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13 花束のような
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あとどれくらいこの道を通えるのかと、そんなことを思いながらその日もいつもの道を歩いていった。
孤児院の門をくぐると、軽快な足音を鳴らして近付いてくる子供がいた。
「お嬢様!兄ちゃんから預かったものがあるんだ!」
セオが待ちわびていたといった様子で駆け寄ってきた。
私だけを連れて行きたいとせがんだから、ジャンナには別の部屋で待っててもらってセオと移動した。
早く早くと手を引かれていく。
余程私に見せたい物のようだ。
「こっち。こっちで開けて。誰もいないから」
案内された空き部屋には誰もいなくて、部屋の真ん中の作業台の上に箱が置かれていた。
「兄ちゃんが、お嬢様に贈り物だって」
ランドンさんからの、贈り物?
どうしてと、頭の中に疑問符がたくさん浮かんでいた。
「開けてみてよ!」
セオに見守られる中、シンプルな底の浅い長方形の箱に手を乗せて、フタを開けた。
花束が入っているのかと錯覚した。
グレーの生地のストールに、たくさんのバラの刺繍が施されていたのだ。
生花の花束のようなバラの刺繍で、見れば見るほど素晴らしくて、言葉を失っていた。
製作者の想いが溢れているように感じられて、声が聞こえてきそうなほどだった。
バラに使われている刺繍糸は、濃淡で使い分けていても、基本は私の髪の色と同じだ。
淡く、薄い色合いのピンクの花が敷き詰められている。
これをどうして私に贈ってくれたのか。
「うわっ、すげー……兄ちゃんの力作で大作だ。姉ちゃんにとてつもなく似合ってる。まさに姉ちゃんのイメージだ。可愛い!可愛い!すげー可愛い!あ、やべっ。思わず姉ちゃんって」
男の子に可愛いと言われる成人もどうかと思うけど、ランドンさんから見た私のイメージがこんな感じなんだろうか。
可愛らしいものが似合うイメージなんだろうか。
「とても素敵……」
「うん!」
「セオは私のことを、姉ちゃんって、いつも思っていたの?」
「心の中で……気をつけるよ!」
「嬉しいけど、二人の時だけだよ」
「うん。ちゃんと時と場合と相手を考えているよ。そこは安心して」
セオと話していても、視線はストールから外せずにいた。
それを手に取って、自分の肩からかけてギュッと抱きしめる。
会って、また言葉を交わしたい。
それは、自然と胸の内から湧き出た思いで、また会いたいと願う自分に驚いていた。
彼は、私があの時言った通りに、職人としての技術を貴族である私に示して、自分の実力を伝えたかっただけなのに。
ランドンさんは平民で。
そして私は、ローハン閣下の婚約者だ。
ランドンさんが孤児となった理由は、おそらくマヤと同じ。
「お嬢様、俺、兄ちゃんに手紙書くから、お嬢様の分も一緒に送ろうか?そうゆうの、何か、お貴族様は色々とメンドーなんだろ?」
「貴方の言う通り。私がランドンに手紙を書くことはできないの。代わりにセオがお礼を伝えてくれる?」
「わかった」
セオが真剣な顔で、ジッと私の顔を見上げてくる。
「泣くほどに喜んでいたって、ちゃんと書くから」
セオに言葉にされて、苦しかった。
自分は何で泣いているのか。
ストールが濡れないように箱にしまう。
涙を拭っても、手に持ったそれはまたランドンさんのハンカチで。
「姉ちゃん……」
セオが慰めるように私の手をギュッと握る。
「戻ろうか。ジャンナを待たせているから」
「うん……」
また、セオに手を引かれて部屋を出る。
目を少し赤くし、中身のわからない箱を持って戻った私に、ジャンナは何も聞かない。
「目を冷やしましょう。子供達が心配しますよ」
ただただ、私をいたわってくれて。
一日が終わって自分の部屋に帰ると、ストールの入った箱は、引き出しの中にしまった。
最後にしっかりと鍵をかけて。
お父様から手紙が届いたのはこの翌日のことだった。
領地は気候が穏やかで恵まれた土地だから、王都周辺の不作による影響を肌で感じることはできない。
