貴族出身の魔法使いは、城の一画に割り当てられた部屋を自由に使えるそうだ。
さすがに宮廷魔法士といっても、誰でも城を自由に出入りできるわけではないとのこと。
私がソファーに座ると、部屋の中をウロウロしていた先生が喋りだす。
「感じる。感じるよ。君の中の焦りを」
「焦りというほどではないですが、ちっとも自分で魔法をどうにかできそうにないなぁって思っています」
ここ数日で、魔法関係の成長はまったく見られない。
数日なのだから、当たり前と言えばそうなのだけど。
「魔法なんていうものはね、魔力を宿した本人がその気になれば、如何様にも扱えるというわけだよ。だからね、エリアナ。君の今の現在進行中のやり直しの旅が、自然と君の力になっていくわけでだ」
「デュゲ先生、だんだんと教えるのが面倒になったから、そんな適当なことを仰っているのではないですか?」
だからどうすればいいのか、具体的な方法がわからない。
あれだけ導いてあげると大口叩いて、教え方が雑すぎる。
「失敬な。私の話を疑わしく思うのなら、歴代の魔法使いが残した手記でも読むといい」
そう言って、デュゲ先生は私の目の前に数冊の本を重ねると、鼻歌を歌いながら部屋から出ていった。
あ、逃げた。
と思ったのは、すでに姿が見えなくなってからだった。
「レアンドルさんは、休暇中はずっと城で過ごすの?」
仕方がないから、執務室の端っこで姿勢良く座って静かに読書中だったレアンドルに声をかけた。
先日、名前で呼んでもいいのか確認したところ、お好きなようにと素っ気ない言葉が返ってきた。
「そのつもりです。僕は家には帰れませんので、城にいなければ、寮に戻っています」
ルーファスと同じなんだと思っても、その理由は聞きにくかった。
魔法士が寝泊まりできる部屋は一階にあるようだけど、まだ見たことはない。
「何か、僕に御用ですか?魔法の指導は経験がありませんので、デュゲにお任せした方がいいですよ」
「ううん。ちょっと聞いてみただけで、あ、レアンドルさんも寮生活なんだ」
「はい。貴女の兄君とも、何度か顔を合わせたことがあります」
「そうなんだ」
「エリアナ!君もここを家と思って自由に寝泊まりするといい!自分の身の回りのことを自分でできるのならばね」
「ひっ」
執務室から続くバルコニーの方から突然デュゲ先生の声が聞こえて、驚いたはずみで椅子に座るお尻が少しだけ浮き上がった。
どこから戻ってきたのか。
この部屋は二階にあって、ついさっき正面のドアから出て行ったばかりなのに。
ふふっと、デュゲ先生が意地の悪い笑みを浮かべながら、大股で室内に入ってきた。
「一つ忘れていたことがあった。エリアナ、君に重要な任務を与える。頼まれてくれるかい?」
「はい」
いったい、何を頼まれるのだろうと思っていると、
「では、このメモ紙を持って街に行ってくれ」
「街に、ですか」
書き付けされた小さなメモ紙を渡された。
内容を読むと、生活雑貨的なものが書かれてあった。
「地図を渡そう。ちゃんと、この道順通りに行かないと、辿り着かないよ」
デュゲ先生からの頼まれごとは、いわゆるおつかいのようだった。
お店に注文していたものを受け取ってきて欲しいとのこと。
おつかいは初めてのことだけど、デュゲ先生に一人でできるかい?とからかい半分に言われたことは頭にくる。
「行ってきます!」
ちょっとムキになって部屋を出ると、
「任せたよ」
そんな声に見送られていた。
地図を見ながら徒歩で移動すると、目的のお店は迷わず見つけることができた。
お城を出てから、歩いて二十分ほどの場所にあった雑貨屋では、デュゲ先生の名前を出すなりすぐに品物を用意してくれた。
全部揃っているか確認して、それを入れた袋を持って店を出る。
たったこれだけのことだ。
でも、おつかいだけでなく、こんな風に護衛もつけずに外を歩くのも初めてのことだった。
なんだか心細い。
今までは、外出する時はいつもアレックスが一緒だった。
そう言えば、おばあ様の保護下で寮生活を送ることになれば、もうアレックスと会う機会はほとんど無くなる。
ちゃんと挨拶しておけばよかったなって思ったところで、なんだか通りが騒々しいことに気付いた。
「いたか?」
「いや。こっちに逃げて来たはずなのに」
「子供の足だ。まだ遠くには行っていないはずだ」
すぐそばを兵士達が通り過ぎていくのを見送っていると、なんとなく視線を向けた路地奥に、血が点々と落ちているのをみつけてしまった。
よしなさいと、自分の心の声が訴えている。
