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7 アルテュール①
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晴れて自由の身となった。
国王の俺があんな女に縛り付けられなければならなかったのは、痛恨の極みだ。
あの女と離婚が成立しておよそ三ヶ月。
優先処理されるべきとして一番上に置かれた書類を見て、顔を上げた。
これを届けに来た者の顔を見て思わず尋ねてしまうのは、自然な事だった。
「叔父貴が結婚だと?相手は誰だ」
「公国貴族の御令嬢のようです。名前は、ヴァレンティーナ・シーモア」
ヴァレンティーナ?
離婚したあの女の顔が浮かんだが、まぁ、珍しい名前でもないだろう。
珍しい名前ではないよな……?
いやいや、まさかあの女が叔父貴と再婚するわけでもあるまい。
相手は公国の貴族でもあるのだし、初婚の叔父貴がお下がりの女など欲しがるはずもない。
俺の両親、前国王夫妻はすでに他界しているが、俺にはまだ叔父が一人残っていた。
兄である前国王とは母親が異なるため随分と歳が離れており、俺とは7歳しか離れていない。
今まで浮いた話の一つもなく、独身を貫くものと思っていたが……
「あの女は今、どうしてる?」
「修道院に通い、慎ましやかに生活されているとの報告です。奉仕活動に熱心に参加されていると」
「国内にいるのだな」
では、やはり同名の他人か。
国王の俺に唯一口煩くできる叔父貴が所帯を持つというのなら歓迎だ。
すぐに承諾のサインをしてローハン公爵家に送り届けた。
それにしても……
「最近、やたらと目を通さなければならない報告書が多いな」
「今までは前王妃様が担っていたものも、こちらに運ばれているようです」
新たに採用された補佐官の言葉に、思わず舌打ちをした。
こんな事でしか役に立たなかったのだから、もう少しあの女を使ってやってもよかったな。
俺達の離婚が成立した直後に、前任の補佐官は辞めていった。
この新しい補佐官はマヤの兄が推薦してくれた者で信用はできるが、着任したばかりのせいか、イマイチ要領を得ない部分もある。
まぁ、もうしばらくすれば慣れるだろう。
早く仕事を終わらせて、マヤの元へ行くつもりだった。
だが、俺の激務はしばらく続いていた。
それだけでなく、
「陛下。公爵家より、持参金の返済を求められています」
「持参金?何の事だ?」
どれだけ処理しても減らない書類の山にここ数日イライラさせられていると、追い打ちをかけるように、訳の分からない事を補佐官から告げられた。
「前王妃殿下が嫁ぐにあたって、ドレッド公爵家からはヴァレンティーナ様の持参金も含めて多くの援助がなされていました。ですが、多くがヴァレンティーナ様に使われずにマヤ様に使われていたからと」
「何だ、そんな事か。そんなものは無視しろ」
「しかし、宜しいのですか?全額の返済は無理でも、何らかの誠意は示した方が……」
新任補佐官は、生意気にも俺の言葉に不満がある様子だ。
訝しむように俺を見ている。
王に対してその態度は不敬だろ。
俺でなければその首は刎ねられていたはずだ。
「家臣が王に尽くすのは当たり前の事だ。ほんの少しでも出来損ないの娘を王妃にしてやったんだ。たかだか持参金ごときで騒ぎ立てて、感謝されるのは俺の方なのに」
つまらない事をこれ以上言うなと、手元の事に集中する。
机の上には最近マヤが購入した品物の一覧表も置かれているが、レザー製品をいくつか買った様子がある以外は、いつもと変わらないものだ。
その中の一つはファー付きのレザーコートで、寒くなってきたから毛皮も必要だったのだろう。
マヤが身に付けるものは特に注目されている。
新聞に書かれる事をいちいち気にしてはいられないし、むしろマヤがいつまでも輝けるように、予算をもっと増やさなければならない。
王妃であったヴァレンティーナの分を遠慮なくマヤに使い、それから、俺達の結婚式の準備も大急ぎでする必要がある。
やっと、誰にも邪魔されずに俺たちが一緒になれる日が訪れるんだ。
式は盛大なものにしたいと思っていた。
そのためには、もどかしくともやはりそれなりの時間は必要だった。
俺がマヤと会えたのは、この後、夕方近くになってからだった。
「マヤ!」
やっと仕事に一区切りがつき、マヤに会いに行くと、満面の笑みで俺を出迎えてくれた。
「アルテュール、会いたかったわ!」
マヤは白いレザーコートを着ており、襟は短い長さのファーで暖かそうだ。