不穏な情勢下で、王都で閣下を支えるようにと、お父様から指示を受けた。
どうやら異変は王城でも起きているようで、王の寝室では、初めてアルテュールとマヤの二人が言い争う声が聞こえたとか。
見慣れない異国の商人が城を出入りしているとも聞いた。
王都ではあちこちで不安を煽り、民を扇動するような言動が目撃されているとも。
王国の未来はどうなっていくのか。
良くない気配をヒシヒシと感じて、半分は自分のせいなのだと自らを責める思いがあった。
準備は数日で終わり、王都へと出立する日。
お母様の表情は晴れず、尋ねなければその理由がわからなかった。
「貴女がまた傷つかないか心配なの。あの人は、貴女を不安がある場所に呼び寄せて」
「でも……お父様の指示がなければ、私はずっとズルズルと領地で過ごすことを選択し続けていたので……」
お母様はもう、それ以上は何も仰らない。
行かなければならないのに、行きたくないとほんの少しだけ思うのは、会うわけにはいかないのに会いたいと思う人がいるからだろうか。
それを思う自分が酷く不誠実なことをしているようで、自己嫌悪に陥る。
沈んだ気持ちで、荷物が乗せられていくのを眺めて、最後に自分が馬車に乗り込めばいよいよ出発だ。
そんな時、タタっと走って来る足音が聞こえた。
「お嬢様!」
「セオ」
息を切らせたセオが、飛び込むように私のところまでやって来た。
「俺もついて行ったらダメ?俺、なんでもするよ。小間使いでも下働きでも」
縋るようなセオの言葉に、一人で泣いていた姿を思い出せば追い返すことなどできるはずもなく、
「一緒に行きましょう。ただし、あなたは勉強をちゃんとするの。それが約束よ」
「やったー!ありがとう!お嬢様!」
笑顔を弾けさせるセオに、救われる思いなのは私の方だった。
お母様は私の願いを叶えてくれた。
セオの同行を許してくれた。
孤児院への連絡を済ますと、セオが同じ馬車に乗ることもお母様は許してくれて、だから、馬車の中でたくさんお喋りをしてくれるセオの存在が有難くて、色んなことを悩む時間がなかった。
ただ、セオの話にたびたび登場するランドンさんのことを聞くと、胸がギュッとなるのを表情に出ないようにしなければならなくて、そんな私の変化を見て見ぬふりをしてくれているのではないかと、窓辺に映るお母様の横顔を見て思っていた。
数日の馬車旅を終えた終着点で、寂しげな風景を目にすることになった。
通りを行く人が少ないように思えた。
空もどんよりと曇っていて。
王都にある公爵家のタウンハウスに到着し、馬車から降りると、冷たい風が吹き抜けていった。
空気が乾燥している。
冬はもうすぐそこだ。
でも、それだけじゃなくて、久しぶりの王都になんだか違和感を覚えた。
「王都ってこんなに臭いもんなんだな」
私に続いて馬車から降りたセオの言葉に意識を向けると、風にのって漂ってくるわずかな匂いがあった。
違和感の原因はこれだ。
慣れてしまえば気にならなくなるほど、わずかな。
だからか、誰も気にしていないのかもしれない。
「孤児院でさ、残った古い油をひっくり返してしまった時の匂いにそっくりだ」
「油……」
これが油の匂いだとして、同じ異臭を放つ、もっと別の種類のものを想起させられた。
一度気になると、それを放置することができない。
無駄な事に人を割いてしまうかもしれないと思いながらも、お母様にお願いして、私達を護衛してきた人と屋敷にいた人の大部分を調査に向かわせた。
公爵家の名前を出しても構わないから、匂いの元を調べるようにと。
胸騒ぎがする。
ローハン閣下は大丈夫なのか。
それに、王都で働いているあの人は……
多くの人員が街の中へと散らばって行くのを見守っていた。
人がバタバタと門の向こうへ消えて行く中で、一人だけ流れに逆らって敷地内に入ってくる人物がいた。
私達の到着の知らせを聞いたのか、ローハン閣下の使いだと名乗る人で、緊迫した声でそれを告げた。
「夫人、お嬢様、急いで屋敷にお入りください。城前に民が集まっており、暴徒化の恐れがあるそうです」