だからよせばいいのに、そっちが気になって歩いていくと、薄暗い路地の行き止まりで、積み重なった木箱の影から足先がはみ出ているのが見えた。
体は隠れて見えないけど、うつ伏せに倒れているようだ。
ピクリとも動いていない。
そして、足の大きさ的に、私と同じくらいか小さく見えるから、明らかに子供のものだった。
何かを判断する間も無く、背後から複数の足音が聞こえてきて、咄嗟にその子の足先を、木箱の向こうに蹴り込んだ。
令嬢にあるまじき行為であり、少々乱暴でもある。
「そこにいる者!動くな!」
鋭い声が浴びせられ振り向くと、警備兵らしき男達数人が、剣と槍を私に向けていた。
「待て。宮廷魔法士か?」
その中の一人が、仲間を制して私に尋ねてきた。
なんとなく、ここで弱気になってはダメだと背筋を伸ばした。
「ええ、そうよ。怪しげな人影が見えたから、追ってきたの。でも、屋根を飛び越えて、あっちに行ったわ。私はこれ以上追うことはできないから、あなた方に任せてもいい?」
視線が下に向かないように、大げさな動作で屋根の上を指差すことを忘れなかった。
「承知した。情報提供に感謝します。行くぞ」
私のその言葉を信じた兵士達は、バタバタと走っていき、すぐにその姿は見えなくなっていた。
宮廷魔法士のローブを着ているだけでこんなにも信用してもらえるんだって、初めて実感したものだった。
もうすぐ長期休暇。
以前は友人の別荘地に遊びに行ったりなんかしていたけど、今回は寮で過ごしながらデュゲ先生のもとで魔法の勉強をする毎日になると思う。
それを特に苦痛には感じなかった。
魔法を学ぶことはやり甲斐があるとか、楽しいとかってわけじゃないけど、少しでも何か意味のあることに近付いているんだと思えば、一生懸命にはなった。
だから、遊んでいる場合じゃないって気持ちになるのかな。
そう言えば、ふと思い出したことがあるけど、長期休暇中にどこかの牢獄が大規模な爆発に巻き込まれたなんて事件があったような。
それが起きたのは王都のどこかで、でもその時は友人の別荘で事件のことを知ったからあまり気にしていなかった。
同じ出来事が繰り返されるものなのかな。
そうなれば大事件だけど……
お城の一画を一人で歩いて行き、デュゲ先生の執務室に入ると、資料整理を手伝うレアンドルの姿もあった。
「こんにちは、デュゲ先生。レアンドルさん。今日もよろしくお願いします」
「待っていたよ、エリアナ。さぁ、私の憂を解消してくれ」
憂と言うのは、散らかっている机の上のことだ。
魔法の訓練というからには、何か心身共に鍛えられるようなことをするのかと思ったけど、そんなことはなかった。
まず最初にデュゲ先生の机の上の整理をすることから始めて、それが終わってからが魔法についての講義の時間となる。
ここに通い始めた最初の頃に、宮廷魔法士については教えてもらった。
王侯貴族によって創設されている騎士団とは違い、団長という存在はいないらしい。
代わりに十の階級が存在していて、それが第一位から第十位までとなると。
デュゲ先生は第一位、レアンドルは第四位、魔法士になりたての私は第十位ということになる。
団長はいないと言っても、必然的に一人しかいない第一位のデュゲ先生が責任者のような立場となるようだけど。
デュゲ先生と、一部の貴族出身の魔法使いは、城の一画に割り当てられた部屋を自由に使えるそうだ。
さすがに宮廷魔法士といっても、誰でも城を自由に出入りできるわけではないとのこと。
私がソファーに座ると、部屋の中をウロウロしていた先生が喋りだす。
「感じる。感じるよ。君の中の焦りを」
「焦りというほどではないですが、ちっとも自分で魔法をどうにかできそうにないなぁって思っています」
ここ数日で、魔法関係の成長はまったく見られない。
数日なのだから、当たり前と言えばそうなのだけど。
「魔法なんていうものはね、魔力を宿した本人がその気になれば、如何様にも扱えるというわけだよ。だからね、エリアナ。君の今の現在進行中のやり直しの旅が、自然と君の力になっていくわけでだ」
「デュゲ先生、だんだんと教えるのが面倒になったから、そんな適当なことを仰っているのではないですか?」
だからどうすればいいのか、具体的な方法がわからない。
あれだけ導いてあげると大口叩いて、教え方が雑すぎる。
「失敬な。私の話を疑わしく思うのなら、歴代の魔法使いが残した手記でも読むといい」
そう言って、デュゲ先生は私の目の前に数冊の本を重ねると、鼻歌を歌いながら部屋から出ていった。
あ、逃げた。
と思ったのは、すでに姿が見えなくなってからだった。