「どう?これ、新しく買ったの」
俺の前でクルッと回って見せた姿は可愛らしく思えた。
「よく似合っているよ。それは白狼かな?」
「さぁ?そうなのかしら?」
マヤの笑顔を見ると、心が洗われるようだ。
昔から変わらない笑顔。
マヤとは、幼なじみと呼べる関係だった。
少年時代に、こっそりと一人で町に行った俺が出会ったのがマヤだった。
当時、裕福な商家の娘だったマヤは病弱で、なかなか友人ができずに寂しく過ごす事が多かった。
そんなマヤが家の庭で花を摘んでいる時に、俺から声をかけた。
彼女は質素な服を着ていたが、黄金の髪に碧色の瞳は誰よりも綺麗で目を見張った。
何度かマヤに会うために通い、その時間はとても大切なものだった。
だが、あの女が俺の婚約者となったせいでしばらくマヤに会えず、次に再会したのがパーティーの場でだった。
その時にマヤの実家は商売の功績によって爵位を与えられていた。
貴族の一員となったマヤは病気を克服しており、すっかり元気になって、そして目を見張る美女へと成長していた。
高熱の影響で記憶が曖昧となった部分があったそうだが、俺の事はちゃんと覚えてくれていた。
俺は、男爵令嬢となったマヤと結婚するつもりだった。
下位貴族とは言え、貴族は貴族。
それなのに、あの女に何度結婚をするつもりはないと伝えても、俺を手放そうとはしなかった。
結局、他の貴族からの支持を得る為にはどうしても結婚しなければならなくて……
「今度こそ、必ず君を幸せにするから」
目の前にいるマヤを抱きしめて、その存在を確かめながら誓った事だった。
この日からさらに数日後。
俺とマヤの結婚式に立ち会ってもらいたいと、教会の上級神官に伝えると、予想だにしない返事をもらって俺を驚愕させた。
「マヤを何故王妃にできない。王の妻となるのなら、王妃になるのは当然の事のはずだ」
ヴァレンティーナの実家のドレッド公爵家が反対するのは無視するにしても、神官だけでなく、あろう事かマヤの兄まで反対する始末だ。
マヤの両親はすでに引退して、家督を兄に譲っている。
妹が王妃となるのに喜ぶどころか反対するとは。
「お兄様はきっと、王妃の兄という立場に圧倒されて尻込みしているのね。怒らないであげて」
悠然と微笑むマヤはもっともらしい事を言う。
兄が咎められないように庇っているのだろう。
「大丈夫だ。俺が認めるのだから、誰が何を言おうと俺の妻となるマヤが王妃となるのは自然な事だ」
マヤを安心させるように微笑みかけた。
とにかく婚姻に向けた準備を進める。
本来なら王の婚姻には一年は準備に時間をかけるものだ。
ヴァレンティーナとの時よりも豪華なものにするつもりだったが、マヤの希望もあり、異例の事だがこの日から一ヶ月後に大聖堂で結婚式を挙げる事になった。
当日、祭壇では渋面を隠しもしない上級神官が俺達の前に立つと、最低限の立会人としての義務をこなしていた。
何でもいい。
この式が終われば、俺とマヤは夫婦となれる。
神前式で行われた式は、最後に結婚証明書にサインを入れて終える。
俺がサインし、次はマヤの番だ。
マヤが俺から受け取ったペンを持ちサインをすると、予想だにしなかった事が起こった。
マヤの書いた文字がすぐに赤く染まり、滲んで何も見えなくなっていた。
「何……何よこれ……」
マヤが不安がる声をあげた為、参列者がざわついた。
「きっとインクに問題があったんだ。ギャバン上級神官、すぐに別のものを用意しろ」
俺が命じると、ギャバンはすぐに近くに控えていた者に指示を出して、新しいペンとインクが準備されたが、いくらそれらを変えてもマヤが書く文字は赤く滲んでいた。
俺が書く文字には異変は見られないのに、マヤが書く文字だけが。
『神がこの結婚を認めていないんだ……』
誰かが呟いた事をきっかけに、さざなみのように、ヒソヒソと囁き合う声が広がっていった。
マヤが顔を強ばらせてワナワナと震えている。
「式は中止だ。俺とマヤは城に戻る」
何が起きたのか。
これ以上マヤを衆目に晒すと、よからぬ噂の的にされてしまう。
言葉で言い表せられない不安に駆られて、マヤを抱き寄せ、逃げるように城に戻っていた。
国王の俺があんな女に縛り付けられなければならなかったのは、痛恨の極みだ。
あの女と離婚が成立しておよそ三ヶ月。
優先処理されるべきとして一番上に置かれた書類を見て、顔を上げた。
これを届けに来た者の顔を見て思わず尋ねてしまうのは、自然な事だった。
「叔父貴が結婚だと?相手は誰だ」
「公国貴族の御令嬢のようです。名前は、ヴァレンティーナ・シーモア」
ヴァレンティーナ?