何が起きるのかと、祈るように胸の前で手を握りしめていた。
孤児院の門をくぐると、軽快な足音を鳴らして近付いてくる子供がいた。
「お嬢様!兄ちゃんから預かったものがあるんだ!」
セオが待ちわびていたといった様子で駆け寄ってきた。
私だけを連れて行きたいとせがんだから、ジャンナには別の部屋で待っててもらってセオと移動した。
早く早くと手を引かれていく。
余程私に見せたい物のようだ。
「こっち。こっちで開けて。誰もいないから」
案内された空き部屋には誰もいなくて、部屋の真ん中の作業台の上に箱が置かれていた。
「兄ちゃんが、お嬢様に贈り物だって」
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どうしてと、頭の中に疑問符がたくさん浮かんでいた。
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セオに見守られる中、シンプルな底の浅い長方形の箱に手を乗せて、フタを開けた。
花束が入っているのかと錯覚した。
グレーの生地のストールに、たくさんのバラの刺繍が施されていたのだ。
生花の花束のようなバラの刺繍で、見れば見るほど素晴らしくて、言葉を失っていた。
製作者の想いが溢れているように感じられて、声が聞こえてきそうなほどだった。
バラに使われている刺繍糸は、濃淡で使い分けていても、基本は私の髪の色と同じだ。
淡く、薄い色合いのピンクの花が敷き詰められている。
これをどうして私に贈ってくれたのか。
「うわっ、すげー……兄ちゃんの力作で大作だ。姉ちゃんにとてつもなく似合ってる。まさに姉ちゃんのイメージだ。可愛い!可愛い!すげー可愛い!あ、やべっ。思わず姉ちゃんって」
男の子に可愛いと言われる成人もどうかと思うけど、ランドンさんから見た私のイメージがこんな感じなんだろうか。
可愛らしいものが似合うイメージなんだろうか。
「とても素敵……」
「うん!」
「セオは私のことを、姉ちゃんって、いつも思っていたの?」
「心の中で……気をつけるよ!」
「嬉しいけど、二人の時だけだよ」
「うん。ちゃんと時と場合と相手を考えているよ。そこは安心して」
セオと話していても、視線はストールから外せずにいた。
それを手に取って、自分の肩からかけてギュッと抱きしめる。
会って、また言葉を交わしたい。
それは、自然と胸の内から湧き出た思いで、また会いたいと願う自分に驚いていた。
彼は、私があの時言った通りに、職人としての技術を貴族である私に示して、自分の実力を伝えたかっただけなのに。
ランドンさんは平民で。
そして私は、ローハン閣下の婚約者だ。
ランドンさんが孤児となった理由は、おそらくマヤと同じ。
「お嬢様、俺、兄ちゃんに手紙書くから、お嬢様の分も一緒に送ろうか?そうゆうの、何か、お貴族様は色々とメンドーなんだろ?」
「貴方の言う通り。私がランドンに手紙を書くことはできないの。代わりにセオがお礼を伝えてくれる?」
「わかった」
セオが真剣な顔で、ジッと私の顔を見上げてくる。
「泣くほどに喜んでいたって、ちゃんと書くから」
セオに言葉にされて、苦しかった。
自分は何で泣いているのか。
ストールが濡れないように箱にしまう。
涙を拭っても、手に持ったそれはまたランドンさんのハンカチで。
「姉ちゃん……」
セオが慰めるように私の手をギュッと握る。
「戻ろうか。ジャンナを待たせているから」
「うん……」
また、セオに手を引かれて部屋を出る。
目を少し赤くし、中身のわからない箱を持って戻った私に、ジャンナは何も聞かない。
「目を冷やしましょう。子供達が心配しますよ」
ただただ、私をいたわってくれて。
一日が終わって自分の部屋に帰ると、ストールの入った箱は、引き出しの中にしまった。
最後にしっかりと鍵をかけて。
お父様から手紙が届いたのはこの翌日のことだった。
領地は気候が穏やかで恵まれた土地だから、王都周辺の不作による影響を肌で感じることはできない。
不穏な情勢下で、王都で閣下を支えるようにと、お父様から指示を受けた。