「レアンドルさんは、休暇中はずっと城で過ごすの?」
仕方がないから、執務室の端っこで姿勢良く座って静かに読書中だったレアンドルに声をかけた。
先日、名前で呼んでもいいのか確認したところ、お好きなようにと素っ気ない言葉が返ってきた。
「そのつもりです。僕は家には帰れませんので、城にいなければ、寮に戻っています」
ルーファスと同じなんだと思っても、その理由は聞きにくかった。
魔法士が寝泊まりできる部屋は一階にあるようだけど、まだ見たことはない。
「何か、僕に御用ですか?魔法の指導は経験がありませんので、デュゲにお任せした方がいいですよ」
「ううん。ちょっと聞いてみただけで、あ、レアンドルさんも寮生活なんだ」
「はい。貴女の兄君とも、何度か顔を合わせたことがあります」
「そうなんだ」
「エリアナ!君もここを家と思って自由に寝泊まりするといい!自分の身の回りのことを自分でできるのならばね」
「ひっ」
執務室から続くバルコニーの方から突然デュゲ先生の声が聞こえて、驚いたはずみで椅子に座るお尻が少しだけ浮き上がった。
どこから戻ってきたのか。
この部屋は二階にあって、ついさっき正面のドアから出て行ったばかりなのに。
ふふっと、デュゲ先生が意地の悪い笑みを浮かべながら、大股で室内に入ってきた。
「一つ忘れていたことがあった。エリアナ、君に重要な任務を与える。頼まれてくれるかい?」
「はい」
いったい、何を頼まれるのだろうと思っていると、
「では、このメモ紙を持って街に行ってくれ」
「街に、ですか」
書き付けされた小さなメモ紙を渡された。
内容を読むと、生活雑貨的なものが書かれてあった。
「地図を渡そう。ちゃんと、この道順通りに行かないと、辿り着かないよ」
デュゲ先生からの頼まれごとは、いわゆるおつかいのようだった。
お店に注文していたものを受け取ってきて欲しいとのこと。
おつかいは初めてのことだけど、デュゲ先生に一人でできるかい?とからかい半分に言われたことは頭にくる。
「行ってきます!」
ちょっとムキになって部屋を出ると、
「任せたよ」
そんな声に見送られていた。
地図を見ながら徒歩で移動すると、目的のお店は迷わず見つけることができた。
お城を出てから、歩いて二十分ほどの場所にあった雑貨屋では、デュゲ先生の名前を出すなりすぐに品物を用意してくれた。
全部揃っているか確認して、それを入れた袋を持って店を出る。
たったこれだけのことだ。
でも、おつかいだけでなく、こんな風に護衛もつけずに外を歩くのも初めてのことだった。
なんだか心細い。
今までは、外出する時はいつもアレックスが一緒だった。
そう言えば、おばあ様の保護下で寮生活を送ることになれば、もうアレックスと会う機会はほとんど無くなる。
ちゃんと挨拶しておけばよかったなって思ったところで、なんだか通りが騒々しいことに気付いた。
「いたか?」
「いや。こっちに逃げて来たはずなのに」
「子供の足だ。まだ遠くには行っていないはずだ」
すぐそばを兵士達が通り過ぎていくのを見送っていると、なんとなく視線を向けた路地奥に、血が点々と落ちているのをみつけてしまった。
よしなさいと、自分の心の声が訴えている。
だからよせばいいのに、そっちが気になって歩いていくと、薄暗い路地の行き止まりで、積み重なった木箱の影から足先がはみ出ているのが見えた。
体は隠れて見えないけど、うつ伏せに倒れているようだ。
ピクリとも動いていない。
そして、足の大きさ的に、私と同じくらいか小さく見えるから、明らかに子供のものだった。
何かを判断する間も無く、背後から複数の足音が聞こえてきて、咄嗟にその子の足先を、木箱の向こうに蹴り込んだ。
令嬢にあるまじき行為であり、少々乱暴でもある。
「そこにいる者!動くな!」
鋭い声が浴びせられ振り向くと、警備兵らしき男達数人が、剣と槍を私に向けていた。
「待て。宮廷魔法士か?」
その中の一人が、仲間を制して私に尋ねてきた。
なんとなく、ここで弱気になってはダメだと背筋を伸ばした。
「ええ、そうよ。怪しげな人影が見えたから、追ってきたの。でも、屋根を飛び越えて、あっちに行ったわ。私はこれ以上追うことはできないから、あなた方に任せてもいい?」
視線が下に向かないように、大げさな動作で屋根の上を指差すことを忘れなかった。
「承知した。情報提供に感謝します。行くぞ」
私のその言葉を信じた兵士達は、バタバタと走っていき、すぐにその姿は見えなくなっていた。
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