離婚したあの女の顔が浮かんだが、まぁ、珍しい名前でもないだろう。
珍しい名前ではないよな……?
いやいや、まさかあの女が叔父貴と再婚するわけでもあるまい。
相手は公国の貴族でもあるのだし、初婚の叔父貴がお下がりの女など欲しがるはずもない。
俺の両親、前国王夫妻はすでに他界しているが、俺にはまだ叔父が一人残っていた。
兄である前国王とは母親が異なるため随分と歳が離れており、俺とは7歳しか離れていない。
今まで浮いた話の一つもなく、独身を貫くものと思っていたが……
「あの女は今、どうしてる?」
「修道院に通い、慎ましやかに生活されているとの報告です。奉仕活動に熱心に参加されていると」
「国内にいるのだな」
では、やはり同名の他人か。
国王の俺に唯一口煩くできる叔父貴が所帯を持つというのなら歓迎だ。
すぐに承諾のサインをしてローハン公爵家に送り届けた。
それにしても……
「最近、やたらと目を通さなければならない報告書が多いな」
「今までは前王妃様が担っていたものも、こちらに運ばれているようです」
新たに採用された補佐官の言葉に、思わず舌打ちをした。
こんな事でしか役に立たなかったのだから、もう少しあの女を使ってやってもよかったな。
俺達の離婚が成立した直後に、前任の補佐官は辞めていった。
この新しい補佐官はマヤの兄が推薦してくれた者で信用はできるが、着任したばかりのせいか、イマイチ要領を得ない部分もある。
まぁ、もうしばらくすれば慣れるだろう。
早く仕事を終わらせて、マヤの元へ行くつもりだった。
だが、俺の激務はしばらく続いていた。
それだけでなく、
「陛下。公爵家より、持参金の返済を求められています」
「持参金?何の事だ?」
どれだけ処理しても減らない書類の山にここ数日イライラさせられていると、追い打ちをかけるように、訳の分からない事を補佐官から告げられた。
「前王妃殿下が嫁ぐにあたって、ドレッド公爵家からはヴァレンティーナ様の持参金も含めて多くの援助がなされていました。ですが、多くがヴァレンティーナ様に使われずにマヤ様に使われていたからと」
「何だ、そんな事か。そんなものは無視しろ」
「しかし、宜しいのですか?全額の返済は無理でも、何らかの誠意は示した方が……」
新任補佐官は、生意気にも俺の言葉に不満がある様子だ。
訝しむように俺を見ている。
王に対してその態度は不敬だろ。
俺でなければその首は刎ねられていたはずだ。
「家臣が王に尽くすのは当たり前の事だ。ほんの少しでも出来損ないの娘を王妃にしてやったんだ。たかだか持参金ごときで騒ぎ立てて、感謝されるのは俺の方なのに」
つまらない事をこれ以上言うなと、手元の事に集中する。
机の上には最近マヤが購入した品物の一覧表も置かれているが、レザー製品をいくつか買った様子がある以外は、いつもと変わらないものだ。
その中の一つはファー付きのレザーコートで、寒くなってきたから毛皮も必要だったのだろう。
マヤが身に付けるものは特に注目されている。
新聞に書かれる事をいちいち気にしてはいられないし、むしろマヤがいつまでも輝けるように、予算をもっと増やさなければならない。
王妃であったヴァレンティーナの分を遠慮なくマヤに使い、それから、俺達の結婚式の準備も大急ぎでする必要がある。
やっと、誰にも邪魔されずに俺たちが一緒になれる日が訪れるんだ。
式は盛大なものにしたいと思っていた。
そのためには、もどかしくともやはりそれなりの時間は必要だった。
俺がマヤと会えたのは、この後、夕方近くになってからだった。
「マヤ!」
やっと仕事に一区切りがつき、マヤに会いに行くと、満面の笑みで俺を出迎えてくれた。
「アルテュール、会いたかったわ!」
マヤは白いレザーコートを着ており、襟は短い長さのファーで暖かそうだ。
「どう?これ、新しく買ったの」
俺の前でクルッと回って見せた姿は可愛らしく思えた。
「よく似合っているよ。それは白狼かな?」
「さぁ?そうなのかしら?」
マヤの笑顔を見ると、心が洗われるようだ。