どうやら異変は王城でも起きているようで、王の寝室では、初めてアルテュールとマヤの二人が言い争う声が聞こえたとか。
見慣れない異国の商人が城を出入りしているとも聞いた。
王都ではあちこちで不安を煽り、民を扇動するような言動が目撃されているとも。
王国の未来はどうなっていくのか。
良くない気配をヒシヒシと感じて、半分は自分のせいなのだと自らを責める思いがあった。
準備は数日で終わり、王都へと出立する日。
お母様の表情は晴れず、尋ねなければその理由がわからなかった。
「貴女がまた傷つかないか心配なの。あの人は、貴女を不安がある場所に呼び寄せて」
「でも……お父様の指示がなければ、私はずっとズルズルと領地で過ごすことを選択し続けていたので……」
お母様はもう、それ以上は何も仰らない。
行かなければならないのに、行きたくないとほんの少しだけ思うのは、会うわけにはいかないのに会いたいと思う人がいるからだろうか。
それを思う自分が酷く不誠実なことをしているようで、自己嫌悪に陥る。
沈んだ気持ちで、荷物が乗せられていくのを眺めて、最後に自分が馬車に乗り込めばいよいよ出発だ。
そんな時、タタっと走って来る足音が聞こえた。
「お嬢様!」
「セオ」
息を切らせたセオが、飛び込むように私のところまでやって来た。
「俺もついて行ったらダメ?俺、なんでもするよ。小間使いでも下働きでも」
縋るようなセオの言葉に、一人で泣いていた姿を思い出せば追い返すことなどできるはずもなく、
「一緒に行きましょう。ただし、あなたは勉強をちゃんとするの。それが約束よ」
「やったー!ありがとう!お嬢様!」
笑顔を弾けさせるセオに、救われる思いなのは私の方だった。
お母様は私の願いを叶えてくれた。
セオの同行を許してくれた。
孤児院への連絡を済ますと、セオが同じ馬車に乗ることもお母様は許してくれて、だから、馬車の中でたくさんお喋りをしてくれるセオの存在が有難くて、色んなことを悩む時間がなかった。
ただ、セオの話にたびたび登場するランドンさんのことを聞くと、胸がギュッとなるのを表情に出ないようにしなければならなくて、そんな私の変化を見て見ぬふりをしてくれているのではないかと、窓辺に映るお母様の横顔を見て思っていた。
数日の馬車旅を終えた終着点で、寂しげな風景を目にすることになった。
通りを行く人が少ないように思えた。
空もどんよりと曇っていて。
王都にある公爵家のタウンハウスに到着し、馬車から降りると、冷たい風が吹き抜けていった。
空気が乾燥している。
冬はもうすぐそこだ。
でも、それだけじゃなくて、久しぶりの王都になんだか違和感を覚えた。
「王都ってこんなに臭いもんなんだな」
私に続いて馬車から降りたセオの言葉に意識を向けると、風にのって漂ってくるわずかな匂いがあった。
違和感の原因はこれだ。
慣れてしまえば気にならなくなるほど、わずかな。
だからか、誰も気にしていないのかもしれない。
「孤児院でさ、残った古い油をひっくり返してしまった時の匂いにそっくりだ」
「油……」
これが油の匂いだとして、同じ異臭を放つ、もっと別の種類のものを想起させられた。
一度気になると、それを放置することができない。
無駄な事に人を割いてしまうかもしれないと思いながらも、お母様にお願いして、私達を護衛してきた人と屋敷にいた人の大部分を調査に向かわせた。
公爵家の名前を出しても構わないから、匂いの元を調べるようにと。
胸騒ぎがする。
ローハン閣下は大丈夫なのか。
それに、王都で働いているあの人は……
多くの人員が街の中へと散らばって行くのを見守っていた。
人がバタバタと門の向こうへ消えて行く中で、一人だけ流れに逆らって敷地内に入ってくる人物がいた。
私達の到着の知らせを聞いたのか、ローハン閣下の使いだと名乗る人で、緊迫した声でそれを告げた。
「夫人、お嬢様、急いで屋敷にお入りください。城前に民が集まっており、暴徒化の恐れがあるそうです」
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