昔から変わらない笑顔。
マヤとは、幼なじみと呼べる関係だった。
少年時代に、こっそりと一人で町に行った俺が出会ったのがマヤだった。
当時、裕福な商家の娘だったマヤは病弱で、なかなか友人ができずに寂しく過ごす事が多かった。
そんなマヤが家の庭で花を摘んでいる時に、俺から声をかけた。
彼女は質素な服を着ていたが、黄金の髪に碧色の瞳は誰よりも綺麗で目を見張った。
何度かマヤに会うために通い、その時間はとても大切なものだった。
だが、あの女が俺の婚約者となったせいでしばらくマヤに会えず、次に再会したのがパーティーの場でだった。
その時にマヤの実家は商売の功績によって爵位を与えられていた。
貴族の一員となったマヤは病気を克服しており、すっかり元気になって、そして目を見張る美女へと成長していた。
高熱の影響で記憶が曖昧となった部分があったそうだが、俺の事はちゃんと覚えてくれていた。
俺は、男爵令嬢となったマヤと結婚するつもりだった。
下位貴族とは言え、貴族は貴族。
それなのに、あの女に何度結婚をするつもりはないと伝えても、俺を手放そうとはしなかった。
結局、他の貴族からの支持を得る為にはどうしても結婚しなければならなくて……
「今度こそ、必ず君を幸せにするから」
目の前にいるマヤを抱きしめて、その存在を確かめながら誓った事だった。
この日からさらに数日後。
俺とマヤの結婚式に立ち会ってもらいたいと、教会の上級神官に伝えると、予想だにしない返事をもらって俺を驚愕させた。
「マヤを何故王妃にできない。王の妻となるのなら、王妃になるのは当然の事のはずだ」
ヴァレンティーナの実家のドレッド公爵家が反対するのは無視するにしても、神官だけでなく、あろう事かマヤの兄まで反対する始末だ。
マヤの両親はすでに引退して、家督を兄に譲っている。
妹が王妃となるのに喜ぶどころか反対するとは。
「お兄様はきっと、王妃の兄という立場に圧倒されて尻込みしているのね。怒らないであげて」
悠然と微笑むマヤはもっともらしい事を言う。
兄が咎められないように庇っているのだろう。
「大丈夫だ。俺が認めるのだから、誰が何を言おうと俺の妻となるマヤが王妃となるのは自然な事だ」
マヤを安心させるように微笑みかけた。
とにかく婚姻に向けた準備を進める。
本来なら王の婚姻には一年は準備に時間をかけるものだ。
ヴァレンティーナとの時よりも豪華なものにするつもりだったが、マヤの希望もあり、異例の事だがこの日から一ヶ月後に大聖堂で結婚式を挙げる事になった。
当日、祭壇では渋面を隠しもしない上級神官が俺達の前に立つと、最低限の立会人としての義務をこなしていた。
何でもいい。
この式が終われば、俺とマヤは夫婦となれる。
神前式で行われた式は、最後に結婚証明書にサインを入れて終える。
俺がサインし、次はマヤの番だ。
マヤが俺から受け取ったペンを持ちサインをすると、予想だにしなかった事が起こった。
マヤの書いた文字がすぐに赤く染まり、滲んで何も見えなくなっていた。
「何……何よこれ……」
マヤが不安がる声をあげた為、参列者がざわついた。
「きっとインクに問題があったんだ。ギャバン上級神官、すぐに別のものを用意しろ」
俺が命じると、ギャバンはすぐに近くに控えていた者に指示を出して、新しいペンとインクが準備されたが、いくらそれらを変えてもマヤが書く文字は赤く滲んでいた。
俺が書く文字には異変は見られないのに、マヤが書く文字だけが。
『神がこの結婚を認めていないんだ……』
誰かが呟いた事をきっかけに、さざなみのように、ヒソヒソと囁き合う声が広がっていった。
マヤが顔を強ばらせてワナワナと震えている。
「式は中止だ。俺とマヤは城に戻る」
何が起きたのか。
これ以上マヤを衆目に晒すと、よからぬ噂の的にされてしまう。
言葉で言い表せられない不安に駆られて、マヤを抱き寄せ、逃げるように城に戻っていた。
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